シュートボクシング 6.22 後楽園ホール:11月のS-cupに進むのは?山田虎矢太「前回2ダウンしてから毎日首を鍛えた」×魁斗「フェザー級でやってきたプライドがある」、植山征紀×牧野騎士(+原口健飛)談話も
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SHOOT BOXING 2025 act.3(6月22日(日)後楽園ホール)のフェザー級2試合・山田虎矢太 vs. 魁斗、植山征紀 vs. 牧野騎士の4選手のインタビューがシュートボクシング協会から届いた。
SBでは11月24日の代々木競技場第二体育館大会で「S-cup世界フェザー級トーナメント」を開催予定だ。前回4月大会ではSB日本フェザー級王者の山田彪太朗が川上叶を相手に逆転判定勝ちし、この2人が今のところS-cup日本代表として有力候補となっており、虎矢太ら今大会のフェザー級戦の4選手は2人を追う立場となる。
山田ツインズの弟・虎矢太は、2月の川上叶戦で2度ダウンを奪われ判定負けして以来の再起戦。魁斗は4月大会でアンゲロス・ヤクミスに勝利し3連勝中だ。植山は4月大会で土井涼雅に判定勝ちし連敗をストップ。牧野は3月に松山瞬に3R TKO勝ちしDEEP☆KICK-57.5kg王座を獲得し今回SB初参戦。師匠の原口健飛も一緒にインタビューに応じている。
第10試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(無制限延長R)
山田虎矢太[こやた](シーザージム/SB日本スーパーバンタム級(55kg)王者)
魁斗[かいと](立志會館/SB日本フェザー級2位、HOOST CUP日本フェザー級王者)
第9試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(無制限延長R)
植山征紀(ONE LIFE/SB日本フェザー級4位)
牧野騎士(FASCINATE FIGHT TEAM/RISEフェザー級21位、元DEEP☆KICK -57.5kg王者、RKSスーパーバンタム級王者)
山田虎矢太「いつも以上に勝ちを意識して掴みに行く」
―― 再起戦が決まりました。
虎矢太 前回、川上選手に負けてからより一層練習に取り組んできたので、気合いが入ってますし、何が何でも勝ちたいという気持ちが強いです。
―― キャリア2度目の敗戦のショックは当然ながら大きかったですか?
虎矢太 もちろん落ち込んだんですけど、それよりももっと強くなりたいという気持ちの方が大きかったので試合が終わった直後からリベンジに燃えるというか、俺ならもっともっとできるという燃えたぎるものがあったので、すぐ次に向けて動こうと思いました。
―― ご自身としては、敗因をどう考えていますか。
虎矢太 正直言うと、昨年の12月のシッティチャイ戦が終わって2月に試合があり、今までスパンが短い試合を経験したことがあまりなかったので、コンディションの調整の難しさに戸惑ったり、川上選手は上手い選手なのですが、作戦を考えずにいつも通りの動きで挑もうと思ったのがダメでしたね。
―― 今は川上選手へのリベンジしか見えていないですか?
虎矢太 そうですね。とりあえず次の魁斗戦で必ず勝って、今年S-cupで対戦することになれば、そこでやり返したいという気持ちが一番強いです。
―― S-cupに向けて次の試合も重要な一戦になる中、魁斗選手という難敵との対戦が決まって最初に聞いた時の心境はどうでした?
虎矢太 僕は4月大会に出場していないんですけど、魁斗選手は勝利を収めていて、僕の周りからは「虎矢太と同じ階級の魁斗選手は強いね」と。もしかしたら6月に僕とやるのかなと思っていたので、決まった時は『やっぱり来たか!』という気持ちもありましたし、S-cupに出るためには、魁斗選手に勝って出れば文句なしの出場権を得られると思ったので燃えましたね。
―― 選手としてはどういったイメージがありますか。
虎矢太 相手の良さを消したり、ディフェンスが上手で、負けない戦い方をする選手という印象です。決してめちゃくちゃ怖い攻撃があるというわけではないと思うんですけど、総合的に器用に何でもこなす印象もあります。
―― 相手の良さを消す戦いという点では川上選手の戦い方と同じですね。
虎矢太 そうですね。魁斗選手は似たような類の選手かなと思います。
―― そういう相手にどう戦いますか。
虎矢太 前回も相手の上手さに翻弄されて負けちゃったので、今回はその反省も活かして、かつS-cupに向けて必ず誰が見ても「勝った」と分かるような試合をしないといけないと思います。もちろんいつも全力で戦っているのですが、今回はいつも以上に勝ちを意識して掴みに行こうと思います。
―― KOを意識することもなく?
