DEEP☆KICK 7.21 大阪 176BOX(レポ):誠剛館の中嶋愛樹斗、1R KO勝ち・プロ9連勝8KOで-55kg王座挑戦権獲得。-51kg王座決定戦はKING陸斗×一樹に。勝利も怪我の松本愛斗は来春王座挑戦
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DEEP☆KICK ZERO 14 & 15
2024年7月21日(日)大阪・176BOX
記事提供:DEEP☆KICK実行委員会(文・三野龍生/写真・石本文子)
DEEP☆KICK ZERO 15(夜大会)
大会中にはDEEP☆KICKを主戦場に激闘を何度も繰り広げ続けた力哉の引退エキシビジョン及びセレモニーが開催されると、セミファイナル・メインイベントで行われた各トーナメント戦ではKING陸斗・中嶋愛樹斗が圧巻の1RKO勝利を飾り176BOXを熱狂の渦に包みこんだ。次回大会はDEEP☆KICK3度目の地方興行として2週間後の8月4日(日)石川県・石川県産業展示館2号館にて『大阪かに源グループ presents DEEP☆KICK ISHIKAWA』の開催が決定している。
メインイベント DEEP☆KICK-55kg挑戦者決定トーナメント決勝 3分3R 延長1R
×保井広輝(WARRIOR OSAKA)
○中嶋愛樹斗(誠剛館)
TKO 1R1分52秒 レフェリーストップ
※中嶋愛樹斗が-55kgタイトルマッチ挑戦権を獲得
昨年9月にDEEP☆KICK-55kg第7代暫定王者となった真琴(NJKF誠輪ジム)への挑戦権を懸けたトーナメントの決勝戦。高い技術でアグレッシブに打ち合う保井広輝(WARRIOR OSAKA)とプロ戦績8戦8勝7KOと負けなし、そして高いKO率で今注目されている中嶋愛樹斗(誠剛館)が激突。接戦が予想されたが試合は早々の決着となった。
互いにこの階級の中では高身長であり、だからこそ背格好が近い相手との対戦は少ないか。1R、左の蹴りからのパンチを中心に早くも圧をかけていく中嶋、保井はガードを固めながらジャブとローを突き、じっくり入り際を見ている印象。すると早々から度々バッティングが見られ、2度タイムストップがかかる。不慣れに加え気負いもあるかもしれない。そう思っている最中、再開後に急激に試合が動く。再開後、ローに左フックで保井はカウンターを狙っていく中、中嶋はワンツーにスーパーマンパンチを立て続けにヒットしセコンドから「効いたぞ!」と檄が飛ぶ、中嶋はギアを上げパンチをまとめていくと保井の腰が少し沈む、逃してなるものかと中嶋はさらに圧を強めていき最後はストレートをクリーンヒットさせファーストダウンを奪取する。起き上がる保井だがダメージが見える、決めに向かう中嶋はストレートにフックでどんどんラッシュをかけていく、保井も応戦するが最後は中嶋の左フックで保井が2度目のダウン、レフェリーが即座に試合を止め中嶋が1R1分52秒、TKO勝利で真琴への挑戦権を獲得した。
これにて9戦9勝8KO、まだまだ成長を続ける中嶋はマイクにて「僕はプロになる前からDEEP☆KICKのOPファイトにアマチュアで何度か出場経験があって、そのころからDEEP☆KICKのベルトに憧れがありました。何より館長(拳剛(誠剛館))や海翔くん(長谷川海翔(誠剛館))が持ってたベルトでもあるので、僕も巻きたいと思いプロになりました。なので真琴選手は強いですが僕が絶対に倒して、有言実行にします」と力強く語った。
すると観客席にいた現・暫定王者の真琴もリングイン、マイクを持つと「まずは中嶋選手、おめでとうございます。昨年9月にベルトを獲って以来のDEEP☆KICKの試合ですが、その間に僕もさらに強くなったので、しっかり倒します」と自信が伺えるコメントを残した。真琴が圧倒的な技術で正規王者となるか、中嶋が勢いそのままに無敗の王者となり得るのか、来る9月のタイトルマッチを楽しみにしてほしい。
セミファイナル DEEP☆KICK-51kg王座決定トーナメント準決勝 3分3R 延長1R
○KING陸斗(ROYAL KINGS)
×龍太郎(VALIENTE)
TKO 1R1分48秒 レフェリーストップ
※KING陸斗が-51kg王座決定トーナメント決勝に進出
