RIZIN 8.11 トヨタアリーナ東京:ヘビー級日本GP最後の1枠は“敗者復活”39歳 酒井リョウ。混迷の選考劇と柏木信吾Pが夢見る日本ヘビー級“超復活”の可能性は?

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RIZIN.54(8月11日(火/祝)TOYOTA ARENA TOKYO)から開幕する「RIZIN JAPANグランプリ ヘビー級(120kg)トーナメント」。その最終枠となる4人目の出場選手が、酒井リョウ(レンジャージム)に決定したことが7月24日、発表された。
すでに参戦が決まっていた上田幹雄、スダリオ剛、エドポロキングに加え、残る1枠を巡っては、選考対象試合の勝者がドーピング問題や大幅な計量オーバーを抱えるという異例の混迷を極めた。当初予定された華やかな会見や抽選会は白紙となり、リリース発表という形で決着を見た今回の選考劇。ヘビー級GPプロデューサーである柏木信吾・RIZINマッチメイカーが寄せた熱きメッセージの思い描くとおり、日本ヘビー級の“超復活”は果たして現実となるのか?
なお、一回戦の組み合わせは上田幹雄 vs. エドポロキング、スダリオ剛 vs. 酒井リョウとなっている。
ヘビー級日本GP開催発表後、暗礁に乗り上げた最後の1枠
RIZINにおけるヘビー級の戦いは、常に大きな期待と隣り合わせの難しさを抱えてきた。記憶に新しいのは、昨年5月から9月にかけて開催された8選手参加の「RIZIN WORLD GP 2025 ヘビー級(120kg)トーナメント」だ。ロシアのアレクサンダー・ソルダトキンが圧倒的な強さで優勝を果たし、大晦日には元Bellator王者ライアン・ベイダーとの初代ヘビー級王座決定戦まで決定していた(※最終的にベイダーの負傷により中止)。しかし、日本勢の苦戦や一発勝負ゆえの重苦しい展開も目立ち、大会全体の盛り上がりという点ではファンからも榊原信行CEOからも厳しい評価を下された。
そうした背景のもと、今年4月に発表されたのが、日本人および日本を主戦場とするファイター4名による「RIZIN JAPANグランプリ ヘビー級トーナメント」である。開催日程は8月11日の「RIZIN.54」(TOYOTA ARENA TOKYO)で一回戦2試合を実施し、11月8日(日)の「RIZIN LANDMARK 17 in CHIBA」(LaLa Arena TOKYO-BAY)で決勝戦を行う。優勝賞金は500万円。RIZINで海外渉外およびマッチメイクを担当する柏木信吾プロデューサーは「JAPAN GPの優勝者が、大晦日にソルダトキンと初代ヘビー級王座を決定するビジョンを描いている」と語り、再びヘビー級戦線に火を点ける決意を示していた。
4月の発表時点で出場が内定していたのは以下の3名だ。
上田幹雄(BRAVE):極真会館2019年世界王者。昨年の世界GPではシビサイ頌真を1R KOで破るも準決勝でソルダトキンにTKO負け。米キルクリフFCでの武者修行を経て約1年ぶりの再起を期す。
スダリオ剛(HI ROLLERS ENTERTAINMENT/PUREBRED):元力士。昨年の世界GP一回戦で敗退後、ブラジルのロータスクラブで研鑽を積み、1年3ヶ月ぶりの復帰戦に挑む。
エドポロキング(ナイジェリア/ROOTS GYM)204cmの恵まれた体格を誇り、BreakingDownを経てプロMMAでも高い身体能力を発揮。米国のアレックス・ペレイラのトレーナーの元で練習を積み、昨年3月以来、約1年半ぶりの参戦となる。
実績・ポテンシャルともに現時点で国内ヘビー級のトップといえる3名が名を連ねた一方で、問題となったのが「最後の1枠」の選出方法だった。RIZINは5月4日のDEEP横浜大会における赤沢幸典 vs. 金田一孝介、そして6月6日のRIZIN仙台大会における酒井リョウ vs. 貴賢神の2試合を「査定対象試合」とし、その結果をもって6月中旬に4選手による組み合わせ抽選会を行うと予告していた。
しかし、この「査定試合」から始まったストーリーは、主催者の思惑を外れる混迷へと突入する。
