KNOCK OUT 12.9 後楽園ホール:引退も考えた龍聖、練習環境一新しての初戦は「来年に向けてのスタート」|バズーカ巧樹と戦うリオス「鈴木千裕戦は試合の組み立てを変えるきっかけになった」|ぱんちゃん璃奈「KOできるとアピールして海外にも乗り込みたい」
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KNOCK OUT 2023 vol.6(12月9日(土)後楽園ホール)の龍聖 vs. ファク・スアレス、バズーカ巧樹 vs. マルコス・リオス、ぱんちゃん璃奈 vs. ケイスリィ・ヴァンスの3試合6選手のインタビューがKNOCK OUTプロモーションから届いた。
第12試合 BLACK 59kg契約 3分3R(延長1R)
龍聖(Team KNOCK OUT/KNOCK OUT-BLACKフェザー級(57.5kg)王者)※WIVERNから所属変更
ファク・スアレス(アルゼンチン/WGPキックボクシング-60kg級王者)
龍聖は15戦15勝(10KO)の22歳。今年は2戦し、3月の代々木大会ではラジャダムナン王者のペットセーンセーブに延長判定勝ち。6月の後楽園大会では中国のチュームーシーフーと対戦し、キャリア初のダウンを喫したが、延長に持ち込み辛うじて判定勝ちした。
龍聖は昨年夏にTRY HARD GYMを離れ、NOPPADET GYM所属となったが、TRY HARD時代からのノッパデッソーン・トレーナーが昨年末の試合を最後に龍聖と袂を分かった。今年2試合はNOPPADET GYMから名称を変えたWIVERN所属で試合したが、動きに精彩を欠き、2戦とも延長にもつれ込んだ。9月大会は怪我の影響で欠場。その後WIVERNを離れ、今はクロスポイント吉祥寺とKNOCK OUTジム高幡不動を練習拠点にしており、「この団体を背負って行こうという気持ちの現れ」から、「Team KNOCK OUT」に所属名を変えて再始動する。
対するスアレスは28戦20勝(7KO)8敗の34歳。ブラジル等で開催されているWGPキックボクシングの王者で、昨年8月のK-1で初来日し、K-1フェザー級世界最強決定トーナメントの1回戦でK-1フェザー級王者・軍司泰斗に判定負けした。龍聖は軍司との対戦を熱望しており、力量をアピールするには絶好の相手だ。
第11試合 RED スーパーライト級(65kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
バズーカ巧樹(菅原道場/KNOCK OUT-REDスーパーライト級王者、元KNOCK OUT-BLACKライト級王者)
マルコス・リオス(アルゼンチン/ISKAムエタイ&WBCムエタイ・アルゼンチン・スーパーライト級王者、WKF・BOSCH TOUR・SUPER 8インターナショナル同級王者、WKF南米&アルゼンチン同級王者)
バズーカは3月の代々木大会でK-1の不可思とREDルールで対戦し3R KO負け。その後、BLACKライト級王座を返上し、9月大会でのREDスーパーライト級王座決定戦では、良太郎と6R戦い、大接戦の末に判定2-1で勝利した。
対するリオスは75戦71勝(40KO)4敗の23歳。1月のGLORYメキシコ大会でGLORYのランカーのデニス・ウォーシックに判定勝ち。3月の代々木大会で初来日し、鈴木千裕に1R46秒でTKO負けした。その後は4月にブラジルのWGP Kickboxingでブラジルの選手に3RバックハンドブローでKO勝ちし、6月のメキシコの試合では地元の選手を1RハイキックでKOしている。南米での試合では「ワサビ」の愛称で呼ばれている。
第10試合 BLACK 女子48kg契約 3分3R(延長1R)
ぱんちゃん璃奈(フリー/元KNOCK OUT-BLACK女子ミニマム級(47.5kg)&アトム級(46kg)王者)
ケイスリィ・ヴァンス[Kaithly Vance](オーストラリア/ISKAサウスパシィフィック王者、ISKA&WMC豪州王者、AMF・MTL王者)
