RISE 9.16 幕張メッセ:大阪大会から一夜明け、決勝に向け火花と敬意。那須川天心「日本人最後の最強の選手をKOする」、志朗「天心選手は努力の天才」。白鳥大珠「全然勝てる」、梅野源治「蹴られればわかる」
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
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RISE WORLD SERIES 7月21日(日) エディオンアリーナ大阪第1競技場大会の一夜明け会見が22日、大阪・さきしまコスモタワーホテルで行われ、本戦の勝利選手が勢ぞろいした(裕樹に勝ったヘクター・サンチアゴはフライトスケジュールの都合により欠席した)。3月の大田区総合体育館大会で開幕したRISE WORLD SERIES 2階級トーナメントの準決勝が今回行われ、-58kgでは那須川天心と志朗、-61kgでは梅野源治と白鳥大珠が海外強豪を撃破し、9月16日の幕張メッセでの決勝に駒を進めた。一夜明け会見では相手選手の隣に座り、早くも対戦に向けて火花を散らしつつ、コメントからは実績を重ねてきた相手への敬意も垣間見れた。伊藤隆RISEプロデューサーは大会総括と9月の幕張大会の展望を語っている。
第12試合 メインイベント RISE WORLD SERIES 2019 -58kg Tournament 準決勝 3分3R(延長1R)
○那須川天心(TARGET/Cygames/RISE世界フェザー級(57.15kg)王者、ISKAフリースタイルルール世界フェザー級(57kg)王者、ISKAオリエンタルルール世界バンタム級(55kg)王者/58.0kg)
×スアキム・PKセンチャイムエタイジム(タイ/ルンピニー認定スーパーフェザー級王者/57.95kg)
3R 1’13” TKO (ドクターストップ:胴廻し回転蹴りによる額のカット)
◆那須川
昨日は皆さん応援ありがとうございました。大会が物凄く盛り上がって、格闘技がこれからもっと盛り上がると実感しました。胴廻し回転蹴りでカットして勝ったことに賛否両論があります。何発もやっていれば「かけ逃げ」と言われるかもしれませんが、あの一発で勝負しようと練習で精度を極めて本番で出しています。あと、フィジカルが強くなったので、変に自信を持ち過ぎて、スタイルが強引になってしまったのを反省しています。今回は意識して戦うことが多かったんですけど、意識をより高め、無意識で出せる状態に達した時、技のパワーがどう変化するか、今後も注目して欲しいです。
(昨年2月のKNOCK OUTで戦った時とのスアキムの違いは?)前回は試合前から恐怖感が凄くあって、戦った後も怖かったですけど、今回は怖いと思わなかったです。試合が終わって、強かったとは思いましたけど、ヤバいという感覚は無かったですね。自分が成長できたからだと思います。でも一発一発のパンチの重さは今まで戦った相手でもトップの方でした。相当僕のことを研究しているな、本気で勝ちに来ているなと思いました。日本の格闘技界も、タイ人に研究されるぐらいになっていますね。相手の研究以外のことで勝てたと思う試合ですけど、昨日は(同門の)白鳥君に持って行かれたと思います。さすがです(苦笑)。
(RISE初の大阪大会で戦った感想)一人一人が物凄く熱かったですし 昨日の試合後に花道から退場する時も、ファンの方が押し寄せて、柵が折れるぐらいで、熱気が凄かったです。エディオンアリーナだと小さいかもしれないので、もっと大きい会場ってどこですか?(大阪城ホールなら今回の倍の約1万2千人入ると聞いて)すぐ埋まるんじゃないですかね。RISE自体(のバリュー)が物凄く上がっていると最近感じるので、その波にうまく乗って、僕だけじゃなく、一人一人の選手がアピールしてくことが、これからもっと大事になると思います。
(決勝で戦う志朗について)志朗君はジュニア時代からずっと知っている選手で、戦うかもしれないタイミングも何回かあったんですけど流れていました。タイで試合をしていることが多く、日本での知名度はそこまで無かったですけど、日本の中で一番強い選手だと思っていました。その選手とこの舞台でこういう形で戦うとは思っていなかったですね。ここで日本人最後の最強の選手を迎え撃って、KO決着で終わらせたいです。2か月しっかり対策を練って、すぐ練習を再開して、倒す準備をしたいです。でもフィジカルトレーナー(永末“ニック”貴之氏)が志朗君と一緒なんですけど、どうなんですかね?気まずいんですけど(苦笑)うまくやって行こうとも思います。
