ジャパンキック 1.29 後楽園ホール(レポ):18歳・藤原乃愛、宮﨑小雪と戦ったタイ地方王者に判定勝ちし10戦無敗に。モトヤスック、2階級下の元プロムエタイ王者を圧倒もKOならず
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
センチャイムエタイジム錦糸町
最強のムエタイで最高の“美Body”を目指す!初心者の方、女性の方、大歓迎。見学無料!
ジャパンキックボクシング協会「Challenger 7」
2023年1月29日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
藤原乃愛、RISEで宮﨑小雪と戦ったタイ地方王者に判定勝ち。10戦無敗の大台に
第8試合 セミファイナル 女子45.5kg契約 3分3R
○藤原乃愛(ROCK ON/ミネルヴァ・ピン級王者)
×ペットルークオン・サーリージム(タイ/タイ・イサーン地方女子45kg級王者、パタヤ・テーパシットスタジアム女子47kg級王者)
判定3-0 (少30-29/中山30-28/和田29-28)
高校3年生で1月6日に18歳になったばかりの藤原は、4試合連続でタイ人選手との戦いとなる。今回の相手、ペットルークオン・サーリージムは17歳。10月のRISE大田大会で宮﨑小雪と46kg契約で対戦し判定負け。11月のスック・ワンキントーン新宿大会で狂猫yokkoと2分3Rのムエタイルールで対戦し引き分けている。その時は48kg契約で、今回は45.5kg契約だ。なお、藤原は3月19日のジャパンキック新宿大会でのミネルヴァ・ピン級王座の初防衛戦を予定し、今回も勝って弾みをつけたいところ。
1R、藤原は高く構え左の前足を細かく上下してフェイントをかけ続け、左ミドルを度々ヒット。ペットルークオンは右ミドル主体で攻め、蹴り足をつかんで右ストレートを当てる場面も。だが藤原は終盤に左ハイを2度クリーンヒットし、若干だが優位に進める。記者採点は藤原。
2R、藤原は左ミドルを連打してから、左の顔面狙いの前蹴りをヒット。中盤はパンチをもらう場面もあったが、主導権は維持し、左ミドル、右の顔面狙いの前蹴り、顔面とボディへのパンチを当て、手数差を維持する。記者採点は藤原。
3R、藤原が変わらず左ミドル、顔面への前蹴りを当て続け、終盤には圧を強めパンチも増やし、主導権を維持する。記者採点は藤原。合計30-27で藤原。ジャッジ3者は1~2点差ながら藤原を支持し、藤原が判定勝ちした。藤原はこれで戦績が10戦9勝1分となり、10戦無敗の大台に乗った。
モトヤスック、2階級下の元プロムエタイ王者を圧倒もKOならず
第10試合 メインイベント 70kg契約 3分5R
○モトヤスック(治政館/WMOインターナショナル・スーパーウェルター級王者、元ジャパンキック・ウェルター級王者)
×ネートパヤック・ピークマイレストラン(タイ/元プロムエタイ協会スーパーライト級王者、ジットムアンノン(オートーコー)スタジアム同級7位)
判定3-0 (中山50-44/松田50-44/椎名49-44)
Challengerシリーズは治政館OB・武田幸三氏がプロモートする大会。9月のChallenger 6同様、メインイベントには治政館所属のモトヤスックが登場し、9月大会と11月大会同様、タイ人の選手を迎え撃った。今回の相手、ネートパヤックは元プロムエタイ協会スーパーライト級(63.5kg)王者で、今回70kgに上げての戦いとなる。
1R、体格で勝るモトヤスックがプレッシャーをかけ続け、随所で右ローを当て、時折パンチも絡める。ネートパヤックはミドルを時折当てるが、押され気味で、最後はローとパンチをもらって少しひるむ。記者採点はイーブン。
2Rもモトヤスックが圧をかけ右ローを当て続け、時折パンチも当てる。ネートパヤックはローをもらうと太ももを叩いて挑発したり、サウスポーに切り替える場面もあり、効いている様子だ。だがモトヤスックは肘での反撃を警戒してか、深追いせず、距離を保ってコツコツとローを当て続ける。記者採点はモトヤスック。
3Rもモトヤスックが同様に主導権を維持し、右ローも当てつつ、ミドルも効かせ、ネートパヤックを追い詰める。記者採点はモトヤスック。
4R、モトヤスックはなかなか仕留めきれないが、中盤にようやく右ローを連打しダウンを奪う。だがその先の攻撃をまとめきれない。記者採点は10-8でモトヤスック。
5R、モトヤスックは右ローでダウンを奪う。ロープを背負い続けるネートパヤックがサウスポーになると攻めあぐね、KOはできなかったが、大差をつけ判定勝ちした。記者採点は10-8でモトヤスック。合計50-44でモトヤスック。
誠真ジムのダイチ、同門対決で1R KO勝ちしウェルター級王者に
第9試合 メインイベント ジャパンキック・ウェルター級王座決定戦 3分5R
○ダイチ(誠真ジム/2位)