第1部「DEEP☆KICK ZERO 14」に続き、DEEP☆KICK-51kg第4代王者を決める王座決定トーナメントの準決勝。互いに前節の王座決定トーナメントに出場するもその後王者となる安尾瑠輝(K-1ジム心斎橋チームレパード)に煮え湯を飲まされた2人であるKING陸斗(ROYAL KINGS)と龍太郎(VALIENTE)が対戦、互いにスピードに定評があるだけにこちらも期待される1戦だったが幕切れは唐突に訪れた。
1R、やはり最軽量級の選手たちの中でもトップクラスの2人だけあって開始早々からハイスピードな攻防に。サウスポーに構える陸斗はハイキックにローを走らせながらリングを周る、龍太郎はじわじわ圧をかけていき近い距離に入ると早いコンビネーションのパンチを繰り出す。しかしながらディフェンス力には以前より定評のあった陸斗、龍太郎の攻撃をするすると避けながらローに右フックと合わせていく。そして早くも勝負が動く、陸斗は速いステップからのツーフックで龍太郎をロープ際に追い詰めると、左ハイキックからのバックハンドブローが龍太郎にクリーンヒットし陸斗がファーストダウンを奪取。ダメージは明らか、立ってきた龍太郎に陸斗はすぐさま向かっていきフック連打で2度目のダウン奪取。それでも戦意を絶やさない龍太郎は立ち上がり続行を表明するも、最後は陸斗が速いパンチの連打をまとめていきレフェリーがスタンディングダウンを宣告、スリーノックダウンで陸斗が1R1分48秒、TKO勝利で決勝への進出を決めた。
これで2連続KO勝利と倒す力も明確についてきた陸斗。試合後、一足先に決勝進出を決めた松本愛斗(月心会チーム侍)がリングイン、マイクを持つと「(陸斗選手は)本当にうまくて、早くて、倒せて、何でもできる選手やと思うし皆さんもこの試合で「陸斗選手強い!」ってなってると思うので、それを覆して勝ちたいと思います」とコメント、対する陸斗はマイクにて「先日のRISEでも、そして今回もKOで勝つことが出来てようやく倒せる選手になってきてると思うので、9月、松本選手をぶっ倒して必ずチャンピオンになるので、僕に注目しておいてください」と語った。果たして、9月のリングでベルトを巻き勝ち名乗りを上げているのはどちらだ、激戦に期待したい。
当初は予定通り、9月の王座決定戦は松本と陸斗の試合となっていたが後日、松本は試合で負った怪我により9月への出場が困難であると判断されたため、王座決勝戦には松本と対戦した一樹が出場。そして来年3月の予定で、9月に誕生する第4代王者と松本が挑戦者としてタイトルマッチを行うものとすることが発表された。
力哉 引退エキシビジョンマッチ 2分2R
―力哉(BKジム)
―麻太郎(健心塾)
勝敗無し
DEEP☆KICKを主戦場に数々の名勝負を生んだ力哉(BKジム)が引退を表明。DEEP☆KICK実行委員会では力哉の数々の雄姿を称え引退エキシビジョンの開催を決定し、対戦相手には過去2度と対戦し1勝1敗となっている麻太郎(NJKF健心塾)が参戦。エキシビジョンながらも3度目の対戦という事となった。しかし、力哉は後のマイクでも語ったが数日前に仕事で左手の指を2本骨折しており、1度は延期の話も出たが本人の強い希望で今回実施の運びとなった経緯があった。
1R、怪我はあれど両者共にトップランカー同士、細かいフェイントをいれながら蹴りにパンチと打ち合う。力哉は左は強く打てないが、その分右のパンチを軸に多様な蹴り技を放つと麻太郎も蹴りを軸に対応など、お手本のような高レベルなマススパーリングを披露。都度、力哉は胴回し回転蹴りを狙うも不発に終わった。
そして2R、本来だったら8ozで打ち合いたいと願っていた力哉だったが怪我でそれは断念、しかしながらどこか明るい雰囲気で楽しそうに打ち合う両者。セコンドに就くBKジム・金田祐彦会長も「あさ(麻太郎)、倒してええぞ!」と相手選手にもエールを送るなどいい雰囲気は会場にも響き渡る。すると麻太郎側のセコンドに就くDEEP☆KICK-55kg第6代王者であり力哉との対戦経験もある翔磨 (TEAM-ANOTHER)が「力哉くん」と呼ぶと力哉は「はい」とリング上で即座に返事、その様子には会場からも笑い声が上がる。続けざまに翔磨は「あさ(麻太郎)の右足の裏!ハチに刺されて赤くなってるとこ狙え!」と指示をだすと力哉は「どこ!?」と言いながら左足へロー・カーフ・左脹脛へのパンチ、恐らく本人は右足と左足を勘違いしていたのか、終始ハチに刺された足と逆に左足を狙っていく。このように普段の緊張感ある試合では味わえない、大阪らしいと言えるような笑いに包まれてのエキシビジョンは続き、試合後2人は笑顔で肩を組むと会場から大きな拍手が送られた。