虎矢太 いつもKOを心掛けているのですが、KOを意識しすぎると自分のいい動きができなくなってしまうのでKOよりもとにかく勝ち星が欲しいですね。
―― 魁斗選手はなかなか穴のない選手と言われてますが、そこに関しては?
虎矢太 相手のペースやリズムで戦うと勝つのは難しいと思うので、そういう展開にならないように自分のテンポ、リズムで戦っていきたいと思います。
―― 前回の川上戦での反省を活かして今回の試合に活かせるものはありますか。
虎矢太 ずっと昔から言われているんですけど、僕は攻撃が単調なので、バリエーションを増やしたりしてきました。
―― トレーナーのダムさんからはどういうアドバイスをもらっていますか?
虎矢太 前回2回ダウンをしてしまったので、ダムさんからは「打たれ強さを強化しよう」と。そのために首を鍛えたり、土台作りをやっています。毎日首を鍛えていると、見た目的に首が太くなったりとか、スパーでパンチを受けても効かなくなったとは思うので、多少は鍛えられていると思います。毎日自分は鏡を見てるので首の変化に気づきましたし、やっているから変わっていると思っているプラシーボ効果はあるかもしれないけど、次の計量や試合の時の僕の体を見てもらって、変わったと思ってもらえたら嬉しいですね。
―― ちなみに首はどういう鍛え方を?
虎矢太 ブリッジしたり、ケトルダンベルを吊るしたタオルを口で加えて、頭を上下したりして鍛えてます。
―― シーザージムに取材に行った時にそれをやっているプロ選手の姿を何度か見かけてますが、以前から虎矢太選手もやってましたよね?
虎矢太 彪太朗や笠原兄弟はやっていたんですけど、正直なところ、あれが意味あるのかなと思って今まで僕はやってなかったんです。やっていなかったら実際にダウンをしているので、今やるようにしたら首が太くなってきたので効果はあると思って続けています。
―― 敗戦を経て、今の自分に何が足りなかったのか気付かされたんですね。
虎矢太 そうですね。僕はやられないと気付かない部分や変わらない部分はあるのだと改めて思いました。今回は見た目だけじゃなく、もう前回とは比べ物にならないくらい成長した姿を見せられると思います。S-cupでは山田兄弟による決勝戦を望むファンも多いかと思いますが、そういうストーリーに向けて負けられない一戦だとも捉えています。今年開催されるS-cupは山田ツインズのための大会だと思っているので、そこに2人揃って出場して勝ち上がり、決勝戦で当たるというのは絶対に成し遂げないといけないことだと思うので、必ず叶えたいですね。
―― プレッシャーはないですか?
虎矢太 もうないですね。前回すでに僕は川上選手に負けているので、あとはもう片っ端から倒してS-cupに向かって行くだけなんで、変に気負いはなく、気持ちも楽ですね。ここで負けたらS-cupの出場は遠くなり、勝てば出られる可能性も高くなり、分かりやすい感じなので、勝てばいいだけかなと考えています。
―― 今回の試合に向けて彪太朗選手から何かアドバイスもありますか?
虎矢太 彪太朗は次の大会に出ないので、マンツーマンで一緒に練習して対策を練っています。実際にやってみないと分からない部分はありますが、イメージでは結構いい感じです。前回もイメージは良かったんですけどね……(苦笑)。
―― では試合を楽しみにファンにメッセージをお願いします。
虎矢太 前回は負けて応援してくれる皆さんに悲しい思いをさせてしまったので、今回は必ず成長した姿を見せて勝ちますし、皆さんには熱い気持ちにさせた上に、元気を与えるような試合をできるように頑張るので、大声援をよろしくお願いします。
魁斗「山田ツインズ対決には全く興味ないし、それをさせていたらダメ」
―― 虎矢太選手とS-cup世界トーナメント出場権を懸けた査定試合が決まりました。最初にオファーを聞いた時の心境は?
