新極真会 7.19 代々木第二(レポ):第2回KCC 女子は鈴木未紘が2連覇、10大会連続優勝。男子は昨年全日本覇者のカザフスタン人アンジェイ・キンザースキーが優勝

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全世界空手道連盟 新極真会(緑健児代表)「令和6年能登半島地震復興支援チャリティ 第2回空手チャンピオン・オブ・チャンピオンズ」
2026年7月19日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館
レポート&写真:井原芳徳
新極真会主催の「空手チャンピオン・オブ・チャンピオンズ」(略称KCC)は男女各8選手による体重無差別ワンデートーナメントで、2024年7月に代々木競技場第二体育館で初開催され、男子は岡田侑己、女子は鈴木未紘が優勝し、優勝賞金1千万円を両者獲得した。
KCCは2年に1度の開催で、2日かけて行われる世界大会や全日本大会に比べ少数精鋭で、比較的ダメージが少ない状態で決勝まで進めるのが特徴。レーザー光線やスモークといったプロの格闘技興行のような演出も施される。隣の代々木第一体育館では18日と19日の2日間、24か国から4千人以上が参加する「カラテドリームフェスティバル2026」が開催された。KCCの観客の大半はドリームフェスの出場選手で、客席の子供達の比率の高さも特徴で、空手を習う子供達にも夢を与えることも大会の狙いの一つとなっている。
賞金は優勝1000万円、準優勝200万円、3位(2名)30万円、出場報酬30万円で、男女合わせ賞金総額は3000万円。
試合時間は男子が本戦3分・延長戦2分、女子が本戦2分・延長戦2分。準決勝と決勝は最終延長戦2分が設けられる。判定は主審を含めた審判5人によって行われる。
男子:昨年全日本覇者のカザフスタン人アンジェイ・キンザースキーが優勝
男子は第1回優勝の岡田侑己、準優勝のエヴェンタス・グザウスカス、昨年10月の全日本大会で外国人初の優勝を成し遂げたアンジェイ・キンザースキーらが参戦した。今年2月、出場7選手が発表され、その後、今年5月の全ヨーロッパ大会重量級で優勝したマシエ・マズール、同月のJFKO全日本フルコンタクト空手道選手権大会重量級で優勝した遠田竜司が加わった。
今回のトーナメントは追加のマズールと遠田が一回戦で激突し、他の7選手は2回戦から登場する。マズール×遠田の勝者は二回戦でキンザースキーと戦うことになる。
キンザースキーと同じブロックには、第1回KCC一回戦でキンザースキーを下したグザウスカスがいる。グザウスカスは昨年10月の全日本大会準決勝で勝った渡辺優作と二回戦で当たる。反対ブロックにはキンザースキーと同門のアントン・ジマレフもエントリーし、初戦では渡辺優作の弟・和志と対戦する。
一回戦(1)
○遠田竜司(東京江戸川支部/2026 JFKO重量級優勝、2025全日本4位、2024全日本準優勝、2023世界7位)
×マシエ・マズール[Maciej Mazur](ポーランド/2026全ヨーロッパ重量級優勝、2022世界重量級準優勝、2019世界準優勝)
本戦5-0
遠田は23年の世界大会の3回戦でマズールに本戦判定勝ちしている。
遠田が序盤から左右のローを内、外に何発も当てて先手を取る。全ヨーロッパ重量級を制して参戦したマズールだが、受けに回る時間が長く、膝や突きを出すものの力強さが乏しく精彩に欠く。終盤、遠田がギアを上げ、突きの連打でマズールを下がらせ、左ハイも当てて印象を作り、本戦で初戦を制した。
二回戦(1)
○エヴェンタス・グザウスカス[Eventas Guzauskas](リトアニア/2025 WFKO重量級3位、2024 KCC準優勝、2022世界重量級優勝、2019世界6位)
×渡辺優作(世田谷・杉並支部/2025全日本3位、2024全日本6位、2024 KCC 3位、2023世界8位、2023 JFKO重量級優勝)
延長4-1 本戦1-0
グザウスカスは優作に過去2戦2勝している。
優作が随所で左のボディ狙いの突きを強打するが、グザウスカスも負けじと膝、ローを返し、五分に近い状態をキープし延長へ。
延長、お互い消耗が激しく、優作も果敢に攻めるが、グザウスカスが途中休みながらも膝や三日月蹴りをまとめて攻撃し、優作を後退させて印象を作る。意外にも審判の1者は優作に入れたが、4者は順当にグザウスカスを支持し、グザウスカスが初戦を突破した。
二回戦(2)
×遠田竜司(東京江戸川支部/2026 JFKO重量級優勝、2025全日本4位、2024全日本準優勝、2023世界7位)
