修斗 5.19(夜) ニューピアホール(レポ):SASUKE、日中対抗戦大将戦で1R一本勝ち。「中国で勝ってから僕の名前をあげなさい」とランカーを挑発。エフェヴィガ雄志、国際戦2連勝「修斗に相手が残っているかわからないんですけど…」
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プロフェッショナル修斗公式戦【第2部】修斗×YFU 7対7 日中対抗戦
2024年5月19日(日)東京・ニューピアホール
レポート:井原芳徳
SASUKE、日中対抗戦の大将戦で1R一本勝ち。ランカーを「お前ら中国で勝ってこい」と挑発
第7試合 日中対抗戦7×7 フェザー級(ノンタイトル戦) 5分3R
○SASUKE(日本/マスタージャパン東京/修斗世界王者)
×パン・ジョングウェン [Peng Zhengwen](中国/Team YFU)
1R 3’02” スロエフストレッチ (公式記録は膝十字固め)
5月19日の修斗ニューピアホール大会は昼夜2部制で、昼は初代世界女子ストロー級王座決定戦をメインとする通常の大会が行われたが、夜は中国の「YFU(Youde Fighting Ultimate)武林笼中对」との7対7対抗戦が組まれた。
YFUは日本のK-1等のキック大会に多数の選手を送り込んでいるWLF(武林風)の関連イベント。昨年12月の河南省の大会で日中6対6対抗戦が行われ、神酒龍一、畠山祐輔、東修平らが参戦すると共に、プロ修斗を主催するサステインの坂本一弘代表も帯同し、大会の途中にはケージの中で観客に紹介されていた。半年を経て、日本側でも対抗戦が実現した流れだ。
近年、アジア人初のUFC王者・ジャン・ウェイリーを筆頭に、UFCやONEといった世界的な大会で中国勢が台頭している。今大会の開催日の19日と前日の18日には、上海でRoad To UFC(RTU)の一回戦が行われ、中国勢が活躍している。
日本側の大将を務めるSASUKEもRTU経験者。21年に修斗フェザー級世界王座を獲得し、昨年3月に飯田健夫を2R KO、12月に田中半蔵を3R KOし2度防衛し、修斗9連勝中だが、合間に上がったRTUでは2年続けて初戦敗退している。22年は中国のイー・ジャーに1Rで一本負け、23年は韓国のキム・サンウォンに2RでKO負け。引き続きUFCを目指しており、RTUの裏で対中国人選手で存在感を示したい一戦となる。
今回SASUKEはWLFの王者と戦う予定だったが、負傷欠場し、YFUで昨年デビューし6戦経験している19歳のジョングウェンとの試合に変わった。
試合はSASUKEがレベルの違いを見せつける内容に。1R、SASUKEが左フックを当ててから、左ボディにつなげる。ジョングウェンも右ストレートをお返しする。ジョングウェンは笑顔を浮かべつつパンチを振うが、SASUKEは距離を取り、随所で右ローや左フックを返し、強打を許さない。すると中盤、ジョングウェンがパンチを振ったタイミングで、SASUKEが両足タックルを合わせ、テイクダウンに成功する。SASUKEが金網際で押さえてから、ジョングウェンの動きに合わせて、早くもバックマウントを奪う。するとSASUKEは足4の字ロックでバックキープしたまま、ジョングウェンの右足を抱え上げて倒れ、股裂きの状態にして太ももの筋肉を痛めつけるスロエフストレッチを極めてタップを奪った。この結果、日中対抗戦は日本勢が5勝2敗で勝ち越しで終わった。
マイクを持ったSASUKEは「ジョングウェン選手、準備期間が短い中、急なオファーを受けて下さってありがとうございます。まだ19歳で先も明るい若者だと思います。彼のキャリアを応援したいです」とジョングウェンを立て、「フィニッシュできて良かったと思います」と勝利を喜んだ。続けてSASUKE「喋り過ぎると良くないかな」と苦笑しつつ、観客の「いいよ」という声に後押しされると、真剣な表情に一転し「修斗のフェザー級の奴ら、SNSで僕の名前を挙げて来る奴らが多いんですけど、君たちに何か言うのはこれが最初で最後なんで、よく聞いておいてください。怪我でメインを飛ばす奴、身内とエキシやってパンチもらってる奴、相手挑発して仕留められない奴、そんな奴らに修斗背負えるとは思えないです。お前ら中国行って試合して勝ってから僕の名前をあげなさい。以上」と、竹原魁晟、上原平、椿飛鳥といったランカー勢を挑発した。
