K-1 9.20 横浜アリーナ(一夜明け会見):3連続KO優勝の野杁正明「記者に散々言われ悔しかったんでフィジカルを鍛えた。それが今回の結果につながった」/中村P「大会のMVPは安保瑠輝也」
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K-1 WORLD GP 2021 JAPAN~よこはまつり(9月20日(月/祝) 横浜アリーナ)の一夜明け会見が21日、東京で行なわれた。そのレポートがK-1 JAPAN GROUPから届いている。(会見写真:(C)K-1)
K-1 9.20 横浜アリーナ(レポ1/2):「今日、怪物だったですよね?」野杁正明、安保瑠輝也らを3連続KOしウェルター級王者に
K-1 9.20 横浜アリーナ(レポ2/2):石井慧、初のK-1は延長判定勝ち。カリミアンは京太郎から白星。武尊頂点のSフェザーは芦澤竜誠、村越優汰、朝久裕貴が勝利
野杁正明、これからも怪物らしさを見せる!「今は外国人選手が相手でもKOする自信がある。これからも相手をバタバタと倒していく」
野杁正明は、2年ぶり2度目の開催となった“よこはまつり”の目玉として開催された「【株式会社メディオック Presents】K-1 WORLD GP第2代ウェルター級王座決定トーナメント」に優勝候補の大本命として臨んだ。
安保瑠輝也との「決勝戦での2強対決が実現なるか」という注目の中、野杁は「3連続KOで強さを見せて優勝する」と自信の発言。その予告通り、1回戦はFUMIYAのパワフルな攻撃をブロックし、力強いヒザ蹴りやパンチを叩き込んで2分10秒でKO。準決勝は寧仁太・アリに三日月蹴りを突き刺し、強烈なボディブローを浴びせてわずか1分32秒でKOする。
決勝では安保瑠輝也に対してじりじりとプレッシャーを掛けて追い詰め、カーフキック(膝から下・ふくらはぎを蹴るローキック)で安保の足にダメージを蓄積させ、3Rに左ボディ、三日月蹴り、前蹴りとボディ攻撃で3度のダウンを奪い、宣言通りの「全試合KO勝利」という圧巻の強さを見せつけた。
一夜明けて、野杁は「有言実行できた。充実してた、いい一日でした」と振り返った。試合後に「9月頭に足の筋断裂をした。練習を再開できたのは2週間前」と明かしたが、その影響については「1回戦、準決勝は1Rで終わったので大丈夫だったんですけど、決勝は2Rかな? 若干違和感があってパンチを打つ時に踏ん張れなかった。でも筋断裂した時のような痛みはなかったんで大丈夫でした」と言う。
ウェルター級に階級を上げてからKOが少なかったことについて「記者の人たちに散々言われて(苦笑)。悔しかったのでフィジカルを鍛えたんですよ。それが今回の結果につながった。今は外国人選手もKOする自信がある」と確かな手応えを掴んだ。
ベルト獲得の喜びについて「家族や親戚は喜んでくれましたけど、僕自身はそんなに変わらない」という。それはすでに「世界」に目を向けているからだ。
「このベルトを狙ってる外国人選手はたくさんいる。すでにピケオーがアンサーしてくれてるし(SNSで名乗りを挙げた)。強い外国人選手とベルトを賭けて、4人トーナメントをやりたい」と野杁。「昨日のトーナメントを見ても、無理に8人でやることはないかなと。4人トーナメントなら2階級できる。僕がチャンピオンになって、そうした発言をしていって、新しい可能性を見い出していきたい。これからも『怪物』らしく、対戦相手をバタバタと倒していくんで、応援よろしくお願いします」。
圧巻の強さを見せつけた野杁正明の「怪物伝説・ウェルター級編」が幕を開けた。これからの活躍が楽しみだ。
◆野杁正明
「昨日は有言実行できた、充実してた、いい一日だったなと改めて思いました。(トーナメントの3試合の感想を)そうですね、1回戦、準決勝は、戦前からずっと『実力差を見せつける内容にする』と言っていて、それが実行できた。合格点をあげられる試合だったんじゃないかなって思ってます。
決勝は、本当は1RでKOしたかったんですけど、無理して1Rから攻めるともちろんリスクもありますし。それはセコンド陣と直前に対策を練って『3Rかけて倒せばいいよ』と言ってたんで。試合を見ても、ちゃんとセコンド陣とのやり取りも出来てたんで。作戦通りに進められてよかったなと思いましたね。
