PFL 8.18 ニューヨーク(レポ):K-1経て4年ぶりPFLの石井慧、UFC 1勝2敗のブラジル人の打撃に苦戦し判定負け
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
格闘技医学会
現場で役立つ格闘技医学を研究/公開/実践中!
PFL 2023 PLAYOFF
2023年8月18日(金/現地時間)米国ニューヨーク州ニューヨーク・マジソンスクエアガーデンシアター
レポート:井原芳徳 Photos by (C)PFL
第2試合 ヘビー級 5分3R
○ダニロ・マルケス[Danilo Marques](ブラジル)
×石井 慧(クロアチア/チーム・クロコップ/元IGF&HEAT MMAヘビー級王者、2008年北京五輪柔道男子100kg超級金メダル)
判定3-0 (29-28/29-28/29-28)
PFLでは4月から各階級のリーグ戦をスタートし、6月まで予選が行われた。8月はベスト4による準決勝戦(プレーオフ)を各大会で行うが、その大会の前半の、リーグ戦以外のワンマッチに石井が登場した。
石井は現在36歳。19年にPFLで3試合し1勝2敗。同年大晦日のRIZINでジェイク・ヒューンに1R KO負けして以降は、HEATやクロアチアやドイツでMMAの試合をしつつ、グラップリング大会にも出場し、立ち技格闘技ではK-1で4戦3勝1敗、ボクシングで2戦1勝1分と、戦いの幅を広げていた。今年3月11日のK-1での京太郎戦で判定負けした後、間もなく渡米し、テキサスのオースティンで練習している。5月28日に組まれたクロアチアの試合が中止となり、6月7日にPFLとの契約を発表。MMAの試合は昨年6月にクロアチアで1R40秒TKO勝ちして以来となる。4年ぶりのPFL、MMAの本場米国で、他競技の経験をどうフィードバックするか。
今回の相手・ダニロ・マルケスは37歳のブラジル人で戦績19戦14勝(4KO/7一本)5敗。21年2月~22年2月にUFCに上がり3戦1勝(1一本)2敗。3戦目では現UFCヘビー級9位のジャイルトン・アウメイダのUFC初戦の相手となり1R TKO負けした。今年からPFLに上がり3戦2勝(1一本)1敗で、最近の6月16日の試合ではマルセロ・ヌネスに1R中盤にスタンドパンチの連打を浴びKO負けしている。UFCとPFLでの一本勝ちはいずれも裸絞めによるものだ。
計量での体重はマルケス248ポンド(112.5kg)、石井240.2ポンド(109kg)で、身長でもマルケスが高い。1R、サウスポーの石井に対し、体格で勝るマルケスが左の前手を突いて距離を取りつつ、右ミドルを当て続け、右のインローも絡める。石井もパンチを振りながら詰めようとするが、マルケスはバックステップでかわす。距離が詰まるとマルケスは右フックを当てるように。終盤に入り、石井がマルケスを金網に押し込むが、すぐにマルケスは離れる。その後もマルケスが蹴りを当て続け主導権を維持する。記者採点はマルケス。石井はK-1、ボクシングを経験したが、MMAの本場米国で戦うにはまだまだ技術不足な感は否めない。
2Rもマルケスがミドル、左右のボディ、首相撲からの右膝等を当て続け主導権を維持する。石井は時折前に出て金網に押し込むところまで持ち込むが、その都度あっさり突き放され、劣勢を打開できない。記者採点はマルケス。
3R、石井は必死に前に出て、パンチを振り、マルケスを押し込む。ようやく左フックも当たり出し、押し込む時間が長くなるが、テイクダウンには持ち込めず、マルケスもしっかり右ストレート、フックを返し続ける。最後は石井がマルケスを金網に詰めパンチを振うが、マルケスもパンチを当て、逃げ切る形で終える。記者採点は石井。合計29-28でマルケス。ジャッジ3者もマルケスを支持し、マルケスが判定勝ちした。