第11試合 セミファイナル RISE WORLD SERIES 2019 -58kg Tournament 準決勝 3分3R(延長1R)
×ルンキット・ウォーサンプラパイ(タイ/ラジャダムナン認定ライト級1位・元スーパーフェザー級王者/57.65kg)
○志朗(BeWELLキックボクシングジム/ISKAムエタイ世界バンタム級(55kg)王者/58.0kg)
4R 判定1-2 (秋谷10-9/板坂9-10/長瀬9-10)
3R 判定0-1 (秋谷29-29/板坂28-29/長瀬29-29)
◆志朗
昨日は皆さんの応援が無ければ攻められなかったと思います。応援が力になりました。微妙な内容で、僕の実力不足で、ルンキット選手が上手かったですけど、9月は世界一になるためにもっと練習します。
(天心について)初めてリングサイドで試合を見て思ったのは、あれだけ正確に当てるのは、相当練習しないとできないですよね。天才と言われていますけど、努力の天才だと思います。でも同じ人間なので、ミスや弱点もあると思います。RISEに参戦した一番の理由は、那須川天心と戦うためです。来年、再来年、彼がキック界にいるかわからないので。9月までに作戦を考えますし、秘策もあります。
第10試合 RISE WORLD SERIES 2019 -61kg Tournament 準決勝 3分3R(延長1R)
×イ・チャンヒョン[チャンヒョン・リー](韓国/RAON/RISEスーパーフェザー級(60kg)王者/61.0kg)
○梅野源治(PHOENIX/元ラジャダムナン認定ライト級王者、元WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王者/60.95kg)
判定0-3 (秋谷28-29/小川28-29/板坂28-29)
◆梅野
今回のチャンヒョン戦に向けて、タイから現役の強豪選手を呼んで、1カ月間練習に付き合ってもらいました。体重が76~77kgぐらいあって、圧力が凄いので、昨日のチャンヒョンはそこまで感じ無かったですね。ただ、練習相手のパワーがあり過ぎて、ボディフックをもらった時に脇腹にヒビが入ったのか痛めてしまいました。試合中にそこにボディフックをもらって効いちゃって、その後に顔面のフックももらって脳を揺らされました。1Rが終わった時にセコンドから「あきらめるのか優勝するのかどっちだ」と言われ、自分を信じ、左ミドルで突き進んだ結果、勝利につながったと思います。RISEの王者に勝てたことで自信につながりました。
(決勝で戦う白鳥について)白鳥選手の試合をまだちゃんと見たことが無いので、これから研究したいです。僕が格闘技を始める前からジュニアで有名な選手で、一回ボクシングに転向し、キックに戻って来ましたけど、まさかやるとは思っていなかったです。おそらく彼が今までやってきた選手たち、セクサンを含めても、僕は相当スネが硬いと思います。チャンヒョンもスネが硬いと言っていて、白鳥選手も蹴られればわかると思います。なおかつ殴り合いでも勝てるようにして、いつものように総合力で圧倒したいです。日本人対決、一緒に盛り上げましょう。
第9試合 RISE WORLD SERIES 2019 -61kg Tournament 準決勝 3分3R(延長1R)
×セクサン・オー・クワンムアン(タイ/ラジャダムナン認定ライト級王者、2015年ラジャダムナンMVP/60.55kg)
○白鳥大珠(TEAM TEPPEN/RISEライト級(63kg)王者/61.0kg)
判定0-3 (大沢26-30/秋谷25-30/小川25-30)
◆白鳥
この一戦に向けて相当練習を積んで、やっと自分らしさが試合で出て、久々に試合をやった満足感が得られました。楽しかったです。作戦通りに試合が進んで、チームの力を信じてやるべきだと改めて実感しました。ここまで来たら、絶対(優勝を)取るしかないんで、またチームのみんなと力を合わせて練習したいです。
(梅野について)僕が高校生ぐらいの頃からムエタイの日本代表のような感じで戦っていた選手で、リスペクトしている選手のうちの一人でした。実際戦うことになれば、全然勝てると思います。昨日の試合を見て、僕との試合でもバンバン蹴ってくるとは思いますけど、日本人同士の決勝2試合が組まれて盛り上がると思いますし、せっかくですから(パンチで)打ち合いたいですよね。梅野選手が打ち合ってくれたら会場も沸くと思います。
