NJKF 2.11 後楽園ホール(レポ):嵐、KO勝ちでバンタム級王座獲得&大会MVP「KNOCK OUT王者とやらせてください」。真琴、一航を切り裂きダウン奪いスーパーバンタム級王者に。大田拓真がフェザー級王者に
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NJKF CHALLENGER 東西対決 ~誰が1番強いかを決めろ!~
2024年2月11日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)の2024年初の後楽園大会は、昨年10月にNJKFに加盟したTAKEDA GYMの武田幸三代表のプロデュースする大会として行われた。武田氏は51歳。現役時代は新日本キックボクシング協会のエースとして活躍。元ラジャダムナンスタジアム認定ウェルター級王者で、K-1 WORLD MAXで魔裟斗とも対戦し、09年のアルバート・クラウス戦で引退した。
昨年11月大会も武田氏のプロデュース大会という扱いだったが、武田氏の手腕が本格的に発揮されるのは今大会からとなる。大会の目玉は3階級のタイトルマッチとなり、バンタム級の嵐、スーパーバンタム級の真琴といった新鋭が存在感を示した。
嵐、KO勝ちでNJKFバンタム級王座獲得「KNOCK OUTのチャンピオンとやらせてください」
第9試合 NJKFバンタム級王座決定戦 3分5R
○嵐(KING gym/3位)
×甲斐元太郎(理心塾/2位、元王者)
2R 2’54” TKO (右テンカオ)
※甲斐が計量300gオーバーし減点1。嵐が勝利した場合のみ王者として認定される
※嵐が王者に
11月大会のリング上でこの一戦が発表された際、嵐はマイクを持つと「相手初めて見たけど凄く弱そう」等と挑発し、甲斐が怒ってつかみ合いの喧嘩寸前となり、賛否両論を呼んだ。残念ながら甲斐が前日計量をクリアできず、変則のタイトルマッチとなってしまうが、対する嵐はきっちり試合でも魅せた。
1R、嵐はオーソドックス、甲斐はサウスポーで構え、嵐が右ストレート、インロー、組んでの膝蹴り、甲斐が左ハイ、ミドル等を当てる。嵐が攻撃を当てる度、嵐の応援団が大きな声援を発することも相まって、嵐の勢いが若干目立つが、まだ差は小さい。
すると2R、嵐は右インローを当てつつ、右ストレート、ボディストレート、膝を随所でヒット。まとめるほどにはならないが、じわじわ甲斐を削る。甲斐は鼻血を出し、少ししんどそうな様子になり、攻撃が返せなくなってくると、終盤、嵐が右のテンカオをクリーンヒット。苦し気に後退した甲斐に、嵐がさらに右テンカオを当てると、甲斐はダウンする。甲斐は立ち上がれず、嵐のKO勝ちとなった。
嵐は「11月にこのリングで乱闘し、ネット上が荒れましたが、『BreakingDownみたい』と言った奴ら、俺の試合見たか?」と話し、試合内容のレベルの違いを主張すると、「この団体で相手いないんで、KNOCK OUTのチャンピオンとやらせてください。俺が53kg最強を証明します」とアピールした。最後はシングルマザーで嵐を育てた母親をリングに上げ、ベルトを授与した。なお、嵐は大会のMVPにも選ばれている。
この日はクロスポイント吉祥寺の選手のセコンドとして、KNOCK OUTの山口元気プロデューサーが来場し、武田幸三氏の求めでリング上に上がり観客に挨拶した。NJKFに新加盟する名古屋のジム・Gratinessの代表でもある大和哲也(K-1スーパーライト級王者)も揃ってリングインし、両者とも武田氏から今後のNJKFへの協力を要請された。
具体的なNJKFとKNOCK OUTの交流は、今後の話し合い次第とのこと。だが、嵐が「KNOCK OUTのチャンピオンとやらせてください」とアピールしたことで、KNOCK OUT-REDバンタム級王者の乙津陸をはじめ、1階級上のスーパーバンタム級のRED王者・古村光、BLACK王者・古木誠也あたりと絡んでいく可能性が高まった。他の階級やどのルールで戦うかを含め、今後の動向が気になるところだ。
真琴、一航を切り裂き飛び膝でダウンを奪いスーパーバンタム級王座獲得
第10試合 NJKFスーパーバンタム級王座決定戦 3分5R
×一航(新興ムエタイジム/1位、Bigbang同級王者、元WBCムエタイ日本統一・WMC日本・NJKFバンタム級王者)
○真琴(誠輪ジム/3位)