×正哉(誠真ジム/3位)
1R 2’53” KO (右ストレート)
※ダイチが王者に
モトヤスックが保持していたジャパンキック・ウェルター級王座を懸け、ダイチと正哉が対戦した。9月大会で王座決定トーナメントが開幕し、参加4選手のうち2選手が神奈川県大和市の誠真ジム所属という顔ぶれになり、ランカーでもある誠真ジム勢がノーランカーの2選手を下し、順当に決勝に駒を進めていた。ジムではダイチが先輩にあたる。
1R、ダイチが右ストレートをやや積極的に当てていたが、中盤、正哉が左のパンチを振ってからの右ストレートをクリーンヒットし、ダイチをのけぞらせる。だがダイチは右ローをコツコツと当てて流れを引き戻すと、終盤、正哉が左の前手を出したところにかぶせるように右フックを当てると、正哉はダウン。正哉は中腰までなったが立ち上がれず、ダイチのKO勝ちとなった。ダイチはすぐに、うずくまったままの正哉に歩み寄ってなぐさめ、正哉は涙を流しながらリングを降りた。
ベルトを巻いたダイチは「ここに来るまで10年かかりました。何回も辞めようと思いましたし、一度引退しましたが、あきらめきれず、ようやくつかむことができました」「正哉、本当にありがとう。正哉は絶対にチャンピオンになる男なので、覚えておいてください」と話し、チームメイト、仲間、関係者、夫人にも感謝の言葉を述べた。なお、武田氏の選ぶ今大会のMVPはダイチと正哉と誠真ジムの小林誠会長の3人に授与された。
45歳・内田雅之が元NJKF王者に判定勝ち
第7試合 61.5kg契約 3分3R
○内田雅之(KICK BOX/ジャパンキック・ライト級2位・元新日本フェザー級王者)
×岩橋伸太郎(エスジム/NJKFライト級1位・元王者)
判定2-0 (和田30-28/椎名29-29/少30-29)
内田は新日本キックの元王者で、昨年12月26日に45歳になったベテラン。1R、中盤まで内田がロー、ミドル等を当て、やや優位だったが、終盤は岩橋が圧を強め、右ストレート、左ボディ等を当てて攻勢に。2Rも内田はやや押され気味だったが、中盤以降、少しずつ動きが上がり、終盤には右のバック肘も当て挽回する。僅差で迎えた3R、内田が巻き返し、バック肘、ボディフック、崩し等で積極的に攻め、主導権を維持し判定勝ちした。
第6試合 フェザー級 3分3R
○義由亜JSK(治政館/ジャパンキック・バンタム級2位)
×HAYATO(CRAZY WOLF)
判定3-0 (椎名30-28/少30-27/松田30-28)
1Rはほぼ互角。2R、HAYATOが右ローを効かせるが、義由亜が首相撲勝負に切り替えると、膝を連打してHAYATOを苦しめ、最後は右ストレートでもフラつかせ優勢に。3Rも義由亜が組んでの膝と右ストレートでやや優位を維持し判定勝ちした。
第5試合 ライト級 3分3R
×興之介(治政館/ジャパンキック・ライト級3位)
○村田将一(誠真ジム)
3R 1’31” TKO (レフェリーストップ:右フック)
村田がノーガードからパンチを振り回すファイトスタイルで興之介をかく乱させ、2Rに少しずつ右フックのヒットを増やすと、終盤に右ハイでダウンを奪い、最後も右フックでダウンを追加する。3R、興之介もパンチの打ち合いで打開を図るが、村田が右フックを当ててまたもダウンを奪う。興之介は立ちあがったがフラつき、和田レフェリーがストップした。
17歳・前田大尊がジャパンキックのランカーを翻弄
第4試合 55kg契約 3分3R
×樹(治政館/ジャパンキック・バンタム級4位)
○前田大尊(マイウェイジム)
判定0-3 (和田28-29/中山28-30/松田28-30)
大会序盤戦で高いスキルを見せたのが4戦3勝1敗の17歳・前田。木村“フィリップ”ミノルを輩出した山梨のマイウェイジムに所属する。1R開始すぐから圧をかけ、左右のミドル、ロー、左フック等を度々当て、蹴り足をすくっての崩しも絡め、樹を翻弄する。
3R、樹もパンチと膝を返して巻き返すが、終盤は前田が左ミドルを連打して五分に近い状態に戻し、2Rまでのポイントを守りきり判定勝ちした。バックブローの動きから左ボディを当てる場面もあり、技の引き出しも豊富。所属団体のINNOVATIONでの今年の躍進が期待できる。
第3試合 フライ級 3分3R
○西原茉生(治政館/ジャパンキック・フライ級2位)
×滑飛レオン(テツジム滑飛一家)
判定2-1 (中山29-28/和田28-29/少30-29)
第2試合 フェザー級 3分3R
×隼也JSK(治政館)
○勇成(Formed)
3R 1’01” TKO (ドクターストップ:右肘打ちによる右まぶたのカット)
※1R右ストレートで隼也に1ダウン
第1試合 バンタム級 3分3R
×小野拳大(Kick Box)
○紫希士(Formed)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)