UFC 6.12 アリゾナ:アデサニヤ、ヴェットーリを5R完封。ブランドン・モレノ、フィゲイレードとの決着戦で一本勝ちしフライ級王者に。ネイト・ディアス、復帰戦はエドワーズに判定負け
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UFC 263: Adesanya vs. Vettori 2
2021年6月12日(土/現地時間) 米国アリゾナ州グレンデール:ヒラ・リバー・アリーナ
レポート:井原芳徳
第14試合 メインイベント UFCミドル級タイトルマッチ 5分5R
○イズラエル・アデサニヤ(王者)
×マービン・ヴェットーリ(3位)
判定3-0(50-45/50-45/50-45)
※アデサニヤが3度目の防衛
コロナ禍の影響で約1年間無観客主体の大会を続けたUFCだが、4月のUFC 261フロリダ大会で完全有観客の大会を再開し、5月のUFC 262テキサス大会に続き、今回のアリゾナ大会も観客を入れての開催となった(ファイトナイトシリーズは無観客の大会を継続している)。
アデサニヤは昨年9月のパウロ・コスタ戦以来となる3度目の防衛戦。前回3月の試合では、1階級上のライトヘビー級王者・ヤン・ブラホヴィッチに挑戦するも、パワー差は埋められず判定負けに終わり、プロ21戦目で初黒星を喫したが、本来のミドル級では無敗の記録を伸ばしたいところ。
挑戦者のヴェットーリとは18年4月に対戦し勝利したが、判定2-1の接戦だった。その後は5連勝で、昨年12月にはジャック・ハーマンソン、今年4月にはケビン・ホランドに5Rの戦いの末に判定勝ちしている。
1R、両者サウスポーに構えつつ、アデサニヤは度々スイッチする。アデサニヤの左ローをすくって、ヴェットーリが上になる。アデサニヤはその先の攻めは許さず、立って離れる。ヴェットーリのパンチを頭を振って軽々とかわし、自分の左のカーフキック、右アッパーを的確に当てる。
2Rもヴェットーリのパンチをかわし続け、アデサニヤが右ストレート、左カーフ、ローをコツコツとヒット。伸びのある右ハイも、クリーンヒットにはならないが印象的だ。
3R、ヴェットーリが序盤からタックルで倒して上になることに成功。ハーフ、マウント、バックと動き、裸絞めを狙って、ようやくチャンスが訪れる。だがすぐアデサニヤは反転して上に。ヴェットーリが足を取ろうとすると、アデサニヤは足を引き抜いて脱出しスタンドに戻す。アデサニヤはこれまで同様にヴェットーリのパンチをかわし、自分の右のパンチ、左のカーフを的確に当てていると、ヴェットーリがカーフをもらってスリップする場面も。
4Rも基本的に同じ構図。ヴェットーリは執拗にテイクダウンを狙い、パンチを振るうが、アデサニヤはこれまで同様に難なく防御を続け、自分の右のパンチ、左カーフを当て続ける。
5Rも変わらず、ヴェットーリのパンチ、タックルを防御し、アデサニヤがパンチ、カーフを当て続け終了。記者採点は5Rともアデサニヤ。ジャッジ3者も同様で、アデサニヤの完封勝ちに終わったが、どちらかといえば守りで魅せる展開で、期待された攻めの爆発力では乏しい内容となってしまった。
第13試合 セミメインイベント UFCフライ級タイトルマッチ 5分5R
×デイブソン・フィゲイレード(王者)※3度目の防衛戦
○ブランドン・モレノ(1位)
3R 2’26” 裸絞め
※モレノが王者に
フィゲイレード対モレノも再戦の構図で、昨年12月に引き分けた一戦のダイレクトりマッチとなる。
1R、お互い距離を取ってフェイントをかけて慎重に出方を探る状態が続く。3分半過ぎ、フィゲイレードが左ボディを当てるが、直後にモレノが左ジャブを当てると、フィゲイレードはダウンする。モレノは上になるが、ダメージの小さいフィゲイレードは1分足らずでスタンドに戻し、お見合いに戻る。記者採点はモレノ。
2R、モレノが左ジャブを当てるが、フィゲイレードは左ジャブをお返ししてから、タックルを仕掛けて倒し、中央付近で上になる。フィゲイレードは首を抱えつつハーフガードで押さえるが、その先の攻めは無く、モレノはスタンドに戻して金網に押し込む。中盤、モレノはそこから倒して、バックを狙うが、金網際でトップで押さえる状態で落ち着く。モレノも上になって攻めあぐね、逆にフィゲイレードが下から右肘を当てる。モレノは左眉の上を切られ出血する。モレノは少し離れ、ガードにまた入ったタイミングでパウンドをヒットする。記者採点はフィゲイレード。
