DEEP 6.2 大阪 住吉区民センター(レポ):安谷屋智弘、新鋭・濱口奏琉との接戦制す。前薗渓、判定勝ちしデビュー7連勝。谷岡祐樹&古根川充が1R KO勝ち。ウズベキスタン出身のBORZが衝撃KO勝ち
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DEEP OSAKA IMPACT 2024 1st ROUND
2024年6月2日(日)大阪・錦秀会 住吉区民センター 大ホール
レポート:井原芳徳 写真提供:DEEP事務局
第10試合 メインイベント 60kg契約 5分3R
○安谷屋[あだにや]智弘(氷ヲ刻メ/池田道場)
×濱口奏琉[そうる](パラエストラ和泉)
判定3-0 (29-28/29-28/29-28)
37歳のベテラン・安谷屋は22年12月のDEEPフライ級GP 2回戦で優勝者の福田龍彌に判定負け。昨年は5月に58kg契約でヒロヤと対戦し判定勝ちし、12月にはフライ級でKENTAに判定1-2で惜敗している。
濱口は21歳。極真空手をベースにしつつ、大阪体育大学レスリング部に在籍し、西日本学生選手権グレコローマン63kg級で2年連続で準優勝している。MMAも並行し4戦3勝1敗で、昨年7月の大阪大会でマルザヘンペーソクに1R裸絞めで一本勝ちし、怪我の療養も経て約1年ぶりにMMAに復帰した。
1R、濱口がオーソドックスからのスイッチも織り交ぜつつプレッシャーをかけ、左のミドル、ローを時折ヒットする。安谷屋も右ストレートやローを返す。中盤、安谷屋から組みに行くと、濱口は対応して安谷屋を金網に押し込むが、その先に持ち込めず離れる。終盤、スタンドの攻防が続き、濱口は随所で左のローを安谷屋の前足と奥足に強打する。安谷屋も右フック、ローを返すが、濱口に比べると当たりが浅い感がある。記者採点は僅差だが蹴りを的確に多く当てていた濱口。
2R、開始すぐから安谷屋が前に出てタックルを仕掛けるが、濱口は切って上になり、すぐにスタンドに戻す。濱口が後ろ上段廻し蹴りを安谷屋の腕に当てると、場内は湧き上がる。濱口は随所で左ジャブ、右ストレート、左右のローをヒットし、やや優位に進める。パンチをもらった安谷屋は左まぶたを少しカットし出血する。中盤過ぎ、濱口が二段式の飛び膝で詰め、さらに右フックを放つと、安谷屋がカウンターの右フックを返すが、その先にはつなげられない。その後は安谷屋が右インローを当て、濱口が左ミドルを当てるが、目立つ攻防は無く終わる。記者採点は有効打で上回った濱口。インターバルの最後に安谷屋の左まぶたにドクターチェックが入る。
3R、安谷屋は挽回を狙って開始すぐから前に出て倒すが、すぐに濱口は立って安谷屋を金網に押し込む。離れ際に濱口が金網をつかんだとして、レフェリーは一旦中断して濱口に注意する。安谷屋は前に出続けると、中盤、両脇差しからテイクダウンに成功し上になる。安谷屋は金網際に押し込んで少しパウンドを当てたが、その隙に濱口は脱出する。濱口は安谷屋を押し込み、終盤、片足タックルを仕掛けて倒す。安谷屋はすぐ立ってアームロックを狙うが、外した濱口は離れ際に右ハイを当てる。残り30秒、濱口が右ハイを空振りして後ろにスリップすると、安谷屋は上から押さえるが、少しパウンドを当てただけで終了する。記者採点は僅差だが安谷屋。合計28-29で濱口。僅差のラウンドが続いたせいか、ジャッジの評価は異なり、3者とも29-28で安谷屋を支持し、安谷屋の判定勝ちとなった。だが敗れた濱口の健闘も光る一戦だった。
第9試合 セミファイナル フェザー級 5分2R
○前薗 渓(格闘技吉田道場)
×ペレイラ・ユウジ・ラファエル(ブラジル/ボンサイ柔術滋賀)
判定3-0 (20-18/内田○19-19/20-18)
前薗は大阪体育大学出身の23歳。レスリング2020年西日本学生選手権優勝の実績があり、22年のMMAデビューからDEEPに上がり続け6戦全勝。ラファエルは関西で行われているACFで3戦2勝1敗で今回DEEPに初登場した。