まず5月4日のDEEP横浜大会では、赤沢幸典が金田一孝介に1R TKO勝ちを収め「ベルトを取って戻ってきます」とアピールした。だが、赤沢には過去に平本蓮のドーピング疑惑騒動に関連して自らも薬物使用を公表した過去があり、ドーピング検査を経ているとはいえ、RIZIN本戦の大事なGPの最終枠として推し出すにはファンの拒否反応やコンプライアンス上の懸念が残っていた。
決定打となったのが、6月6日のRIZIN仙台大会だ。酒井リョウと対戦した貴賢神は、試合開始早々から圧巻の打撃を見せ、わずか76秒で酒井をKOした。パフォーマンスだけで見れば圧倒的なインパクトを残した貴賢神だったが、最大の失態は前日計量でヘビー級リミット(120.0kg)を1.2kgオーバーしたことだった。
貴賢神の勝利後、榊原CEOは怒りを隠さず、「ルールが守れないやつはプロ失格です。信頼できない選手を日本の代表を決めるトーナメントに送り出す気にはなれない。酒井が男気を見せなければノーコンテストですよ」と貴賢神を糾弾。実質的に貴賢神のGPエントリーに強い難色を示したのである。
査定試合の勝者である赤沢と貴賢神が、それぞれ倫理面・プロ意識面での課題を抱えるという最悪の展開。主催者側が思い描いていた「最後の1人」の調整は極めて難航することとなった。
当初、RIZIN側は、女子スーパーアトム級の“見えないトーナメント”発表会見のようなエンターテインメント演出を施した華やかな記者会見や組み合わせ抽選会をイメージしていた。しかし、スケジュールの順延に順延を重ねた末、記者会見は断念。7月24日のプレスリリースでの発表にズレ込んだ。
柏木プロデューサーのメッセージ:日本MMAヘビー級熱狂の記憶と復権への決意
この混迷の末に配信されたリリースにおいて、異彩を放っていたのがヘビー級GPプロデューサー・柏木信吾氏による長文のメッセージだった。柏木プロデューサーはかつてのRIZINの前身・PRIDEの黄金時代におけるヘビー級の歴史を丹念に紐解き、今回のトーナメントに込めた並々ならぬ執念を訴えた。(※メッセージ全文は記事末尾に掲載しています)
柏木プロデューサーは、2000年のPRIDEグランプリ(マーク・コールマン優勝、マーク・ケアー、イゴール・ボブチャンチンらの激闘)から始まり、2004年のPRIDEヘビー級GP(ミルコ・クロコップを沈めたケビン・ランデルマンの衝撃、エメリヤーエンコ・ヒョードルの台頭)、2006年のPRIDE無差別級GP(ミルコの悲願達成)へと続く熱狂の時代を回想。さらにDREAMでの「スーパーハルクトーナメント」(ミノワマンの優勝)、そして2015年のRIZIN旗揚げ戦「SARABAの宴 / IZAの舞」でのヘビー級トーナメントや2016年の無差別級GP(ミルコ優勝)に至るまで、常に日本のMMAの節目を支えてきたのはヘビー級の圧倒的なエネルギーであったと力説する。
また、過去にRIZINのヘビー級・ライトヘビー級で戦った外国人選手たちが、その後にイリー・プロハースカ(UFC王者)、ワジム・ネムコフ(Bellator/PFL王者)、ブルーノ・カッペローザ(PFL王者)など、世界最高峰の舞台で王者へと登りつめた実績を挙げ、「日本から世界へ羽ばたいたファイターたちがジャパニーズMMAの魂を伝えている」と誇りを覗かせた。
その上で、柏木プロデューサーは現代の格闘技ファンやメディアから囁かれる厳しい声に対しても真っ向から反論している。
「圧倒的な象徴がいなくても成立する階級。それがヘビー級であり、そこだけが持つ圧倒的な迫力と、一撃で状況を変える力。一振りですべてをひっくり返すパワー。その浪漫を、日本は再び求めています。
『スター不在』『選手不足』『ヘビー級はいらない』
そんな声を私は全面否定したいと思います。ヘビー級がなければ今のRIZINはありません。
『もう一度、日本からヘビー級の歴史を動かす』
(中略)
これはただのトーナメントではありません。ジャパニーズMMAが再び世界へ挑む新たな歴史の第一章です。RIZINヘビー級が絶対的な存在感を確立するための生き残りをかけた勝負です」
敗者復活・酒井リョウ:選出理由とラストチャンスにかける覚悟
この柏木プロデューサーの熱烈なメッセージとともに、最後の1枠として発表されたのが酒井リョウだった。
