修斗 3.23 後楽園ホール(レポ):ライト級新鋭・エフェヴィガ雄志、韓国の選手に1R一本勝ちしプロ7連勝「自分との試合を断った選手は辞めたほうがいい」。椿飛鳥、フェザー級世界1位の結城大樹に判定勝ちし王座戦熱望
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プロフェッショナル修斗公式戦 PROFESSIONAL SHOOTO 2024 Vol.3
2024年3月23日(土)後楽園ホール
レポート:井原芳徳
第7試合 ライト級 5分3R
○エフェヴィガ雄志(TRIBE TOKYO MMA/世界10位、環太平洋8位)
×キム・ミンヒュン[Kim Minhyung](韓国/TEAM FINISH)
1R 3’21” 裸絞め
今大会では、昨年のインフィニティリーグ・フェザー級で優勝した竹原魁晟と準優勝の上原平による、環太平洋フェザー級王座決定戦がメインイベントに、旭那拳 vs. 田上こゆるがセミファイナルとして組まれていた。だが竹原、旭那の怪我により2試合とも中止となり、プロ修斗3戦目のエフェヴィガの試合がメインイベントに繰り上がった。
エフェヴィガは昨年11月の後楽園大会では後藤陽駆を1R KOし、プロデビュー以来の連勝を6に伸ばした。ミンヒュンは8戦4勝4敗の25歳で、韓国のROAD FCを主戦場とし、今回初来日。
試合はエフェヴィガの圧勝に。1R、エフェヴィガがサウスポーで構え、左ミドル、ストレートを当て、前に出ると、ミンヒュンを金網に詰める。ミンヒュンは押し返すが、エフェヴィガは間もなく押し返すと、右脇を差して崩してハーフで押さえる。ミンヒュンが足を効かせると、エフェヴィガは立ち上がり、左のパウンドを空振りさせつつガードの中に入る。ミンヒュンは引き続き下から足を登らせようとするが、エフェヴィガがパスガードのプレッシャーを掛けつつ左のパウンドを当てると、ミンヒュンは背中を向ける体勢となってしまう。エフェヴィガはすかさずバックマウントを奪い、立ち上がったミンヒュンにオンブで乗っかったまま、裸絞めで絞め上げタップを奪った。
マイクを持ったエフェヴィガは「これで修斗では3戦目で全部フィニッシュで、プロ全体でも7戦全勝で来ることができました」とアピールし「試合は負けるかもしれないし、色んな失敗するかもしれないです。でもそれが自分の仕事です。皆さんも仕事で色んなチャンレジで失敗していると思います。けど、キム選手が試合を受けてくれるまで、何回も修斗がオファーしているにも関わらず、日本人選手が何人も試合を断りました。失敗ばっか恐れて。その人たちはこの仕事を辞めたほうがいいと思います。他の仕事をしたほうがいいと思います。自分はこれからもチャンレンジするし、チャレンジする相手と試合するし、楽しみな試合見せるんで、これからもよろしくお願いします」と話した。
椿飛鳥、フェザー級世界1位の結城大樹に判定勝ちし王座戦熱望
第6試合 フェザー級 5分3R
×結城大樹(マスタージャパン福岡/世界1位、環太平洋2位)
○椿 飛鳥(トライデントジム/環太平洋10位)
判定0-3 (出合28-29/片岡28-29/鍋久保28-29)
結城は昨年、5月にTOMAに判定勝ちし、7月にオーディンに判定負けしたが、12月に岡田達磨に判定勝ちと、フェザー級世界1位ながら勝ち負けを繰り返している。
椿は昨年1月の新人王決定トーナメント決勝でCHAN-龍と対戦し、スラムで腕を破壊され1Rで敗れたが、10月の再起戦では齋藤翼に判定勝ちした。
結城のセコンドにはフェザー級世界王者のSASUKEがつく。1R、結城が椿を金網に押し込む状況が繰り返されるが、椿はテイクダウンを許さない。終盤、椿が右のカーフキックを当てていると、早くも結城は足が流れ、最後はスリップしてしまう。記者採点は椿。
2R、打撃戦を嫌った結城は、開始すぐにタックルを仕掛けて倒す。立たれても結城は押し込み、オンブになって裸絞めを執拗に狙う。だが終盤、椿は脱出し、結城のタックルを潰して上になり、ハーフで押さえてパウンドを当て、優位を維持して終える。記者採点は椿。ジャッジは3者とも結城につける。
3R、椿は離れた距離から随所でローを当て続ける。終盤、結城がタックルを仕掛けるが、足の踏ん張りが効かず、椿が潰して上になる。残り1分、結城は立つが、椿は金網に押し込み続け、最後は倒して上になり、ハーフで押さえて終了する。記者採点は椿。合計27-30で椿。ジャッジは3者とも28-29で椿を支持した。
マイクを持った椿は「世界1位になりました。残るは世界チャンピオンのSASUKE選手だけですね。と言いたいところですけど、僕、場をわきまえている人間なので、ここは謙虚に環太平洋チャンピオンシップぐらい…え?今日、メインでやる予定…竹原怪我したんですか?メインイベントなのに怪我で欠場?いや、無いっしょ。相手は上原平?いや、無いっしょ。てことで、僕、チャンピオンシップお願いします。最後に修斗見るならU-NEXTじゃなくABEMA様。ありがとうございました」と、各方面への皮肉をたっぷり盛り込んでアピールした。