魁斗 前回に続いて外国人選手とやるのかなと思っていたのですが、虎矢太選手は階級を上げて僕の下のランキングの内藤凌太選手に勝っているので近いうちに対戦もあり得るかなと思っていた選手でした。
―― 選手としてはどういった印象がありますか?
魁斗 強い選手だと思います。フェザー級に上げてから内藤選手に勝ってはいるんですけど、川上叶選手に負けているので、僕がここで負けたら一度負けている川上選手にも挑めないので、ここは負けられへんなという感じですね。
―― 虎矢太選手の前回の川上選手との試合を見て何か思ったことはありました?
魁斗 虎矢太選手はパワー系の選手で今までに倒してきた試合は多いんですけど、その分、攻撃がすごく荒かったり、隙もなるので、そこを川上選手に突かれて負けた印象を受けました。
―― 川上選手は虎矢太選手から2度ダウンを奪っていることで、次の戦いに向けて参考になったりは?
魁斗 僕はオーソドックスで川上選手はサスウポーなんですけど、軽く映像を見たぐらいで分析材料にはしてますけど、あくまで戦うのは自分なんで自分のやり方で攻略しようかなと思います。
―― 今年のS-cup世界トーナメントはご自身の階級で開催することが決まったことで、モチベーションはどうですか?
魁斗 小さい時からブアカーオ選手、アンディ・サワー選手、鈴木博昭選手がS-cup世界トーナメントで活躍されていて輝かしい舞台だったので、その価値を下げないようにフェザー級で開催して面白かったなと思ってもらえるように、選手みんなで盛り上げていけたらなと思います。
―― そこに向けてサバイバル的な意味のカードということでプレッシャーは?
魁斗 トーナメントに向けた査定試合になりますが、僕はあくまで普段の試合も命を懸けていると言ったら大袈裟に聞こえるかもしれないですけど、負けたら死ぬくらいの覚悟を持ってやっているので絶対に勝つし、普段とは変わらないです。
―― 負けたら死ぬくらいの覚悟で臨んでいるということですが、もしかして遺書を書いたりもしてるんですか?
魁斗 そうですね。節目の試合の時に書いています。それぐらい僕は試合に懸けています。
―― リング上でも死んでもいいぐらいの覚悟も?
魁斗 それぐらいの覚悟でもやっています。お父さん(=坂口立起:2001年に宍戸大樹と日本ウェルター級王座決定戦を行ったことがあり、現在は立志會館の館長)からそういう教えで育てられていて、これがもし戦国時代だったら負け=死なので、負けたら死ぬんやという気持ちで試合に挑んでます。今の選手でここまでの覚悟を持った選手はなかなかいないんじゃないでしょうか。僕はそういう中でも、倒すことが目標なので、勝つだけじゃなくて、試合で格闘技に懸けている生き様とプライドを見せたいですね。シュートボクシングはシーザージムの選手に注目されがちなので、そこでも負けたくないです。
―― 立起館長から続いているシーザージムとの戦いでもあるわけですね。昨年6月のONE Friday Fightsでの試合がそうでしたが、魁斗選手は相手が強敵だったら、いつも以上にアグレッシブでご自身の良さも引き出すような試合を見せていましたが、今回の試合は自分のそういう良さを引き出させそうな相手だと思いますか?
魁斗 確かに試合を振り返ってみると、自分でも強い相手の方が自分の良さが出ている気がするんですけど、相手の強さは関係なく、自分の良さは自分で引き出すのがベストかなと思うので、そこも今回の試合でできたらなと思います。
―― 強い相手だと試合中も楽しいですか?
魁斗 もちろん楽しいですけど、苦しい時間もあるし、強い相手だとなかなか自分のやりたいことができず上手くいかないので、自分の思い通りにいかないのを、攻略できたりした時に自分のやっていたことは間違っていなかったなと思えるので、そう思えるようにしたいですね。
―― 次の試合に向けて勝ち方もイメージできていますか?
魁斗 虎矢太選手との対戦が決まったばかりなのでまだイメージはできていませんが、難しい相手でもないと思っているので、試合まで頭と体をしっかり鍛えて臨みたいと思います。
―― 以前は出稽古先で山口兄弟とバチバチなスパーリングをやっていましたが、今も変わらず?