3R、フィゲイレードは右のバックスピンキックをヒット。1分過ぎ、モレノはタックルを仕掛け、両脇を差してテイクダウンを奪うと、体をひねって逃げようとしたフィゲイレードの背後にしがみつき、すぐさまバックマウントを取り、両足でガッチリ捕獲して裸絞めを狙う。一旦フィゲイレードは外したが、モレノがパウンドを連打して追い詰めてから、裸絞めを極めてタップを奪った。モレノはメキシコ人初のUFC王者となった。
第12試合 ウェルター級 5分5R
○レオン・エドワーズ(3位)
×ネイト・ディアス
判定3-0(49-46/49-46/49-46)
ネイト・ディアスがウェルター級3位のレオン・エドワーズを相手に復帰戦。なんと5R制で、メインイベントや王座戦以外で5Rの試合が行われるのはUFC初となる。ネイトは16年のコナー・マクレガーとの2連戦の後、3年休み、19年に復帰するとアンソニー・ペティスに判定勝ちしたが、ホルヘ・マスヴィダルにTKO負け。それ以来約1年半ぶりの試合だったが、8連勝と勢いのあるエドワーズ相手ではやはり厳しい内容に。
1R、場内が「ディアス」コールに包まれる中、両者慎重にフェイントをかけ合いお見合いが続く。どちらもサウスポー主体だが、時折スイッチする。3分過ぎ、両者組むと、エドワーズが両脇を差して倒しながらバックを取りポジションをキープする。最後、上になってからスタンドに戻って終わる。記者採点はエドワーズ。
2Rもお見合いの後、エドワーズが両脇を差して倒して上に。ネイトは下から足関節技を狙うが、エドワーズは難なく対処してスタンドに戻す。エドワーズが左のカーフキックを効かせ、打撃でもやや優位を維持する。記者採点はエドワーズ
3R、エドワーズはまたも中盤に倒して上になり、肘を当てると、ネイトは左の眉の上と右の側頭部から出血する。スタンドに戻るが、エドワーズはまたもテイクダウンを奪い、終盤はバックを取り、最後はスタンドに戻る。記者採点はエドワーズ。
4R、エドワーズは左のカーフキック、左フックを効かせ、ネイトが前に出てもうまくステップでかわす。接近戦では左肘もヒットし寄せ付けない。記者採点はエドワーズ。
5R、後の無いネイトはなかなか反撃の糸口をつかめずにいたが、残り1分、エドワーズの右フックのカウンターで左ストレートを当てると、エドワーズが後退。場内が大歓声に包まれる中、ネイトは追いかけてパンチを振るうが、カーフキックのダメージもあってか詰め切れず、エドワーズのステップとクリンチで反撃を封じられて終了。記者採点なネイト。合計49-46でエドワーズ。最後はピンチがあったものの、4Rまでで大差をつけたエドワーズが逃げ切り、スター選手のネイトの復活勝利を阻み連勝を9に伸ばした。
第11試合 ウェルター級 5分3R
×ダミアン・マイア(9位)
○ベラル・ムハマッド(12位)
判定0-3 (27-30/28-29/28-29)
第10試合 ライトヘビー級 5分3R
○ポール・クレイグ(14位)
×ジャマール・ヒル(15位)
1R 1’59” 腕ひしぎ十字固め
第9試合 ライト級 5分3R
×ドリュー・ドーバー
○ブラッド・リデル
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
第8試合 ライトヘビー級 5分3R
○エリク・アンダース
×ダレン・スチュワート
判定3-0(29-28/29-27/29-27)
第7試合 女子フライ級 5分3R
○ローレン・マーフィー
×ジョアン・コールダウッド
判定2-1(29-28/28-29/29-28)
第6試合 フェザー級 5分3R
○モフサル・エフロエフ
×ハキーム・ダオドゥ
判定3-0(29-27/29-27/29-27)
第5試合 女子バンタム級 5分3R
○パニー・キアンザド
×アレクシス・デイビス
判定3-0(30-27/30-27/29-28)
第4試合 ライト級 5分3R
×マット・フレボラ
○テランス・マッキニー
1R 0’07” KO(左ストレート)
第3試合 フェザー級 5分3R
×チェイス・フーパー
○スティーブン・ピーターソン
判定0-3 (27-30/27-30/28-29)
※ピーターソンは計量2.5ポンドオーバー
第2試合 ライト級 5分3R
○ファレス・ジアム
×ルイージ・ベンドラミニ
判定2-0(29-28/29-28/28-28)
第1試合 ヘビー級 5分3R
○カルロス・フェリペ
×ジェイク・コリアー
判定2-1(28-29/29-28/29-28)