KNOCK OUT 9.25 後楽園ホール(レポ):花岡竜、BLACKスーパーフライ級王座決定トーナメント制す。サンチャイ、白幡裕星からダウン奪い判定勝ち
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
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KNOCK OUT 2021 vol.4
2021年9月25日(土) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
※REDルールは肘有りキックルール、BLACKルールは肘無しキックルール
初代KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級(52kg)王座決定トーナメントは橋本道場の高3・花岡竜が優勝
第1試合 準決勝(1) 3分3R(延長1R)
○濱田 巧(team AKATSUKI)
×心直[しんた](REON Fighting Sports Gym)
1R 2’06” KO (右三日月蹴り)
1R、濱田はオーソドックス、心直はサウスポーに構え、蹴りの応酬が続く。心直はスピードのある左ミドルを当て、蹴り数ではやや上回っていたが、濱田が右の三日月蹴りをクリーンヒットすると、心直はうめき声を上げて崩れ落ちダウン。立ち上がるがダメージが大きく、濱田が再び右の三日月を脇腹に突き刺し、2ダウン目を奪ったところでレフェリーがストップした。
第2試合 準決勝(2) 3分3R(延長1R)
○花岡 竜(橋本道場/INNOVATIONフライ級王者)
×空龍[くうりゅう](空修会館)
判定3-0 (センチャイ29-28/秋谷30-29/和田30-29)
花岡は10戦8勝(3KO)1敗1分の高校3年生。空龍は8戦7勝(3KO)1分の高校2年生。広島在住で、NJKF拳之会主催の岡山大会や大阪のDEEP☆KICKで結果を残し、KNOCK OUT初登場でいきなりタイトル戦線に起用された。
試合は高校生同士とは思えないハイレベルな攻防に。1R、花岡がオーソドックス、空龍がサウスポーに構え、素早い蹴りの応酬を序盤から繰り広げる。どちらもミドル、ローを当てつつ、フックやストレートもヒット。崩しの応酬もあり、どちらも一歩も引かない。記者採点はイーブン。
2R、序盤も互角だったが、花岡が左右の前蹴り、首相撲での膝を空龍のボディにコツコツ当てていると、空龍は攻撃が減り、パンチの空振りが増える。崩しの攻防でも花岡が決める場面が目立ち始める。記者採点は花岡。
3R、花岡は首相撲の膝のほか、右ミドルのクリーンヒットも増やす。崩しの攻防で空龍もトライするが、花岡はバランスの良さを発揮。空龍はヒットこそ少ないものの、最後まで動きを切らさず、花岡とスピーディな攻防を展開し終了する。記者採点は花岡。合計30-28で花岡。ジャッジ3者に支持された花岡が決勝に進んだが、空龍も初参戦で好印象を残した。
第8試合 メインイベント 決勝 3分3R(延長1R)
○花岡 竜(橋本道場/INNOVATIONフライ級王者)
×濱田 巧(team AKATSUKI)
判定3-0 (山根30-29/秋谷30-29/和田30-29)
準決勝を濱田は1Rほぼ無傷で突破し、花岡は3Rの激しい攻防の末に突破し、濱田優位な状況での決勝戦。1R、濱田は徹底した右カーフ攻めで、花岡は序盤からバランスを崩す。時折サウスポーに切り替える場面もあったが、中盤からはカーフをもらいながらもオーソドックスで固定し、右ロー、左右のミドルを度々ヒット。蹴り数では上回る。右フックの相打ちも多い。記者採点はイーブン。
2Rも濱田は右のカーフを当て、右の三日月もヒット。花岡はスイッチを時折しつつ、左右のミドル、ローを返し続ける。濱田のバックハンドブローを頭を下げてかわし、場内がどよめく場面も。記者採点はイーブン。
3R、花岡は右ミドルに右ストレートを合わされてひるむ場面もあったが、大半の時間は運動量を上げ、度々左右のミドル、ローをヒット。終盤には濱田がバランスを崩し、攻撃が減り、印象を悪くする。記者採点は花岡。合計30-29で花岡。ジャッジ3者も同じ採点で、最後はヒット数で差をつけた花岡の判定勝ちとなった。
ベルトを巻いた花岡は「小学生の時から育ててくださった師範、ありがとうございました。取って終わりじゃないので、これからも強い選手を倒していきたいです」と話した。
白幡裕星、サンチャイ・TEPPEN GYMにパンチでダウン奪われ判定負け
第7試合 RED 53kg契約 3分3R(延長1R)
×白幡裕星(橋本道場/KNOCK OUT-REDスーパーフライ級(52kg)王者、ムエタイオープン同級王者)
○サンチャイ・TEPPEN GYM(タイ/TEPPEN GYM/元ラジャダムナン認定ミニフライ級王者)
判定0-3 (山根28-30/少28-30/和田28-29)
白幡は2月大会で老沼隆斗に判定勝ちしリベンジすると共に王座を獲得。6月の新宿大会では元プロボクシング日本ライトフライ級王者でキックボクシング復帰戦の悠斗を蹴りで圧倒し判定勝ちしたが、今回は元ラジャダムナン王者・サンチャイのムエタイスキルに翻弄されることに。