魁斗 そうですね。兄の裕人君にいじめられています(苦笑)。殴られる一方で僕が倒すことはないですけど、自分が打ち合いの展開にいきたくなくても持ち込まれることもあり、自分の足りないところを補ってもらえる練習になるので、めちゃくちゃ強くなっていると思います。
―― 魁斗選手が倒されるイメージがないのですが、倒されることもあるんですか?
魁斗 そこで海人君には倒されました(苦笑)。今まで練習で手も足も出ない感覚はなかったんですけど、海人君とやった時に初めてそういう経験をして悔しいという感覚よりも、一周回って清々しい気持ちになりました(笑)。階級が違うと言い訳できないくらい海人君は強く、やはり海人君とやることでもっと吸収できるところはいっぱいあると思っています。
―― S-cup世界トーナメントは山田彪太朗選手が開催を呼び掛けて、決勝戦で山田ツインズ対決を期待しているファンもいますが、そういうストーリーに関して思うことはありますか?
魁斗 正直なところ、山田ツインズ対決には全く興味ないですし、その対決を望んでいる人はいるかもしれないですけど、僕ら選手としてはそれをさせていたらダメだと思います。世界トーナメントなので、日本人選手はいっぱいいらないと思います。特に虎矢太選手はフェザー級でまだ3戦しかしておらず実績もなく、僕はフェザー級でやってきたことにプライドがあるので、トーナメントに出させてはダメやと思っています。
―― 日本を代表する選手が出るべきということで、11月のS-cupまでに彪太朗選手のSB日本フェザー級タイトルを獲って世界トーナメントに出たいという気持ちもありますか?
魁斗 彪太朗選手はタイトルマッチを終えたばかりで、またタイトル戦をやるのは現実的に難しいのかなと。S-cup世界トーナメントを取ったらもう世界チャンピオンになることになるので、日本タイトルはいいかなと思っています。
―― S-cup世界トーナメントには他団体のチャンピオンが参戦する可能性も高いです。先日RISEフェザー級タイトル防衛に成功した安本晴翔選手は「SBの選手には負けていて借りを返さないといけないので(安本は植山征紀、魁斗、川上叶のシュートボクサー勢に全敗)、オファーがあれば出たい」と発言していますが、意識はしていますか?
魁斗 安本選手はトップクラスなので世界トーナメントに出てくれたら絶対に盛り上がる選手だと思います。僕は安本選手からダウンを取って逆転勝ちしたと世間に思われているので、どんな局面でも自分が勝っているという展開にはしたいですね。まずは次戦に集中しています。大会は全選手で盛り上げますが、僕はトーナメントに出場するために虎矢太選手を蹴落として、自分のプライドを見せつけて勝ちたいと思います。
植山征紀「S-cupに出場して優勝することが僕の今年のテーマ」
―― フェザー級に階級を上げてから2戦やってみてどうでしたか。
植山 2023年2月のSB日本スーパーバンタム級タイトルマッチで負けてから2年ぐらいブランクが空いて、そこから復帰して2戦したんですけど、段々と感覚が掴めてきてフェザー級の身体にしっかりと仕上がってきている感じがします。なので今は一番フェザー級が自分には合っていると思います。フェザー級は他団体でも盛り上がっていて層が厚いですし、今年SBは40周年であり、11月にはフェザー級の世界トーナメント開催も決まっているので、そこに向けてしっかりやっていこうと思います。
―― 植山選手と同じくスーパーバンタム級からフェザー級に上げた選手として山田虎矢太選手もいますが、山田虎矢太選手だけ注目するなよといった想いはありました?
植山 そういうのは考えたことはありませんが、スーパーバンタム級タイトルマッチで僕は虎矢太選手にやられているので、フェザー級でやり返したい気持ちはあります。
―― フェザー級3戦目で、今回の相手として牧野選手の名前を聞いてどう思いました?
植山 あまり知らない選手でしたが、試合映像を見たら気持ちが強くて打撃で前にガンガン前に来る選手なので噛み合っていい試合になると思いました。
―― 牧野選手はSB初参戦ということでSBルールには対応しづらいと予想してますか?
