ONE Championship 1.14 シンガポール:今年40歳の仙三「今までは『死んでもいいから勝つ』みたいな気分でしたが、今はその上の領域に行った」
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
センチャイムエタイジム中野
本場のムエタイ、教えます。初心者、ダイエット目的の方も大歓迎!まずは見学・体験を!
ONE Championship「ONE: HEAVY HITTERS」(1月14日(金)シンガポール・インドアスタジアム)でジェレミー・ミアドと対戦する仙三のインタビューがONEから届いた。大会の模様はABEMA 格闘チャンネルにて14日午後7時より生放送される。(写真:(C)ONE Championship)
(※編集部追記:記事掲載後、仙三の対戦相手がエリピツア・シレガー(インドネシア)に変更になったとの発表がONEからありました。他にも中止、放送延期のカードがあります。詳しくは記事末尾をご覧ください。)
MMA ストロー級 5分3R
仙三(パラエストラ松戸/パンクラス・フライ級王者)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)
仙三は19年からONEに上がりダニー・キンガド、リト・アディワンに連敗したが、20年12月にリャン・フイに判定勝ちし、ONE初白星をもぎ取った。試合はそれ以来1年ぶりだ。
仙三の相手、ジェレミー・ミアドはフィリピン出身で17年からONEに上がり、ONEでの戦績は8戦4勝4敗。19年11月、20年10月とミャオ・リータオと2連戦し、いずれもKO勝ちしている。仙三同様にパンチが得意で、スタンドの打撃戦が見ものだ。
――シンガポールに到着しました。調子はどうですか。
「減量真っ只中なので、少し体がだるいですね。昨日深夜2時くらいにホテルに着いて、だるさであまり眠れていないです。飛行機では映画2本くらい見て、仮眠してあっという間に着きました。キムタクのマスカレード・ナイトとヴェノムを見れて、ラッキーでした。」
――前回の試合を振り返ってみていただけますか。
「前回の試合は、すごいキツかったです。始まってすぐ、20~30秒とかで打った一発目のパンチで拳が折れてしまったんです。めちゃくちゃ痛かったです。1分くらいで金的で止まってその時も激痛で『うわ~これどうしよう』って考えていたら1ラウンド終わってしまって。このままじゃ負けるなって、1ラウンドで思ったんです。なので、考えるのをやめようと思ったし、(自分が怪我をしているって)悟られてもダメ。下がったらやられちゃうから、肘とか膝で前に出ようと思ってとにかく無我夢中でした。スタミナもすごい切れちゃったし、動けなくて負けちゃうと思って必死に前に出ました。そうしたら、中盤に相手のスタミナが切れてきて、これはもう気持ちの削り合いに持っていくしかないなって思いました。向こうも後半から疲れが出てきて、自分も全然動けなかったんですけど、気持ちだけはとにかく前に出ていこうと思って、なんとか勝った感じでした。勝利したとはいえ、自分の試合ができた感覚じゃなかったので、勝ってすぐはあまり嬉しくなかったです。周りは良かったね、俺らしい試合じゃなかったけど勝てて良かったねって言ってくれましたけど。拳が折れてからは、全然力入らず握れなかったんですけど、その手も出さないとやっぱりガンガン前に来られるし、こっちが弱気なのがバレちゃうなって思ったので、壊れた方も要所では使っていました。痛みがやばかったですね。勝ったから良かったけど負けていたら地獄でしたよ(苦笑)」
――あの試合での勝利は、ONE初白星でしたね。
「ONEに来てから苦しい試合しかしていないですけど、あの試合も苦しい試合の中でなんとか拾ったなって思います。気持ちで勝ったなと。」
――怪我が続いていた中、どのようにファイターとしての気持ちを維持してきましたか。
「ずっと自問自答でしたね。自分との戦いですよ。今の自分は、『最後は、人と戦うのではなくて、いかに自分と戦って、自分に負けなければ、負けることはない。』という考え方に辿り着きました。もう人との戦いじゃないというか。今回も、ジェレミー・ミアドとの戦いとは思っていないですね。自分との戦いだと思っているので。」分との戦いを続けてきたので、練習できない時間は長かったけど、自分と向き合ってきて、自分から逃げるってことをしてこなかったので。格闘家として強くなったかとか、技術が上積みされたとかは分からないですけど、気持ちの部分では一回り上のものを手に入れたのかなと。メンタルには自信があります。自分らしい試合ができると思うし、周りが面白いって思ってくれる試合ができるのかなと思います。何があっても逃げることはないし、ケージの中で諦めることは何があろうとないです。」
――今回の試合に向けての調整はどのように過ごしてきましたか。