試合後、麻太郎はマイクにて「力哉選手とは僕のプロ5戦目・6戦目で連続で戦って1勝1敗、その当時の僕にはその勝ちと負けは本当にいい経験になりました。引退の話を聞いたときは少し残念でしたが、次のステージの力哉選手を全力で応援します、長い現役生活お疲れ様でした」とエールと送った。
その後は引退セレモニーが開かれ、力哉選手への記念動画が流されると、DEEP☆KICK実行委員長・林裕人から記念パネルの贈呈や力哉のスポンサーの方々からの花束、BKジムメンバーの寄せ書きTシャツ、そして最後には力哉の母親がリングに登場し涙ながらに息子へと花束を渡した。力哉はマイクにて引退セレモニーを開いてくれたことや対戦相手の麻太郎に感謝を述べると「DEEP☆KICKでは僕はベルトが取れたわけでもないですが、デビューさせて頂き、トーナメントにも3度も出させて頂いたて本当に成長させてくださった団体で感謝しきれないぐらい最高の団体です。金田会長を始めメンバーのみんなが支えてくれたから、キックボクシングの現役生活は本当に楽しかったし、やりきれたと思える日々でした。そしてこれからもBKジムの選手たちに是非注目してください、ありがとうございました!」と語り、その後自身の試合は全試合見に来てくれた父親への感謝、そして半年以上の入院で1度生死をさまようも今回のエキシビジョンマッチに来てくれたという親友、それぞれに感謝を述べマイクを置いた。
その後10カウントゴングを聞いた力哉は少し涙を流すも最後まで笑顔で、リングを、そして会場を後にした。プロ戦績は19戦8勝11敗、7年間の現役生活で怪我やコロナで思うように試合が出来ないこともあったが激闘で会場を常に沸かし続けてきた力哉。次なるステージに進む力哉が、再びキックボクシングに、DEEP☆KICKに交わってくれる日が来ることを楽しみに待ちたいと思う。
第5試合 DEEP☆KICK-53kg契約 3分3R
×吉田亮汰朗(BKジム)
○長谷川英翔(誠剛館)
判定 1-2(29-30、30-29、29-30)
DEEP☆KICK-53kg契約の1戦、同級6位であり過去には翔磨 (TEAM-ANOTHER)と王座決定戦を競った経験もある長谷川英翔(誠剛館)とまだランキングには入ってないものの那須川龍心(TEAM TEPPEN)・山田貴紀(山口道場)・JIN(楠誠会館)などの強敵相手にバチバチの打ち合いを魅せてきた吉田亮汰朗(BKジム)が対戦。
1R、サウスポーに構える吉田はジャブを見せながら踏み込むタイミングを計るが長谷川はガードを下げ小まめにスイッチを繰り返しながら距離をとる、そこから左ミドルやストレートを放ち吉田は打ち終わりを狙うも長谷川は再び距離を取るという展開は続く。吉田は連打をまとめたい所だろうが飄々と距離を獲る長谷川に中々踏み込めない、長谷川は随所でヒットは見せるも単発が多く見せ場にはかける印象だ。
2R、吉田は圧を強め手数も増やしヒットを見せる場面が増える。長谷川は変わらずノーガードでステップを踏みながらストレートにロー、ハイキックに飛び膝などを繰り出す、変則的なだけにタイミングも取りずらそうだ。1Rに増え互いに手数は増えるもここでもあまり差が出ない印象、2R終了時点でのオープンスコアは2名が20-20でイーブン、1名が19-20で長谷川を支持。
3R、今試合では延長がないだけにこのラウンドが勝負となる。両者呼応するように更に近い距離での打ち合いとなる。長谷川は多様な蹴りにストレートを混ぜると、吉田は早いパンチの連打を中心に繰り出す。パンチで愚直に攻めていく吉田と距離を保ちながら膝を中心に多様な技でヒットを重ねる長谷川といった構図が続いていき試合終了。甲乙つけがたい試合となり判定は割れるも、結果2-1で長谷川が判定勝利を収めた。負けはしたものの吉田の健闘もすさまじく、勝った長谷川と共に称賛されるべき1戦であった。
第4試合 DEEP☆KICK-53kg契約 3分3R
○礼司(楠誠会館)
×呼良(K-1ジム福岡チームbeginning)
判定 3-0(30-27、30-29、30-27)