(今後、チャンピオンとしてどのような展望を持って戦いますか?)そうですね、もちろん圧倒的な強さを見せつけなければいけないなと思いますし。今、僕がベルトを持ってますけど、世界一かと言われたら、この階級には海外の強豪がまだまだたくさんいるんで。ジョーダン・ピケオーもアンサーしてくれてますし、他にもこのベルトを狙ってる選手はいるんで。僕が言っていた通り、このベルトを賭けて世界トーナメントをやりたいと思ってます。
K-1のトーナメントは今、8人トーナメントなんですけど、昨日のトーナメントを見ても無理して8人にする必要はないのかなと思いました。1日3試合は疲れるっていうのもありますし、階級や内容によっては4人トーナメントもありかなと。4人トーナメントならトータル3試合じゃないですか。1日に2階級出来ますし、1日に2つのトーナメントを見れるのも贅沢だと思います。僕がチャンピオンになってどんどん発言することで、今のK-1にない新しい可能性を見い出していきたいなと思います。そういったところをどんどん期待していってほしいな、と思いますね。
(自分の近くにベルトがある、という状況については)素直に嬉しい気持ちもありますけど。そんな特に、あんま変わりはないというか(笑)。僕自身は、そんな気持ちの変化はないですね。親戚とか家族とかは喜んでくれるんで。娘は『キラキラのベルトを見たい』ってずっと言ってたんで、すごい喜んでくれましたし。僕自身は、そんな(変化は)ないですね。
(試合前の「圧勝しなきゃいけない」は、自分自身にプレッシャーには?)もちろんプレッシャーはあって、たくさんの人に『勝って当然』と言われて、僕自身も『レベルの差を見せつけなければいけない』と言ってましたし。プレッシャーに感じることはあったんですけど、なんていうんですかね? それもプレッシャーにならないというか。本当に自分の実力を出せれば、それは必ず出来ることだと思ってたので。そんなプレッシャーは感じなかったですね。
(昨日は日本人選手相手にあれだけの倒しっぷりを見せて、それまでは外国人選手をなかなかKO出来なかったのは、打たれ強さとかフィジカルの差?)それは記者の人たちに(階級を上げてからKOが出来ない、と)散々言われてて(苦笑)、それが悔しかったんで、今回フィジカルを鍛えたんですよ。それが今回の結果につながったんで、今、外国人選手とやっても全然KOする自信はありますし。これから、さらに強くなった僕の戦い方を楽しみにしてほしいな、っていう気持ちはありますね。
(フィジカルが強くなった部分を外国人選手にも試したい?)そうですね。今回、日本人選手とやって、倒せるっていうところを見せれたんで。次は外国人選手を倒すところを見せなければいけない、って思ってて。その舞台が欲しいですね。
(試合後に明かした足の筋断裂、試合に影響は?)1回戦と準決勝は1Rで終わったんで大丈夫だったんですけど、決勝の2Rかな? それぐらいに若干違和感があって。踏ん張れなかったりだとか、パンチを打つ時に踏み込むのがいつも通りな感じじゃない、しっかり踏ん張れない感じはあったんですけど。でも、筋断裂したばっかの時の痛みと比べたら、そういう痛みは全然なかったんで。特に問題はなかったですね。
(10代の頃から活躍されて、格闘技に飽きたり、疲れたりはなかったですか?)いや、昔はありましたね。まだプロになる前の中学生の頃とかは、友達はみんな遊んでますし。当時は周りの子は恋人が出来て、遊びに行ったりしてる中で自分は練習しなきゃいけなかったり。格闘技が嫌になって、全然練習しないで試合に出て負けたり。そういう時は『辞めたいな』って思う時はありましたけど。
でも今は全然ないですね。格闘技は僕の生活の一部なんで。格闘技がなかったら、今の僕はいないと思いますし。本当に怪我をして、練習できない時は、なんかソワソワするというか。練習は僕の生活の一部なんで。格闘技は、僕が生きていく上で大切な存在ですね、はい。
(最後に、ファンのみなさんへメッセージを)昨日はたくさんの応援をありがとうございました。これから先も怪物らしく、バタバタと対戦相手を倒していくんで、野杁正明をこれからも応援、よろしくお願いします。ありがとうございました」
中村拓己プロデューサーがウェルター級王座決定トーナメントを総括「野杁選手は怖さを感じさせる王座戴冠劇だった。大会のMVPは安保瑠輝也」
会見に出席した中村拓己K-1プロデューサーは「昨日の大会はK-1 JAPAN GROUPとして2度目の横浜アリーナ大会で、人数制限があるなかでもたくさんの方に会場に来ていただきました。生中継していただいたABEMAさんからも、武尊選手とレオナ・ペタス選手が対戦した3月の日本武道館大会に近い規模の数字だったと報告もあり、K’FESTAと並ぶビッグマッチに相応しい大会だったと思います」と大会全体を総括。
