パンクラス 9.29 新木場スタジオコースト:サドゥロエフ・ソリホン、粕谷優介を粉砕しライト級暫定王者に。ドゥトロ、藤野恵実、田村一聖ら勝利
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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2019年9月29日(日)新木場スタジオコースト
レポート:井原芳徳
第10試合 メインイベント パンクラス・ライト級暫定王座決定戦 5分5R
○サドゥロエフ・ソリホン(タジキスタン/ロシアパンクラチオン・ハバロフスク/2位)
×粕谷優介(総合格闘技道場CROWN/6位)
2R 0’37” TKO (レフェリーストップ:右フックと右膝蹴りの連打)
※サドゥロエフが暫定王者に
王者・久米鷹介は4月にトム・サントスに一本勝ちし2度目の防衛に成功している。次の防衛まで1年猶予があるが、パンクラスと提携するONE Championshipの10月13日の両国大会に参戦するのに伴い、暫定王座決定戦が組まれた。
サドゥロエフは昨年11月にパンクラスに初参戦し、2Rにアキラを右のバック肘でマットに沈めた。3月の試合では1Rにパンチで上迫博仁を追い詰めるも、試合前に胸骨を痛めていたことも影響し、2R開始すぐに上迫の右のカーフキックをもらった後に倒れて動けなくなりTKO負けしている。MMA戦績は17戦10勝5敗2分。Tapologyのデータベースには11戦が載っており、パンクラスの2試合以外、ほとんどが1R決着だ。
粕谷は2011年の修斗新人王で、香港のLEGEND FC、グアムのPXCでの勝利を経て、15~16年にUFCに参戦したが2連敗。17年からパンクラスに上がるが、松嶋こよみとISAOに判定負け。怪我の療養等を経て、今年4月大会でパンクラスに久々に登場すると、プロ4戦全勝の菊入正行に1R TKO勝ちし、復活の狼煙をあげた。早速大きなチャンスが巡って来たが、サドゥロエフの壁は高かった。
1R、粕谷がサウスポー、サドゥロエフがオーソドックスに構え、粕谷がタックルを仕掛けるが、サドゥロエフは切る。サドゥロエフは首を抱えながら左膝を当てると、ローブローとなり一時中断する。離れた状態で試合再開する。しばらく蹴りの応酬が続き、粕谷がパンチの連打で詰めて来るが、サドゥロエフは隙を突いて組み付いてテイクダウンを奪う。サドゥロエフは腰を上げて重みのある右のパウンドを当てる。中盤、スタンドに戻り、粕谷が左ミドルを強打し、サドゥロエフも右ローを返す。終了間際、粕谷が詰めて右ボディを当ててから、顔面へのパンチを連打するが、またもサドゥロエフは組み付いて、倒したところで時間切れに。記者採点もジャッジもサドゥロエフ。
すると2R、早々に結末が訪れる。粕谷の左ストレートにサドゥロエフが右ストレートを合わせると、粕谷が後退。サドゥロエフは詰め、右のフックをクリーンヒットしてひるませると、首相撲から右膝を当て、亀になった粕谷にパウンドをまとめようとしたところで梅木レフェリーがストップした。
第9試合 セミファイナル フライ級 5分3R
×小川 徹(TRIBE TOKYO M.M.A/1位)
○ライリー・ドゥトロ(米国/I&Iトレーニング・センター/元PXC王者)
1R 4’33” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、時折スイッチするドゥトロに対し、小川はサウスポーからの左ロー、ストレートを当て、順調な滑り出し。だが1分過ぎ、両者サウスポーの状態で、ドゥトロの左フックで小川がダウンする。小川はすぐ立つが、ドゥトロがパンチ等でラッシュ。首相撲からの膝の連打、右ストレートの連打でも苦しめる。中盤、ドゥトロは上になり、パウンドを連打する。小川は脱出するがドゥトロは追いかけ、パンチと膝を当て続ける。小川もカウンターの右ストレートを当てる場面があったが、ドゥトロの勢いは止まらず。終盤、小川が右のパンチを振るって詰めると、ドゥトロが右フックを当てて小川をダウンさせ、鉄槌を連打したところで梅田レフェリーがストップした。
ドゥトロは修斗で中村優作、田丸匠をKOし、3月のパンクラス初戦では翔兵に判定負けしたが、今回は持ち味を発揮し快勝。一気にフライ級王座挑戦圏に入った。現在、王者は仙三で、翔兵は暫定王者で、ドゥトロはこれで1位に入る。
第8試合 パンクラス女子ストロー級暫定王者決定トーナメント準決勝 5分3R