ぱんちゃんは昨年12月、那須川天心と武尊のサイン偽造の詐欺容疑で逮捕され、2月の記者会見で謝罪すると共にBLACK女子ミニマム級王座を返上。3月に不起訴となり、4月の約1年ぶりの公式戦では階級を上げ台湾のワン・チンロンに判定2-0で勝利。9月大会では台湾のチャッキーを圧倒し2R右膝蹴りでTKO勝ちしている。現在15戦15勝(3KO)。対するヴァンスは初来日の24歳。戦績は33戦のうち22勝しているという。
龍聖「来年は飛躍の年に。絶対に倒して復活します!」
―― 今回の試合から所属が「Team KNOCK OUT」になりました。練習はKNOCK OUT GYM高幡不動で、栗秋和輝トレーナー(栗秋祥梧の実兄)とともにされているそうですね。
龍聖 そうですね。メインは栗秋先生とやっていて、対人練習はクロスポイント吉祥寺に来て行っています。栗秋先生はすごく格闘技が好きだということが伝わってきて、僕も格闘技が好きなので、格闘技に対しての熱量がマッチしました。教え方とかミットのやり方とかも、表現は難しいですけど……マッチできたなという感じですね。
―― 6月の前戦後、練習にも試合にも意欲が持てない時期があったと聞きましたが……。
龍聖 6月のチュームーシーフー戦があって、直後はすごく練習してたんですけど、前のジムでトラブルがあってプツン!ときて、7月の半ばぐらいからは練習もしなくなりました。この業界がイヤになって、一時は試合ももうやめようと思ってました。
―― そこから、もう一度やろうと思えたのはいつのことだったんですか?
龍聖 9月ぐらいですね。だから2ヵ月近くは離れてました。やっぱり、子供の時からずっと格闘技をやっていたから、それがないと充実してないんですよね。気持ちもずっと沈んでたんですけど、トラブルの件でKNOCK OUT関係者に相談したら「また龍聖の試合が見たい」って言われて、その言葉に一瞬やる気にはなるんですけど、また沈んで、っていうのを繰り返して。そしたら「高幡不動のジムができたから遊びに来なよ」って誘ってもらって、遊び程度の感覚でやっていたら、栗秋先生のミットがよくて、「あ、ここでやれるんだったら復活できるな」と思いました。
―― なるほど。
龍聖 復活する時には前に教えてもらっていたノップとまたやりたいと思ってたんですけど、そうしたところで環境が整わなければまた迷走するし、それじゃやる意味がないなと。悩みながらやりたくはないなと思っていたんですけど、栗秋先生とだったらそういうこともなく、練習に集中できるなと思って、すぐにお願いして。それで12月には大会があったので、山口元気代表に「出たいです」とお話しして、出られることになりました。
―― 今回は「復帰戦」ということになりますが、試合するにあたってどんな心境ですか?
龍聖 本当にメチャクチャ気合いが入ってて、気持ちも入ってるというか……いつも気持ちは入ってるんですけど、その中でも思いがすごく深く入ってるというか、自分自身もすごくかけてる試合ですね。
―― 新たな気持ちで臨むと。
龍聖 本当にこの1年、ジムのこととかでキツい状況で、なかなかうまくいかない日々だったんですけど、そんな1年を全部締めくくる終着点にもしたいし、来年に向けてのスタートにもしたいですね。僕に負けてほしいと思ってる人たちがいっぱいいると思うんですけど、そういうヤツらを見返したいし、「もっと強くなったんだよ」というところを見せたいし、いろんな思いがありますね。
―― 今回の相手はファク・スアレス選手ですが、どういう印象ですか?
龍聖 瞬発力があって、フックが重いですよね。あとローキックがある選手だなと。
―― その相手にどう勝ちたいと思っていますか?
龍聖 勝つのは当たり前で、絶対に倒すという気持ちは強いです。練習から離れた時期もありましたけど、練習に復帰してすぐに試合をすると決めて、そこからは倒すための練習をずーっとしてきたので、何Rの何分で倒すかは分からないですけど、最後の最後まで倒しに行きたいと思います。
―― K-1でスアレス選手に判定勝ちだった軍司泰斗選手と、勝ち方が比べられる試合だと思います。そこは?
龍聖 もちろん、そこをクリアした上で次のステップに行きたいです。別に今回の相手を見てやっているわけじゃないし、来年はもっと高いところに行きたいので、絶対に倒します。狙っている技も何個かありますし、それを体が覚えるぐらい反復練習してきたので、それがハマればいいなと思っていますね。
―― この試合で見せたいものというのは?