K-1ジム福岡チームbeginningに所属する呼良(K-1ジム福岡チームbeginning)が大阪に殴り込み、今回がプロ5戦目となる礼司(楠誠会館)が迎え撃った。試合は1R、パンチを放ちながら前に前にと打ち出てくる呼良に対しサウスポーの礼司がストレートに膝・フックと返していく。呼良の突進力はすさまじく礼司は少しやりずらそうにも見えるが膝を中心に左右のパンチでヒットを重ねていく辺り技術が高い。そして呼良はパンチに膝と多々ヒットを許すも決して勢いは衰えずどんどんと圧を増すという驚異的なタフネスを見せる。しかし1Rはヒット数で礼司のラウンドだ。
2R、変わらず前進しながら上下にパンチを打ち分けていく呼良、礼二もガードを固めながらローに膝、ストレートと返していく。礼司はやりずらい距離が続いていくも1R同様にしっかりとヒットを重ねていく、呼良もパンチを振っていくがヒット数にはやはり差が出る。2R終了時点でのオープンスコアは3者共に礼司を支持。
3R、後がない呼良はさらに圧を強めながら近距離戦に持ち込みパンチを放つが礼司は淡々とガードしながらジャブにストレート、蹴りと着実にヒットを重ねていく。驚異のタフネスで最後まで手も足も止めずに打ち出た呼良だったがついに状況を打破することは叶わず、1Rから終始ヒットを積み重ねていった礼司が判定勝利を収めた。
第3試合 DEEP☆KICK-70kg契約 3分3R
○KING弥百希(ROYAL KINGS)
×榎木友星(ビンチェレあべの)
TKO 3R1分47秒 レフェリーストップ
プロ2戦目となるKING弥百希(ROYAL KINGS)と今回がプロデビュー戦となる榎木友星(ビンチェレあべの)のDEEP☆KICK-70kg契約での1戦。1R、サウスポーの弥百希は自慢のパンチでプレッシャーをかけると対する榎木はローにミドルで返す。小まめにローでヒットを重ねていき、そこからパンチで踏み込む榎木、弥百希は圧をかけパンチを振るっていくがやや大振りな印象だ。互角の攻防が続きそのままラウンドが終わるかと思われた中、1R終了間際に弥百希が立て続けにストレートをヒットさせ会場からワッと歓声が沸く、中でゴングが鳴り榎木はセコンドに戻るも最後の攻防で鼻血が見られる。出血が多く、2R開始早々にタイムストップがかけられ榎木の出血の状況確認が行われる。
その後、試合は再開されるも弥百希の攻撃に再び出血しドクターチェックが入る。試合は続行されるも榎木はダメージもあるか後手に回るシーンが増えていく。3R、榎木はセコンドからの「自分からいけ!前に出ろ!」という檄のもと逆転を狙っていくが、弥百希のパンチが立て続けにヒットしていくとダメージが見える榎木にレフェリーがスタンディングダウンを宣告、弥百希がダウンを奪取する。そのまま試合は速攻するも最後は再び弥百希がパンチのラッシュを当てたところでレフェリーが続行不可能と判断し、弥百希が3RTKO勝利を収めデビューからプロ2連勝を飾った。
第2試合 DEEP☆KICK-53kg契約 3分3R
○山﨑天輔(VALIENTE)
×須藤智也(TEAM TEPPEN)
判定 3-0(30-29 、29-28、30-28)
今回がプロデビュー戦となる須藤智也(TEAM TEPPEN)をプロ6戦目の山﨑天輔(VALIENTE)が迎え撃つ。デビュー戦ながらも落ち着いた雰囲気の須藤は1Rから早い踏み込みでジャブにローを繰り出す。山﨑は身長176cmと高身長だが何より腕のリーチも長い、フックからのローにストレートとヒットさせていく、須藤は中々やりたい距離に出来ていない印象。続く2Rも山﨑はジャブにローで自分の距離を保つ。途中、コーナー際で互いにパンチで長く打ち合うも互いにヒット数に差は出ない。須藤はジャブを突きながら攻勢を狙うも山﨑は入り際に膝を当てていき流れを渡さない。2R終了時点でのオープンスコアは20-19が2名、20-18が1名で3者共に山﨑を支持。
3R、須藤はプレッシャーをかけながら逆転の1発を狙うが山﨑は落ちついてジャブ・ロー・前蹴りを合わせながらヒラヒラとパンチを避ける。残り1分、須藤は猛攻をかけていくが山﨑は自分の距離を保ちながら着実にヒットを重ねていき試合終了。結果、3-0で山﨑が判定勝利を収めた。これでDEEP☆KICKでも2勝目となりランキング入りも見えてきた山﨑、同級を脅かす存在になれるか。
第1試合 DEEP☆KICK-55kg契約 3分3R
×若月アル(R.S-GYM)
○奥村将真(TEAM TEPPEN)
TKO 1R2分31秒 レフェリーストップ
