DEEP☆KICK 6.12 テクスピア大阪(レポ):16歳の長谷川海翔、プロ7連勝・TKO勝ちで-53kg王者に「8月のRISE大阪大会に出してください」。大樹が-60kg王座初防衛
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DEEP☆KICK 62
2022年6月12日(日)テクスピア大阪
記事提供:DEEP☆KICK実行委員会(文・布施鋼治/写真・花井康成)
DEEP☆KICK 61(昼の部)
大会中にはちょうど1週間後、東京ドームで開催のTHE MATCH 2022でレオナ・ペタスと闘う“人獣”中村寛 がリング上から挨拶。「レオナ・ペタスは ガリガリで背が高い。スカッと倒したい」とKO決着を宣言した。
メインイベント DEEP☆KICK-53kg王座決定トーナメント決勝 3分3R 延長1R
○長谷川海翔(誠剛館)
×KAZUNORI(T-KIX GYM)
TKO 3R1分34秒 ドクターストップ
※長谷川海翔が-53kg第4代王者に
叔父に元DEEP☆KICK王者の拳剛を持つ長谷川海翔は16歳。デビュー以来6戦全勝(5KO)という無敗の快進撃を続け、-53kg王座決定トーナメント決勝の舞台まで上がってきた。空位の王座を争うKAZUNORIは36歳と長谷川の2倍以上の年齢を重ねたベテラン。
1Rから前に出てきた長谷川に対して、KAZUNORIは果敢に打ち合いに応じる姿勢を見せる。長谷川のパンチも当たっているが、KAZUNORIのそれもヒットしているという、いつどちらが倒れてもおかしくないという展開に。
それでも若さと勢いに任せて攻撃の手を緩めない長谷川はラウンド終了間際に相手をコーナーに追い込みパンチの連打でダウンを奪う。こうなったら、もう長谷川の勢いは止まらない。2Rになると、驚異的に打たれ強さを見せるKAZUNORIに対して、左のインローやパンチの連打を浴びせかける。最後は顔面に左ヒザをヒットさせ、ドクターストップ勝ちを呼び込んだ。
試合後、若きニューチャンピオンは「ホントにうれしい。これからは他団体の王者とやりたい。まずはRISEに出たい。今日この会場に来ているかどうかわかりませんが、(RISEの)伊藤隆代表、8月の大阪大会に僕を出してください」とアピールした。無敗のニューチャンピオンは拳剛とのアベック出場を狙っている。
セミファイナル DEEP☆KICK-57.5kg挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R 延長1R
×Shin(Team FIST)
○藤井海人(EXARES)
判定0-3(28-30、28-28、28-29)
※藤井海人が-57.5kg挑戦者決定トーナメント決勝に進出
動きが硬いShinに対して、藤井海人は右のローやフックで1Rから攻略にかかる。2分過ぎにはバックハンドで先制のダウンを奪う。コロナ禍の折り、応援団はロケット風船をぶつけ合い喜びを爆発させた。しかし2RからShinは復調。対照的に失速気味の藤井に対してヒザ蹴りで襲いかかる。3RもShinはテンカオやボディフックで藤井を攻めまくったが、ダウンによるロストポイントはあまりにも大きかった。結局、2-0で藤井が辛勝した。
第4試合 -60kg契約 3分3R
○岩郷泰成(TFT)
×RAI(TBF)
判定3-0(30-26、30-26、30-26)
現在連敗中の岩郷泰成はいつものイケイケぶりは影を潜め、遠い間合いからサークリングしながらの慎重な試合運びでスタート。しかしながら1R中盤になると、右ストレートをクリーンヒットさせRAIから先制のダウンを奪う。2Rになるとレフェリーの靴が脱げるパプニングもあったが、試合の流れは変わらない。岩郷が文句なしの判定で再起を果たした。試合後は「この一戦を落としたら、もうダメだと思った。でも(TFTの)寒川会長をはじめとするまわりが『お前だったらいける』と励ましてくれた」とマイクでアピール。復活の狼煙をあげた。