判定0-3 (中山47-48/児島47-49/少47-49)
※真琴が王者に
1R、一航が中央側で構え、左ジャブ、右ロー、ミドル等を当てる。真琴は外側に立っているが、ロープやコーナーに詰められることは無く、終盤には右ストレート、ロー、左ハイ等を増やし、好印象で終える。
2R、一航は左ボディ、ミドル、真琴は右肘、テンカオ、左前蹴りを当てる。お互い崩しを決める場面も。まだ差ははっきりしない。
3R、お互い攻撃が増えると、真琴の右肘が当たり、一航は前頭部をカットして出血し、ドクターチェックが入る。再開後、一航は焦った様子でパンチラッシュを仕掛けるが、またも出血が激しくなり、終盤にもドクターチェックが入る。再開すると、またも一航はパンチを連打し、真琴は少し被弾するが逃げ切りポイントを取る。
4R、一航は積極的にパンチを振るうが、なかなかクリーンヒットにつなげられず。真琴は後手には回るものの、終盤、一航のパンチのタイミングで右の飛び膝蹴りを合わせてダウンを奪い、点差を広げる。
5R、一航は必死に前に出て、左ボディ、ミドルを強打する場面もあるが、真琴を捕まえきれず終了。真琴が下馬評を靴毛して判定勝ちし、ベルトを巻いた。
真琴は「正直、一航選手は色んなベルト持っててリスクしかないのに、知名度の無い僕と試合してくれてありがとうございます。大阪から友達もいっぱい来てくれてありがとうございます。ニュージャパンのベルトを取ったんで、このベルトの価値を上げれるよう頑張ります」とアピールした。
大田拓真、笹木一磨に判定勝ちしフェザー級王者に
第11試合 NJKFフェザー級王座決定戦 3分5R
○大田拓真(新興ムエタイジム/1位、元WBCムエタイ日本統一同級王者、IRON FISTスーパーフェザー級王者、元S-1日本-55kg級王者)
×笹木一磨(理心塾/2位)
判定3-0 (中山50-46/宮沢50-46/児島50-46)
※大田が王者に
大田はNJKFの主力として活躍しつつ、KrushやKNOCK OUTにも参戦。昨年5月にはメキシコに渡り地元の選手に2R TKO勝ちし、IRON FISTムエタイ世界スーパーフェザー級王座を獲得した。9月にはタイのルンピニースタジアムで毎週行われているONEフライデーファイツに参戦し、ジェルテ・ブロマート(ベルギー)に判定勝ちした。11月のNJKF後楽園大会に凱旋出場するとメインイベンターを務め、ルークワン・スーチーバァーミキョ (タイ)を4RローキックでKOした。団体内外での活躍が評価され、2023年のNJKFのMVPに選出された。さらにバウトレビュー賞、イーファイト賞にも選ばれ、3つの賞の獲得を果たしている。
試合前には前王者・前田浩喜がリングに上がり、正式にベルトを返上する。1R、大田がオーソドックス、笹木がサウスポーで構え、お互い蹴り主体の攻防となるが、まだ均衡状態だ。2Rはパンチの比重が上がるものの、基本的に同様で、お互いまだ攻略の糸口をつかめない。笹木は大田のローブロー、バッティングを度々被弾するが、少し休んでから再開を求める。試合の流れを止めたくないように見えるが、回復しきっていない感は否めない。
3R、大田が右ロー、ミドル、膝を当て続けていると、笹木は攻撃が減り、やや印象が悪くなる。終了間際、またも大田の蹴りがローブローとなってしまう。
4R、大田が右ミドル、膝、ストレートを度々当て、笹木を圧倒する。5Rも大田がミドルと膝主体で主導権を維持し判定勝ちした。
マイクを持った大田は「笹木選手、ファウルしてしまって申し訳ありません。東西対抗戦の大将としていい試合できず情け無いです。とりあえずチャンピオンベルトを取れて良かったです。また応援お願いします」と話した。
真吾YAMATO、タイのジャムワンスックに判定負け
第8試合 スーパーライト級 3分3R
○ジャムワンスック・ゲッナァーウィー(タイ/ジッムンノーンスタジアム王者)
×真吾YAMATO(大和ジム/元NJKFスーパーライト級王者)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
ジャムワンスックは今回日本で初の試合だったようだが、高いスキルを見せつける。セコンドにはウィラサクレック勢が付く。
1R、ジャムワンスックはサウスポーで構え、左ミドルを序盤から強打し続ける。中盤からは左ストレート、組んでの肘や膝も当て、主導権を維持する。