今年の4月にプロデビュー戦で2RTKO勝利と鮮烈デビューを果たした若月アル(NJKF R.S-GYM)とボクシングをバックボーンに今回がプロデビュー戦となる奥村将真(TEAM TEPPEN)は1R開始早々から激しいぶつかり合いに。激しい交差の中、若月はバッティングを、奥村はローブローを被弾するアクシデントに見舞われるも両者共に勢いは落ちない。若月がローにミドル・ストレートにフックと放てば奥村は左右のフックにストレートにミドル・アッパーとこちらも存分に放ちまさに一進一退の攻防であり、少しでも目を離したらKO決着がつくんじゃないかと思えるほどのレベルの高い打ち合いだ。そしてその想像通り勝負は一瞬で決まった、若月の放つローに合わせた奥村の左フックがクリーンヒットすると若月はフラっと後方に倒れダウン、ダメージは相当でレフェリーは即座に試合をストップ。奥村が1R2分31秒でプロデビュー戦でKO勝利を飾った。
【OPファイト NEXT☆LEVEL提供試合】
OPファイトではNEXT☆LEVEL提供試合として3試合が開催された。中でもOP第1試合、-26kg契約で対戦した筒井來絆(TeamFIST) vs 森永煌彪(VALIENTE)戦は7歳の筒井と8歳の森永という何とも可愛らしく思える1戦。しかし試合が始まれば彼らもキックボクサー、果敢に近い距離で止まらずに打ち合っていく。1Rはまったくの互角の印象、2Rも甲乙つけがたい内容であったが、僅かに森永が膝とミドルを数度ヒットさせたことが印象に残ったか、ジャッジは3者共に19-20で森永を支持し森永が判定勝利を収めた。他の試合でもレベルの高い試合が続いていき、今後のキックボクシング界も明るいと感じれるOPイベントであった。
OP第3試合 -38kg契約 1分30秒2R
○高木修(楠誠会館)
×丸尾勇心(TEAM BEYOND)
判定 3-0(20-19、20-19、20-19)
OP第2試合 -60kg契約 1分30秒2R
×上田琉威(02GYM)
○神田星琉(ENCOUNTER 大阪)
判定 0-3(19-20、18-20、19-20)
OP第1試合 -26kg契約 1分2R
×筒井來絆(TeamFIST)
○森永煌彪(VALIENTE)
判定 0-3(19-20、19-20、19-20)
DEEP☆KICK ZERO 14(昼大会)
セミファイナルでは階級を上げての挑戦となったTETSUが同級1位の田邉に判定勝利、メインイベントではプロ2戦目の松本愛斗が一樹との延長にもつれ込む激闘を制しトーナメント決勝に進むなど月心会チーム侍所属ファイターの健闘が目立った。下半期に突入したDEEP☆KICK、ランキングも大荒れの予感だ。
メインイベント DEEP☆KICK-51kg王座決定トーナメント準決勝 3分3R 延長1R
×一樹(Reborn kickboxing gym)
○松本愛斗(月心会チーム侍)
判定 1-1(30-29、28-29、30-30)
延長 0-3(8-10、8-10、8-10)
※松本愛斗が-51kg王座決定トーナメント決勝に進出
メインイベントを飾るは昨年12月にDEEP☆KICK-51kg第3代王者に輝いた安尾瑠輝(K-1ジム心斎橋チームレパード)が返上したベルトを懸けた王座決定トーナメント準決勝。同級4位でありプロ戦績は21戦を誇るベテランの一樹(Reborn kickboxing gym)とプロ2戦目で異例の大抜擢となった松本愛斗(月心会チーム侍)が激突、正にベテランvsルーキーの構図となる。
1R、互いに中間距離を保つと、一樹はジャブを放ちながら小まめに動きつつ松本に圧をかける、松本は下がりながらも構えをスイッチしながら前足にローを着実にヒットさせていく、互いに序盤は落ち着いた雰囲気。中で一樹はジャブに左ミドル、松本はジャブにローを中心放つも互いに単発が多く、淡々とチャンスを伺っている印象だ。
続く2R、開始から圧をかけながらワンツーにローと手数を増やす松本。一樹は下がらされる展開が続くもやはりベテラン選手、度々タイミングのいいカーフキックをヒットさせ流れを渡さない。互いにギアを上げたか、距離は近くパンチ蹴り共に手数が増えていく。パンチでは松本がヒット・手数共に上回るも一樹はミドルを混ぜながらカーフをヒットさせていき松本の足が流される場面も見られた。しかしここまではこれといった差はないか、2R終了時点でのオープンジャッジは20-20が2名に19-19が1名と3者共にドローと完全互角の内容に。