野杁正明の優勝で幕を閉じた【株式会社メディオック Presents】K-1 WORLD GP第2代ウェルター級王座決定トーナメントについては、「優勝した野杁選手は一言で言うと強かった、と。見ているこちらも怖さを感じるようなKOを三つ続けての優勝。試合前の怪我を感じさせない戦いで、K-1王者に相応しい王座戴冠劇だったと思う」と振り返った。
また中村プロデューサーは「野杁選手の強さ、そしてトーナメントの注目を集めたのは安保瑠輝也選手がいたから。僕は昨日の大会のMVPは安保選手だと思います」と野杁とベルトを争った安保を高評価。
さらに「今大会のマッチメークを考えていく中で、当初、王座決定トーナメントは外国人選手が来日できるようになってからやる方針だったのですが、日本にいる選手たちでトーナメントをやろうと思ったのも野杁選手と安保選手がいたからです。安保選手も野杁選手と同じく1回戦・準決勝と強さを見せて、あれだけ決勝が盛り上がったのは野杁選手と逆ブロックから安保選手が勝ちあがってきたからで、安保選手が相手だったからこそ野杁選手の強さも際立ったと思います。野杁選手の圧倒的な強さと同様に安保選手もの活躍を評価したい」と続けた。
シナ・カリミアン、京太郎を撃破し重量級二冠王を宣言!「誰もヘビー級、クルーザー級の2冠を達成した選手はいない。自分が重量級の2冠を獲る初めての選手になる」
第20試合に出場し、“日本ヘビー級最強の男”京太郎とのK-1ヘビー級戦に臨んだシナ・カリミアンが会見に出席。戦前には京太郎の挑発に怒り心頭の様子を見せたカリミアンだったが、試合ではリーチを活かした右ローを軸に冷静にプランを遂行した。
一進一退のままもつれ込んだ延長戦では自らプレッシャーをかけ、得意のバックハンドブローを強振。スプリット判定をたぐり寄せ勝利をもぎ取った。
勝利から一夜明けたカリミアンは「リラックスして楽しめた試合だった」と、清々しい表情で前夜の感想を語った。試合前に右足のつま先を骨折し、キックを満足に打てない状態であったというが、京太郎のパンチを受け「顔面に受けたが効くことはなかった」という自信から、ノーガードでのプレッシャーを敢行。
「バックブロー以外にもちゃんとした技術を練習している。彼に何もさせず完封できた」と、採点以上に差をつけた試合だったと自信を見せた。
今後は宣言通り「過去誰もヘビー級・クルーザー級の2冠を達成した選手はいないので、その初めての選手として2冠を獲りたい」と重量級2冠王を宣言。その一方、同大会でK-1デビューを飾った石井慧に対しては「京太郎選手が日本人で一番強いと思っていたので、もし石井選手が京太郎選手より強いというなら、ぜひ戦ってみたい」と、将来的な対戦の可能性を示唆するに留めた。
◆シナ・カリミアン
「昨日の試合は自分自身、リラックスして楽しめた試合だったと思う。(試合を見直した感想は?)国内外の友だちから、試合内容がすごく良かったと聞いている。まだ自分の試合は見ていないが、早く自分の試合の映像を見たいと思う。
(今後どんなプランを持って戦っていく?)過去誰もヘビー級・クルーザー級の2冠を成し遂げたことはないので、その初めての選手として2冠を獲りたいと思う。(延長でわざと京太郎のパンチを顔面に受けるようなシーンがあったが)試合中にガードを下ろして、京太郎に見せて、ボクシングのチャンピオンならチャンピオンらしくパンチを打ってこいと(誘った)。
何度かパンチを顔面に受けたが効くことはなかったので、そういった意味でああいう風にノーガードにしてみた。そこで京太郎が打ってくることはなかったけどね。あとは今回試合前に右足のつま先を骨折していて、蹴りを使うことができなかった。なので今回はキックではなくパンチがメインの試合運びとなった。
(京太郎が試合前に「バックハンドブローでしか倒せない」と挑発していたが、それに対していろんな技を見せたいという思いはあった?)彼は試合前からバックブローしかないと散々言ってきたが、昨日の試合で彼もちゃんとわかったと思う。自分自身バックブロー以外にもちゃんとした技術を練習していて、彼に何もさせず完封できた試合だったと思っている。
(スーパー・ヘビー級ですが、世界的なビッグネームである石井慧が参戦しているが、戦う可能性はある?)自分自身誰と戦うかは特に考えていないし、もし石井と戦うことになれば、それはそれで戦う。ただ自分の中で京太郎は過去にレジェンド、ピーター・アーツやジェロム・レ・バンナと戦ってきて、日本人の中では一番強い選手と思っていたので、もし石井が京太郎よりも強いというなら、ぜひ戦ってみたい。