エフェヴィガ雄志、国際戦2連勝「修斗に相手が残っているかわからないんですけど…」
第6試合 日中対抗戦7×7 ライト級 5分3R
○エフェヴィガ雄志(日本/TRIBE TOKYO MMA/修斗世界6位)
×アーイージアコ・アーケンビエコア[Ayijiake Akenbieke](中国/Team YFU)
2R 2’31” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
エフェヴィガは父が西アフリカのトーゴ出身、母が日本人の24歳。空道をベースとし、22年のMMAプロデビュー後は7戦全勝。LDH主催のPOUND STORM等で岡澤弘太、グンター・カルンダに勝利すると、昨年から修斗に参戦し3試合全て1R勝利。昨年5月にはフロリダの名門・キルクリフFCに出稽古し、地元の大会に出場しメキシコの選手に3R TKO勝ちしている。主要カードの中止の相次いだ3月の後楽園大会では、急きょ初のメインを務め、韓国の選手を1R裸絞めで下すと「日本人選手が何人も試合を断りました。失敗ばっか恐れて。その人たちはこの仕事を辞めたほうがいい」とマイクアピールし、話題を呼んでいた。
アーイージアコは40戦以上のMMA経験があり、年のROAD TO UFCで神田コウヤと戦ったイーブーゲラに2度判定負けしている。
1R、エフェヴィガはプレッシャーをかけ、伸びのある左ジャブをヒット。アーケンビエコアは組み付いて打撃を封じるが、途中からエフェヴィガが押し返す。だがテイクダウンを奪えずにいると、終盤に入り、橋本レフェリーはブレイクする。エフェヴィガは右カーフ、左ジャブをヒットする。さらにエフェヴィガはサウスポーに切り替えて左ストレートも当てる。アーケンビエコアも右ミドルを当てる場面もあるが、エフェヴィガはその後もスイッチを織り交ぜて左テンカオを当て、強打で印象付ける。記者採点はエフェヴィガ。
2R、エフェヴィガは右すねをカットして出血しており、開始直後にドクターチェックが入る。試合は続行するが、アーケンビエコアは少し弱気になっている様子で、エフェヴィガが前に出てパンチを当て追い詰める。アーケンビエコアは片足タックルで捕まえ、金網に押し込むが、エフェヴィガは押し返すと、右脇を差しながら左のパンチと膝をヒットする。そして自ら離れ、エフェヴィガが左ボディを当てると、アーケンビエコアはダウンして亀の状態になり、エフェヴィガがパウンドで追い打ちしたところでレフェリーがストップした。
勝利者インタビューでエフェヴィガは「このレベルなんて相手いなっしょ、って言うつもりだったんですけど、内容的にあんま納得いかないです。でもセコンドの言うこともある程度聞けて、反省点わかったんで、もっとできることがあると確認できました」と試合を振り返った。続けてエフェヴィガは「2連戦で国際戦で、修斗の上位ランカーたちは、いつものように逃げてばっかなんで、修斗に相手が残っているかわからないんですけど、またいつかやると思うんで、その時はよろしくお願いします」と、笑みを浮かべつつ話した。
パンクラス王者ソルト、3R猛反撃も判定負け
第5試合 日中対抗戦7×7 女子ストロー級 5分3R
×ソルト(日本/マルスジム/パンクラス王者)
○ハイライ・ウーシャアモー[Hailai Wusamo](中国/Team YFU)
判定1-2 (片岡29-28/橋本28-29/鍋久保28-29)
1R、ウーシャアモーは開始すぐに押し込み、抱え上げて倒してバックを奪う。中盤、立たれても変わらずウーシャアモーがバック主体でコントロールを続ける。終盤、立っての金網際での押し合いが続き、ソルトが払い腰で倒しかけるが、すぐウーシャアモーは立って押し込み続け、主導権を維持する。記者採点はウーシャアモー。