3R、このラウンドを獲った方が勝者となるラウンドだけあって互いに序盤から攻勢を狙う。一樹はカーフに左右のフックにボディとパンチの手数を増やしていくが、対する松本はさらにプレッシャーをかけながらパンチの連打で一樹を押し込んでいくと、そのままロープ際にパンチのラッシュで貼り付け印象を勝ち取る。と思った直後、今度は一樹のカーフで松本が転倒、1Rからの蓄積もあるだろう一樹もすぐさまに好印象を奪いここでも互角の勝負だ。中盤からも松本はワンツーからのパンチ連打を軸にどんどんと前に踏み込んでいく、一樹はタイミングのいいカーフに細かいパンチの連打で返していく、ハイキックも好印象だ。正に若さで前に前にと打ち出る松本にベテランならではの上手さに引き出しの多さで着実に対処する一樹という試合となり、試合終了まで互いに止まらずの激戦を魅せた。すると判定では1名がイーブンで1名が一樹、1名が松本を支持となり結果は1-1でドロー、大会規定によりマスト判定の延長ラウンドに突入する。
延長ラウンド、ここまでくると一樹はカーフ、松本はパンチで好印象を獲りにくると想定される。するとラウンド序盤からカーフで松本の足を流れさせていく一樹に対し、松本は強烈なストレートをヒットさせ会場からワッと歓声が沸く。倒れはしないも後ろにたたらを踏み下がる一樹、好機と踏んだ松本はパンチラッシュで攻め込んでいき最後は右フックで一樹がダウン、松本がファーストダウンを奪う。延長ラウンドともあって後がない一樹はすぐに立ちあがると圧を与えながらパンチを軸に逆転の一手を狙っていく。しかし松本も根性がある、下がりながらも左右のフックにミドルで果敢に迎え撃つ。最後まで圧をかけ起死回生の1打を狙った一樹だったが最後まで松本を捉えられず試合終了、ダウンを奪った松本が延長ラウンドを制し王座決定トーナメント決勝進出を決めた。
試合後、松本は「一樹選手は穴が無くて本当に強い選手でした。正直、プロ2戦目でメイン出場というのは嬉しかったんですが不安も大きくて、だからこそ練習も頑張れて、そして勝つことが出来て本当によかったです。3戦目で王者になるというのは異例だと感じてるし、その偉業を達成したい、 でもこのままじゃ王者にはなれないと思うので、もっと練習して強くなります」と語った。
当初は予定通り、9月の王座決定戦は松本の出場となっていたが後日、試合で負った怪我により9月への出場が困難であると判断されたため、王座決勝戦には一樹が出場。そして来年3月の予定で、9月に誕生する第4代王者と松本が挑戦者としてタイトルマッチを行うものとすることが発表された。
セミファイナル DEEP☆KICK-65kg契約 3分3R
×田邉雅弥(Blaze)
○TETSU(月心会チーム侍)
判定 0-3(28-30、28-30、28-30)
4月、DEEP☆KICK-63kg挑戦者決定トーナメントの決勝に進むも古宮晴(昇龍會)との先輩後輩対決に敗れ今回が階級を上げての復帰戦となったTETSU(月心会チーム侍)と昨年6月にDEEP☆KICK-65kg王座決定戦に出場するも石田迅(LEGEND GYM)に敗れ王座戴冠まであと1歩届かず涙を飲み昨年10月以来の試合となる田邉雅弥(Blaze)による上位ランカー同士のランキング戦がセミファイナルで行われた。
1R、ガードを上げじわじわ圧をかけながらローを打つ田邉に対しTETSUは鋭いジャブにフック、ローで対応していく。田邉は手数は少ないもコーナーに追い詰めるとワンツーフックから必殺の膝を放つなど決め所を探っている印象。TETSUはリングを周りながらパンチ・蹴りをまんべんなく繰り出していきアグレッシブさを見せる。
続く2RもTETSUはジャブを中心に攻める。田邉も1R同様にガードを上げながらローにストレートで圧をかけていく。途中、田邉のカウンターのストレートがTETSUにヒットし田邉が急激に圧をかけながら追撃する、やはり膝には相当の自信があるのだろう、どんどんと膝蹴りを組み込んでいくもTETSUは落ち着いて距離を取り直す。仕切り直したTETSUはジャブを軸にフック・ストレート・アッパーとパンチの手数で田邉を封じ込ませる、2R終了時点でのオープンスコアは3者共に20-19でTETSUを支持する。