第3試合 -55kg契約 3分3R
○久津輪将充(TBF)
×力哉(BKジム)
判定3-0(30-27、30-28、30-27)
久津輪将充はRISEへの出場経験を持つ24歳で、現在はDEEP☆KICK-55kgで第3位にランクインしている。対する力哉は中村寛と同じBKジムに所属する25歳。今回は約1年ぶりの復帰戦となる。先手をとったのは久津輪。1Rから強いプレスをかけながら、右ハイや飛びヒザ蹴りで観衆をどよめかせる。
2Rになっても久津輪は攻撃の手を緩めず、左右のフックを中心に力哉を後退させる。続く3Rは左ミドルで力哉でさらにダメージを与え、3-0の判定勝ちを収めた。試合後、久津輪はDEEP☆KICK-55kgのタイトル戦線に絡むことを宣言した。
第2試合 -63kg契約 3分3R
×森川勇哉(WARRIOR OSAKA)
○中元優成(NJKFteamBonds)
判定0-2(29-30、29-29、28-29)
中元優成は今回がプロデビュー戦。一方の森川勇哉はプロで11戦のキャリアがあったが、中元は1Rから左右のボディフックで果敢に攻め立てる。相手の攻撃をヘッドスリップでよけての反撃も効果的に映った。結局、1Rから中元が手数で森川を圧倒する展開に。2Rから森川は持ち前の体力を武器に徐々に挽回。3Rは両者とも果敢に打ち合いに挑む場面もあったが、前半の貯金がモノをいって中元が2-0の判定勝ちを収めた。
第1試合 -51kg契約 3分3R
×セネガル駿一(NJKF心将塾)
○JIN CHOKE-DEE(楠誠会館)
TKO 2R2分21秒 レフェリーストップ
JIN CHOKE-DEEは元T.B.NATION CUP40kg級王者でプロ戦績は2勝1敗という16歳。1Rからフェイントを織り混ぜたワンツーやローのコンビネーションで試合の主導権を握る。
一方のセネガル駿一はセネガル相撲出身という異色の経歴の持ち主だったが、9cmという身長差を克服できず序盤から後手に回ってしまう。2R、両者は打ち合いに出る。JINにやや疲れが見える場面もあったが、パンチの連打を放つと駿一は前のめりにダウン。ダウンカウントが進む中立ち上がったが、腰はフラフラで試合を止められた。JINは兄弟でうれしいダブル勝利を飾った。
〈オープニングイベント〉NEXT☆LEVEL提供試合
西日本と中四国の王者同士が拳を交わすNEXT☆LEVEL日本統一王座決定戦。DEEP☆KICK 61では4階級が争われたが、目立った動きを見せたのは中嶋愛樹斗と高木礼司。新井真惺とジュニア-55kg日本統一王座を争った中島は15歳ながら175㎝という恵まれた長身を活かし、2Rには左フックでダウンを奪い判定勝ち。この先が楽しみな逸材だ。
また橋本汐凪とのジュニア-40kg級日本王座統一戦に臨んだ髙木(兄は第1試合で勝利を収めたJIN)は相手の首をとってからのヒザ蹴りに活路を見出し、首相撲の対応がいまひとつの橋本を判定で振り切った。
OP第4試合 ジュニア-55kg日本統一王座決定戦 1分30秒3R 延長1R
×新井真惺 (大阪キックT.B.NATION)
○中嶋愛樹斗(誠剛館総本部)
判定0-3(26-30、27-30、26-30)
※中嶋愛樹斗がジュニア日本統一-55kg第9代王者に
OP第3試合 ジュニア-40kg日本統一王座決定戦 1分30秒3R 延長1R
○高木礼司 (楠誠会館)
×橋本汐凪(team男塾)
判定3-0(30-28、30-28、30-28)
※高木礼司がジュニア日本統一-40kg第9代王者に
OP第2試合 ジュニア-30kg日本統一王座決定戦 1分30秒3R 延長1R
○森蒼空翔 (真門teamsol)
×久保田威風(team男塾)
判定3-0(30-27、30-27、30-27)
※森蒼空翔がジュニア日本統一-30kg第9代王者に
OP第1試合 ジュニア-25kg日本統一王座決定戦 1分30秒3R 延長1R