龍聖 本当に気持ちが入っていて、練習でもその気持ちが入るような作り方をしているので、その気持ちを見てほしいですね。緊張感とか殺気も味わってほしいですし、見ている人の胸が熱くなるような試合がしたいです。
―― 改めて、来年はどういう年にしたいですか?
龍聖 飛躍したいですね。今22歳なんですけど、復帰するにあたって、これから25歳ぐらいまで、3年ぐらいの間は格闘技に集中しようと決めたんです。その最初の年になるので、本当に身のあるものにしたいですし、ムダにしたくないですね。「Team KNOCK OUT」という所属名にしてもらったこともあるし、KNOCK OUTの代表として戦っていきたいですし。今は格闘技界全体が新たな戦いに入ってきてて、もう団体がどうとか、小さいことを言ってる時期じゃないですよね。その中で、みんなでKNOCK OUTを押し上げていければと思っています。
―― では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
龍聖 瞬発力と攻撃力ですね。それから今回、いつもより強振しようと思っているので、そこを見てほしいです。力強い試合をしたいので、自信を持ってぶん殴ります。
―― 分かりました。ありがとうございました!
ファク・スアレス「これから最高の試合をたくさん見せて、アジアで有名になりたい!」
―― 昨年8月にK-1で軍司泰斗選手と対戦して以来の来日ですが、今、あの試合を振り返ると?
スアレス あの試合は、人生の夢が叶った瞬間でした。日本のファンの人たちが優しくて、うれしかったですね。軍司選手との試合は、1Rから3Rまでとてもハードでした。彼と再戦がしたいです。
―― その時、日本についてどういう印象を持ちましたか?
スアレス 試合とともに、日本の文化がよく理解できました。9日はそんな日本でまた戦えるので、ファンの人たちに最高の試合を見せます。
―― KNOCK OUTがどういうイベントか知っていましたか?
スアレス KNOCK OUTのことはもちろん知っています。 素晴らしい大会を開催していることも。KNOCK OUTでもタイトルマッチに挑戦したいです。
―― 今回の相手である龍聖選手についての印象は?
スアレス 彼は強いファイターですね。パンチャーで完璧な選手だと思います。私も同じ……いや、彼以上に強いです。必ず勝ちます!
―― 今回はどういう試合をして、どう勝ちたいと思っていますか?
スアレス 得意な打ち合いをお見せしたいですね。完璧な試合運びをして、完璧に勝ちます。最高の試合を見せます!
―― 龍聖選手は軍司選手との対戦を希望しています。現時点で両者を比較するとどう思いますか?
スアレス 彼らの試合は凄い戦いになるでしょうね。ただ、その試合は実現できないかもしれません。私が今回龍聖選手に勝って、軍司選手にもリベンジしたら、彼らが戦う意味はなくなってしまうのでは?(笑)
―― 今回勝って、今後KNOCK OUTでどう活躍したいと思いますか?
スアレス KNOCK OUTで最高の試合をファンの人たちにたくさん見せて、アジアで私が有名になればいいなと思っています。
―― 格闘技、キックボクシングを始めたのはいつですか? その後の格闘技歴も教えてください。
スアレス 子供の頃はとてもハングリーな生活でした。小さい頃にたまたまファイトスポーツを見て、19歳から人生の全てをかけて始めました。また、3年前までは農業が本業でした。早くチャンピオンになって、キックと農業を両立していきたいと思っています。現在はジムでの指導もできているので、私はとてもラッキーです。
―― 今回はマルコス・リオス選手と一緒の来日ですが、アルゼンチンのファイターに共通するような特徴はありますか?
スアレス KNOCK OUTでアルゼンチンの盟友マルコスと試合ができてうれしいです。一緒に勝ちたいと思います。アルゼンチンの選手たちは、常にいい試合をする選手ばかりです。今回は私もマルコスも勝って、アルゼンチン人の選手たちが世界へ羽ばたくチャンスを作ります。
―― もともと日本の格闘技界についてはどれぐらい知識がありましたか? 知っている選手はいますか?