3R、後がない田邉はどんどんと圧を強める、フックに膝と繰り出すがTETSUはジャブに左ミドル・膝で攻勢を崩さない。ボディも効果的だろう、スタミナ切れも相まってか田邉の手数が減っていく。逆転を狙う田邉だがやや単発の攻撃が目立ち、結果試合終了まで手を休めることなく打ち続けたTETSUが判定勝利を収めた。
TETSUはマイクにて「65kgでは絶対に最強になるので、65kgのベルトを獲って63kgの古宮晴にもやり返してDEEP☆KICKで2階級制覇したいと思います」と語ると、試合後「65kgはやっぱり相手も大きくて、田邉選手も圧が強くて強かった。でも今回、上位ランカーに勝ったのでベルトに挑戦させてほしい、そして63kgのはるくん(古宮晴)にもやり返して2階級制覇がしたいです。ただもちろん、ベルトに2階級制覇が目標なのはそうなんですけど、とにかくはるくんにやり返したいってのが1番強いですね(笑)」と語った。古宮との再戦、2階級制覇の夢に向けてまずは1本目のベルト挑戦を狙うTETSU、K-1ファイター達の活躍が目立つDEEP☆KICKで安尾・古宮に次ぐベルト獲得となるか。次戦に期待してほしい。
第4試合 DEEP☆KICK 女子-53kg契約 2分3R
○HOTARU(Continue)
×三宅美優(拳之会)
判定 3-0(30-28、30-27、30-28)
今大会唯一の女子対決、現在連勝中と波に乗っているHOTARU(Continue)がNJKFを主戦場に戦う岡山からの刺客・三宅美優(NJKF拳之会)と対戦。試合は1Rから打ち合いで始まる、鋭いローにミドルからパンチに繋ぐ三宅に対しHOTARUはパンチの連打で攻め込んでいく、ラウンド中盤までは拮抗した内容だったが後半に入るとややHOTARUのパンチが印象的。
2R、開始早々から三宅は左右のフックにローで近距離での打ち合いに向かうとHOTARUはこれを足を止めて迎え撃ち、速いパンチの連打で三宅を押し返す。その後、ジャブをさしながらパンチで好機を狙う三宅だが、HOTARUはタイミングのいいカーフを随所で合わせながらワンツーの連打で三宅に圧をかけていく、ラウンド終盤には後ろ回し蹴りをヒットさせるなどこのラウンドでもHOTARUがやや優位か、2R終了時点でのオープンスコアは20-19が2名、20-18が1名で3者共にHOTARUを支持する。
最終ラウンド、ワンツーからの連打で勝負をかける三宅に対しHOTARUはロー・ハイキック・バックハンドブローと三宅に的を絞らせない。中盤にはツーボディからのハイキックが三宅にクリーンヒット、ダメージが見えるとHOTARUはパンチのラッシュをかけていく。三宅も決して諦めずにしっかりと攻撃を返していくが挽回にするには至らず、結果3-0でHOTARUが判定勝利を収めた。DEEP☆KICKを主戦場に連勝を伸ばし続けているHOTARU、先にはRISE QUEENベルトなども狙っているはずだ。果たしてHOTARUの行きつくゴールはどこか、今後にも注目だ。
第3試合 DEEP☆KICK-57.5kg契約 3分3R
○白鳥光希(正道会館KCIEL)
×亮介(BOSS GYM)
3R TKO レフェリーストップ
プロ戦績8戦5勝3敗5KOの白鳥光希(正道会館KCIEL)とプロ3戦3勝3KOの亮介(BOSS GYM)の互いに勝利=KOというKO決着必須の倒し屋同士の対決。
1R、互いに中間距離でミドル・前蹴り・ローで探り合う。白鳥はジャブが切れている、リング中央に陣取り左の蹴りにジャブを混ぜながら着実にヒットさせていく。亮介はやや下がりながらも膝蹴りや威力のあるパンチで入り際を狙っている印象だ。互いに倒しきる実力は十二分あるだけに静かながらも不気味な展開が続く。2R、距離を詰めだす亮介だが白鳥の左三日月蹴り・インローなどで入りきれない。白鳥はそのまま落ち着いた雰囲気で圧をかけていくとジャブにストレート、ハイキックなど鋭い攻撃を繰り出していく。亮介は白鳥の左に苦戦しつつも左右のフックを軸に必殺の1撃を放っていくがやや攻勢に差が出たか、2R終了時点でのオープンスコアは3者共に20-19で白鳥が支持される。
3R、亮介はジャブ、ストレート、フックと放っていき逆転を狙うも白鳥は変わらず落ち着いた雰囲気からボディにロー、ジャブと打ち分けていく。1Rから小まめに放っている左の三日月も効果的だろう、ラウンド中盤にボディを嫌がった亮介に白鳥は圧をかけていくとコーナーに詰めての左ボディブローでダウンを奪取。立ち上がる亮介だが、白鳥は左の三日月蹴りにボディ・フックで追い詰めていくと最後は左の三日月蹴りを意識しているであろう中野に左ハイキックで再びのダウン奪取、ダメージを見たレフェリーが即座に試合を止め3R2分21秒、白鳥が計算されつくした鮮やかな攻めで3RTKO勝利を勝ち取った。
