ONE 9.6 デンバー(レポ):スーパーレック、ハガティーを49秒右肘でKOし2階級制覇。手塚裕之、トンガ出身フィティケフに判定負けし連勝5でストップ
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
リバーサルジム久喜WINGS
未経験者でも大丈夫!様々な年代の会員さんがキック・柔術・MMA等を楽しくトレーニング!今なら入会金等無料!
ONE 168: Denver
2024年9月6日(金/現地時間)米国コロラド州デンバー:ボール・アリーナ
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)ONE Championship
スーパーレック、ハガティーを49秒右肘でKOし2階級制覇
第9試合 ONEムエタイ・バンタム級チャンピオンシップ 5分5R
×ジョナサン・ハガティー(バンタム級キック&ムエタイ王者)※2度目の防衛戦
○スーパーレック・ギャットムーカオ[キアトモー9](フライ級キックボクシング王者、同級ムエタイ1位)
1R 0’49” KO (右肘打ち)
※スーパーレックが王者に
ONEは昨年5月にコロラド州ブルームフィールドで初の米国大会を開催し、今回2度目の米国大会を開催した。階級を越えての王座戦が3試合組まれていたが、ONE MMA女子ストロー級王者・ション・ジンナン×アトム級王者・スタンプ・フェアテックス、ONEサブミッショングラップリング・ライト級王者・ケイド・ルオトロ×フライ級王者・マイキー・ムスメシは中止となり、結局このムエタイルールのハガティー×スーパーレックのみ行われた。
ハガティーは23年4月にノンオーを1R KOしムエタイ・バンタム級王座を獲得。今年2月にフェリペ・ロボをKOし初防衛に成功し、今回2度目の防衛戦となる。
スーパーレックは1月の日本大会で武尊に判定勝ち。6月にはゴントーラニーに判定勝ちし、今回は2階級制覇を狙う。
両者はONE参戦以前の18年、ハガティーの地元英国で対戦し、スーパーレックが肘で切り裂きTKO勝ちしていた。
1R、スーパーレックが中央側に立ち、右フック、右肘を振い、ハガティーも右ストレート、ロー、ミドルで応戦する。すると30秒過ぎ、早くもいきなりフィニッシュが訪れる。ハガティーが右フックを振って踏み込むと、スーパーレックがカウンターで右肘打ちをこめかみあたりにクリーンヒット。ハガティーは真後ろに倒れ、カウントが進むと立ちかけたが、8カウントのところで、レフェリーはダメージが大きいと判断しストップした。スーパーレックは涙を流して大喜びした。スーパーレックは5万ドル(約700万円)のボーナスを獲得している。
手塚裕之、連勝5で止まる。トンガ出身フィティケフのパンチとレスリングで消耗し判定負け
第4試合 MMA ウェルター級 5分3R
×手塚裕之(ハイブリッドレスリング山田道場/TGFC/元パンクラス・ウェルター級王者)
○イシ・フィティケフ[Isi Fitikefu](オーストラリア/トンガ)
判定0-3
手塚は34歳。15年にパンクラスでプロデビューし、19年6月に高木健太に勝利しウェルター級暫定王者に(後に正規王者に)。19年10月からONEに上がり、20年10月にムラド・ラマザノフに判定負け。だが以降は5連勝・5連続フィニッシュ勝利中。21年10月にアギラン・ターニに2R TKO勝ち、22年1月にエドソン・マルケスに3R左フックでTKO勝ち、昨年10月にジン・テホに1R腕十字で一本勝ち、今年2月にはアブラーオ・アモリムも1R腕十字で一本勝ち。4月のONE Fight Nightではヴァミール・ダ・シウバに2Rノースサウスチョークで一本勝ちしている。
フィティケフは31歳。ニュージーランド生まれオーストラリア育ちのトンガ人で、ラグビー選手としてのキャリアを経て24歳の時にMMAに転向。プロ戦績9戦8勝(4KO/2一本)1敗。ブラジリアン柔術茶帯。ONEには22年11月に初参戦しルスラン・エミベック・ウフールに判定1-2で敗れたが、23年4月の2戦目ではヴァミール・ダ・シウバに1Rギロチンで一本勝ちしている。試合はそれから1年5カ月ぶりだ。