第5試合 バンタム級 5分3R
×平川智也(マスタージャパン東京/世界7位、環太平洋8位)
○川北晏生[はるき](TRIBE TOKYO MMA)
2R 1’02” フロントチョーク
川北は21年のパンクラス・ネオブラッドトーナメント・バンタム級で準優勝し、その後は修斗で4戦した。昨年はパンクラスで2戦1勝1敗した後、11月の修斗に上がり、ライダーHIROに2Rギロチンチョークで一本勝ちしている。
1R、平川がサウスポーで構え、左インロー、ストレートを的確に当て、優位に試合を運ぶ。終盤には川北のテンカオのカウンターで平川が左フックを当てダウンを奪う。
2R、川北は開始すぐにタックルを仕掛け、組みの勝負に切り替える。平川が押し返すが、両足タックルで前屈みになると、川北は平川の首と脇を抱えてギロチンチョークを仕掛ける。川北はそのままローリングを繰り返すと、最後はマウントに近い状態で首を折るように絞め上げ、平川が落ちたところでレフェリーがストップした。
川北はこれで実力者揃いのバンタム級ランキング入りが確実に。マイクを持った川北は「平川さん、刺激的な時間をありがとうございます。でもまだまだ足りない。もっと刺激的な相手、お願いします」とアピールし、上位ランカーとの試合を希望した。
エキシビションマッチ
―上原 平(リバーサルジム横浜グランドスラム/フェザー級世界10位、環太平洋8位)
―リオン武(RISING SUN/元フェザー級世界王者)
勝敗無し
第4試合 68kg契約 5分2R
×児山佳宏(パラエストラ松戸/元ライト級環太平洋王者)
○松浦真実也(総合格闘技実業団トップティア)
1R 2’12” KO (レフェリーストップ:左ハイキック→グラウンドパンチ)
第3試合 epsomsalt seacrystals Presents インフィニティリーグ2024 フライ級 57.25kg契約 5分2R
×片山将宏(TRIBE TOKYO MMA/2022年同級新人王/勝ち点0)
○大竹 陽(HAGANE GYM/勝ち点0→3)
1R 4’22” KO (レフェリーストップ:左カーフキック)
※片山は56.7kgのフライ級リミットを0.55kgオーバー。勝敗に関係なく大竹がリーグ勝ち点3を獲得
プロ修斗毎年恒例の総当たりリーグ戦「インフィニティリーグ」。今年はフライ級で行われ、ヤックル真吾(T-REX柔術アカデミー/世界4位)、亮我(ゴンズジム/2023年同級新人王)、須藤晃大(EXFIGHT)、そして片山、大竹の5人がエントリーした。優勝賞金100万円。通常、上位選手が王座挑戦権を獲得するが、今年のリーグ戦は未定だ。
今回の片山と大竹の試合が開幕戦だったが、片山が初戦から計量オーバーしてしまう。片山は昨年4月の新宿大会のメインイベントの内田タケル戦でも、フライ級のリミットをオーバーし、体調不良により欠場し不戦勝となった前科がある。リーグ戦はまだ4試合あるため、引き続きフライ級で戦えるのか気がかりな状況だ。
今回の超過幅は0.55kg。修斗以外の多くのMMA大会なら1ポンド相当(450~500g)のキャッチウェイトをタイトルマッチ以外の試合では認めているため、今回の片山の超過は軽い範囲とも解釈できるが、体作りの面で無理があるのなら、リーグ戦に固執せず辞退し、階級を上げたほうがいいだろう。昨年のフェザー級リーグ戦では、CHAN-龍が3月のリーグ初戦で計量オーバーして不戦敗となり、7月の2戦目では計量を欠席し、その後、死亡が明らかになった。昨年の悲しい出来事も教訓にしてほしい。
試合は大竹の圧勝に。1R、片山がタックルを繰り返すが、距離が遠く、大竹に軽々と切られる。サウスポーで見合う時間が続くが、大竹が左のカーフキックを序盤から当て続けていると、中盤から片山がスリップを繰り返すように。残り30秒を切ってスリップしたところで、ようやくレフェリーがストップした。
第2試合 フェザー級 5分2R
×島村 裕(パラエストラ小岩)
○青井太一(心技舘)
1R 4’21” KO (レフェリーストップ:右ストレート→グラウンドパンチ)
第1試合 バンタム級 5分2R
×中野剛貴(KRAZY BEE)
○人見礼王[れお](修斗GYM東京)
2R 2’35” KO (レフェリーストップ:左フック→グラウンドパンチ)
キッズ6 40kg契約 3分1R ※入場式後に実施
○遠藤隼斗(心技舘)
×松川瑛大(HAGANE GYM)
判定3-0
キッズ3 32kg契約 3分1R ※入場式後に実施
×大貫吏翔(心技舘)
○佐久間丈(フォーランバス)
1R 1’19” 腕ひしぎ十字固め