1R、白幡はサウスポー、サンチャイはオーソドックに構え、サンチャイは右ミドルからの右フック、単発の右フックを序盤からヒット。白幡は左のインローを連打するが、サンチャイは蹴りに合わせて右フックを当ててダウンを奪う。その後も白幡は左ローを蹴り続け、サンチャイはクリンチで白幡の攻めを寸断する。記者採点は8-10でサンチャイ。
2R、サンチャイは下がって距離を取り、白幡が詰めてくれば組んで膝を当てる展開を繰り返す。その中でサンチャイがまたも右フックをクリーンヒット。白幡も左ストレート、膝を返すが、なかなかサンチャイを攻めきれない。記者採点はイーブン。
3Rもサンチャイが組んで膝を当て、崩しも随所で決め、白幡を翻弄。白幡も左ストレートを時折当てるが、単発止まりで終わる。記者採点はイーブン。サンチャイが1Rの点差を守り切り判定勝ちした。
第6試合 初代KNOCK OUT-REDバンタム級(53.5kg)王座決定戦 3分5R(延長1R)
×安達浩平(team AKATSUKI/元J-NETWORKバンタム級王者)
○響波[きょうは](Y’s glow)
3R 1’10” KO (左膝蹴り)
※響波が王者に
1R、響波がサウスポー主体で時折スイッチしつつ、ミドル、ローを何発も当てて主導権を握る。だが終盤、安達が距離を詰めると、コーナーに詰めての右フック一発でダウンを奪う。記者採点は10-8で安達。
2R、響波は細かく蹴りを当てるが、終盤には安達が顔面への左右のパンチを随所でまとめて好印象を作る。記者採点は安達。
3R、開始すぐまたも安達が右フックでダウンを奪う。これで火が付いた様子の響波は距離を詰めると、首相撲で捕まえると、左の膝蹴りを安達の顔面に当ててダウンを奪う。安達はダメージが大きく、響波が再び左の膝蹴りでダウンを奪ったところで秋谷レフェリーがストップした。
初のタイトル獲得を果たした響波は「ここまで来れたのも家族で会長のお父さん、家族、ジムの皆さんのおかげです。ありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。
第5試合 RED 54kg契約 3分3R(延長1R)
×石川直樹(team Lit/元新日本&ジャパンキック・フライ級王者、元スックワンキントーン・スーパーフライ級王者)※治政館から所属変更
○ユット・ZERO(タイ/元S1スーパーフライ級王者)
判定0-3 (センチャイ29-30/少28-30/秋谷28-30)
石川は治政館を8月末で離れてフリーになっての初戦。1R、ムエタイ式のゆったりした攻防の中で、ユットはサウスポー主体でスイッチしつつ、攻撃は少ないながらも正確に右のミドルを当て続け、組めば膝を当て主導権。2Rもユットが左ミドル、ロー、組んでの膝を当て続け優勢。3R、ユットはステップ、首相撲を駆使し、膝を随所で当てて石川の反撃を封じ判定勝ちした。
第4試合 BLACK ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○大谷翔司(スクランブル渋谷)
×麻火佑太郎(PHOENIX)
2R 0’21” KO (左ストレート)
1R、大谷がオーソドックス、麻火がサウスポーに構え、お互い顔面、ボディにストレートを当てる。大谷はロー、麻火はミドルやハイも駆使。最後には麻火が左ストレートを当てて大谷を下がらせる。
2Rも序盤から麻火が前に出てパンチを当て先手を取るが、大谷は打ち合いの展開で左ストレートを当ててダウンを奪う。麻火は立ち上がるがフラついており、レフェリーがストップした。
見事KO勝ちの大谷は「チャンピオン、今日いるかわからないけど、俺、KNOCK OUTのベルト、まだあきらめていねえからな」とアピールした。
第3試合 BLACK 63.5kg契約 3分3R(延長1R)
×Apollo中山(GOD SIDE GYM)
○般若HASHIMOTO(クロスポイント吉祥寺)
4R 判定0-3 (秋谷9-10/センチャイ10-9/山根10-9)
3R 判定1-0 (秋谷28-27/センチャイ28-28/山根28-28)
両者サウスポーに構え、パンチ主体の攻防の中で、度々フックが交錯。すると2Rに中山が右フックでダウンを奪う。3R、般若が右フックで中山をひるませ、終盤には右ボディを効かせつつ、右フックの連打で追い詰めるが、中山は耐えダウンを免れ終了。試合は延長へ。般若の攻勢が続き、何発もパンチを当て続け、中山は防戦一方で終了。般若が逆転判定勝ちした。
第5試合終了後には ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE/KNOCK OUT-BLACK女子アトム級(46kg)王者)が19日のRIZINの勝利報告の挨拶を行い、「キックボクシング、キックボクシング女子、KNOCK OUTをもっと広めたいです。厳しい意見もありますが応援してくれる人たちのために頑張ります」とアピールした。