仙台大会で貴賢神の打撃に屈し、76秒TKO負けを喫した酒井の抜擢は、一見すると「敗者復活」の棚ぼたに見えるかもしれない。しかし、その背景と実績を精査すれば、消去法とは言い切れない必然性が見えてくる。
現在39歳の酒井は、長年にわたり日本のヘビー級戦線の一角を担ってきたベテランだ。2022年11月にDEEPメガトン級暫定王者となると、2023年7月には水野竜也を1R TKOで下して初防衛に成功。さらに、今回エントリーを巡って揺れた赤沢幸典に対しても、2022年の暫定王者決定戦で1R TKO勝ちを収めている実績がある。今年3月のDEEPでも荒東“怪獣キラー”英貴を1Rで仕留めており、キックボクシングをベースとした一撃の破壊力と真っ向勝負のスタイルは折り紙付きだ。相手が計量オーバーという不条理な状況であっても試合を受け、榊原CEOからも「男気」として評価されたことも、選考において好材料となったと推察できる。
柏木プロデューサーは酒井の起用理由について、次のように説明している。
「最後の1枠に酒井選手を選んだ理由としては、酒井選手の普段の発言、立ち振る舞い、そして何よりも格闘技に対する情熱が、私の見ているヘビー級のビジョンに一致しているからであります。格闘技への情熱があり、勝っても負けてもヘビー級の魅力を最大限に見せることができる選手。それが酒井リョウという漢だと私は思います。今RIZINのヘビー級に求められているものを一番理解している酒井リョウ選手を信じて、この度選考させていただいたという経緯になります」
39歳という年齢を考えれば、酒井にとってこの日本GPは、間違いなく格闘技人生最後のビッグチャンスとなるだろう。上田、スダリオ、エドポロキングという若手・中堅の精鋭たちに対し、ベテランの意地を見せつけられるか。彼の覚悟がトーナメント全体の熱量を左右していく可能性も低くはないだろう。
◆酒井リョウ 参戦コメント
まずはこのような大きなチャンスをいただき、RIZIN関係、ファンの方にお礼を申し上げます。
自分はRIZINが何を求めているか常に考えて戦って来ました。
今回もやるか、やられるかの試合をお見せします。
万が一判定勝ちをしたら決勝戦は辞退させていただきます。
日本ヘビー級 超復活?——熱量と現実のギャップを越えて
正直なところ、今回の「RIZIN JAPANグランプリ ヘビー級トーナメント」に対するファンやメディアの視線は、決して暖かくはない。昨年の世界GPが盛り上がりに欠けた印象を残したことに加え、今回の選考のゴタゴタ、そして最終的に1R KO負けを喫した酒井が滑り込むという経緯に対し、SNSやネット上では冷淡なリアクションや疑問の声も散見されそうだ。
柏木プロデューサーが語るPRIDE時代のロマンや「ジャパニーズMMAが再び世界へ挑む新たな歴史の第一章」という大義名分と、実際の国内ヘビー級における層の薄さやファンの冷ややかな温度感の間には、明確なギャップが存在しているのも事実だ。
しかし、格闘技の歴史において、こうした主催者の空回りとも思えるほどの熱意や、追い込まれた状況こそが、思わぬドラマを生み出してきたのもまた真実である。
奇しくも、本トーナメントの開幕直後である9月10日には、京セラドーム大阪にて「超RIZIN.5 浪速の超復活祭り」が開催される。朝倉未来、平本蓮、斎藤裕、YA-MAN、RENAといった第一線のスターたちがそれぞれの「復活」をテーマに集うビッグイベントだ。
この流れと呼応すれば、今回のヘビー級日本GPが提示するテーマもまた、「日本ヘビー級 超復活?」ではないだろうか。とはいえ、あえて末尾に「?」を付けざるを得ないほど、現在の日本ヘビー級を取り巻く状況は過酷であり、懐疑的な視線に晒されている。
だが、失うもののない39歳の酒井リョウがみせる生き様、空手をベースに世界へ挑む上田幹雄の進化、大相撲からの転身で背水の陣を敷くスダリオ剛の覚悟、そして規格外のポテンシャルを秘めたエドポロキングの覚醒——これらが交錯した時、事前の冷ややかな下馬評をひっくり返す「爆発」が起こる可能性は十分にある。
柏木プロデューサーの叫びのような情熱は、ファンに向けたアピールであると同時に、出場する4人のファイターたちの魂に対する強い発奮材料にもなるはずだ。