「練習がものすごく辛かったです。練習ってこんなにきつかったっけ?と練習するのにも参ってしまうくらいきつくて、体が動かなかった。試合が決まってからスパーとかを初めて、体が本当に動かず、練習に行くの嫌だなって思うくらい辛かったです。2週間くらい前からようやく自分の動きを取り戻して来たので、良い試合ができると思います。本当に気持ちの部分は世界トップの選手にも全く負けていないので。面白い試合できるんじゃないかなって思います。」
――試合のオファーがあったのはいつですか。その時の気持ちを覚えていますか。
「12月頭だったと思います。マジかって思いました。(2021年にオファーが来ることはもう)完全にないと思っていたので。日本のRoad to ONEとかでオファーがあったのですが、流れてしまっていたこともあって、もう今年(2021年)はないかなって思っていました。練習は思う存分できていなかったですけど、決まったらどんな状態でも試合をしようとは思っていましたけど。自分の体もベストではなかったし、(試合が決まらないってことは)逆に試合をやるなって意味なんだなって捉えて、来年しっかり皆んなに試合を見せようって思っていたんです。そんな矢先に、ONEからオファーがきて、マジ?って不意打ちでしたね(笑)。でも、本当に嬉しかったです。どんな状態でも試合をやれるってことが、本当に嬉しいことだなって。明日出来ることすら分からないし、明日格闘技の練習ができるかも分からない、そう思ってやっているので、試合に辿り着けることが嬉しい。
前までは、負けるのが怖かったですね。応援してくれる人がいるので、結果が出なかったり負けたりするのが怖かったんですけど、今はもう戦えるところまで辿り着けるってことが、奇跡で、それは当たり前じゃないんだなと思っているので、練習もそうですけど、試合に立てることが嬉しいこと。勝ち負けもそうですけど、試合に上がれるって嬉しいことだなって、よく考えると(試合ができることって)そう簡単なことじゃないなって。だから、どんな結果であっても自分で今までやってきたことを全力でやって楽しみたいなって。みんなにも楽しんで欲しいなって思います。すごい楽しみです。」
――ジェレミー・ミアドは前回の試合ではTKO勝利、2連勝をマークしました。彼の試合を見てどんな印象を受けましたか。
「強いなーって思いましたね。他の試合も見たんですけど、めちゃめちゃ良い選手だなと思いました。身体的に才能を感じるファイターですね。スピードも、バネもパワーもあるなって。身体的、才能で言ったら自分より上かなって思いましたね。すごい良い選手だと思います。」
――相手は、「仙三選手はベテランでパンクラスの王者、この対戦をこれまでで一番タフな試合になる」と話しています。相手の強みや弱み、どのように分析をしていますか。
「強みは、やっぱり勢いですよね。勢いがものすごい、恐れ知らず。全く怖がらずガンガン攻めてくる度胸もある。あとは身体的能力が高いなって。だから、一発もらったら危ないなって思います。でも、メンタルで言ったら自分の方が全然強いじゃないかと思います。それだけ苦しい試合をしているのは自分。彼の過去の試合を見ても自分の方がとんでもない苦しい試合をしてきたと思うので。苦しい試合になった時の強さは自分の方が上なんじゃないかと感じますし、彼が今まで戦ってきた相手と自分は違うと思うので。自分は意識さえ飛ばなければ、やられると思っていないので。他の選手は彼の強さにビビっちゃっているというのがあったけど、自分は相手にビビるってことはないんで。向こうが僕の意識を飛ばさなければ、自分が100%勝つなって思っています。」
――この試合に向けて、誰とどんな練習をしてきましたか。
「相手がストライカーなので、今回セコンドについてもらう松井トキくんと一緒に打撃中心のMMAのスパーをしてきました。あとは、ジムで若くて強い子がいっぱいいるので、打撃中心のオールラウンダー達とスパーしてきました。20代の若い選手たちとガツガツやってきましたね。自分オジサンなんで、すごいキツくて、最初は病んでましたよ(笑)」
――前回の試合から変わったことはありますか。
「正直なところ、ファイターとしての技術で進化したところは特にないですね。怪我をしていて、練習をあまりできなかったので。なので、上積みしてきたテクニックは特にないかもしれないです。ただ、気持ちの部分では相当変わったと思うんですよね。1年前の試合と比べるとだいぶ違います。もう一つ、自分のことを知れたし、楽になった。力を抜いて戦えるようになったと思う。今までは、死んでも良いから勝つ、みたいな気分でしたが、今はその上の領域に行ったので、それすらも思わないし、覚悟を決める必要もない。日頃から自分の気持ちや感覚が整っていますね。戦うから特別なんじゃなくて、今一日過ごせていることが特別だなっていう気持ちなので。毎日、命かけてやっている、生きているって感覚なので、この気持ちで負けるようだったら意識無くなった時くらいだし、もし負けちゃったら、本当ごめん、みたいな感じですし、またやるしかないなって思うだけだと思います。」
――この試合はどんな試合になると思いますか。