(ファンへメッセージ)応援してくださるファンの皆さん、大会を実現してくれた関係者の皆さん、素晴らしい大会をありがとうございます。この状況の中で大会に参戦できたのはうれしい。また会場にいつも応援してくださる皆さんのおかげで、私は最高のパフォーマンスができている。(日本語で)今日はありがとうございました」
石井慧、K-1デビュー戦勝利の先に京太郎との決戦を見据える!「次で負けているようじゃ仕方ない。僕も勝っていっていずれ京太郎選手とやりたい」
第14試合では、北京五輪柔道金メダリスト・石井慧が愛鷹亮と対戦。愛鷹の左右フックをガードでしのぐ石井は左のショートストレートと左ローで応戦。明確な決定打がないまま延長にもつれ込んだが、石井がコンビネーションと左ストレートでポイントを奪取。K-1デビュー戦を白星で飾った。
K-1デビュー戦から一夜明けた石井は、試合当日であった9月20日がコーチの誕生日だったといい「いい誕生日プレゼントになったと思います」と安堵の表情を見せた。
K-1クルーザー級の第一線で戦う愛鷹亮を相手に堂々とした戦い振りを見せた石井だったが、試合の出来は50点という自己評価。「気持ちで負けずに最後に競り勝てた」とメンタル面を評価する一方、「自分から組み立てられなかったのはよくなかった」と反省の姿勢を見せた。
試合後のインタビューでは京太郎との一戦を臨んだ石井は、京太郎が敗れた後も「日本人で一番強いと思っているし、昨日は-100kgに減量していたので、あまり参考にならない」とその評価は変わらず。将来的には「僕も次で負けているようじゃ仕方ないので、勝っていっていずれやりたいですね」と改めてK-1スーパー・ヘビー級での対戦を熱望した。
◆石井慧
「(試合を終えて)一安心です。昨日はコーチの誕生日でもあったので、いい誕生日プレゼントになったと思います。(試合を見直した感想は?)やっぱりもっと自分から仕掛けていって、コンビネーションを出して行けたらなと。次の試合に向けて、今回できなかったことを次回できるようになって戻ってきたいと思います。
(試合後にミルコから祝福はあった?)『おめでとう』と言葉をもらいました。(K-デビュー戦、自己評価は何点?)難しいですね。50点くらいかな。気持ちで負けずに最後競り勝てたのはよかったですね。自分から組み立てられなかったのはよくなかった。100点は難しいです。
(3R通して両者の疲労感があったように見えた。何ラウンドからどう感じていた?)疲労はありましたが、延長で負けたら今まで練習してきたこと、次の練習のモチベーションにも繋がるし、ここまで来たら絶対勝ちたいという気持ちでやりました。
(愛鷹がロー主体のいつもと違う戦い方をしてきたが)パンチを振り回してくることを想定して練習をやってきたので、僕の予想とは違いました。相手が想定と違った場合に自分で組み立てられなかったところが次への課題かなと思います。
(試合後に京太郎との一戦を臨むコメントをしていたが、昨晩は京太郎が結果を出せなかった。今でもやりたいと思う?)もちろんですね。(日本人で)一番強いと思っているし、昨日も-100kgで減量しての試合だったので、あまり参考にはならないと思っています。(やるならスーパー・ヘビー級?)そうですね。もし京太郎選手とやるなら僕も勝っていってという感じで。僕も次で負けているようじゃちょっとアレなんで、勝っていっていずれやりたいですね。
(全くの別競技に挑もうと思った理由、いけると思った理由は?)K-1ですよ? 僕はK-1で戦いたいという気持ちが純粋にあって。K-1の舞台で戦いたいというのと、打撃だけの競技でやるのが一番打撃のスキルアップになるかなと思ったからです。(ミルコが戦っていた舞台に自分も出たいという気持ちもあった?)その前からですね。小さい頃からK-1を見てましたし、日本人からしたら特別な場所だと思います。(ファンへメッセージ)ありがとうございました。またお願いします」
佐々木大蔵、林健太との元同門対決を制し、さらなる高みへ「健太の熱に引き寄せられて、健太の気持ちに応えたくて打ち合った。これからも高みを目指すことに変わりはない」