×井田雄紳(直心会)
○久保田天空(team男塾)
判定0-3(26-30、26-30、26-30)
※久保田天空がジュニア日本統一-25kg第9代王者に
DEEP☆KICK 62(夜の部)
メインイベント DEEP☆KICK-60kgタイトルマッチ 3分3R
○大樹(HAWK GYM)
×大前洸貴(INFINITY KICK BOXING GYM)
判定3-0(30-28、30-27、30-28)
※大樹が初防衛に成功
3月13日のDEEP☆KICK 59で岩郷泰成を破り、大樹への挑戦権を手に入れた大前。リングを下りれば理学療法士として活動する頭脳派なだけに接戦が予想されたが、昨年7月に王者になった大樹が圧勝する形で初防衛に成功した。
1R、大前は両腕でガッチリとカードを固め、大樹の出方をうかがう。そんな挑戦者に対してチャンピオンはワンツーやハイで揺さぶりをかける。
2R、ガードを上げたまま前に出てきた大前に大樹は左のテンカオを軸に崩しにかかる。インファイトでの右アッパーも有効だ。2R終了時点のオープンスコアは20-19(×2)、20-18で3者とも大樹を支持した。
もうあとがない大前は3Rになると再び前に出るが、サウスポーが苦手なのか攻略の糸口が見つけられない。結局、大樹はこのラウンドもテンカオで大前を追い込み、フルマークの判定勝ちを収めた。
初防衛に成功した大樹はマイクを握るや、「もっとDEEP☆KICKのチャンピオンベルトの価値を高めたい。(強ければ)誰でも挑戦してきてほしい」とアピール。応援団を中心にやんやの歓声を受けていた。石川県在住という異色のチャンプは長期政権を築き上げるか。
セミファイナル DEEP☆KICK-57.5kg挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R 延長1R
○KING龍蔵(ROYAL KINGS)
×濱田祐生(山口道場)
判定2-0(29-28、28-28、29-28)
※KING龍蔵が-57.5kg挑戦者決定トーナメント決勝に進出
セミファイナルではKING龍蔵と濱田による-57.5kg挑戦者決定トーナメント準決勝が行なわれた。1R、濱田は右ローを連打して試合の流れを掴みにかかる。そのローを龍蔵はなぜかカットしない。明らかに濱田が優勢のラウンドだったが、2R終了間際、龍蔵はコツンと当てるようなタイミングの右ストレートで逆転のダウンを奪う。もうあとがない濱田は3Rになるとテンカオで龍蔵を追い込む。記者の採点では28-28のイーブン。勝負は延長戦にもつれ込むと思われたが、2名のジャッジが29-28で龍蔵の勝利を支持した。
龍蔵は9月25日に予定されているDEEP☆KICK 63で藤井海人と挑戦者決定トーナメント決勝を争う。
第4試合 -53kg契約 3分3R
×タネ♡ヨシキ(直心会)
○KING剛(ROYAL KINGS)
TKO 3R1分2秒 レフェリーストップ
タネ♡ヨシキは艶やかなふたりの女性ダンサーを従えて登場した。粋な演出だったが、ダンサーのひとりのヒールの部分が壊れ、リング上で転倒するアクシデント。そんなタネに対して、KING剛は1Rから左の三日月蹴りを刺していく。タネもステップを使いながら痛烈なジャブを放っていくが、剛の左ボディフックを食らう場面も。
剛がやや優勢という流れの中で2Rを迎えたが、剛は攻撃目標をタネのボディに絞る。左ストレートと三日月、さらにはミドルキックでボディを削っていく。ラウンド終了間際、タネはボディフックでついにダウンを喫してしまう。勝負の振り子は傾いた。3R、剛は左の三日月蹴りをボディに刺すと、タネは2度目のダウン。ダウンカウントが進む中、ギリギリ立とうとしたが、レフェリーは試合を止めた。剛の完勝といえる内容だった。
第3試合 -55kg契約 3分3R
×FUJIMON♡(京都亀岡キックボクシングジム)
○鷹介(魁塾)
TKO 3R2分53秒 レフェリーストップ