「誰が勝つのか。誰が散るのか。誰が新たな歴史の主人公になるのか」(柏木氏のメッセージより)
8月11日のTOYOTA ARENA TOKYOでの一回戦、そして11月8日のLaLa Arena TOKYO-BAYでの決勝戦。4人の巨漢たちが拳を交えた末、リング上に残る光景が“超復活”の答え合わせとなる。◆◆◆
〈全文〉ヘビー級GPプロデューサー・柏木信吾氏によるメッセージ
プロデューサー 柏木信吾より
関係各位
報道関係各位
平素よりRIZINならびに日本格闘技界への多大なるご支援を賜り心より御礼申し上げます。
RIZINヘビー級GPプロデューサーの柏木です。毎大会勝者だけでなく、敗者とその舞台裏にある物語までも丁寧に伝え続けてくださるメディアの皆様の存在が、日本格闘技の歴史を紡ぎ、未来へと繋ぐ大きな力になっていると強く感じます。この場をお借りして深く感謝申し上げます。
私が青春時代を過ごした格闘技黄金時代における日本の格闘技には、時代を象徴する”景色”がありました。
世界中の強者が日本に集い、「世界最強とは誰か」という、ただ一つの答えを求めて拳を交えた時代がありました。
「世界最強」
言葉にすると簡単なものに聞こえますが、これは誰もが目指せるものではありません。無条件に世界で一番強い人間になるためには持って生まれた体格、つまり天が与えた才能、神様から選ばれた人間にしか、それを名乗る資格が与えられないのです。世界のTKこと髙阪 剛さんも「ヘビー級にはヘビー級の戦い方がある」と発言しているように、同じ総合格闘技でもほかの階級と異なりヘビー級だけに求められるもの、ヘビー級だけの戦い方が存在するのです。
2000年に行われたPRIDEグランプリはまさに世界最強を決める世界で初めての試みでした。世界中から16人の猛者が集まり、優勝を果たしたアメリカのマーク・コールマンを筆頭に、昨今映画「スマッシングマシーン」で話題となったマーク・ケアーやウクライナのイゴール・ボブチャンチンなどのパフォーマンスもあり、東京ドームを揺るがせたヘビー級の衝撃はそのまま日本総合格闘技業界に影響を及ばせ続ける事になります。
2004年のPRIDEヘビー級グランプリにはニューフェイスが登場し、その中でセルゲイ・ハリトーノフやジャイアント・シウバが定着するきっかけとなり、ケビン・ランデルマンが優勝候補であるミルコ・クロコップをKOするという世紀のアップセットが起こりました。また、このグランプリで皇帝ヒョードルが60億分の1の男として認知されるようになりました。
ヘビー級の勢いはこれに留まらず、2006年のPRIDE無差別級グランプリでは「無冠の帝王」と呼ばれたミルコ・クロコップが悲願だったグランプリ優勝を果たし、日本総合格闘技史上最高のリアルヒューマンドラマが生まれ日本中の格闘技ファンの心を震わせました。
その後時代はPRIDEからDREAMへと移り、軽量級とミドル級がメインの軸となる大会が行われるもやはり何かが物足りなかったのです。その中、産声を上げたのが日本総合格闘技史上最大のチャレンジである「スーパーハルクトーナメント」です。キックボクサー、メジャーリーガー、力士、アメリカンフットボーラー、超人など多岐にわたる参戦者から構成されたまさに「スーパーハルク」の名にふさわしい顔ぶれが集結し、Dynamite!! ~勇気のチカラ2009~で行われた決勝戦で超人ミノワマンが日本人初となるグランプリ優勝者となりました。
日本総合格闘技界が見てきたヘビー級の熱狂はPRIDEという伝説を生み、DREAMを経て、そして今RIZINへと受け継がれています。
2015年12月29日に行われたRIZIN旗揚げ大会のテーマは「SARABAの宴」でした。この大会ではヘビー級グランプリ一回戦の他、時代を築いたエメリヤーエンコ・ヒョードル、桜庭和志、青木真也などが並び、歴史へのリスペクトを込めつつ過去との決別を意味する大会でした。そして2日後に行われた日本総合格闘技の新たなるアイデンティティを確立させる「IZAの舞」のメインアトラクションはそう、ヘビー級トーナメントの準決勝と決勝戦でした。
日本の総合格闘技の過去と未来をつなぐ役割を担ったのは他でもないヘビー級だったのです。