第19試合では現Krushスーパー・ライト級王者の佐々木大蔵が、元K-1ライト級王者の林健太とK-1スーパー・ライト級ワンマッチで対戦。2Rにダウンを奪った佐々木は、林の右ストレートでダウンを取り返されるも、すぐさま右ストレートで2度目のダウンを奪ってみせる。3Rも最後までパンチを打ち合った結果、元同門の林に3-0の判定勝利を収めた。
会見に登場した佐々木は元後輩との一戦を制したことに関して、「健太との3分3R、そして横浜アリーナの地で戦えたというのは自分にとってもいい経験になりましたし、今後に活かせる財産になりました」とコメント。
今回の試合に向けて佐々木は、林が得意としているボクシングの技術を磨く練習に取り組んできたとのことだが「いろんなことを初めて練習してきた部分があって、それが自分の中に落とし込めている部分がありました」と、その成果が試合結果に繋がったという。
終盤のパンチの打ち合いは、「いつもだったら安全運転というか、打ち合わない場面でも打ち合ったっていうのは、健太の熱に引き寄せられてというか。ここで応えてやるぞというか、上回ってやるぞという中途半端な気持ちになりたくなかったっていうことで、自然と背中を押されましたね」と、相手が林だったからこその打ち合いだったようだ。
現在はKrushスーパー・ライト級王者でもある佐々木だが、K-1のスーパー・ライト級王座はジムの先輩である山崎秀晃が保持している。「ベルトを持っていようが、常に目標としている高みを目指していることに何ら変わりはないので、そのまま突き進むだけですね」と、具体的には語らなかったが、佐々木の目には次なる目標も見えている様子。
「元同門の健太と試合できたのは本当に自分にとってプラスになったと言ってもらえるような試合を今後展開していけるように、日々トレーニング、日々生きていくので、これからも期待をよろしくお願いします」と、元同門対決の勝利を糧に目指す高みへ突き進むことを宣言していた。
村越優汰、西元也史を完封し“判定マシーン”開眼!?「俺には俺の味があるし、俺はしっかり判定までいって技術テクニックを見せて、3分3R相手を調理して魅せる」
第17試合では王座再挑戦を目指す村越優汰が、勝った試合がすべてKO勝利という“KOマシーン”西元也史と対戦。1Rに西元の左フックに合わせた右フックでダウンを奪取すると、逆転を狙う西元の突進をカウンターでさばいて大差の判定勝利。持ち味の冷静さを存分に発揮した完勝劇を見せた。
強打の西元を完封した村越は「試合前から言っていたとおりに完封できた。有限実行できたかな」と満足感を見せ、試合の出来に「70~80点ですかね」と高い点数をつけた。
試合前には「判定マシーン vs KOマシーン」と煽られたことに対し、村越は「それが俺のキャラになってきた」と納得の表情。「俺はしっかり判定までいって技術・テクニックを見せて、3分3R相手を調理する」と、確立されつつある自らの持ち味に自信。そのうえで「もう一回ベルトを巻きたいのはありますね」と、ベルトに向かって突き進む構えを見せた
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朝久裕貴、MOMOTAROを倒した左フックを解説「あのパンチはフック・ストレート・オーバーハンドの3つの間のような独特なパンチです」
第16試合でMOMOTAROとK-1スーパー・フェザー級スーパーファイトを戦った朝久裕貴は、1Rに左フックでダウンを奪取。さらにラウンド終盤に左フック、右ストレート、左フックを立て続けに叩き込んで1R2分59秒、ラウンド終了直前ながらMOMOTAROをマットに沈めてKO勝利をもぎ取った。
見事なパンチでのKO勝利に「今まで出してこなかった技とかも少しずつ使い始めて、僕は蹴りのイメージが強かったと思うんですけど、パンチの強さも知ってもらえたかなと思います」とご機嫌な様子の朝久。ダウンを奪った左フックは「技の分類でいうと左フックに近いと思うんですけど、フックとストレートとオーバーハンドの3つの間のような独特なパンチですね」と、朝久空手の独特な技だったことを自ら解説した。
投入を予告していた“妖刀”については、「MOMOTARO選手と向かい合って、使わなかったというより出入りの速さだったり巧さを感じて、1Rは出せないと思った」と、MOMOTAROに阻まれたことで出さなかったとのことだが、その代わりにこの独特の左フックが火を噴いた。
圧勝と言っても差し支えない試合だったものの「今まで戦ってきた選手と違ったスピードと、散らしと、今まで僕がかけていたフェイントに引っかからなかったんですよね、なかなか。で、そのパターンを変えてみたら、そこにハマったんですけど、そのフェイントにかかるのは今のところ僕の弟の泰央だけだったのでとても高いレベルにいるなと思いました」と、MOMOTAROの強さも実感したという。