いつものようにFUJIMON♡は踊って登場するが、彼のショータイムはここまでだった。鷹介は1Rから最後に得意の左ボディフックを織りまぜたパンチの3連打で襲いかかる。そしてフックをボディにねじ込むと、FUJIMON♡は片ヒザをつくように先制のダウンを許す。
その後も鷹介は相手をコーナーに詰めてパンチで追い込む。2R、FUJIMON♡は右ローに活路を見出そうとするが、鷹介を攻略するまでには至らない。3Rになると、鷹介はバックハンドで立て続けに2度ダウンを奪い、粘るFUJIMON♡に引導を渡した。スタミナを強化すれば、もっと勝率は上がるだろう。
第2試合 -57.5kg契約 3分3R
×YUTO(NJKF Vigor Kickboxing Gym)
○井上大和(NJKF TOKEN KICKBOXING GYM)
判定0-3(27-30、27-30、27-30)
アマチュアで実績を積んだ井上大和がプロデビュー。こちらもプロ初陣となるYUTOと拳を交わした。1Rから井上は当たりのきついローを放ち、観客席をどよめかせる。YUTOもロー返すなど一歩も譲らない。
とはいえ時間が経つにつれ、アマチュア時代の積み重ねの差が如実に出た。井上は前蹴りで相手を飛ばすと、ミドルやヒザ蹴りで攻略にかかる。2Rになると、YUTOは目を大きく見開きながら耐える展開に。ダメージを重ねる相手に対して、井上はワンツーからちのローやヒザ蹴りで追い打ちをかける。3Rも井上は試合のペースを握ったまま、試合終了のゴングを聴いた。判定は3-0で井上。期待を感じさせる白星デビューだった。敗れたYUTOも気持ちの強さは見せただけに巻き返しに期待したい。
第1試合 -56kg契約 3分3R
○嘉武士(NJKF健心塾)
×山口真宙(月心会チーム侍)
判定3-0(30-28、30-28、30-28)
嘉武士はセコンドからの「打ち合わないでいい」という指示を忠実に守るかのように、1Rからインローで山口真宙を脚を壊しにかかる。続く2R、山口は左ストレートに逆転の糸口を見つけ出そうとするが、嘉武士はローやテンカオで詰め、試合の流れを渡さない。3R、嘉武士はハイキックで追い打ちをかけるが、倒すまでには至らず。文句なしの判定勝ちだったが、KOを狙っていたのだろう。ラウンド終了のゴングが鳴ると、悔しそうに首を傾げた。
〈オープニングイベント〉NEXT☆LEVEL提供試合
昼間の部として開催された61に続き、DEEP☆KICK 62のオープニングファイトはNEXT☆LEVEL日本統一王座決定戦。出色は-35kg級王座決定戦で勝利を収めた林功太郎)と-50kg級王座決定戦を制した山田貴紀だった。
林は首相撲からのヒザ蹴りで山下城主から3度のダウンを奪い、この日行なわれたオープニングファイトの中では唯一KO勝ちを収めた。一方、山田はパンチで打ち合いたい羽生槙徒を首相撲からのヒザ蹴りで捕獲。2Rこそ羽生の反撃を許したが、3Rはパンチで攻勢に出て判定勝ちを収めた。
OP第4試合 ジュニア-50kg日本統一王座決定戦 1分30秒3R 延長1R
○山田貴紀 (山口道場)
×羽生槙徒(WeedGYM)
判定3-0(30-28、30-27、30-28)
※山田貴紀がジュニア日本統一-50kg第9代王者に
OP第3試合 ジュニア-45kg日本統一王座決定戦 1分30秒3R 延長1R
×山中涼惺 (大阪キック T.B.NATION)
○平野詩苑(テツジム滑飛一家)
判定0-3(28-29、28-30、28-29)
※平野詩苑がジュニア日本統一-45kg第9代王者に
OP第2試合 ジュニア-35kg日本統一王座決定戦 1分30秒3R 延長1R
○林功太郎(山口道場)
×山下城主(武魂會)
TKO 2R1分10秒 レフェリーストップ
※林功太郎がジュニア日本統一-35kg第9代王者に
OP第1試合 -35kg契約 1分30秒2R
×杉生澪雅(NJKF心将塾)
○脇園明日翔(魁塾 中川道場)
判定1-2(19-20、20-19、19-20)