スアレス 日本での試合は、私の小さい頃からの夢でした。日本の選手は、とてもレベルの高い選手ばかりです。知っている選手は、武尊さん、天心さん。そして、魔娑斗さんです。
―― 龍聖選手に対してメッセージをお願いします。
スアレス 龍聖、俺との戦いに備えろよ! アルゼンチンがKOするぜ!
―― 今回の試合で、一番注目してほしいポイントは?
スアレス 私は、1Rから高い技術で全てを見せるので、それを見てください。日本のファンの皆さん、待っていてください。私の全てを皆さんに証明します!
―― 分かりました。ありがとうございました!
バズーカ巧樹「この試合は『世界一』へのいい一歩目。技術の高い試合をして倒します!」
―― カード発表記者会見では、マルコス・リオスvs鈴木千裕戦の映像を「見ていない」ということでしたが、結局その後も見てないんでしょうか?
バズーカ あー、そうですね。まあ早すぎて見る必要もないと思うので。
―― その他の試合映像については?
バズーカ それも特に見てないですね。まあ、戦績はいいかなとは思ってますけどね。アルゼンチンのキックのレベルがどれぐらいか分からないですけど。
―― では、相手のイメージもあまり作っていない?
バズーカ まあ、そうですね。「南米最強」とかっていう触れ込みでしたけど、本当にそうなんだったら、自分が勝てば南米制覇したみたいなことになると思うんで、普通にやって普通に勝てばいいかなと思います。
―― 普通にとは?
バズーカ いつもの試合と何も違わないというか、相手に対してどうこうというのが何もないので、普通にやれば勝てる相手としか思ってないですね。いつもと違う気持ちは特にないです。
―― 欧米人、アジア人以外との対戦は初めてかと思いますが、そこについて思うことは?
バズーカ つい最近までタイで練習していたんですけど、そこに練習に来ている欧米の選手と当たることも多かったんですね。世界でそれなりに強いという選手もけっこういて、まあ日本人よりはやや体の強さもあるなという感じはしましたけど、自分との差を感じるということはそんなになかったですね。体質的に、日本人より筋力とかはあるのかもしれないですけど、自分が気になるということはないです。
―― その練習の中で、日本人やアジア人にないものを感じた部分はなかったですか?
バズーカ うーん……日本人より体がちょっと強いという以外は、本当に別に気にならなくて。ちょっと思いつかないですね。
―― なるほど。では、今回の試合についてのテーマは何ですか?
バズーカ 一応、相手は海外での実績がある選手なので、それなりに強いんだったら、この試合を見れば自分の実力が判断してもらえるかなという感じですかね。
―― KNOCK OUTではREDスーパーライト級王座を獲得して、2階級制覇しての初戦ですよね。そこで「対世界」ということについて思うことは?
バズーカ 自分が考えているのは「世界一」というところなので、今回はそのための道の、いい一歩目かなという感じですね。世界を獲ること、世界一になることが最大の目標なので。
―― 今の自分が、その「世界一」に近づいているという手応えは感じていますか?
バズーカ 強くなれているとは思いますけど、今の自分では世界一に向けてはまだまだで、トップレベルと戦うにはまだ修行が必要だなと思います。まだ胸張って「自分が世界一強い」とは言えないので、強豪を一人ずつ倒していって、胸張って言えるようになりたいという段階ですかね。
―― 11月大会で行われたオープンフィンガーグローブ(OFG)の試合にも興味があるというお話を聞きました。また今大会からはUNLIMITEDルールも始まります。そこはどうですか?
バズーカ OFGもやってみたいと思ってましたけど、UNLIMITEDルールの内容を聞いたら、自分にはそれが一番向いてるんじゃないかなと思いますね。そういう戦いにも対応できる練習も普段からしていますし。いい道が切り開けるのであれば、やってみたいです。
―― おそらく今年最後の試合になると思います。そこに対しては?
バズーカ 前回は結果として勝利してベルトも獲りましたが、内容的には満足いくものではありませんでした。自分のレベルがこんなもんなのかと考えさせられるようなないようで。それも含めて今年は納得いく結果は出せていないので、最後の試合はキッチリといい形で締めたいという気持ちはありますね。来年は世界と戦っていきたいと思っているので、その意味でもしっかり勝ちたいと思います。
―― では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
バズーカ 今回はいつもより面白い展開になりそうな気がしてます。相手はベテランですけど、自分はベテラン選手との対戦は少ない気がしていて。まあ技術の高い試合をして、最後は倒すので、そこを見てほしいです。
―― 分かりました。ありがとうございました!