第8試合 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○鈴木真彦(山口道場/RISEバンタム級(55kg)王者/54.8kg)
×エマヌエル・テッティ・メニチェッリ[Emanuele Tetti Menichelli](イタリア/WKN世界フライ級(53.5kg)王者、WAKOイタリア54.5kg級王者/55.0kg)
2R 1’28” TKO (3ダウン:パンチ連打)
◆鈴木
昨日はホンマに第1試合から凄いレベルが高くて、僕の試合内容は全然納得行っていないので、RISE王者としてもっと強いと見せないといけないなと思いました。天心君も凄い技でKOしていたので これから僕も全部KOしていくので注目してください。作戦はとりあえずKOでした。やっと大阪でRISEが初開催されて、(AbemaTV提供の)KO賞の食い倒れボーナス10万円も出ると聞いたので、とりあえず行くと決めていました。倒せて良かったです。地元での試合は入場から気分も良かったです。普段東京の試合に見に来れない方たちもRISEが大阪で開催されるということで見に来てくれました。次回大阪でやるのなら、鈴木がメインやろと言われるぐらいのレベルまで上がりたいです。
第6試合 RISE WORLD SERIES 61kg契約 3分3R(延長1R)
×ル・ジュン(中国/盛力人和/2017年EM LEGEND-65kg級王者/61.8kg)
○原口健飛(Kick Lab/聖武会館/Road to RIZIN KICK Tournament(58kg)優勝、RISEスーパーフェザー級(60kg)9位/60.7kg)
1R 1’07” KO (パンチ連打)
◆原口
(ルの体重オーバーがあったため)とりあえず試合ができて良かったです。初めて試合前日、勝ち負けのことよりも、試合ができるかということで不安になりました。相手は体重オーバーしてきたので、勝って当たり前で、狙い通り三日月蹴りで勝てたと思います。控室にいる時から「三日月で倒す」と言っていて、顔も痛そうにしていたので畳みかけました。9月の幕張大会にも出させてもらって、幕張でも三日月で倒したいです。まだタイトルに絡んでいないので、次期挑戦者決定戦を組んでもらいたいです。
第5試合 RISE WORLD SERIES 58kg契約 3分3R(延長1R)
○工藤政英(新宿レフティージム/RISEフェザー級(57.5kg)王者/57.9kg)
×タリソン・ゴメス・フェレイラ(ブラジル/チャンピオンズ・ファクトリー/ブラジルSAIKYO GP優勝/58.65kg→58.0kg)※シュートボクセ・アカデミーから所属変更
判定2-0 (長瀬29-28/吉田28-28/大沢29-28)
◆工藤
タリソン選手が相手なので噛み合って面白い試合になると興奮していたんですけど、全く噛み合わない試合になってしまって、反省しか無いですね。落ち込んでいてもしょうがないので、次に向けて頑張ります。タリソンの大振りフックは、噂では見えないと聞いていたので、中距離で打って来させないよう、うまく距離を詰めて相手の良さを潰したんですけど、まさかの自分の良さまで消えてしまいました。そこから巧くKOできるよう次に向けて練習したいです。
第4試合 第4代RISEスーパーライト級(65kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
×タップロン・ハーデスワークアウト(タイ/ハーデスワークアウトジム/RISE 1位、元WMC世界フェザー級王者/64.8kg)
○山田洸誓(正道会館KCIEL/RISE 2位/64.75kg)※正道会館高知より所属変更
判定0-2 (板坂28-29/和田29-29/長瀬28-29)
◆山田
昨日の試合は反省するところばかりですけど、とりあえず勝ちが拾えたのは良かったです。神様が与えてくれた試練だと思うので、次の山口(侑馬)選手との決勝で勝ってベルトを取りたいです。勝因は2R目の相手の減点があって、それだけです、ホンマに。あとは気持ちですね。
第3試合 ライト級(63kg) 3分3R(延長1R)
×麻原将平(パウンドフォーパウンド/RISEライト級3位、元HOOST CUP日本スーパーライト級王者/62.85kg)
○髙橋一眞(真門ジム/NKBライト級王者/62.95kg)
判定0-3 (秋谷28-29/吉田28-29/長瀬28-29)
