シュートボクシング 4.10 後楽園ホール:海人、モハン・ドラゴンからダウン奪い判定勝ち「これから世界の強豪と70kgで殴り合う」
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SHOOT BOXING 2021 act.2
2021年4月10日(土) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
海人、剛腕モハン・ドラゴンからダウン奪い判定勝ち
第7試合 メインイベント 68kg契約 3分3R(無制限延長R)
○海人(TEAM F.O.D/SB日本スーパーライト級(65kg)王者、S-cup 2018 65kgトーナメント優勝、KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級(70kg)王者)
×モハン・ドラゴン(ネパール/士魂村上塾/Bigbangウェルター級王者、元MA日本スーパーライト級王者)
判定3-0 (津山30-26/和田30-26/若林30-26)
RIZINやRISEで名を上げ、2月のREBELSファイナルではベテランの日菜太に勝利し、KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級王者となった海人が、ホームリングのシュートボクシング(SB)に凱旋した。
海人は65kgから70kgでの試合主体になってから、中島弘貴、ベイノア、緑川創、喜多村誠、日菜太らを撃破。今や70kgでも対戦相手選びが難航する境地に至っている。
今回の相手・モハン・ドラゴンはネパール出身で、17年のKrushでの塚越仁志との死闘や、同年のK-1初代ウェルター級王座決定トーナメントでの久保優太との決勝などでの不屈のファイトの印象が強い。19年12月にはBigbangウェルター級王座を獲得。3月で44歳になり、近年は試合ペースが減っている。そのため、海外の強豪との試合を見据える海人は公式インタビューで「この程度の選手では全く相手にならないというのを証明します」と豪語していたが、差を示すことに。
1R、サウスポーのモハンに対し、長身の海人がオーソドックスに構え圧力をじわじわをかけ、右フック、ストレートを随所でヒットし主導権。中盤からは右ロー、カーフキックも増やす。モハンも左フックを時折返し会場をどよめかせるが、海人はかわしたりブロックして対処できている。
2Rも海人が攻勢を維持。インローで時折スリップさせ、ボディ狙いのパンチ、膝も増やし、終盤にはノーガードで挑発する場面も。モハンも雄たけびを上げ、必死でパンチを振るうが流れは変わらない。
3Rも海人が前に出てパンチ、膝を何発も当てて圧倒する。モハンも必死に耐え、右フックで海人をロープの隙間に吹き飛ばし、試合を盛り上げるが、最後は海人がパンチと膝のラッシュで追い詰め、右ストレートでダウンを奪い、点差を広げ判定勝ちした。
マイクを持った海人は「REBELSのリングでも言わせてもらいましたけど、あえてシュートボクシングのリングでも言わせていただきます。これから世界の強豪と70kgで殴り合っていく覚悟を決めました。世界に向けて戦っていくので、皆さん、力をください。僕についてきて下さい。一緒に戦ってください」とアピールした。70kgはかつてS-cupトーナメントでアンディ・サワー、緒形健一、宍戸大樹らがしのぎを削ったSB黄金の階級。コロナ禍の影響で海外勢の招へいが今は困難だが、正常化すれば海人を軸に再び盛り上がりを見せることだろう。
笠原友希、DEEP☆KICK王者の宮崎就斗を撃破
第6試合 セミファイナル 58kg契約 3分3R(無制限延長R)
○笠原友希(シーザージム/SB日本フェザー級(57.5kg)王者)
×宮崎就斗(TARGET/RISEフェザー級(57.5kg)5位、DEEP☆KICK 57.5kg王者)
判定3-0 (和田29-27/若林30-28/津山30-28)
1R、お互いサウスポーに構え、友希がプレッシャーをかけ、宮﨑がすり足で回る構図。なかなか攻めにくそうな友希だったが、終盤には左ストレート、膝のヒットをやや増やし、ジャッジ1者から支持される。
2R、お互いじわじわと攻撃を増やし、宮﨑も圧をかけて来るが、友希が終了間際、パンチと膝の数を増やすと、止まった宮﨑に膝を連打しダウンを奪う。