マルコス・リオス「鈴木千裕戦で俺は変わった。インパクトを残して勝つ!」
―― 3月に鈴木千裕選手と対戦して以来の来日ですが、今、あの試合を振り返ると?
リオス 短い時間で敗れてしまい、残念でした。ただあの試合の経験によって、自分の試合の組み立てを変えるきっかけになりました。
―― その時、KNOCK OUTというイベント全体にはどういう印象を持ちましたか?
リオス 全ての選手が高いレベルで、大変驚きました。自分の試合にも、大変良い影響を受けました。
―― 今回の相手であるバズーカ巧樹選手についての印象は?
リオス 彼の強さはよく知っています。特に左フックなどのパンチが強いので、警戒しています。彼との対戦へ集中して練習してきました。
―― 今回はどういう試合をして、どう勝ちたいと思っていますか?
リオス 自分の動きを、日本人選手の動きに対してどう合わせるかを考えて、対策しています。いきなり出ていくかもしれないし、相手の動きを冷静に見て戦うかもしれない。両方を考えていますが、リングでどちらを選ぶかは楽しみにしておいてほしいです。
―― 今回勝って、今後KNOCK OUTのリングでどう活躍したいと思いますか?
リオス 自分はもちろんKNOCK OUTに継続して出場したいと思っていますが、それは全て主催者が選択することです。今後も日本で試合ができるような、インパクトのある勝ち方をしたいと思っています。
―― 格闘技、キックボクシングを始めたのはいつですか? その後の格闘技歴も教えてください。
リオス 11歳でスポーツをスタートしました。その頃は楽しく健康のためという感じでしたが、13歳からファイトスポーツを始め、15歳でプロデビューしました。
―― ニックネームの“WASABI”の由来は?
リオス “WASABI”というニックネームは、「強くて辛い!」という自分の印象から名付けられたものです。自分の強さを象徴する言葉として、気に入っています。
―― 今回はファク・スアレス選手も来日しますが、アルゼンチンの格闘技、キックボクシング事情を教えてください。イベントも多く開催されているんでしょうか?
リオス アルゼンチンでは、規模も大きくて充実した大会が年々増えています。大会の主催者たちも選手たちも、若い世代が多く活躍し始めていて、この先はもっといい選手たちが出てくると思います。
―― もともと日本の格闘技界についてはどれぐらい知識がありましたか?
リオス はい。日本での各団体、選手についてはけっこう知っています。武尊選手のことも知っています。
―― バズーカ選手に対してメッセージがあればお願いします。
リオス 一言、「やるだけ!」。自分は今、とにかく試合に集中しています。
―― 今回の試合で、一番注目してほしいポイントは?
リオス アルゼンチンのジムでは、自分の練習のために全ての力を集中してサポートしてくれました。コーチと一緒に、日本での試合で勝てるように集中しています。そんな自分が勝つ様に注目してほしいです。
―― 分かりました。ありがとうございました!
ぱんちゃん璃奈「来年世界に打って出るためにも、絶対に倒して勝ちます!」
―― SNSでは、今回の試合に向けてもタイで練習した様子が上げられていましたね。どれぐらい行っていたんですか?
ぱんちゃん 25日ぐらいですかね。いつもだいたい3週間~1ヵ月の間ぐらいなので、今回もそれぐらい行っていました。ただ、普段はバンコクのジムなんですけど、今回は石井和義館長と谷川貞治さんに紹介していただいたチェンマイの方でしごかれていました。スパーリングよりも、基礎を修正しに行った感じでした。
―― そうなんですね。技術練習中心という感じで?