「もちろん自分の考えでは、自分が絶対勝つ。負けるとしたら、失神するかレフェリーストップという可能性はゼロじゃないですけど、KOなり、一本なり、判定なり、どれかで自分が勝つんじゃないかなって思います。自分とやり合って相手が動き続けていれば、相手の心が折れるんじゃないかなと思っています。打撃で戦おうとは考えていますね。でも、その時になって打撃が通用しない可能性もありますし。寝技に行って通用しない場合もあります。打撃って正直いつでも行けるし、殴り合いはいつでも出来るので、焦って殴り合いをする必要はないですね。焦らず色んな戦い方をしたいなって思います。」
――一番良い試合の終わり方はどのように想定していますか。
「フィニッシュとかはあまり考えていないですね。見てくれている人に楽しんでもらえる試合をしたいと思っているので、フィニッシュっていうより、盛り上がる試合をしたいです。見ていて盛り上がる、どっちが勝つんだ?っていうような展開で勝てたらと。楽して勝ちたとかは思っていないし、ONEのスタッフにすら面白い試合だなって思ってもらえる、応援してくれている人やファンの人に、面白かったって思ってもらえるような試合をして勝てたらと思いますね。会場にもお客さんいるということだし、相手の選手もガンガンくる選手なので負けようが勝とうが盛り上がる試合をしたいです。仙三の試合は面白いなって思ってもらいたいですね。」
――仙三選手は今年40歳になりますよね。ファイターとしての体の管理やコンディションの管理はどのようにしているのですか。
「ここ最近でだいぶ変わりました。ここ一年でだいぶ変わりました。怪我と向き合う時間がすごい多かったので、やらないように心掛けています。やって怪我しちゃうので、逆にやらないっていうのが最近は大事なんだなって思って、昔と比べたら練習の量を減らしていますね。その時の体と相談して、練習をコントロールしています。」
――ストロー級は加熱していますが、この試合で勝てば再びランカーとの試合に期待していますか。
「自分もランキングに入っている選手と戦えると思うんですよね。身体的に考えたら劣るところもありますけど、正直勝てるなっていうのもすごいあります。やるからには強い選手とやって、もちろんチャンピオンを目指してやらないと意味がないので。なれると思ってONEに来たので、やるからにはそこしか目指していないです。強ければ強いほど自分の力を発揮できるし、面白い試合ができると思うので、やりたいですね。」
――新年の目標は。
「とにかく、いっぱい試合したいです。コンスタントに試合して、みんなに見てもらえるようにしたい。今は怪我もあって1年に1試合しかできていなくて、若い頃は1年で5試合やったこともあったので。勝っていないとそんだけ試合組んでもらえないとは思うので、コンスタントに試合できるように結果を残すことで、上の選手達と試合をしたい。しっかり結果を残して、体も整えて、いっぱい戦いたいです。」
――最後にONEのファンへメッセージを。
「自分の試合は絶対面白い試合になると思うので、皆さんに楽しんでもらえたら嬉しいなって思います。自分もここまでやってきた、積み重ねてきたので楽しみたいと思います。結果もそうですけど、自分がやってきたことを信じて、全力でぶつけたいと思うので、楽しみにしていて欲しいです。自分が追い詰められたら激闘になると思います。しっかり勝ちます!」
対戦カード
【メインカード】21:30開始
第8試合 メインイベント ONE MMA女子ストロー級タイトルマッチ 5分5R
ション・ジンナン(中国/王者)※6度目の防衛戦
三浦彩佳(TRIBE TOKYO MMA/4位)
第7試合 ムエタイ バンタム級 3分3R
セーマペッチ・フェアテックス(1位)
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム
第6試合 MMA ライト級 5分3R
ジェームズ・ナカシマ
ザイード・イザガクマエフ
第5試合 ムエタイ 女子ストロー級 3分3R
スーパーガール・ジャルンサックムエタイ
エカテリーナ・ヴァンダリーバ
第4試合 MMA ストロー級 5分3R
仙三(パラエストラ松戸/パンクラス・フライ級王者)
エリピツア・シレガー(インドネシア)※ジェレミー・ミアド(フィリピン)から変更
第3試合 キックボクシング ライトヘビー級 3分3R
ベイブラット・イスアエフ
ヤニス・ストフォリディス
【リードカード】20:30開始
第2試合 MMA 女子ストロー級 5分3R
ティファニー・テオ
メン・ボー
第1試合 MMA バンタム級 5分3R
上久保周哉(TRI.H studio/頂柔術)
トロイ・ウォーゼン(米国)
【中止または放送延期】
コーメインイベント ONEキックボクシング・ライトヘビー級タイトルマッチ 3分5R
ローマン・クリークリャ(王者)
ムラト・アイグン(挑戦者)
ムエタイ フライ級 3分3R
エリアス・マムーディ(5位)
ボルター・ゴンサルベス(キックボクシング3位)
MMA ミドル級 5分3R (※放送延期)
岡見勇信(EXFIGHT)
レアンドロ・アタイデス(ブラジル)
MMA ストロー級 5分3R
ロビン・カタラン
エリピツア・シレガー