◆髙橋
僕は今までデビューしてからずっと肘有り首相撲有りのルールでやってきて、昨日初めてRISEのルールで、不安あったんですけど、小学校でキックを始めた時は、純粋に強くなりたくなるためにやっていたので、これからは肘有りも肘無しも関係なく、強い選手とやって行きたいです。昨日は全力でローキックを蹴って行くと決めて、ガンガン蹴れたことが勝ちにつながったと思います。
第2試合 ウェルター級(67.5kg) 3分3R(延長1R)
×憂也(魁塾/DEEP☆KICK 65kg王者、RISEスーパーライト級(65kg)4位/67.4kg)
○中野椋太 (誠至会/NJKFウェルター級王者/67.35kg)
1R 2’27” KO (左フック)
◆中野
地元大阪で相手選手にデッカい一発をブチこんだろう思っていて、当てられて良かったです。相手をあんまり意識せず、普通にやって当たりました。
第1試合 61kg契約 3分3R
○Ryuki(RKS顕修塾/中国英雄伝説2017年-60kg級アジア王者/60.9kg)
×中村 寛(BKジム/DEEP☆KICK -60kg王者/60.95kg)
判定3-0 (秋谷30-28/大沢30-28/小川30-27
◆Ryuki
中村選手は最近有名になっていて、周りの評価も高くて、周りからも9対1で僕が負けるやろと言われて、僕も燃えて今回に賭けていました 前回RISEで篠塚選手に負けて、次負けたらRISEに呼ばれへんのかなって色々考えていました。中村選手に勝てて、また道が開けると思います。中村選手の一発をもらわないように、足(ステップ)を使って、自分の距離で戦うことを考えて練習してきました。作戦通りに冷静に動けて、自分のパンチが当てられました。僕が負けると思っていた人たちを見返せて、名前を上げることもできて良かったです。強い選手を用意してもらえば誰とでも戦います。
◆伊藤隆RISEプロデューサー
トーナメントに世界の強豪が集まる中で、日本人が4人決勝に残るとは全く思っていませんでした。
スアキムが凄く良くて、天心も効かされたシーンもあり、僅差でしたが、あのタイミングで胴廻し回転蹴り出せるのはさすが那須川天心だなと思いました。9月16日の幕張大会にはスアキムにも参戦して欲しいです。
志朗選手の試合については様々意見がありましたが、1Rはルンキット選手、3Rは志朗選手が取って本戦はドローだったと思います。延長Rですけど、RISEルールはアグレッシブな選手が評価されますが、ルンキットはクリンチが多かったので、志朗の勝利という裁定は妥当だったと思います。
梅野選手の試合ですが、チャンヒョンも「梅野の蹴りが今までよりも強かった」と言っていました。相手の腕が折れるか、自分のスネが折れるかという蹴りで、気持ちが伝わって来ました。
白鳥選手はこの大会のMVPと言っていいぐらい、凄くカッコ良かったです。今までの試合なら3Rで(攻め込まれ)気持ちが折れていたと思います。よく頑張りました。
鈴木選手は国内にもう相手がいないんじゃないかというぐらいですね。9月の幕張にも出ていただきたいです。勝負論あるマッチメイクを組みたいです。
原口選手は相手(ル・ジュン)の体重オーバーがありましたが、「計量オーバーでもやります」と言ってくれました。当日朝9時に最後の計量をしてそれでもオーバーしました。試合でも改めて感じましたが、原口選手は素晴らしい才能を持った選手だと思います。
工藤選手はタリソンの光を消して戦った戦略勝ちでした。山田選手は3Rに押されていたので、次回決勝に期待です。髙橋選手はルールに適応できて面白い戦いをしてくれました。今後もRISEに参戦し、勝負論のある日本人とやってほしいです。中野選手が一発で倒したのは凄かったです。NJKFの歴史の長さを感じた試合でした。Ryuki選手は以前よりもRISEルールに適応した戦いをしていました。至近距離のパンチが凄かったです。
次回の9月16日の幕張大会は、今からチケットの問い合わせがたくさん来ています。決勝は世界最高峰の戦いになると思います。ルールについて“たら・れば”の話が出ていますが、タイ人選手はルールを熟知して、ムエタイの誇りを持ってRISEに出てきてくれたと思います。ムエタイルールだったらどうこうと言うのは、選手に対して逆に失礼だと思います。彼らにはまたRISEに出て来て欲しいです。
RISE 7.21 エディオンアリーナ大阪:那須川天心、胴廻し回転蹴りでスアキム下す。トーナメント決勝は天心×志朗、梅野源治×白鳥大珠に