第2試合 DEEP☆KICK-52kg契約 3分3R
△聖輝(魁塾)
△中野星耶(華王州)
判定 1-1(20-19、19-20、20-20)
※聖輝が偶発的なローブローを被弾、続行不可能と判断されたため2R2分56秒時点での判定
DEEP☆KICK-52kg契約の1戦、軽量級だけに互いに1つ1つの動作が速い。中野星耶(華王州)がジャブにロー・ストレートで攻め入ると、聖輝(魁塾)は細かくカーフキックを入れながらパンチからの膝で返す。目まぐるしく攻防が入れ替わる中、中野は左右のローで前足を削りに、聖輝は細かいパンチからの膝にボディが目立つ印象だ。
2R、ジャブ・ローを放ちながらストレートや膝に繋いでいく聖輝、中野は着実にローで前足を削りながら左ミドルやワンツーで聖輝を後退させる。互いに足が赤く腫れあがってきており、3Rへの期待が高まる中だったが2R終了間際に中野の後ろ回し蹴りがローブローになってしまいタイムストップとなる。聖輝の回復を待ったが規定時間内での回復が見込まれないと判断され、試合終了。大会規定によりタイムの止まった2R2分56秒時点での判定となるが結果は1-1(20-19、19-20、20-20)のドローとなった。好試合だっただけにこの幕切れは両者も腑に落ちない部分があるだろう、是非再戦に期待したい。
第1試合 DEEP☆KICK-55kg契約 3分3R
○香川刻(Blaze)
×武政空護(SMOKER GYM)
判定 2-0(30-28、29-29、29-28)
互いに実力はあるも戦績は1戦1敗なだけに初勝利をもぎとりたいであろう両者の対決。その気持ちは1Rから顕著に表れ、近い距離でどんどんと打ち合う。香川刻(Blaze)はパンチの連打にロー・膝と繰り出すと対する武政空護(SMOKER GYM)は固いガードからジャブにフック、ストレートで応戦する。2Rになっても両者共にスピードは落ちない、パンチを軸にどんどんと打ち合いプロ2戦目とは思えないレベルを見せつける。2R終了時点でのオープンジャッジは1名が20-19で香川を支持するも2名は19-19でイーブンと互角の戦い。
3R、パンチに蹴りの連打でどんどんと前に出る武政、香川もボディにフック・膝で返していく。中で、香川は近い距離で捕まえての膝に活路を見出しどんどんと膝を打ち込む。武政も決して止まらず応戦していくも、ジャッジは3Rの香川の攻勢を支持し結果2-0で香川が嬉しい初勝利を手にした。
【OPファイト NEXT☆LEVEL提供試合】
OPファイトではNEXT☆LEVEL提供試合として5試合が開催された。中でもOP第2試合では井下楓奈(BLACK☆Jr)がレベルの高いパンチの連打で赤松鈴夏(LoTgym)からダウンを2度奪っての2RTKO勝利を飾ると、OP第3試合では里見魁(TEAM S-joint) vs 山口嵐(パラエストラ大阪)の首相撲を中心にハイレベルな試合が展開、一進一退の攻防となるも2Rにパンチの連打などで好印象を勝ち取った里見が判定勝利を勝ち取った。他の試合もレベルが高い試合の連続、数年後彼らがDEEP☆KICKの地でデビューする姿を楽しみにしたい。
OP第5試合 -50kg契約 1分30秒2R
×林功太郎(山口道場)
○志水唱乃介(魁塾 中川道場)
判定 0-2(19-20、19-19、19-20)
OP第4試合 -46kg契約 1分30秒2R
○横井鉄生(正道会館KCIEL)
×上原勝星(HAMA GYM)
判定 3-0(20-19、20-19、20-19)
OP第3試合 -43kg契約 1分30秒2R
○里見魁(TEAM S-joint)
×山口嵐(パラエストラ大阪)
判定 3-0(20-19、20-19、20-19)
OP第2試合 女子-57kg契約 1分30秒2R
×赤松鈴夏(LoTgym)
○井下楓奈(BLACK☆Jr)
TKO 2R1分14秒 レフェリーストップ
OP第1試合 -30kg契約 1分30秒2R
×加藤樹輝(一心会)
○武政桜仁(SMOKER GYM)
判定 0-3(19-20、18-20、19-20)