1R、フィティケフが開始すぐからプレッシャーをかけ、パンチを積極的に振るい、右ストレートを当てる。手塚は少しひるむが、組み付いて倒し、ハーフガードで押さえる。手塚は腕を枕にして肩固めを狙うが、脱出されるのを警戒してか?無理には極めにいかない様子だ。中盤過ぎ、フィティケフが逃げる動きに合わせ、手塚はバックを取るが、すぐにフィティケフは脱出しスタンドに戻す。終盤、フィティケフが時折右ストレート、左ジャブをヒットする。手塚は組むが突き放され、パンチの被弾が続く。ここまでフィティケフがやや優位とジャッジは評価しそうだ。
2R、意外にもフィティケフは自らタックルを仕掛け、手塚を倒す。手塚はすぐ立ち、フィティケフを押し込むと、テイクダウンにはいかず、突き放して右肘を放つが、空振りになってしまう。中盤、手塚は右フックを振うが、直後のフィティケフの右フックが当たり、手塚はひるむ。手塚は組み付いて金網に押し込み、少し休む。フィティケフは突き放し、パンチを振ってきたが、手塚は胴タックルで倒して、ようやくテイクダウンに成功する。フィティケフがブリッジすると、動きに合わせて手塚は押さえに行かず、早くも腕十字を取りに行くが、フィティケフは対処してスタンドに戻す。終盤、フィティケフは右ストレートをヒット。フィティケフはタックルを仕掛けるが、フィティケフも力が入らず、手塚は切る。最後は離れて終わる。標高約1600メートルのデンバーでの試合のため、お互い消耗が激しい恐れもある。ここまでフィティケフ優勢だ。
3R、手塚は開始すぐからタックルを仕掛け、一瞬倒すが、フィティケフはすぐ立ち、フィティケフが倒し返す。金網際でのレスリングで、フィティケフがコントロールを続ける。フィティケフはサイドバックで押さえ少しパウンドを押さえる。手塚は口が開きしんどそうだ。終盤、フィティケフはタックルで明確に倒す展開を繰り返し、攻め続けて終了する。
裁定を待つ間も、フィティケフは立って元気だが、手塚は座り込んだ状態が続く。記者採点はフィティケフ。ジャッジ3者も同様で、フィティケフが判定勝ちし、手塚の連勝を5でストップし、自身は2連勝とした。
デメトリアス・ジョンソンが引退表明。ONE初の殿堂入り
第7試合の前にはONE MMAフライ級王者で元UFC同級王者のデメトリアス・ジョンソンがケージに登場し、MMA引退を表明した。今後はブラジリアン柔術の試合を続けるという。ONEのチャトリ・シットヨートンCEOからは、ONEの初の殿堂入りが発表され、記念のトロフィーが授与された。
第8試合 ムエタイ 140ポンド(63.5kg)契約 3分3R
×リアム・ハリソン
○セクサン・オー・クワンムアン
2R 1’49” KO (右フック)
第7試合 MMA 213.75ポンド(96.96kg)契約 5分3R
×アウンラ・ンサン
○シャミル・エルドアン
2R 2’48” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※両選手計量オーバーでミドル級から変更
第6試合 ムエタイ バンタム級 3分3R
○ジョン・リネカー(MMA 1位)
×エイサー・テン・パウ
2R 2’50” KO
第5試合 MMA 女子アトム級 5分3R
×アリース・アンダーソン
○ビクトリア・ソウザ
判定0-3
第3試合 MMA ライト級 5分3R
○エイドリアン・リー
×ニコ・コルネホ
1R 2’37” 裸絞め
第2試合 ムエタイ 142ポンド(64.41kg)契約 3分3R
○ジョハン・ガザリ
×ホスエ・クルス
1R 3’00” KO
※両選手計量オーバーで140ポンド契約から変更
第1試合 ムエタイ フライ級 3分3R
×ショーン・クリマコ
○ジョハン・エストゥピニャン
2R 1’28” TKO