○藤野恵実(FIGHT FARM/1位)
×エジナ・トラキナス(ブラジル/ホシャ・トップ・チーム)
2R 0’00” TKO (ドクターストップ:右手首骨折の疑い)
1R、藤野が開始すぐから前に出てパンチを振るい、圧力をかけ続け、時折組み付いて金網に押し込む。中盤、藤野が足元へのタックルでテイクダウンに成功し、金網際でトップキープする。トラキナスは背中をマットにつけず、金網を背にして立つが、藤野が金網に押し込み続ける。4分過ぎ、トラキナスは突き放して右フックを当てる。藤野はその後も圧をかけ続け、随所で右フックを当てる。トラキナスもパンチを振り回して抵抗していたが、当て所のわるい一発があったか?終了間際に右手を痛めて苦痛の表情を浮かべる。骨折の疑いがあり、2R開始時、トラキナスにドクターストップがかかり、藤野の勝利となった。藤野は5万円の国際戦WINボーナスを獲得している。
第7試合 パンクラス女子ストロー級暫定王者決定トーナメント準決勝 5分3R
―法 DATE(Team DATE)
―チャン・ヒョンジ[Jang Hyun ji](韓国/THE SSEJIN)
中止
※法は最終計量54.65kgで52.2kgのリミットを2.45kgオーバー。規定により2.2kg(5ポンド相当)を超えるオーバーは失格。チャンが12月8日大会の決勝戦で藤野と対戦
第6試合 フェザー級 5分3R
○田村一聖(KRAZY BEE/8位、元王者)
×杉山和史(TURNING POINT MMA/HF/11位)
1R 1’25” KO (右フック)
1R、サウスポーの杉山に対し、田村がオーソドックスに構えてガードを低くし誘い、細かく出入りしつつ回る。すると田村が距離を一気に詰めて右、左とフックを連続でヒットする。さらに右インローでひるませると、左右のストレートとフックを3連続でクリーンヒットし、最後は右フックでマットに沈めた。
第5試合 ライト級(キャッチウェイト) 5分3R
×トム・サントス(ブラジル/チーム・ブラジリアン・タイ/5位)
○雑賀 ヤン坊 達也(総合格闘技道場DOBUITA)
1R 4’17” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※サントスは最終計量71.75kgで70.3kgのリミットを1.45kgオーバー。雑賀が承諾し試合を実施
雑賀は29歳。17年にFighting NEXUSでプロデビューし、4勝1敗の好戦績を残し、7月大会でパンクラスに初参戦。小林裕に1R KO勝ち。早速上位ランカーとの試合が組まれ、しっかり結果を出す。
1R、序盤から長身の雑賀が、カウンターで伸びのある右ストレートを当てる。お互い慎重にパンチを狙い、サントスは次第に左インローを当て始めると、雑賀も左ミドルを返し、右のカーフキックも当てる。3分過ぎ、サントスの右フックで雑賀がふらつき、サントスは詰めてパンチラッシュを仕掛けるが、雑賀が金網を背にしながら右ストレートを返すと命中し、サントスがダウンする。雑賀は上からパウンドラッシュで追い詰め、サイドを奪うが、自らスタンドに戻す。サントスがじりじり詰めて来るが、雑賀は左ジャブからの右ストレートをクリーンヒットし、ダウンしたサントスにパウンドをラッシュしたところで芹沢レフェリーがストップした。雑賀は15万円の国際戦WINボーナスを獲得し、ランキング3位に入った。
第5試合の後、砂辺光久(reversaL Gym OKINAWA CROSS×LINE/元ストロー級、スーパーフライ級、フライ級王者)のパンクラス殿堂入りの表彰が行われた。砂辺は殿堂入り第1号選手で「3つ初代のチャンピオンになることができました。初代に縁を感じ、この賞を受け取ることにしました」と話し、「現役中にこれをもらっているので、絶対辞めません。“パンクラス王”になるため、新たな動きをします。来年(7月19日)パンクラスの沖縄大会(会場はミュージックタウン音市場)をすることにしました。地方でチャンスを与えられる場にし、パンクラスを沖縄から盛り上げます。沖縄はこの時期は梅雨明けしているので、ぜひ来てください」とアピールした。
第4試合 女子フライ級 5分3R
○マイラ・カントゥアリア(ブラジル/ニュー・レベル・アカデミー/1位)
×端 貴代(和術慧舟會AKZA/2位、元DEEP JEWELSバンタム級王者、元スマックガール・ミドル級(58kg)王者)
判定3-0 (山崎30-27/荒牧29-28/太田30-27)