ぱんちゃん そうですね、とにかく練習しました。毎日、朝・昼・夜と1日3回練習してました。ボクシングが全然ダメということで、フィリピンから世界チャンピオンを育てたトレーナーさんが来てくれていて、ボクシング・テクニックは徹底的に直してもらいました。それと、蹴りもすごく変わったと思います。タイの蹴りって腰を入れて蹴るやり方で、今練習しているウィラサクレックジムでもずっと教えてもらってたんですけど、なかなかできなかったんですね。でもタイで気が遠くなるぐらい、何千回、何万回と蹴っているうちに、やっと少し分かってきた気がしました。
―― 前回の試合の時は、大阪でいろいろ修正してもらったという話でしたが、さらに進化したということですか。
ぱんちゃん 大阪は今も行っていて、前回の試合に比べると、本当に強くなったなと思います。前回はまだまだだったので。
―― そういう練習を経て、今回はオーストラリアから初来日のケイスリィ・ヴァンス選手との対戦です。相手の印象は?
ぱんちゃん とにかく前に出る印象ですね。キレイな攻撃を出させないために前に出てるのかなという感じで、だからといって相手の攻撃がキレイなわけじゃなくて、脇も開いてるので、それに呑み込まれたらグチャグチャな試合になっちゃうと思うんですよね。呑み込まれずに、お客さんから「キレイに戦ってるな」と思ってもらえるように、戦いたいなと思ってます。
―― では、「キレイな戦い」が今回のテーマですか?
ぱんちゃん そうですね。力んじゃうと呑み込まれるので、力まないで先に当てられるように。そうすれば突進タイプも止められるかなと思います。
―― その上で、どういう勝ち方をしたいですか?
ぱんちゃん KOしか考えてないです。前回の試合ではトレーナーさん3人ともから「ヒザで倒そう」と言われたので、ヒザを狙ったんですけど、今回は違う技を提案されているので、その技で倒したいですね。その他は狙ってないです。
―― 前回は、やろうと思ったことができたわけですね。
ぱんちゃん そうですね。トレーナーさんに言われたことができたというのは、一つ成長した部分でした。ただ、あの時は他の選択肢が少なかったんですけど、今は前に比べても明らかにバリエーションが増えたので、散らしながら削っていって、最後は違う技でKOしたいなと思っています。判定は狙ってないです。倒せるかどうかが課題ですね。
―― 試合順が上から3試合目、龍聖選手、バズーカ選手の前ということになりました。全員が対外国人で、倒すことを期待されている試合だと思いますが、そこに関しては?
ぱんちゃん バズーカ選手と龍聖選手の試合はどっちも絶対KOで決まりますよね。もしかしたら相手が勝つかもしれないですけど、それでもKOで。KOと判定では大きな違いだと思っているんですけど、自分も絶対に倒せる自信があるので、1・2R様子見でも、3Rに仕留めに行きたいと思います。グチャグチャになったら絶対に倒せないので。
―― 2023年は復活の年だったと思います。現時点では、どういう年でしたか?
ぱんちゃん 年明けの時点では復帰できると思ってもいなかったので、メチャクチャ、いろんな人に助けていただいた年だったなと思いますね。逆に、どん底にドン!と落ちた時が分かるんですよ。それは自分で落ちたんですけど。その時に手のひらを返した人もいるし、その時になって助けてくれた人もいて。そういうのがすごく分かれて見えましたね。助けてくれた人のために、もう一度頑張ろうと思えました。
―― なるほど。
ぱんちゃん 他にもいろんな変化がありましたね。これほど海外に練習に行くようになるとも思っていなかったし、練習環境もよくなりました。東京・大阪・タイと3拠点で活動するようになるとも思ってなかったですし。選手としては、今年海外での試合に挑戦したかったんですけど、まだ実力が足りなくてできなかったので、来年こそすぐに挑戦したいと思ってます。だから日本で出る試合も少なくなってきてるのかなと思います。
―― そうできるように今回も勝つと。
ぱんちゃん ですね。今回KOできないようだったら、海外にも行けないと思うので。勝ってるからじゃなくて、面白い試合をするから海外に呼ばれると思うんですよ。だからKOできるよというところをアピールして、海外に行きたいと思ってます。
―― もうすでに来年のビジョンはできていますね。
ぱんちゃん はい、海外の舞台で戦いたいです。もちろんKNOCK OUTにも出させていただきたいんですけど、海外の舞台にも乗り込みたいです。
―― では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
ぱんちゃん 前回の試合から3ヵ月弱でメチャクチャ変わったので、この期間でこんなに変われたんだというところと、世界に通用するんじゃないかという期待を持ってもらえる試合をして、必ず倒したいと思うので、そこに注目してほしいです。
―― 分かりました。ありがとうございました!