3R、宮﨑も必死にパンチやローや左ハイを返し、友希も体力を消耗しスリップする場面も目立つが、終了間際には左ハイ等を返して巻き返し終了。なんとか逃げ切る形で友希が判定勝ちした。
MISAKI「RENA選手のSBラストマッチで対戦させてもらえるぐらい、強くなります」
第2試合 エキシビションマッチ 2分2R
―MISAKI(TEAM FOREST/SB日本女子ミニマム級(48kg)1位、元J-GIRLSミニフライ級王者)
―寺山日葵(TEAM TEPPEN/RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020(47.6kg)優勝、RISE QUEENミニフライ級(49kg)王者、J-GIRLSミニフライ級王者)
MISAKIの相手が決まらず、大会前日に急遽決まったエキシビションマッチ。両者は過去3度対戦し1勝1敗1分の五分だ。エキシでは寺山がSBルールで有効な投げを狙う場面も。寺山が蹴り主体でテクニシャンぶりを発揮し、MISAKIがパンチ主体で応戦し、どちらも試合さながらのスピードのある動きで観客を楽しませた。
MISAKIは「相手選手の予定がつかず、エキシビションマッチになってしまい、名前のあるRISE QUEENの寺山選手にわざわざ来てもらい、ありがとうございました。(コロナの)こんな状況で、なかなか試合できず申し訳なく思っています」と、涙を浮かべながらファンに詫びた後、「今年3度目の正直でSBのベルトを絶対に取りたいと思います。その後は(近いうちの引退を表明している)RENA選手のSBラストマッチで対戦させてもらえるぐらい、強くなります。体重は何kgでも構いません」とアピールした。
村田聖明はKO勝ち。手塚翔太は初のタイ人相手で白星
第5試合 64kg契約 3分3R(無制限延長R)
○村田聖明(シーザージム/SB日本ライト級(62.5kg)2位)
×長谷川佑也(TEAM FOREST)
2R 2’59” KO (左フック)
SB日本スーパーライト級6位のYUSHIの欠場で、同門でノーランカーの長谷川が緊急出場。1R、実績で勝る村田が、左ジャブのフェイントを駆使しつつ、右ストレート、アッパー、左右のフックを何発も当てて圧倒する。
2Rも村田がパンチで攻め続け、終盤、左ボディの連打を決めてから、顔面パンチと膝のラッシュでスタンディングダウンを奪う。長谷川は立つと、パンチの打ち合いで大逆転を狙って会場は大きな拍手に包まれるが、最後は村田が左フックでマットを沈めた。
第4試合 58kg契約 3分3R(無制限延長R)
○手塚翔太(Sublime guys・GONG-GYM坂戸/SB日本フェザー級(57.5kg)1位)
×ガオパヤック・ワイズディー(タイ/Y’ZD GYM)
判定3-0 (津山29-28/大村29-28/若林30-28)
手塚は昨年11月のフェザー級王座決定戦で笠原友希に敗れて以来の試合。今回はプロ14戦目・19歳で初のタイ人との戦いだ。ガオパヤックは103戦51勝(34KO)47敗5分とタイ人にしてはKO率の高い23歳。
1R、サウスポーのガオパヤックはスピードのある左フック主体で、組めば膝を当てる。手塚は右のカーフキックをインローの要領で当てつつ、組めば右膝を返し、終盤には右ハイもクリーンヒットし好印象を残す。
2R、首相撲の展開で、手塚が右膝を当てた後、右ボディフックも効かせると、前方への投げでシュートポイント1を獲得する。手塚はその後も右アッパー、右ハイも当ててガオパヤックを苦しめる。
3R、お互い近距離でのパンチと膝で削り合う展開。中盤までガオパヤックが左フックを強打しやや優位だったが、終盤は手塚が右ミドル含め攻撃を増やし終了。判定の結果、手塚がシュートポイント1の差で3票を獲得し勝利した。
第3試合 80kg契約 3分3R(無制限延長R)
○坂本優起(シーザージム/SB日本ヘビー級2位、元SB日本スーパーウェルター級(70kg)王者)
×チャン(MONSTER GYM)
判定3-0 (判定30-29/30-29/30-29)
第1試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(無制限延長R)
×山田彪太朗(シーザージム/SB日本5位)
○翔[かける](GREED GYM)
判定0-2 (28-29/28-28/28-29)
※3R右フックで山田に1ダウン