しかし、「判定ならば圧倒した判定勝利で、KOする時はチャンスを逃さず一気に詰めるような戦い方ができればなと、これからは思っています」と、さらに自分自身の強さを極めていきたいという気持ちも強い朝久。
現在は中国・武林風WLF -60kg級王座を保持しているが、来年にはその防衛戦も控えているという。また「日本でベルトを巻く時はK-1のベルトと決めていて、戦いたい選手がいるって言ったんですけど、そのベルトを目指していく上で時期やタイミングが合えば戦うことになると思います」と、貪欲にK-1のベルトにも狙いを定めており、一足先にK-1ライト級王者となった弟の泰央に続き、兄弟王者も視野に入れているようだった。
城戸康裕、山内佑太郎のラストファイトを振り返る「山内さんは僕が高めに想定していたレベルの遥か上で来た。新技を出す余裕もなく、全力で戦いました」
第15試合に登場した城戸は、これが引退試合となる山内祐太郎と対戦。山内が得意のインファイトに持ち込むべく踏み込んでパンチを狙い、城戸は下がりながら距離を取り、蹴りを当てていく。1Rは様子見で終わったが、2Rになると山内がプレッシャーを強めたところに城戸がパンチを浴びせて、3度ダウンを奪ってKO勝利を収めた。
一夜明けて、城戸は「山内さんは、僕が高めに想定してたレベルのさらに上で来た」と明かした。予告していた新技「城戸コプター」を出す余裕もなく「全力でいかないと山内さんに失礼になるから」といい、珍しく真面目に試合を振り返った。
「眠い!集まるのが早い!12時入りですからね(笑)。(昨日の試合内容について)試合内容はリアルに30点です。やりたいことを全然やれなかったし。でも家に帰って俯瞰で見てみたら、これを『どうしたの?』と思う人はあんまいないでしょうけど。次につながる戦い方はあんまできてなかったなっていう感じです。
(試合後に山内祐太郎選手と話した?)話しました。どういう風に生活してる、みたいな(笑)。そんな風な話をしましたね。今、格闘家のみんなが(キックパンツに)スポンサーを付けて生活してますけど『それを考えたのは元々僕なんですよ』みたいな話をしましたね。あのシステムを考えたのは僕ですからね。20年前はみんな何も付いてなかったんです。(50歳までやる、という気持ちは?)僕、前々回の試合は『還暦までやる』って言ってたんですよ。ちょっと短く言っちゃったなと思って、そこだけ反省してます。
(昨日は山内選手の引退試合でしたが、自分に当てはめて考えてみました?)昨日の昼間に、相手のメンタルになって考えてみようと思って。バンテージを巻いて貰う時に『こうやって巻いて貰うのは最後か』とか思いながら巻くのか、とか考えたんですよ。でも、あんまやることは変わんねえだろうな、と思ってそのまんま普通にしましたね。
(試合中は相手の気持ちは?)もうまったくないです。試合中にそんな気持ちを出してたらまったくダメでしょうし。ただ、山内さんは『このくらいの感じで仕上げてくるだろうな』と高い位置に想定してたんですけど、僕が思ってたよりも昨日の山内さんは全然上にいました。1Rは『ああ』と思って。それで探り探りの試合して、2Rから行こう、という感じでしたね。
(共に戦ってきた人が引退していくことについては)僕が25~26歳の頃、K-1WORLDMAXの頃に試合を見に来てくれてた人がいて、さっきLINEで『昨日久しぶりに見に行ったら、選手が全然変わっちゃってほぼ一人も分からない』って。10年前と今じゃガラリと選手は違うでしょうし。ただ徐々に、徐々になんであんまり気づいてないんですよ。
僕は谷山ジム所属ですけど、シルバーウルフに練習しに最初に11年前に行った時、僕が最年長だったんですよ。僕の一個下に山崎陽一と塚越仁志、6個下に左右田君とかがいて、後輩がブワーっといたんです。徐々に下が引退していって、今、普通に一緒に練習してるのが20コ下とかですから。僕の次に若いのは、村越優汰とかなんですよ。あいつとは干支ひと回り違いますからね。そう言えばあいつ『試合終わったらゴルフ行く』とか言ってましたけど、僕と僕のスポンサーが行くゴルフですからね。で、メンバーを見たら村越の名前があって『なんでお前が行くんだ!』って(笑)。しかもゴルフの公開練習って…なんだ、お前!K-1の金を使うんじゃねえ(笑)!
