UFC 10.6 メルボルン:イズラエル・アデサニヤ、ロバート・ウィテカーを粉砕。MMA 18戦全勝でUFCの頂点に
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UFC 243: Whittaker vs. Adesanya
2019年10月6日(日)オーストラリア・メルボルン:マーベル・スタジアム
レポート:井原芳徳 photos by Jeff Bottari/Zuffa LLC/UFC
第11試合 メインイベント UCミドル級王座統一戦 5分5R
×ロバート・ウィテカー(王者)
○イズラエル・アデサニヤ(暫定王者)
2R 3’33” KO (左フック)
※アデサニヤが正王者に
ウィテカーはニュージーランド生まれで、オーストラリア人初のUFC王者。現在28歳。17年7月にヨエル・ロメロに判定勝ちし暫定王者になり、同年12月にジョルジュ・サンピエールの王座返上により正式な王者に認定された。昨年6月、ロメロと再び王座戦が組まれたが、ロメロの計量オーバーでノンタイトル戦に変わり、ウィテカーが判定勝ちしている。今年2月にケルヴィン・ガステラムとの防衛戦を予定していたが、ヘルニアにより直前に試合が中止となっていた。14年6月以来5年以上負け無し、9連勝中だ。
対するアデサニヤはナイジェリア生まれの30歳。13歳にニュージーランドに移住し、12年にMMAデビューし17戦全勝。18年2月にUFCに初参戦し6連勝。デレク・ブランソン、アンデウソン・シウバを下し、4月のガステラムとの暫定王座決定戦で判定勝ちした。オセアニアのトップ選手同士のチャンピオンシップに、5万人以上の観衆が歓声を送る。下馬評ではアデサニヤが上だ。

MELBOURNE, AUSTRALIA – OCTOBER 06: (L-R) Israel Adesanya of Nigeria punches Robert Whittaker of New Zealand in their UFC middleweight championship fight during the UFC 243 event at Marvel Stadium on October 06, 2019 in Melbourne, Australia. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)
1R、ウィテカーが長身のアデサニヤに、時折一気に飛び込んで、パンチを振るう展開が続く。ウィテカーは左足での関節蹴りも織り交ぜる。アデザニヤはジャブを突いて距離を取り、ウィテカーのパンチを軽快にかわす。少し被弾はするがダメージは小さい。3分半過ぎ、アデザニヤは伸びのある左ハイを連続で放つが、ウィテカーはブロックする。すると終了間際、ウィテカーの左右のパンチをかわした後、アデサニヤが右フックを2連続で当てると、ウィテカーは真後ろにダウンするが、終了のブザーに救われる。アデサニヤがポイントを取る。

MELBOURNE, AUSTRALIA – OCTOBER 06: Israel Adesanya of Nigeria drops Robert Whittaker of New Zealand at the end of the first round in their UFC middleweight championship fight during the UFC 243 event at Marvel Stadium on October 06, 2019 in Melbourne, Australia. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)
2R、ウィテカーは変わらずパンチを振るうが、アデサニヤは軽々かわし、右ハイを当てる。ウィテカーは鼻の横をカットしている。それでもウィテカーは前に出て、右ストレート、左ハイを連続で当てる場面もあるが、与えるダメージは小さい。すると3分半ごろ、ウィテカーが左ジャブを当ててから右フックを振るうと、アデサニヤはスウェーし、背中を反った不安定な体勢から右と左のフックを連続でクリーンヒット。ウィテカーは真後ろに倒れ、アデサニヤがパウンドで追撃しかけたところでレフェリーがストップした。

MELBOURNE, AUSTRALIA – OCTOBER 06: Israel Adesanya of Nigeria celebrates after his knockout victory over Robert Whittaker of New Zealand in their UFC middleweight championship fight during the UFC 243 event at Marvel Stadium on October 06, 2019 in Melbourne, Australia. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)
◆アデサニヤの試合後コメント(提供:UFC日本広報)
「俺は象みたいに記憶力がいいのさ。すべて覚えている。あそこで鼻血を吹いて、今日はここで鼻血を吹かせた。彼は予想していたことをすべてやってきた。こっちはプランAからプランZまですべて練っていたのさ。現実じゃないみたいだ。俺にはノックアウトパワーがないと言われたけどな。一発いいのを食らったけど、お返ししてやった。まともに受けたけど、倍返しだ。2発くれてやったぜ。受けても反撃する。彼は正しいよ、俺は受けるのが嫌いだ。打撃を食らうなんてアホだろ。俺はタフでスマートなんだ。結局のところ、俺のチームと俺がスマートだったってこと。次が誰かは分かるだろ。今度の相手はリッキー・マーティンの大ファンさ。ボハシーニャ(パウロ・コスタ)。ここは俺のオクタゴンだ。あいつをたたきのめしてやる。ヤツの顔を手直ししてやりたいのさ」
第10試合 セミメインイベント ライト級 5分3R
×アル・アイアキンタ
○ダニエル・フッカー
判定0-3 (27-30/27-30/26-30)

MELBOURNE, AUSTRALIA – OCTOBER 06: (L-R) Dan Hooker of New Zealand punches Al Iaquinta in their lightweight fight during the UFC 243 event at Marvel Stadium on October 06, 2019 in Melbourne, Australia. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)
隣国ニュージーランド出身で15位のフッカーが、6位のアイアキンタに挑む構図。1R、フッカーがカーフキックを効かせると、アイアキンタが蹴り足をすくってタックルを仕掛けるが、フッカーが切って肘とパウンドを連打してから、バックマウントを奪う。終盤、スタンドに戻ってからもフッカーがカーフキックを効かせる。
2Rもフッカーがカーフを効かせ、アイアキンタのパンチをかわし、タックルを切り、終盤には右フックでダウンを奪う。アイアキンタは下から足関を狙うが、フッカーは難なく防御する。
3R、フッカーが前進するアイアキンタに左ジャブを当て続け、フッカーを翻弄。フッカーが3Rとも取り完勝した。
第9試合 ヘビー級 5分3R
×タイ・トゥイバサ
○セルゲイ・スピバック
2R 3’14” 肩固め
第8試合 ウェルター級 5分3R
×ルーク・ジュモー
○ディエゴ・リマ
判定1-2 (28-29/29-28/28-29)
第7試合 ヘビー級 5分3R
×ジャスティン・タファ
○ヨルガン・デ・カストロ
1R 2’10” KO
第6試合 ウェルター級 5分3R
○ジェイク・マシューズ
×ロスタム・アクマン
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
第5試合 ウェルター級 5分3R
○キャラン・ポッター
×マキ・ピトーロ
判定3-0 (29-28/29-28/29-28)
第4試合 ライト級 5分3R
○ブラッド・リデル
×ジェイミー・ムラーキー
判定3-0 (29-27/30-26/30-26)
第3試合 女子フェザー級 5分3R
○ミーガン・アンダーソン
×ザラ・フェイリン
1R 3’57” 三角絞め
第2試合 女子フライ級 5分3R
×ナディア・カセム
○キム・ジヨン
2R 4’59” TKO
※キムは計量2ポンドオーバー
第1試合 バンタム級 5分3R
○カリッド・タハ
×ブルーノ・シウバ
3R 3(00″ 肩固め
※タハは計量1ポンドオーバー