そして2016年RIZIN無差別級グランプリではミルコ・クロコップが優勝し、日本総合格闘技界は時代を超えた王者がレジェンドとして確立する瞬間を目の当たりにしました。
歴史は決して完成した物語ではありません。すべての物語は今に繋がり、今を生きています。
時代は変わり、スターは生まれ、去っていきます。
振り返ってみると過去RIZINに出場したヘビー級選手は後に「UFC王者」「BELLATOR王者」「PFL王者」と世界タイトルを獲得しています。イリー・プロハースカはUFCライトヘビー級王者になり、ジャルジーニョ・ホーゼンストライクはランカー入りし、クリス・バーネット、ジュニア・タファ、は見せ場を作る活躍をしています。ロッキー・マルチネスは残念ながら勝利する事なくリリースとなりましたが、RIZINを代表して勇敢に戦ってくれました。ワジム・ネムコフはBELLATORライトヘビー級王者、そしてPFLヘビー級王者という快挙を達成し、バレンティン・モルダフスキーはBELLATORヘビー級暫定王者になりました。カール・アルブレックソンはBELLATORで良い戦績を残したあとスウェーデンのSuperior Challengeライトヘビー級王者になり、ブルーノ・カッペローザはPFL2021年ヘビー級トーナメントを優勝しました。その決勝戦の相手だったアンテ・デリアは翌年2022年のヘビー級トーナメントを制してその流れでUFCと契約し、現在も活躍中です。
このように日本で脚光を浴び、日本から世界に羽ばたいていったヘビー級選手たちが日本総合格闘技の魂を、まさに伝道者のように世界に伝えています。
RIZIN10周年となった2025年は原点回帰としてヘビー級ワールドグランプリを開催しました。世界中のプロモーターの協力を得ながら行ったヘビー級グランプリは日本人選手が敗退し、外国人戦選手たちがトーナメントを引っ張っていくと言う形になりました。優勝したアレクサンダー・ソルダトキン、準優勝のマレク・サモチュクがこの後世界でどのような活躍をするのか楽しみにしつつ、RIZINは日本人選手がどのように世界に食らいついていけるのかを考えなければならないと思います。
圧倒的な象徴がいなくても成立する階級。それがヘビー級であり、そこだけが持つ圧倒的な迫力と、一撃で状況を変える力。一振りですべてをひっくり返すパワー。その浪漫を、日本は再び求めています。
「スター不在」「選手不足」「ヘビー級はいらない」
そんな声を私は全面否定したいと思います。ヘビー級がなければ今のRIZINはありません。
「もう一度、日本からヘビー級の歴史を動かす」
それは過去への郷愁ではありません。PRIDEを懐かしむためでも、あの時代を再現するためでもありません。
これから先10年、20年後に振り返った時「あの大会から、新しい日本ヘビー級時代が始まった。」
そう語られる未来を創るためです。
「RIZIN WORLD GP 2026 HEAVYWEIGHT JAPAN TOURNAMENT」
これはただのトーナメントではありません。ジャパニーズMMAが再び世界へ挑む新たな歴史の第一章です。
RIZINヘビー級が絶対的な存在感を確立するための生き残りをかけた勝負です。
そして本日、その歴史を刻む最初のページとなる一回戦の組み合わせを発表いたします。
最後の一枠に酒井選手を選んだ理由としては、酒井選手の普段の発言、立ち居振る舞い、そして何よりも格闘技に対する情熱が、私の見ているヘビー級のビジョンに一致しているからであります。格闘技への情熱があり、勝っても負けてもヘビー級の魅力を最大限に見せる事ができる選手。それが酒井リョウという漢だと私は思います。
今RIZINのヘビー級に求められているものを一番理解している酒井リョウ選手を信じて、この度選考させていただいたという経緯になります。
誰が勝つのか。
誰が散るのか。
誰が新たな歴史の主人公になるのか。
その答えは、まだ誰にも分かりません。
だからこそ、人は格闘技に心を震わせるのです。
8月11日のToyota Arena Tokyo、そして11月8日のLaLa Arena TOKYO-BAYで「ヘビー級の試合が一番印象に残った」とファンのみなさまが口にするような熱く、感動的な戦いにご期待ください!
RIZINヘビー級GPプロデューサー
柏木信吾