2R、ウーシャアモーが変わらずレスリングで主導権を維持する。終盤、ウーシャアモーは背後から抱え上げて倒しつつバックを取る。ソルトが振り落とそうとしつつ、細かく鉄槌を当てるが、ウーシャアモーはぎりぎりでバックキープして腕十字を狙う。残り40秒にウーシャアモーがロックを切って腕を伸ばすが、ソルトは間一髪で脱出し、最後はスタンドに戻って終える。記者採点はウーシャアモー。ジャッジは割れ、片岡氏のみ鉄槌を当てていたソルトにつける。
3R、ウーシャアモーが押し込むが、ソルトはやられっぱなしにならず、首相撲で捕まえて膝を連打する場面も作る。すると中盤、ソルトが押し返すと、左膝を皮切りに、左フック、右肘、右ミドル等のラッシュで反撃し、場内を沸かせる。組んで来るウーシャアモーを潰し、ソルトは肘も連打する。だが中盤過ぎから終盤にかけ、ウーシャアモーは必死にしがみついて押し込み、最後はバックを取り、ソルトの逆転勝ちを封じて終える。記者採点はソルト。合計28-29でウーシャアモー。ジャッジは割れたが、2者が順当にウーシャアモーを支持し、ウーシャアモーが判定勝ちした。
川北晏生は接戦制す
第4試合 日中対抗戦7×7 バンタム級 5分3R
○川北晏生[はるき](日本/TRIBE TOKYO MMA/修斗世界7位)
×ドウ・ガーシュエ[De Gaxue](中国/Team YFU)
判定2-1 (片岡28-29/田澤29-28/橋本29-28)
1R、ガーシュエがスタンドの組みの展開で、膝と肘を当て、遠い距離からも伸びのあるパンチを当て、打撃戦で先手を取る。中盤から金網際で押し合う展開に。終盤、離れ際にガーシュエが右肘をヒット。ガーシュエが押し込むと、川北はギロチンを仕掛けて引き込むが、ガーシュエは振り抜き難を逃れる。記者採点はガーシュエ。ジャッジ3者もガーシュエにつける。
2R、川北は序盤からガーシュエを金網に押し込み続ける。時折体勢が入れ替わるが、膠着しブレイクがかかる。終盤も金網際でのスタンドレスリングが続く。川北はなかなか倒せないものの、長時間押し込む。ガーシュエは1Rよりも動きが落ちており防戦一方に。残り1分、またも福田レフェリーはブレイク。ガーシュエは距離を取り右ロー、ストレートを少し当てるが、力が入りきらない。記者採点は川北。
3R、金網際の押し合いが続き、中盤離れると、ガーシュエは右フックをヒットする。またも川北が押し込み、なかなか倒せないが、残り1分でようやくテイクダウンに成功する。すぐ立たれるが、引き続き川北がタックルでテイクダウンを狙って、主導権を維持して終える。記者採点は川北。ジャッジは割れ、片岡氏が右フックを当てたガーシュエにつける。記者採点合計29-28で川北。ジャッジは割れたが、2者が川北を支持し、川北が判定勝ちした。
マイクを持った川北は「修斗バンタム級を代表して戦ったんで、ご褒美が欲しいです。ベルトが懸かった試合、お願いします」とアピールした。
第3試合 日中対抗戦7×7 ウェルター級 5分3R
○西條英成(日本/THE BLACKBELT JAPAN/2023年同級新人王)
×ジャン・シイジェン[Zhang Xizhen](中国/Team YFU)
1R 4’33” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※ジャンは計量0.2kgオーバーし毎ラウンド減点1
第2試合 日中対抗戦7×7 フライ級 5分3R
○中池武寛(日本/パラエストラ小岩)
×ロ・ジュンヨン[Lu Zhengyong](中国/Team YFU)
2R 2’51” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※ゾウ・ジンボウ[Zou Jinbo](中国/Team YFU)にビザが発給されず欠場しロに変更
第1試合 日中対抗戦7×7 女子ストロー級 5分3R
×新谷琴美(日本/TEAM AGENT)
○リー・グワーンジェン[Li Guangzhen](中国/Team YFU)
判定0-3 (福田27-30/田澤27-30/出合28-29)