ケイスリィ・ヴァンス「私のあだ名は“トラブルメーカー”。ぱんちゃんをKOします!」
―― 今回は初来日ですが、KNOCK OUTがどういうイベントか知っていましたか?
ヴァンス はい、KNOCK OUTのことは調べました。ぱんちゃん選手も出ていた4月の大会は特によかったですね。ぱんちゃん選手とワン・チンロン選手の戦いは一進一退でどちらが勝つか分からず、最終ラウンドはとても迫力ある戦いでした。それを見て、この大会は私にとって最高と感じました。
―― 今回の相手であるぱんちゃん璃奈選手についての印象は?
ヴァンス とても細かいテクニックがあり、前蹴りと相手を止めるキック、ストレートのパンチが強いと思います。しかし、私は多くの経験があるので勝つ自信があります。
―― 特に警戒するべきだと思うところはどこですか?
ヴァンス 分かっていることは、日本の選手たちは空手やキックボクシングと素晴らしい歴史を持っているということです。私はが経験したムエタイとは戦い方が違いますが、私はその経験で戦います。お互いに戦い方が違うので、興味深い試合になると思います。
―― 今回はどういう試合をして、どう勝ちたいと思っていますか?
ヴァンス まず私は、強い体を持っている! 試合で何をするかは、もちろん秘密です。もし何か言うとしたら、“ぶっ潰す!”の一言です。
―― ぱんちゃん選手はこれまでのキャリアで無敗です。それについてどう思いますか?
ヴァンス 私との試合が、彼女が本物かどうかのテストになるはずです。“無敗“なのは、まわりの人たちがいい相手を当てて守っているからでしょう。私は、いつも全て最高の状態で試合に挑みます。私はこれまで48kgから55kgの間で戦ってきましたが、今回の契約体重である48㎏は、私にとってベストの体重です。私は、誰もいなくても一人で戦ってきましたから、無敗記録は気になりません。
―― 今回勝って、今後KNOCK OUTでどう活躍したいと思いますか?
ヴァンス 私の目標は、全ての試合で最高の試合をすること。ファンとKNOCK OUTの主催者が私の試合に納得して、最高と思ってくれること。そして最も重要なことは、ファンの方々が私の試合を見に来たくてウズウズし、チケットを買って見に来てくれることです。ファンの皆さんに私の肉体とガッツを、最高のエンターテイメントとして見せたいと思います。
―― 格闘技、キックボクシングを始めたのはいつですか?
ヴァンス 私の人生には多くの困難があり、私はそれを乗り越えてきました。(いつ?どこで?なぜ?等はあえて言いたくありません)私は、ファイトスポーツのとりこです。とにかく毎日試合に集中し、人生をかけています。
―― これまで、オーストラリア以外での試合経験は?
ヴァンス オーストラリア以外では、タイで試合をしています。タイには私と同じ階級の選手が多くいて選手層も厚く、格闘技の文化も認知されているので、大好きな国です。同じ理由で、日本も大好きです。
―― 自分のファイターとしての特徴を説明するとしたら?
ヴァンス 私のニックネームは、“トラブルメーカー”! 今回も、相手選手にトラブルを起こします(KOする、の意)。私の高いIQを使って圧力をかけ、ぱんちゃん選手を襲います。9日の試合ではトレーナーとともに、ぱんちゃん選手をKOします。
―― 日本の格闘技界についてはどれぐらい知識がありましたか? 知っている選手はいますか?
ヴァンス 私は、元ラジャダムナンスタジアム王者の梅野源治さんの大ファンです。日本は、戦いの歴史があるから好き。大会主催者も、選手たちもエンターテイメントに徹していて最高だと思います!
―― ぱんちゃん選手に対してメッセージをお願いします。
ヴァンス オーストラリアの“トラブルメーカー”が、あなたにトラブルを起こします!ぱんちゃん選手は2つの技を持っています。オーストラリアではこれを“2トリック・ポニー”(「2つの特技がある子」の意)と呼びます。でも彼女が私に勝つには、あと2つのテクニックが必要です。
―― 今回の試合で、一番注目してほしいポイントは?
ヴァンス 私はぱんちゃん選手より優れています! 試合を見れば、それはすぐに分かるでしょう!
