ONE 8.5 ルンピニー:待望の10年ぶり3度目の対戦へ。王者アラゾフ「彼にはスピードとパワーがあるが、私はインテリジェンスで戦う」×挑戦者グレゴリアン「あまり待たずに5R全てガンガン行く」
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ONE Fight Night 13(8月5日(土)タイ・バンコク・ルンピニースタジアム)のメインイベント、ONEキックボクシング・フェザー級チャンピオンシップで対戦するチンギス・アラゾフ(ベラルーシ/王者)とのマラット・グレゴリアン(アルメニア/2位)のインタビューがONEから届いた。大会の模様はABEMAにて5日午前9時から生中継される。(写真:(C) ONE Championship)
グレゴリアンは15年にK-1スーパー・ウェルター級(70kg)初代王座決定トーナメントを制すが、その後K-1を離れ、王座を返上。アラゾフは17年の第2代同級王座決定トーナメントで優勝した。それ以前の13年に両者は2度対戦しており、GLORYでの初対決ではグレゴリアンの反則の肘打ちでアラゾフが流血しノーコンテストとなり、同年末のVictoryという大会での再戦ではグレゴリアンが判定勝ちしている。K-1、ONEでもこれまで交わらな勝った二人がついに3度目の対戦を迎える。
アラゾフは21年10月から昨年3月にかけて行われたONEキック・フェザー級GPでサミー・サナとジョー・ナタウットを1RでKOし、決勝でもシッティチャイを判定で下し王座挑戦権を獲得した。今年1月に王者・スーパーボンに挑戦し、2R KO勝ちし頂点に立った。
グレゴリアンはGLORYのライト級王座を2度防衛し、20年からONEに上がり2連勝後、昨年3月にスーパーボンの王座に挑戦したが判定負け。昨年10月にタイフン・オズカンに判定勝ちして以来の試合となる。下記インタビューでも王者アラゾフは「ONEから初防衛戦の対戦相手候補を3人挙げられて、私はグリゴリアンを選んだ」と話している。
王者アラゾフ「私は自分がナンバーワンだと信じている。クレバーに戦う」
―― スーパーボンとのタイトル戦について
アラゾフ「戦う前からスーパーボンのことは知っていた。彼は卓越したテクニックと独自のスタイルも持っている。彼の攻めは、60~70%がキック、そして残りの30%はボクシングだ。でも、私はこのスタイルの相手は得意だ。近い距離でインサイドに入って戦う。マラット・グリゴリアンと同じだ。(試合で)スーパーボンは大きなミスを犯したが、私はこれを見逃さなかった。私が先に動いて距離を縮めると、それは彼にとって嫌な状況だったようだ。彼の得意な相手は、彼の距離内を出入りするタイプ。彼は距離を支配するのがうまいからね。あの試合のために、8ヶ月間毎日トレーニングを積んだ。毎日彼のことで頭がいっぱいだった。スーパーボンは前のグレゴリアン戦で相手の右クロスをもらうのを嫌がった。それを知っていた自分は、第1R、スーパーボンがパンチを全く出さなかったから、第2ラウンドに右クロスを出したんだ。」
―― ONEフェザー級キックボクシング王者になった後、生活はどう変化したか
アラゾフ「実際、タイトル戦の翌朝、コーチとトレーニングし、第1Rで自分が犯したミスを検証し練習で修正した。私は毎日トレーニングを欠かさない。コーチにはいつも勝たせてくれとお願いしているよ。私は彼を信頼しているし、彼も私を信頼している。コーチとの強い信頼関係もメンタル面でのトレーニング、戦術だ。今、私は世界で人気のあるファイターの一人だ。私はタイのクラビ島で活動しているが、多くの地元タイ人が私に敬意を示してくれる。この試合の後、YouTubeで私の様々な試合動画を見かけるようになった。この辺はとても素晴らしい変化だが、私自身はそのメンタリティは変えていない。スーパーボン戦より前から私は自分がナンバーワンだと信じていた。これからはもっと人々にそれを知ってもらいたい。」
―― マラット・グレゴリアン戦について
アラゾフ「この日を待っていたんだ。ONEから初防衛戦の対戦相手候補を3人挙げられて、私はグリゴリアンを選んだ。私たちは10年前に戦った。1度目はノーコンテスト。2戦目は負けた。その後、僕とマラットはお互い成長し名声を得た。私はトーナメントで優勝し王者となり、ONEの頂点に立った。ONEで私の階級は世界一だ。私にとってマラットはテクニシャンではない。スーパーボンと同じ、前に出るのが好きな強いファイターだ。アグレッシブだが、テクニックはない。彼の強さは距離を詰めることだ。彼はボクシングやキックを得意とするが、今では私のボクシングやキックの方が上だ。彼にはスピードとパワーがあるが、私はそこを私のインテリジェンスで戦う。勝利のために、私は前に出て戦う。