1R、前薗がサウスポーからの左テンカオを放つと、ラファエルが押し倒すが、前薗は下から三角絞めを狙いながら、すぐに上を取り返す。一旦スタンドに戻って組んだ状態になっても、前薗は腕を巻きながら倒し、再び下から腕十字を狙う。これも対処されすぐスタンドに戻るが、金網際で組み合うと、前薗が倒して上に。だがこれもラファエルがスイープして上になる。その後も組みの状態で目まぐるしく攻防が入れ替わり、両者場内を沸かせる。
終盤、前薗が左ミドルを当ててから、押し込んで抱え上げてテイクダウンを奪い、金網際で押さえる。だがここでもハファエルが足を効かせたり頭を抱えたりして抵抗すると、足関を狙いながらリバースしスタンドに戻す。最後は金網際で押し合う展開で終わる。記者採点は僅差だが前薗。
2R、前薗が右フックを当てつつ、押し込んで倒して上になる。ラファエルは下からしがみついて追撃を封じ、前薗が立って猪木アリ状態になったところで松宮レフェリーはブレイクする。ラファエルは目まぐるしい攻防と前薗のレスリング力の影響で、疲れが溜まっている様子で、前薗がまたも右フックを当て、再び組んで倒して金網際で押さえる。終盤、前薗はサイドバックで押さえつつ、時折パウンドを当てる。残り30秒、スタンドに戻り、前薗が前に出続けると、最後は上を取ってマウントを奪って終える。記者採点は前薗。合計20-18で前薗。ジャッジ3者も前薗を支持し、前薗が判定勝ちした。
第8試合 バンタム級 5分2R
○谷岡祐樹(パラエストラ加古川/元DEEP☆KICK -60kg王者)
×切嶋龍輝(マーシャルアーツクラブ中津川)
1R 1’32” KO (右ストレート)
1R、谷岡がオーソドックス、切嶋がサウスポーで構え、中央付近でお互いパンチを狙う展開に。リーチで勝る切嶋の左右のストレートも当たっていたが、打撃戦なら谷岡が一枚上手で、中盤、ワンツーからの右ストレートをクリーンヒットして、切嶋をフラつかせる。切嶋は尻餅をつくことなく、すぐに立ったが、金網際まで下がると、谷岡が再び右ストレートをクリーンヒットし、切嶋をノックアウト。場内は衝撃的なKOで大きくどよめいた。
第7試合 ウェルター級 5分2R
○BORZ[ヴォルフ](ウズベキスタン/reversal gym osaka anne)※アブロル・イギタリエフ 改め
×姜 信一(Jungle Hunters/Fighting Lab Bangkok)
2R 0’20” TKO (レフェリーストップ:右膝蹴り)
DEEPフューチャーキングトーナメント2023ミドル級優勝者のBORZが、粗削りながらも素質の高さを印象付ける試合に。
1R、サウスポーの姜が右ローを放つと、BORZはタックルを合わせ、あっさりとテイクダウンに成功する。BORZはサイド、バック、トップと動いてコントロールを続け、パウンドを随所で当てる。姜も下から腕十字を狙う等して抵抗するが、BORZは対処すると、アームロック、裸絞めを狙って姜を追い詰める。最後、姜が脱出したが、すぐにBORZがバックを取り返して終える。
2R、BORZが開始間もなくから右ミドルを脇腹にクリーンヒット。姜は苦し紛れでタックルを仕掛けるが、BORZは切って、姜を金網に押し込むと、右テンカオをクリーンヒットする。前のめりで姜がダウンしたところで、福田レフェリーがストップした。
第6試合 フェザー級 5分2R
○古根川充[こねがわ みつる](修斗ジムASH)
×森 俊樹(フリー)
1R 0’47” TKO (レフェリーストップ:右フック)
古根川は17年から20年までZSTを主戦場とし、U-FILE CAMP登戸等に在籍していたが、故郷の和歌山の修斗ジムASHに移籍。昨年4月のDEEP大阪大会で3年ぶりに復帰すると、パンクラスのランカーの岩本達彦に2R TKO勝ちしたが、11月の大阪大会では三村亘にわずか23秒でKO負けしている。