―― 分かりました。ありがとうございました!
対戦カード
※BLACKルールは肘無し・ワンキャッチワンアタックのキックルール。REDルールは肘有りキックルール。UNLIMITEDルールはREDルールに加え倒れた相手への打撃も認める
第12試合 BLACK 59kg契約 3分3R(延長1R)
龍聖(Team KNOCK OUT/KNOCK OUT-BLACKフェザー級(57.5kg)王者)※WIVERNから所属変更
ファク・スアレス(アルゼンチン/WGPキックボクシング-60kg級王者)
第11試合 RED スーパーライト級(65kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
バズーカ巧樹(菅原道場/KNOCK OUT-REDスーパーライト級王者、元KNOCK OUT-BLACKライト級王者)
マルコス・リオス(アルゼンチン/ISKAムエタイ&WBCムエタイ・アルゼンチン・スーパーライト級王者、WKF・BOSCH TOUR・SUPER 8インターナショナル同級王者、WKF南米&アルゼンチン同級王者)
第10試合 BLACK 女子48kg契約 3分3R(延長1R)
ぱんちゃん璃奈(フリー/元KNOCK OUT-BLACK女子ミニマム級(47.5kg)&アトム級(46kg)王者)
ケイスリィ・ヴァンス[Kaithly Vance](オーストラリア/ISKAサウスパシィフィック王者、ISKA&WMC豪州王者、AMF・MTL王者)
第9試合 BLACK 56kg契約 3分3R(延長1R)
古木誠也(G-1 TEAM TAKAGI/KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級(55kg)王者)
壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム/元KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級(55kg)王者)
第8試合 RED 61kg契約 3分3R(延長1R)
久井大夢[たいむ](TEAM TAIMU/KNOCK OUT-BLACKライト級(62.5kg)王者、元KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級(60kg)王者)
トンミーチャイ・FELLOW GYM(タイ/FELLOW GYM/元タイ国イサーン地区バンタム級王者)
第7試合 UNLIMITED クルーザー級(90kg) 3分3R(延長1R)
三上ヘンリー大智(格闘DREAMERS)
パトリック・ケンソン[Patrick Kengsong](カメルーン)
第6試合 BLACK 59kg契約 3分3R(延長1R)
栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺/元大和フェザー級王者)
下地奏人[かなと](RIOT GYM)
第5試合 BLACK スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
森岡悠樹(北流会君津ジム/スック・ワンキントーン・スーパーバンタム級王者)
鈴木貫太(ONE’S GOAL)
第4試合 BLACK バンタム級(53.5kg) 3分3R(延長1R)
工藤“red”玲央(TEAM TEPPEN)
前田翔太(ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪)
第3試合 BLACK スーパーフライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
柿﨑 瑠(クロスポイント大泉)
井ノ本航希(LAILAPS東京北星ジム)
第2試合 BLACK フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
雅治(レンジャージム)
利根川仁(Realiser STUDIO)
第1試合 BLACK スーパーフェザー級(60kg) 3分3R
アックス斧田(KIBAマーシャルアーツクラブ)
小森玲哉(ONE’S GOAL)
プレリミナリーファイト BLACK バンタム級(53.5kg) 3分3R
川野龍輝(クロスポイント吉祥寺)
馬上一樹(G1 TEAM TAKAGI)
概要
大会名 MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.6
日時 2023年12月9日(土) 開場・17:00 プレリミナリーファイト開始・17:15 開始・17:30
会場 後楽園ホール
中継 Youtube KNOCK OUT公式チャンネル(無料)、サムライTV(月1,980円)
チケット料金 SRS席 20,000円(完売) RS席 10,000円(完売) S席 8,000円(完売) A席 6,000円(完売) 立見 4,000円(当日のみ) 小中学生 1,000円(当日のみ) ※当日券16時より販売 ※小学生から有料、6歳未満でも座席を必要とする場合は有料 ※小中学生券の詳細はKNOCK OUT公式HP参照
チケット販売 KNOCK OUTオフィシャルショップ イープラス チケットぴあ ローソンチケット 出場選手・所属ジム
お問い合わせ Def Fellow 03-6262-3760 inquiry@knockout.co.jp https://knockoutkb.com/