ジャパンキック 7.28 後楽園ホール(レポ):瀧澤博人、ペットタイランド首相撲に手を焼きリベンジならず。ONEでKO勝ちの睦雅、アグレッシブファイトでケンクーンに判定勝ちしWMOインターナショナル王座獲得
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2024年7月28日(日)後楽園ホール
レポート:井原芳徳 写真提供:ジャパンキックボクシング協会
第11試合 メインイベント3 WMO世界フェザー級王座決定戦 3分5R(インターバル2分)
×瀧澤博人(ビクトリージム/WMOインターナショナル・フェザー級王者、元新日本バンタム級王者)
○ペットタイランド・モーラチャパットスリン(タイ/元WBC&IBFムエタイ世界スーパーフライ級王者、True4Uスーパーフライ級&バンタム級王者)
判定1-2(アラビア48-49/椎名49-48/シーン48-49)
※ペットタイランドが王者に
瀧澤とペットタイランドは昨年11月の後楽園大会で対戦し、ペットタイランドが3R判定勝ちしている。前回はペットタイランドの右ミドルに瀧澤が手を焼いたが、瀧澤は右ローを随所で当てていた。
1R、ペットタイランドが中央、瀧澤が外に立ち、お互いほとんどステップせず、足止めた状態でフェイントをかけ合い、蹴りを出し合う。まだどちらも攻撃が少なく探り合う状態。2Rになると瀧澤が中央に立つ時間が増えるが、両者攻撃が少ない状態は変わらない。記者採点はここまでイーブン。ONEやRWSの全ラウンド原則マスト判定、1Rから攻めるムエタイが席巻する昨今だが、2人は旧来のスタイルを貫く。
勝負は実質3R目から。ペットタイランドが中央で構えて、左ミドルを当てると、瀧澤は蹴り足をつかんで蹴り返したり倒したりして好印象を作る。だが組みの展開になるとペットタイランドが膝を当てて振り回し、やや好印象で終える。記者採点はまだイーブンとしたが三者三様になっても不思議ではない。
4R、首相撲の展開が増え、ペットタイランドがコントロールして膝を的確に当てる。瀧澤も組まれ際に右肘を当てる場面もあるが、攻撃自体少なく、ペットタイランドのムエタイに付き合い過ぎているしまっている感は拭えない。記者採点はペットタイランド。
5R、ペットタイランドはポイントリードを確信したか?あまり組まず、距離を取って瀧澤に入らせず、時折蹴りを当てる程度の逃げ切りモードに。瀧澤も蹴るが大半はブロックされて終わる。記者採点はイーブンだが三者三様の可能性もある。合計49-50でペットタイランド。ジャッジは割れ、日本人1名は瀧澤につけたが、タイ人の2者がペットタイランドを支持し、ペットタイランドが判定勝ちし、瀧澤に対し返り討ちを果たした。
第10試合 メインイベント2 WMOインターナショナル・スーパーライト級王座決定戦 3分5R(インターバル2分)
○睦雅[むが](ビクトリージム/ジャパンキック・ライト級王者)
×ケンクーン・ティンツアームエタイ(タイ/パタヤスタジアム&ムエサイアム・タワンオーク60kg王者)
判定3-0(48-47/49-47/49-47)
※睦雅が王者に
睦雅は5月3日のONE Friday Fightsで2R KO勝ちし、約150万円のボーナスを獲得。8連勝・5連続KO勝ちと勢いに乗る。
1R、ONE帰りの睦雅は瀧澤とは対照的に、開始すぐから前に出て積極的に右ストレート、左ボディ、左右のロー等を当てて先手を取る。記者採点は睦雅。
2Rも睦雅が同様の攻めを繰り広げる。中盤、ケンクーンが首相撲で膝を当てるが、終盤、睦雅は右ローを効かせて前進を止め、組み際に左肘も当て好印象を作る。記者採点は睦雅。
3R、ケンクーンは序盤から首相撲で睦雅を捕まえ続け、膝を度々当てて主導権を握る。中盤、睦雅がパンチを連打し右肘も当て挽回したが、終盤もケンクーンが組んで膝を当てすぐ持ち直す。記者採点はケンクーンだが、見方によっては睦雅につく可能性もある。
4R、お互い消耗が激しいが、ケンクーンは体に染みついた首相撲の技術で主導権を握り、組んで膝を当てる。離れてもケンクーンは右ミドルを度々当てる。睦雅も終盤、肘とパンチを当てるが、ケンクーンは耐える。記者採点はケンクーン。
五分で迎えた5R、睦雅は組まれる前にパンチと肘を度々当て、主導権を奪い返す。ケンクーンは必死に耐え、首相撲で攻撃を寸断するが、その先の膝には持ち込めない。最後は睦雅が場内のコールに押されるようにパンチを当て続けて終了する。記者採点は睦雅。合計48-47で睦雅。ジャッジも1~2点差で睦雅を支持し、睦雅の判定勝ちとなった。
第9試合 メインイベント1 肘無し 71kg契約 3分3R
×モトヤスック(治政館/WMOインターナショナル・スーパーウェルター級王者、RISEミドル級(70kg)2位、元ジャパンキック・ウェルター級王者)
○ジェット・ペッマニー(タイ/MAX MUAYTHAIミドル級王者)
判定0-3(27-29/27-29/27-30)
モトヤスックは4月のRWS千葉大会で強豪・サジャド・ヴェナムムエタイに2R肘打ちでTKO負けして以来の再起戦。今回は肘無しだが、またもタイ人に敗れることに。