1R、森がサウスポーで構えて前に出るが、古根川は距離を取りつつ、右のテンカオをヒットする。森はパンチを振り回すが、古根川はかわすと、右のミドルを空振りして反応させてから、右のフックをクリーンヒットする。森がダウンすると、ダメージが大きく、古根川が追撃のパウンドを当てかけたところで、福田レフェリーがストップした。
第5試合 DEEP JEWELS 50kg契約 5分2R
○青野ひかる(FIGHT LYNX)
×SAAYA(VICTORY GYM)
判定3-0 (柴田20-17/内田20-18/松宮20-17)
東京でのDEEP JEWELSのレギュラー選手である青野が圧倒する内容に。1R、青野が開始間もなくからテイクダウンを奪うと、ハーフガードで押さえつつ、肩固めを狙ってパスガードする。終盤、青野はマウントポジションに移行し、パウンドを連打する。まだ残り1分少しあったが、青野は腕十字を仕掛ける。青野はSAAYAの腕のクラッチは切ったが、SAAYAが腕を伸ばされないよう体を動かして防御を続ける。
2Rも開始すぐから青野がタックルで倒す。SAAYAがブリッジで返して上になるが、青野はすぐに下から足を登らせて三角絞めと腕十字を狙う。SAAYAは対処して横に回り、鉄槌を連打すると、地元の応援団から大歓声が湧く。だがすぐに青野は上を取り返し、金網際でハーフで押さえ続ける。終盤、青野はマウントポジションを取り、パウンドを落とし、最後はバックに回ってから腕十字を狙うが、すっぽ抜けて終了する。青野は一本は取れなかったが順当に判定勝ちした
第4試合 DEEP JEWELS フライ級 5分2R
○MANA(blooM)
×山口 恵(BLOWS)
1R 4’37” 腕ひしぎ十字固め
第3試合 フライ級 5分2R
×八尋大輝(ニコニコファイトクラブ)
○藤田健吾(パンクラス大阪稲垣組)
判定0-3 (19-19○/19-19○/18-20)
第2試合 フェザー級 5分2R
○桑本征希(SMOKER GYM)
×秋山怜冬(レンジャージム)
1R 4’21” 裸絞め
第1試合 メガトン級(体重無差別) 5分2R
×土井 淳(修斗ジム大阪)
○竹内龍吾(KING GYM KOBE)
1R 3’07” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
オープニングファイト アマチュアSルール フライ級 3分2R
×砂田華杜(TEAM AGENT)
○朝井啓太(ENCOUNTER)
判定0-3
第18試合 バンタム級 5分2R
○カーレッジユウキ(VICTORY GYM)
×亀井修真(直心会生野道場TK68)
1R 1’50” 腕ひしぎ三角固め
第17試合 バンタム級 5分2R
○大空斗[たくと](パンクラス大阪稲垣組)
×木下竜馬(KING GYM KOBE)
2R 2’49” フロントチョーク
第16試合 フェザー級 5分2R
×田中壱季(ENCOUNTER)
○三井俊希(reversal gym Osaka Anne)
判定1-2 (○19-19/18-20/19-19○)
第15試合 フェザー級 5分2R
○延命そら(TEAM FAUST)
×今村 豊(POLAR GYM OSAKA)
1R 2’53” 裸絞め
第14試合 フライ級 5分2R
○宮川日向(SMOKER GYM)
×久保田洸平(氷ヲ刻メ/池田道場)
2R 2’28” TKO (レフェリーストップ:グラウンド肘打ち)
第13試合 フライ級 5分2R
○飴山聖也(ENCOUNTER)
×前田太輝(修和館)
1R 3’37” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第12試合 ライト級 5分2R
×紀州(修斗ジムASH)
○真野亜三瑠[あみる](NEX SPORTS)
1R 2’01” 裸絞め
第11試合 バンタム級 5分2R
×山﨑鼓大(BLOWS)
○堂園 悠(修和館)
1R 1’34” KO (右ストレート)