(予告してた新技、城戸コプターは?)城戸コプターね。これは大技で、相手が怪我する可能性があるんです。で、昨日はそこに行きたくなくて、まだ出せなかった。僕、昨日は必死でしたから。全力で山内さんに対してぶつからないと山内さんに失礼だし。僕は100を出さないといけない。余裕をかましてられない、って。そのうち出しますよ。僕が練習してるのを見てる後輩には『お前ら、絶対に試合で出すなよ』って言っておきます(笑)」
2年3カ月ぶりに勝利の小澤海斗、進化の手応えを実感「勝った後の控室の弁当が一番美味い。新しい技術も出たりしたんで、いい感触があったと思う」
第11試合では小澤海斗が國枝悠太とK-1フェザー級スーパーファイトで対戦。ダウンこそ奪えなかったものの國枝にも決定打を許さず。3分3Rを戦い抜いて、判定勝利を飾った。
小澤が最後に勝利をしたのは2019年6月のK-1両国国技館大会での鷹大戦以来で、実に2年3カ月ぶり。怪我もあって試合数が少なかったこともあるが、「勝った後の控室の弁当が一番美味いなと思いました」と、試合後は久々に勝利の味に舌鼓を打ったという。
勝因に関しては「やっぱり応援してくれる人はもちろんですけど、サポートしてくれる人、ジムの先輩方だったり、代表の大宮司さんだったり、全て合わせた総力戦で勝った試合だったと思っています」と、周囲の人たちの協力あってのものと、感謝の気持ちを強調した。「今回は流れの中で倒したかったんですけど、流れを掴みきれなかった」と、試合に関しては反省点もある。
「新しく取り入れた技術もそうだし、試したい部分もあったんで。試合数も少なかったから感覚を掴もうと思って、いろいろ試したんですけど、なかなか上手くいかなかったです」と試合内容には納得がいってないようだが「ちらほら新しい技術が出てたりしてたんで、なかなかいい感触はあったと思います」とある程度の手応えも掴めた。
この勝利で掴んだ手応えを元に「臨機応変に戦えるようになりたいですね。相手に応じたとかじゃなくて、とりあえず流れの中でアグレッシブなところはアグレッシブに見せて、パンチでまとめるところはパンチでまとめて、散らしもしっかりやって、倒せるような選手になります」とさらに技術を磨いていくことを宣言した小澤。「目標はベルトですね」と再びタイトル戦線への浮上を目指す。
軍司泰斗、Krush王者・新美貴士に勝利してK-1王座挑戦をアピール!「次の挑戦権に一番近いのは自分。椿原選手と完全決着をつけて、K-1王者になる」
第10試合で昨年12月に階級をフェザー級に上げて以来、2連勝の軍司泰斗が現Krushフェザー級王者の新美貴士と対戦。新美は無尽蔵のスタミナを武器に、ひたすら前進して手数を出して、相手の心をへし折る戦いでのし上がってきた。
これに対して軍司も真っ向勝負。新美相手に前進&連打で応戦。随所に強烈なボディ攻撃を浴びせて、新美を下がらせる場面を作り、判定で勝利した。
軍司は「KO出来なかったですけど、タフな新美選手に勝ててホッとしてます」と安堵の表情。現フェザー級王者の椿原龍矢への挑戦権争いが熾烈を極める中で「新美選手に勝って、自分が一番タイトルマッチの挑戦権に近いかなと思います」。
王者の椿原とは、過去にアマチュアとプロで戦い、2勝2敗とイーブンで「椿原選手と次で完全決着をつけて、チャンピオンになりたいと思います」。悲願のK-1王者へ、軍司は確かな手応えを掴んでいた。
斗麗、10代での世界一を掲げK-1フェザー級最強への道を突き進む!「椿原チャンプ、小澤選手、軍司選手、新美選手…誰でもいいので、潰しにいく」
第9試合ではK-1王座獲得を目指す19歳の”超新星”斗麗が、練習中の負傷により欠場となった篠塚辰樹の代打として出場した佑典と対戦。斗麗は1Rから細かいスイッチからの多彩な攻撃で佑典を翻弄し、2Rに顔面へのヒザ蹴りでダウンを奪取。最後は斗麗の左ストレートに合わせたカウンターでKO勝利を収めた。
同大会に3試合組まれたフェザー級戦の中で、唯一のKO勝利を飾った斗麗。「僕だけがKOできたので、少しはインパクトを残せたかな」と控えめながら確かな自信を覗かせた。
最初のダウンを奪ったヒザ蹴りは「練習していませんでした」と、用意していた一撃ではないという斗麗。一方で「相手は近くなったら気を抜くので、そこで倒せる攻撃を練習しています」と、至近戦の武器は豊富に用意していると明かした。
改めて10代での“世界一”を目標に掲げた斗麗は、12月の大阪大会でK-1上位陣との対戦を要求。「椿原チャンプ、小澤選手、軍司選手、新美選手…誰でもいいので、潰しにいこうと思います」と、K-1・Krush王者を含めたフェザー級強豪を撃破する意気込みを見せた。
壽美、KANAの持つK-1王座へ一直線!「毎日そのことを考えて練習している。ケガもないので、またKANA選手のことを考えて練習を再開します」