植山 SBのリングに上がるということは、そのルールを受け入れているということなので、僕は全局面でSBのルールを活かして戦おうと思います。
―― 牧野選手はRISEを主戦場にしてDEEP☆KICKのベルトを保持しています。SBの看板を背負って戦う思いもありますか?
植山 そうですね。SBを背負ってSBの強さを見せつけたいと常に思って戦ってますし、今回は他団体から乗り込んでくる選手なのでしっかりSBの強さ、SBのリングで戦うことの厳しさを見せ付けようと思います。
―― 今回の試合に集中することはもちろんですが、その先に見据えていることはありますか。
植山 もちろんS-cup世界トーナメント開催が決まっているので、そこに出て優勝することを見据えて今やっているので、次の試合でしっかり勝ちます。
―― 今、S-cup世界トーナメントに向けて出場枠を懸けて査定試合がいくつか決まっています。出場枠を勝ち取るために何が必要だと思いますか?
植山 一戦一戦必ず勝つことがまずは第一で、インパクトを残して“こいつが出て間違いない”と思われる試合をしないといけないと思っています。
―― 先の話になってしまうので、まだ想定しないと思いますが、S-cupで戦ってみたい選手や決勝戦でこの選手とやってみたいといった構想はありますか?
植山 決勝戦じゃなくてもいいですけど、S-cupで虎矢太選手にリベンジしたいと思います。
―― 植山選手は元SB日本スーパーバンタム級王者だけにSB愛は強いと思いますが、改めてSBは植山選手にとってどんな存在ですか?
植山 SBは自分を一番表現できる舞台だと思います。SB40周年の年に復帰して、それも自分の階級で世界トーナメントが開催されるということは、自分は運を持っていると思いますし、そこで優勝したいとずっと思っています。
―― ちなみに、今年2月に2年ぶりに復帰して、シリーズ開幕戦、4月のシリーズ第二戦と連戦していますが、このペースは問題ないですか?
植山 そうですね。逆に2年間ブランクが空いたので、試合勘を取り戻したいと思っていたので、連戦させていただいてSB協会の皆さんには感謝してます。このまま全大会に出て、ラストでS-cup世界トーナメントに出場して優勝することが僕の今年のテーマでもあります。一戦一戦インパクトを残して勝っていきます!
牧野騎士「師匠の原口健飛さんと戦い方が似ていると言われる」
―― 3月にDEEP☆KICK-57.5kg級のタイトルを獲得し、今回SB初参戦が決まりました。最初にオファーが来た時の心境を教えてください。
牧野 僕は(原口)健飛さんに憧れていてRISEを主戦場にしていきたいと考えている中、SBからのオファーが来てビックリしましたね。SBルールだと投げられてしまうのかなと(苦笑)。全く想定していなかったリングでしたが、DEEP☆KICKのチャンピオンになってから試合間隔が空いてましたし、応援してくれている方々には僕が試合している姿しか見せられず、早く試合がしたい気持ちだったのでOKしました。
―― SBでは投げ技、立ち関節技が認められていますが、そこに関して戸惑いはなかったですか?
牧野 もちろんSBルールでの試合だと、ちょっと練習しただけで適応できるとは思っていませんが、そういった技をもらう前に倒しちゃえばいいかなと。
―― 牧野選手のインスタを拝見したところ、投げ技の動画を投稿してましたよね。あの動画は今回の試合を意識して?
牧野 そうですね。見てくれた方が「もしかして牧野はシュートポイントを取れるんじゃない?」と思ってくれるかなと思って投稿したのですが、僕と後輩がただ単にじゃれているだけの動画になりました(笑)。
―― SBという団体に対してはどのような印象を持っていましたか。
牧野 海人選手がRISEやGLORYに出たり、山田ツインズがRISEに出たりしているので、僕がプロになる前から会場で観ていた選手が所属している凄い団体なので、試合が楽しみになりました。
―― 今回の相手、植山征紀選手に関しては、選手としてはどのような印象がありますか。
牧野 ステータスがきっちりある選手だと思っていて、RISEの鈴木真彦選手との試合を見た時に『ヤバい選手だな』と感じていた選手と僕がやることになり、複雑な気持ちではあります。選手としては、トータル的に何でもできる印象があります。
―― ご自身が植山選手が勝っていると感じる部分はどこですか?