1R、カントゥアリアが序盤からテイクダウンを奪い、下から端が腕十字を仕掛けるが、カントゥアリアは防御する。スタンドに戻り、お見合いが続き、最後は端が押し込むが、カントゥアリアは金網を背にして耐える。ジャッジ3名ともカントゥアリアを支持する。
2Rもカントゥアリアがテイクダウンを奪うが、1分足らずでスタンドに戻る。終盤、クリンチの展開で、カントゥアリアが膝を連打し、好印象を残す。ジャッジ3名ともカントゥアリアを支持する。
3R、端が圧力を強めるが、カントゥアリアは広いケージの中で距離を取ってかわす。中盤、端が押し込んで倒すが、カントゥアリアはギロチンで迎撃して追い詰める。端はギロチンを外し、マウントを奪い、パウンドを落とそうとするが、そのタイミングでカントゥアリアは引っ繰り返し、最後はスタンドで組み付いて終える。3Rのジャッジは意外にも割れたが、2Rまで点差をつけており、カントゥアリアの完勝に終わった。
第3試合 ライト級 5分3R
×冨樫健一郎(パラエストラ広島/3位)
○林 源平(和術慧舟會Iggy Hands Gym)
判定1-2 (山崎28-29/荒牧28-29/太田29-28)
ストライカー対決は両者の持ち味の生きる好勝負に。1R、オーソドックスに構える林が、サウスポーの冨樫に対し、右ミドル、ロー、ハイを積極的にヒットする。冨樫はカウンターで細かくパンチを当てており、林は右まぶたをカットする。ジャッジ3者とも冨樫を支持する。
2R、序盤から冨樫が左ストレートをクリーンヒットし、林の腰が落ちる。その後も冨樫がパンチを当て続けるが、中盤、今度は林が右ストレートを当てて、冨樫をダウンさせる。林は左手でクリンチしながら右のパンチを連打し、冨樫を追い詰める。冨樫も打ち合いで細かくパンチを返すが、終盤、林が右ハイ、テンカオの連打からのパンチラッシュで林にさらにダメージを与える。ジャッジ3者とも林を支持する。
3Rは1Rと同じような構図に戻るが、林の積極性が上回り、時折詰めてパンチの連打をまとめる。最後は高山善廣 vs. ドン・フライのような片手で首をつかみ合っての殴り合いで終了。最後は手数で勝った林が2票取り、林の判定勝ちとなった。林はこれでランキング2位に一気に上がった。
第2試合 ストロー級 5分3R
○宮澤雄大(K-PLACE/6位)
×佑勢乃花(フリー)
判定3-0 (山崎29-28/大藪29-28/太田29-28)
第1試合 フェザー級 3分3R
×近藤孝太(ハイブリッドレスリング山田道場)
○小森真誉(GRABAKA)
判定0-3 (山崎27-30/大藪27-30/太田27-30)
◆プレリミナリーファイト
第8試合 第25回ネオブラッドトーナメント・フェザー級決勝 3分3R
○名田英平(総合格闘技道場コブラ会)
×葛西和希(マッハ道場)
判定2-1 (荒牧28-29/大藪29-28/太田29-28)
※名田が優勝
第7試合 第25回ネオブラッドトーナメント・バンタム級決勝 3分3R
○平岡将英(KRAZY BEE)
×上野惇平(ハイブリッドレスリング八戸)
判定3-0 (荒牧30-27/大藪30-27/太田30-27)
※平岡が優勝
第6試合 第25回ネオブラッドトーナメント・フライ級決勝 3分3R
×赤崎清志朗(香取道場)
○猿飛流(リバーサルジム川口REDIPS)
2R 1’50” 裸絞め
※猿飛流が優勝
第5試合 第25回ネオブラッドトーナメント・ストロー級決勝 3分3R
○尾﨑龍紀(総合格闘技道場コブラ会)
×御代川敏志(パラエストラ八王子)
判定3-0 (荒牧29-28/大藪29-28/山崎30-27)
※尾﨑が優勝
第4試合 ライト級 3分3R
○山本雄希(Y&K MMA)
×魔破DATE(Team DATE)
判定3-0 (荒牧30-27/太田30-27/山崎30-27)
第3試合 フェザー級 3分3R
×齋藤拓矢(ALLIANCE)
○松井幸太(東京イエローマンズキュート)
判定0-3 (荒牧28-29/太田28-29/山崎28-29)
第2試合 バンタム級 3分3R
×山本敦章(パラエストラ千葉)
○関原 翔(リバーサル東京スタンドアウト)
判定0-3 (大藪27-30/太田27-30/山崎28-29)
第1試合 フライ級 3分3R
○聡-S DATE(Team DATE)
×池田一歩(Brave Heart)
2R 1’27” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)