2R、開始すぐに真吾が右フックを当てるが、その後は続かず。ジャムワンスックが左ミドル、組んでの肘、膝等で真吾を攻め続ける。
3Rも同様で、ジャムワンスックが左ミドルを主体に、組んでの展開でも真吾の攻撃を寸断し、主導権を維持し判定勝ちした。
第7試合 66.6kg契約 3分3R
○吉田凜汰朗(VERTEX/NJKFスーパーライト級王者)
×青木洋輔(大和ジム/WBCムエタイ日本統一&NJKFウェルター級王者)
判定2-0 (中山30-29/児島29-29/多賀谷30-29)
1R、階級が上の青木がプレッシャーをかけるが、吉田は距離を取りつつ、リーチ差を活かして左のジャブや前蹴りを当てる。青木も右ストレートやローを当てるが、まだお互いヒットは伸びず差は乏しい。記者採点はイーブン。
2R、青木は前に出続け、右のカーフのヒットを増やす。吉田は耐え、随所でパンチや膝を返していたが、終了間際の青木の右カーフをもらうとスリップしてしまう。
3R、吉田はカーフを嫌ってサウスポーに切り替えつつ、膝やパンチを的確にヒットする。青木もローやパンチを返すが、詰め切れず終了する。僅差の内容だったが、ジャッジ2者は吉田を支持し、吉田が判定勝ちした。
第6試合 61.5kg契約 3分3R
×岩橋伸太郎(エスジム/NJKFライト級1位・元王者)
○TAaaaCHAN(PCK連闘会/聖域統一スーパーライト級王者)
3R 2’29” TKO (右ストレート)
1R、前に出る岩橋に対し、TAaaaCHANは左ジャブを突いて距離を保ちつつ、右ロー、左右のボディ、右ストレートを的確に当て続け主導権を握る。
2RもTAaaaCHANが距離を取りつつ、右カーフ、左右のテンカオ、右ストレート、ボディ等を当てて、手数差を維持する。
3R、岩橋も右ミドルのヒットを増やすが、TAaaaCHANは変わらず攻撃を返し、中盤には右肘で岩橋の前頭部を切り裂く。ドクターチェックの後、再開すると、岩橋は逆転を狙って打ち合いに臨むが、TAaaaCHANが立て続けに右ストレートを強打しダウンを奪う。岩橋は立ったがダメージが大きく、少レフェリーがストップした。
第5試合 ウェルター級 3分3R
○亜維二[あいじ](新興ムエタイジム/NJKF 5位)
×YUYA(クロスポイント吉祥寺)
2R 1’58” TKO (右フック)
YUYAは武田氏のX上での呼びかけに応じて参戦した、NJKF以外の選手。1R、亜維二がオーソドックス、YUYAがサウスポーで構え、お互いミドル、膝、パンチを積極的に当てるが、まだはっきり差はつかない。
2Rも似た攻防が続いたが、中盤、亜維二の右フックがさく裂すると、YUYAがフラつく。亜維二のパンチラッシュにYUYAも応じていたが、またも亜維二が右フックをクリーンヒットし、YUYAをKOした。
第4試合 NJKFライト級王座次期挑戦者決定戦 3分3R
×TAKUYA(K-CRONY/3位)
○祖父江泰司(理心塾/4位)
判定0-3 (27-29/26-30/26-30)
1R、首相撲の膝の応酬が続くが、終盤、パンチの攻防が増えると、最後に祖父江が左ストレートの連打でダウンを奪う。
2Rも組んで膝を打ち合う展開が多い中で、祖父江がパンチを絡めつつ、やや手数多く攻め優位を維持する。
3Rも組む展開が多いが、祖父江が右ハイ、左ストレートでTAKUYAをひるませ好印象を作り、点差を広げ判定勝ちした。
第3試合 ミネルヴァ 49.5kg契約 2分3R
○真美[まさみ]Team ImmortaL/S-1女子世界ライトフライ級王者)
×美斬帝[ミキティ](テツジム/ミネルヴァ・ライトフライ級1位)※喜多村美紀 改め
判定2-0 (29-29/29-28/29-28)
第2試合 フライ級 3分3R
△明夢(新興ムエタイジム)
△永井雷智(VALLELY)
判定0-1 (28-28/28-29/28-28)
第1試合 57kg契約 3分3R
△藤井 昴(KING gym)
△祖根亮麻(大和ジム)
判定0-0 (29-29/29-29/29-29)
オープニングファイト第2試合 アマチュアジュニア 2分2R
×竹田奏音(TAKEDA GYM)
○大澤透士(TRASH)
判定0-3
オープニングファイト第1試合 アマチュアジュニア 1分30秒2R
×坂田銀牙(TAKEDA GYM)
○川野獅童(クロスポイント大泉)
判定0-2