牧野 山田虎矢太選手とのSB日本バンタム級タイトルマッチの試合映像を見たところ、5Rに血だらけになっても戦っていたので、めちゃくちゃ気持ちの強い選手だと思いますが、試合中に気持ちの入り方に関してだと、僕は負けてないかなと思います。
―― 牧野選手は10勝8KOとKO率が高いですが、そこは意識して戦っているのでしょうか。
牧野 KOしたいという気持ちで戦ってはいるのですが、狙っている技で倒してきたかというとそうでもなく、気付いたら相手が倒れていたという感じです。
―― 一番いい形の勝ち方ですね。そういう戦い方はやはりジム代表の原口健飛選手の影響を受けていることが大きいですか?
牧野 タイプ的には健飛さんみたいに綺麗に戦ったり、衝撃を与えるような倒し方ではなく、僕はガムシャラに戦うタイプなんです。健飛さんと戦い方が似ていると言われることもあり、嬉しいのですが、自分的にはまだまだやなと思っています。
―― 原口選手に憧れているということですが、大ファンでもあるんですよね? 原口選手のどういうところに魅かれたのでしょう?
牧野 健飛さんのことを何も知らずにジムに体験入門させてもらった時に、たくさんプロ選手がいたんですけど、『人ってこんなオーラがあるんやな!』と思えるぐらい健飛さんにはオーラがあって輝いていたんです。それから健飛さんってどんな人なんやろう? と思ってYouTubeで試合を見あさりましたね。体験入門した時、他の選手とスパーをしたらボコボコにされたんですけど、健飛さんだけは優しくて、強い人はこうなんやなと。一緒に練習したり、僕がプロになったりと深く関わっていくうちに、凄さをもっと知ることができて余計好きになりました。
―― そんな憧れている原口選手の下で練習ができている環境をどう感じているんですか。
牧野 めちゃくちゃ幸せですし、いい環境ですね。健飛さんが試合で勝ったら自分ももちろんめちゃくちゃ嬉しいですし、逆に負けると、自分が負けた時ぐらいショックですし悲しいです。でもそんな気持ちになる人が近くにいるというのはなかなかないことだと思います。小さい時に仮面ライダーが敵に負けたら悲しくなっていた気持ちが未だに残っているということかなと。そう思える人が近くにいるだけで、僕は頑張れているので感謝しています。
―― ヒーロー的な存在が近くにいる感覚なんですね。原口選手はジム代表だけに、牧野選手の試合結果によっては原口選手の名を汚してしまうこともあるかと思います。そこに関しての意識はありますか?
牧野 そうですね。めちゃくちゃそれは感じています。RISEに初めて出た時に負けて、自分だけでなくジムも負けたなと思ったし、健飛さんにはセコンドにも付いてもらっていたので、落ち込んだ気持ちになります。あと、追い込みや試合で3R目に入る時は、健飛さんのためにというか、健飛さんに勝っている姿を見せたいという気持ちでやっています。
―― プレッシャーになるだけでなく、力にもなるとは思いますが、ご自身の性格的にどうですか?
牧野 もちろんプレッシャーになるんですけど、力になる部分がめちゃくちゃ大きいですね。
―― 今回のSB参戦に関してはジムだけでなくRISEを背負う部分もあると思いますが、ご自身としてはどういう気持ちで乗り込みますか?
牧野 そこに関してはリングに入るのは僕であって植山選手との1対1の戦いになるので、戦うだけですね。
―― 今年11月にはフェザー級でS-cup世界トーナメントが開催されます。このタイミングでSBに参戦することで、勝てばトーナメントに出るチャンスも巡ってくると思いますが、意識しますか?
牧野 ここで倒したからといってトーナメントに出られるのかなと思います。自分の中では、調子に乗っている時に結構負けてしまうので、トーナメントのことは関係なく、目の前の1試合に集中して戦っていきたいですね。
―― S-cupに出られるなら出たいと思いますか? そこまでは意識してないですか?
牧野 そんなに今はそこまで考える余裕がないというか、考えてはいないですね。
―― では、SBのリングで自分の存在感を示すことが大きいですか?