第8試合では、Krush王者として初戦になる壽美と、K-1初参戦・優弥道場の櫻井梨華子が対戦。試合はサウスポーの壽美がプレッシャーをかけてパンチを振るうが、櫻井も応戦。3Rには激しい打ち合いとなり、壽美が優勢に。結果は判定3-0で壽美が勝利し、Krush王者の意地を見せ、連勝記録を6に伸ばした。
壽美は試合について「熱い打ち合いができて楽しかった。同時に自分が打ち合いの技術がまだまだだなと思って、圧倒的にボカンとできるようになりたい」と振り返った。
そして、昨年11月にK-1女子フライ級王者のKANAに判定勝ちを収めていることを踏まえ、王座戦実現への思いを問われると「試合が決まっていないときは、もうKANA選手のことだけを考えて練習をしているので。いつでも組んでいただけたら」とアピールした。
ちなみに試合が終わり、大好きなパンを6個食べたという壽美。最近ハマってるのは生クリームたっぷりのマリトッツォだと二コリ。最後は「必ず私はK-1のベルトを巻きます!」と力強く宣言した。
金子晃大、圧巻の飛びヒザ蹴りで晃貴を返り討ち「どんな形でもいいので、早くベルトがかかった試合をしたい」
第7試合では、金子晃大と晃貴が2017年1月のKrush以来となる再戦。前回の対戦では金子が3RKO勝ちを収めている試合だ。それ以降、両者は共にKrushバンタム級王座を戴冠。初対決時から躍進を遂げ、4年8カ月ぶりのリベンジを狙う晃貴は、1Rに右ストレートをヒットさせる。しかし、金子は即座に右ストレートからの左フックでダウンを奪う。さらに金子は飛びヒザで再びダウンさせると、最後も狙いすました飛びヒザを決めてKO勝利。晃貴を返り討ちにした。
金子は「4年前よりもいい勝ちかたができたのがよかった」と振り返ると、昨年3月に玖村修平にキャリア初黒星を喫して以降、レベルアップしていることについて「負けたことによって強くなったなってふうに思われるのが自分の中のテーマ。自分のポテンシャルを出せるような練習を集中してやってる」と言及した。
また、現在はK-1スーパー・バンタム級王座が空位となっているが、トーナメント実現について問われると「早いところベルトが懸かった試合がしたい。どんなかたちでもいい」と意欲を見せた。
これで今年3月の鬼山桃太郎戦に続いて連続KO勝利。ベルトを見据え、金子が再び連勝街道を突き進むか?
篠原悠人、連敗脱出でタイトル戦線への浮上を狙う「勝負の世界で三連敗は致命傷。あとがないと思っていたんで、勝ちを取れてよかった」
第6試合では約4年7カ月ぶりのK-1参戦となる谷山俊樹と、現在3連敗中で再起を狙う篠原悠人が対戦。試合は1Rから蹴りの谷山vsパンチの篠原という構図で進み、篠原がパンチのヒットで上回る展開に。3Rに入ると篠原は右ストレートのカウンターでダウンを奪い、判定3-0で勝利を収めた。
篠原は復活の勝利を喜びつつ、「練習でやってきたことをなかなか試合で出せず、反省が多い試合だった」とコメント。以前より前に出る姿勢だったことについては「三連敗から抜け出すには、KOを狙っていかないといけないなと。でも、逆にそれで力みすぎちゃって、改善するポイント」と振り返り、「まだまだ、レベルはダメだと思うんですけど、しっかりここから練習重ねてベルトに近づけるように」と気を引き締めた。
再起戦に勝利を収めた篠原。ここからのさらなる巻き返しに期待が高まる。
龍華、蓮實光をハイキックで沈めて8連勝を達成!スペシャルラウンドガールの小林幸子さんについて「おじいちゃんから『小林幸子さんと写真を撮ったのか?』と連絡がありました」
第5試合では、現在7連勝と勢いに乗る19歳・龍華と、激闘派の34歳・蓮實光が対戦。年齢差15歳となった対決は、龍華が1Rから軽やかなフットワークで翻弄。2Rに入ると蓮實がプレッシャーをかけるが、龍華は動じず左ハイキックで鮮やかなKO勝利を収めた。
快勝となった龍華だが、自身の蹴りにより足を骨折したことを明かすと「これからはちょっと骨を鍛えたいなと。毎日牛乳飲んで、強くしていきこうと思います」と苦笑い。また、この試合のスペシャルラウンドガールを務めた小林幸子さんとのツーショット撮影に関しては、「SNSとかでも小林幸子さんとのことが書いてありました。自分のおじいちゃんも小林幸子さんとツーショットを撮ったっていう連絡をもらって」と、その反響の大きさを振り返った。
そして、戦前の予告どおり、K-1ライト級王者の朝久泰央よりも早いタイムで蓮實をKOしたことを踏まえ、「ちょっと、いろいろと考えてくれてもいいんじゃないかなと思います。やっぱりベルトには挑戦したい」と力強くアピール。
連勝記録を8に伸ばした龍華が、その勢いを駆って王座戦までこぎつけるか?