1R、長身のジェットが距離を取る構図が続き、モトヤスックは詰めて左右のボディを連打するが、その後の攻撃が続かない。最後、ジェットの右ミドルのタイミングでモトヤスックが右ストレートを当ててのけぞらせ、ややいい形で終える。記者採点はまだイーブンとしたがモトヤスックについても不思議ではない。
2Rに入ると、ジェットが右ミドルや左右のテンカオを当てつつ、首相撲で捕まえて振り回して膝を当て、主導権を握るように。モトヤスックはジェットのムエタイ技術に対応できない。終盤、ジェットが組んで左膝を連打しモトヤスックを倒すが、西村レフェリーはダウンとみなさない。記者採点はジェット。
3R、ジェットが首相撲で頭を下げさせてから左膝を顔面に当てて倒しダウンを奪う。その後もジェットが右ミドル、膝を当て続けて圧倒し終了。ジェットの完勝に終わった。記者採点合計27-29でジェット。
第8試合 セミファイナル ジャパンキック・フェザー級次期挑戦者決定戦 3分3R(延長1R)
○勇成(Formed/1位)
×樹[いつき](治政館/2位)
判定2-0(勝本30-28/中山29-29/西村30-29)
勇成がややプレッシャーをかけ気味だが、樹も下がらず中央付近で戦う構図。均衡状態が続くが、2R終盤、勇成が圧力を強め、左肘とボディフックを当て、やや好印象に。
3R、勇成が積極的にパンチを振るい、右フック、左ボディを当て、右のテンカオも絡める。終盤、樹もパンチや肘を返し、底力を見せたが、勇成も雄たけびを上げながら打合い、反撃を封じて終了する。記者採点は2Rと3Rに勇成につけ合計30-28で勇成。ジャッジは1者がイーブンとしたが、2者が順当に勇成を支持し、勇成が判定勝ちした。
これにより勇成は11月17日の後楽園大会で王者・皆川裕哉(KICK BOX)に挑戦することが決まった。リングには皆川が登場し「しっかり防衛して、見据える舞台で戦います」と話した。樹は「福岡県北九州市のFormedジムから来ました勇成です。今日の内容じゃまだ皆川選手に勝てないので、先生とセコンドとお母さんとみんなで練習し、勝ちに行きます。絶対にベルト取ります」と話した。
第7試合 セミファイナル スーパーフライ級 3分3R
○細田昇吾(ビクトリージム/元スック・ワンキントーン・フライ級王者)
×ペッチマイ・シットジェーカン(タイ/ムエサイアム・イサーン50kg級王者)
2R 1’06” KO (3ダウン:右フック)
1R、体格で勝る細田がプレッシャーをかけ、右ローを当て続け、終了間際、右ローを連打しダウンを奪う。
2R、ペッチマイはローを嫌って強引に前に出て右フックを振り続けるが、空振りが続き、細田がかわしつつ右フックをカウンターで当ててダウンを奪う。さらに細田がパンチ連打で2ダウン目を奪い、右フックで3ダウン目を奪いKO勝ちした。
大会中には6月11日に肺がんのため死去した長江国政氏(ジャパンキックボクシング協会 前代表・最高顧問、治政館ジム館長)の追悼セレモニーが行われた。国政氏の息子で第2代館長となった長江政人氏がリングに上がり「父の遺志を引き継ぎこれからも強い選手を育てて守っていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします」と話した。
また、千葉県千葉市のSOGA KICKBOXING GYMのジャパンキックボクシング協会加盟も発表された。蘇我英樹会長(右)は協会加盟ジムの市原ジム出身。左は協会代表の小泉猛・市原ジム会長。
第6試合 ライト級 3分3R
○古河拓実(KICK BOX/ジャパンキック・ライト級3位)
×岡田彬宏(ラジャサクレック・ムエタイジム)
2R 1’42” KO (左ミドルキック)
1R、序盤から古河がテンポ良く左ミドル、ジャブ、右ローを当て、首相撲からの崩しや膝でも優位に進める。岡田は古河のスピードとパワーに対応できていない様子。2Rも古河が攻め続けると、中盤、右ストレートで真っすぐ下がらせてから左のミドルを当てると、岡田は腹を押さえて倒れて、そのまま立てず、古河のKO勝ちとなった。
第5試合 63.5kg契約 3分3R
○林 瑞紀(治政館/ジャパンキック・ライト級4位)
×中尾 満(エイワスポーツジム/元新日本ライト級暫定王者)
1R 2’28” KO (3ダウン:右フック)
1R中盤、両者サウスポーの状態で、40歳のベテラン・中尾が左ミドルを蹴ろうとしたタイミングで、林が左ストレートを合わせてダウンを奪う。中尾は林のスピードに反応できていない様子で、林が右フックを効かせてから左ハイでまたもダウンを奪う。最後はパンチを振り回す中尾に、林が落ち着いた様子で右フックを合わせて3ダウン目を奪いKO勝ちした。
第4試合 フェザー級 3分3R
○石川智崇(KICK BOX)
×マングース松崎(NEXT LEVEL渋谷)
判定3-0
第3試合 ライト級 3分3R
○菊地拓人(市原ジム)
×ユウキ・オー・チャロンチャイ(team kuntap)
3R 1’08” TKO (レフェリーストップ:右ローキックとパンチの連打)
第2試合 バンタム級 3分3R
×九龍悠誠(誠真ジム)
○翔力(拳伸ジム)
判定0-3
第1試合 フェザー級 3分3R
○海士(ビクトリージム)
×尾形春樹(チーム・タイガーホーク)
判定3-0