牧野 そうですね。SBでSBルールで戦って勝ったらカッコイイと思うので、カッコ良さを見せようかなと思います。ドロドロな試合で勝ってもSBファンは満足しないと思うので、ここで思い切ったKOで勝てれば、『あいつSBのリングに急に現れた存在やのに、ランキング4位の植山選手に勝ってヤバいやん!』と思われるじゃないですか。それが一番気持ちいいので、そういうのを狙っています。
―― 分かりました。では最後に意気込みをお願いします。
牧野 初めて参戦するリングですが、そういうことは関係なくリングに入れば牧野騎士を見せられると思うし、FFTの強さも見せられると思います。それを見せた上でしっかり勝ちます。
■原口健飛
―― 今回SBのリングに牧野選手を送り出す形になりましたが、原口選手から見て牧野選手の強みはどういうところにありますか?
原口 やはり倒し切る力ですね。それは格闘家に大事なことであって、試合でダウンを取られても一発があれば最後の最後まで『逆転できるんじゃないか』という気持ちでセコンドに付きながら一緒に戦えるので、そういうのは僕よりも持っているものじゃないかなと思いますね。良くも悪くもそこが特化している部分ではあるので、それをSBの試合でもいいし、これからの試合につないでくれればいいなと。今回の試合はもちろん倒すことが目標ではあるんですけど、勝てれば何でもいいと思っています。迫力やパワーに期待してほしいとは思いますね。
―― 原口選手から見て、SBとはどういうリングですか?
原口 立ち技の総合格闘技ですよね。SBでもいろんなルールがありますが、投げ技あり、立ち関節技あり、ヒジありがSBなので、シュートボクサーがRISEのリングに上がっても強いと思うし、海人選手や山田ツインズのようにトータル的に何でもできる選手が揃っている団体やと思います。
―― 牧野選手がSBのリングで上がることで、選手としてプラスになることもあると思いますか?
原口 そうですね。どの団体に出て挑戦することで、勝っても負けても経験になると思いますし、そこで勝つことによって一番自信になると思います。今回全く踏み入れていなかったSBのリングで勝てれば凄く気持ちいいでしょうし、今後のモチベーションにもつながるとも思いますね。
―― 原口選手はまだSBのリングに上がったことはありませんが、SBのルールに関してのアドバイスは何かあったりしますか?
原口 そこに関してはどう対処していいのか分からないので諦めてます(苦笑)。でも、裏を返せば、俺がSBのトップファイターだったら投げないんですよ。なぜかというと、フェアじゃないから。逆に向こうが投げに来たら、俺は勝ちでもいいと思います。打撃で勝てないから、こっちができないことで勝負してくるのかと。RISEは首相撲はなしですが、ワンキャッチはありなので、ギリギリな部分は練習しないといけないところですが、立ち関節や投げ技は俺たちには一生必要ないこと。それをやってきたら向こうは打撃での勝負は諦めているんじゃないかなと思うので、そこを突け、自信を持っていけと伝えています。
―― なるほど。牧野選手のパーソナル的なことも聞いていきたいのですが、牧野選手は原口選手の大ファンということなのですが、一緒に練習していてそれは伝わってくるものですか?