マラットのタイフン・オズカン戦(グレゴリアンが判定勝利)を観たが、彼は終始、ブロックをしながら前に出てカウンター攻撃に徹した。私は今回の試合、多くの戦術を用意した。私はこれまでKOを狙った戦術は立てない。相手のミスを見つけたら、そこを狙ってパンチを放つ。私は彼をKOできるかもしれない。しかし、私の戦術はKO狙いではなく、クレバーに戦うこと。心身ともに万全の状態だ。
今回は全く別の試合になるよ。私もマラットもキャリアが長いからだいぶ変わったはずだ。私たちは世界最高のファイターだ。これまでスーパーボンやシッティチャイ、強敵たちと戦ってきたが昔の自分とは別人だ。10年前とは全く別のファイトになるよ。10年も昔のことだ。私の人生はここ数年で劇的に変わってきたから、10年前とは10倍も変化しただろう。同じ試合にはならない。」
―― この試合の次は何を目指すのか
アラゾフ「プランは何もない。今はマラットとの試合に100%集中している。心身の準備はできているし、その質問はこの試合が終わってから答える。シッティチャイ戦、スーパーボン戦の時も同じだった。戦いの準備が100%できていても、神は別の計画を立てているかもしれない。我々は行っているのは本当に危険なスポーツ。だから、今はマラットに全集中している。」
―― 日本のファンへメッセージ
アラゾフ「まず日本の皆さんにコンニチハと言いたい。日本にたくさんのファンがいるからね。日本に行ったことがあるから、恋しいね。日本が大好きだからぜひまた日本で戦いたい。大好きな日本にいつか戻れたらいいね。東京がお気に入りだよ。日本にたくさんのファンがいることは分かっている。今週土曜日、マラット・グレゴリアンと戦う。この日を待ち侘びていた。準備万端だ。応援よろしくお願いします!」
挑戦者グレゴリアン「0.5秒もあれば、終わらせられる」
―― 3度目の対決について
グレゴリアン「私たちたお互いの事を知り尽くしている。あの時の私達は最高の若手ファイターだった。あれから私たちは大きく変わった。この2年間でチンギスもずっと強くなっている。お互い、常にトップ選手と戦い続けてきた。今の彼は全盛期だ。動きはシャープだし、コンディションも万全だ。試合はとても厳しいものになるだろう。しかし、私も準備万端だ。」
―― アラゾフの弱点は見つけているか
グレゴリアン「彼は爆発力があり、スピードがある。故に彼は危険な存在だ。そして、彼は優秀でクレバーなファイターだ。でもどんなファイターにも弱点はある。その弱点を突いて倒すつもりだ。ゲームプランは準備しているし、その戦術に従って戦うつもりだ。うまくいけば、私が有利だ。」
―― 試合展開について
グレゴリアン「5Rマッチは得意だ。私は5R戦うことに慣れているし、ラウンドが進めば、進むほど、私の動きはよくなる。試合は一瞬でも集中力をなくすと終わってしまう戦いになるだろう。全てのファンとメディアが喜ぶ内容になるはずだ。」
―― 戦術について
グレゴリアン「私は立ち上がり遅くて、徐々に上げていくタイプだ。しかし、この試合では、あまり待たずに5R全て直接ガンガン行こうと思っている。アラゾフは最初の2、3Rまでは爆発的なファイトを見せると思うが、その後はペースが落ちるかもしれない。私は5R全て全力で戦う準備ができている。」
―― 今回の試合の意味は
グレゴリアン「もちろん、私がゴールドを狙っている。今回のチャンスは私のキャリアで最も大切な試合になると思うから、勝利のために全力を尽くす。」
―― KO勝利の可能性について
グレゴリアン「私は自分を信じているし、自分の能力を理解している。私にはパワーと経験がある。このレベルまでいくと、全てが可能なんだ。0.5秒もあれば、終わらすことだってできる。」
―― 日本のファンにメッセージ
グレゴリアン「日本のファンの皆さんこんにちは。私は日本にたくさんのファンがいるね。言葉で説明するのは難しいけど、日本の素晴らしいファンのみんなが大好きさ。また日本で会えたらいいね。前回の対戦から私たちは多くの試合を戦ってきたから、今回は全く別の試合になるはずだ。私もとてもワクワクしている。私たちの試合を楽しんでほしい。」