原口 そうですね。伝わっているし、頑張ろうとしてくれています。ファンだったら一緒にいて嬉しいという話でいいのですが、同じ競技をして同じジムで生活しているので、好きだからこうなりたいと思うだけじゃアカンし、それを行動に移すか移さないかで、本当に好きなのかは伝わってくるじゃないですか。そういう面では牧野からは凄く伝わってくるので、僕がGLORYに出たときは、牧野にとって良い経験になるように一緒に連れていきました。えこひいきではなく、彼の思いに凄く応えたいという気持ちもあるので僕の一番弟子として頑張ってもらっています。
―― では初めてのSBのリングには自信を持って送り出すと。
原口 そうですね。それも相手は植山君で、知っている選手です。同じ関西出身ですし、凄く熱いファイトをしてくる選手なので、SBのリングとか関係なく、二人で熱い試合をしてくれるでしょうし、戦いとはこういうものだというのを見せてくれると思うので、一ファンとしても楽しみな試合ですね。そういう中でも牧野の底力を見てほしいですし、植山君も凄く底力があるので、底力のぶつかり合いになると思います。
―― 牧野選手には今回の試合でどういうところを期待しますか。
原口 期待し過ぎちゃうと、勝たないといけないという気持ちでしんどくなるので、シンプルに挑戦者という気持ちで戦ってほしいですね。その気持ちが一番大事なことで、それが分かっていれば、自然と動けるし、結果につながると思います。それが出なければ負ける時かなと思います。
対戦カード
第11試合 スーパーウェルター級(70kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(無制限延長R)
海人(TEAM F.O.D/シュートボクシング(SB)世界スーパーウェルター級(70kg)王者、KNOCK OUT-BLACK同級王者、RISEミドル級(70kg)王者、元SB日本スーパーライト級(65kg)王者)
エンリコ・ケール[Enriko Kehl](ドイツ/元GLORYライト級1位、K-1 WORLD MAX 2014世界トーナメント優勝)
第10試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(無制限延長R)
山田虎矢太[こやた](シーザージム/SB日本スーパーバンタム級(55kg)王者)
魁斗[かいと](立志會館/SB日本フェザー級2位、HOOST CUP日本フェザー級王者)
第9試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(無制限延長R)
植山征紀(ONE LIFE/SB日本フェザー級4位)
牧野騎士(FASCINATE FIGHT TEAM/RISEフェザー級21位、元DEEP☆KICK -57.5kg王者、RKSスーパーバンタム級王者)
~休憩~
第8試合 スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(無制限延長R)
都木航佑(キャピタルレイズ fighting GlaNz/SB日本スーパーウェルター級王者)
竜也[たつや](CRISS-CROSS/SB日本ウェルター級1位)
第7試合 オープンフィンガーグローブマッチ スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(無制限延長R)
RYOTARO(龍生塾/SB日本スーパーウェルター級1位)
高橋幸光(飯伏プロレス研究所/元BOMウェルター級王者、元WMC日本スーパーライト級王者、元MA日本&J-NETWORKライト級王者)
第6試合 55.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
笠原直希(シーザージム/SB日本スーパーバンタム級(55kg)1位)
オートー・ノーナクシン(タイ/ノーナクシンジム/元ラジャダムナン認定バンタム級6位)
第5試合 66kg契約 3分3R(無制限延長R)
村田聖明(シーザージム/SB日本スーパーライト級1位、元SB日本スーパーフェザー級王者)
恵真[えしん](リバーサルジム立川ALPHA/アマチュアSB 2023-70kg王者)
第4試合 オープンフィンガーグローブマッチ スーパーライト級(65kg) 3分3R(無制限延長R)
樋沼朝光(RIKI GYM)
奥田啓介(ANIMAL☆PLANET/BLUE DOG GYM)
第3試合 51kg契約(肘有り) 3分3R(無制限延長R)
片山 魁(TEAM FOREST/SB日本フライ級(50kg)1位)
コウシ・ノーナクシン[曽我昂史](ウォーワンチャイプロモーション/WMOインターナショナルミニフライ級王者)
第2試合 51.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
小林大樹(龍生塾/SB日本フライ級(50kg)2位)
和田修虎(橋本道場/SB日本フライ級(50kg)3位)
第1試合 66kg契約 3分3R(無制限延長R)
野口貴大(シーザージム新小岩)
庄司啓馬(TEAM TEPPEN/M-1日本ライト級王者)
オープニングファイト スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(無制限延長R)
鈴木 颯(TEAM FOREST/アマチュアSB2024 -60kg級全日本王者)
山口隆弥(AFC)
概要
大会名 SHOOT BOXING 2025 act.3
日時 2025年6月22日(日)開場・17:00 オープニングファイト開始・17:15 本戦開始・17:30
会場 後楽園ホール
中継 U-NEXT(2,189円/月)
チケット料金 VIP席20,000円 SRS席15,000円 RS席10,000円 S席7,000円 ※当日座席券は各500円UP ※当日のみ小中学生シート2,000円を販売予定
チケット販売 チケットぴあ イープラス 出場選手・所属ジム
お問い合わせ シュートボクシング協会 03-3843-1212 http://www.shootboxing.org/