○アンジェイ・キンザースキー[Anjey Kinzerskiy](カザフスタン/2025全日本優勝、2024全アジアフルコン軽重量級優勝、2023 KWU(極真世界連合)世界大会優勝)
本戦0-5
遠田がサウスポーのキンザースキーの左ローのタイミングで右インローを序盤から繰り返し当て、ロー主体の攻めで中盤までまずまずの試合運びを繰り広げる。だが終盤、キンザースキーはギアを上げ、左右の膝をボディに休まず当て続ける。遠田は掴んでしまい注意を受け、攻撃を返せなくなり終了。終わってみればキンザースキーの完勝だった。
二回戦(3)
×渡辺和志(世田谷・杉並支部/2025全日本準優勝、2025 WFKO軽重量級優勝、2024 JFKO軽重量級準優勝)
○アントン・ジマレフ[Anton Zimarev](カザフスタン/2025 WFKO中量級優勝、2023世界4位)
本戦0-5
和志が開始から突き主体で積極的に攻めるが、ジマレフは膝、ローを返し、顔面狙いの膝でも脅かす。終盤、ジマレフが突きの連打で優位に進めていると、左の突きが和志の胸元に当たった直後、和志が倒れる。VAR(映像)判定となり、塚越孝行主審は「(ジマレフの)肩が(渡辺の)顔にぶつかっていました」と説明し、反則扱いとなったジマレフに注意が出される。最後の攻防は五分に近い状態で終わり、本戦0-0で延長へ進む。
ところが延長に入った直後、試合がストップする。塚越主審は本部席の緑健児代表の元に行き状況を確認し、試合場に戻ると「先ほどのVAR判定は、自分の聞き違いで、ジマレフ選手の技有りとなります」と訂正し、本戦に遡ってジマレフの勝利に裁定が変わるという、異例の決着となった。
二回戦(4)
○パウリウス・ジマンタス[Paulius Zimantas](リトアニア/2025 WFKO重量級3位、2025 2023全ヨーロッパ重量級優勝)
×岡田侑己(和歌山支部/2025全日本4位、2024全日本3位、2024 KCC優勝、2023世界5位)
本戦 一本
開始すぐ、岡田が右のインローを蹴ると、サウスポーのジマンタスの膝に当たり、足にダメージを負った岡田は倒れ込み、試合続行不可能に。ジマンタスは無傷で一本勝ちとなった。
準決勝(1)
×エヴェンタス・グザウスカス[Eventas Guzauskas](リトアニア/2025 WFKO重量級3位、2024 KCC準優勝、2022世界重量級優勝、2019世界6位)
○アンジェイ・キンザースキー[Anjey Kinzerskiy](カザフスタン/2025全日本優勝、2024全アジアフルコン軽重量級優勝、2023 KWU(極真世界連合)世界大会優勝)
本戦0-4
男子は初戦で日本人が全員敗退し、準決勝は2試合ともリトアニア対カザフスタンの構図となる。第1回KCC一回戦ではグザウスカスがキンザースキーに勝利している。
開始すぐ、グザウスカスが突きの連打で前に出て、キンザースキーが左右の膝で抵抗するが、グザウスカスが左の突きを当てて、キンザースキーがダウンする。主審の塚本徳臣はVAR判定を要請し、のどに当たったとしてグザウスカスに注意が入る。再開後もグザウスカスの顔面殴打で注意が入る。中盤までグザウスカスの突きを多く当てていたが、終盤、キンザースキーがギアを上げ、左右の膝のヒットを増やす。顔面にも膝を当てて好印象を作り、審判5名のうち4名から支持され、キンザースキーが判定勝ち。リベンジを果たすと共に、決勝に進んだ。
準決勝(2)
○アントン・ジマレフ[Anton Zimarev](カザフスタン/2025 WFKO中量級優勝、2023世界4位)
×パウリウス・ジマンタス[Paulius Zimantas](リトアニア/2025 WFKO重量級3位、2025 2023全ヨーロッパ重量級優勝)
本戦 一本
開始すぐから、ジマンタスが突きを何発も当て、ジマレフを下がらせて追い詰める。ジマレフ万事休すかといった雰囲気だったが、中盤からジマレフが次第に突きと膝とローのヒットをじわじわと増やすと、ジマレフが後退するように。すると終盤、ジマンタスが左ローを当てると、ジマンタスは足を痛そうにして背中を向け片足立ちで後退する。審判は一本とみなし、ジマレフの逆転勝ちとなった。
決勝
○アンジェイ・キンザースキー[Anjey Kinzerskiy](カザフスタン/2025全日本優勝、2024全アジアフルコン軽重量級優勝、2023 KWU(極真世界連合)世界大会優勝)
×アントン・ジマレフ[Anton Zimarev](カザフスタン/2025 WFKO中量級優勝、2023世界4位)
本戦5-0
男子決勝はカザフスタン勢対決に。両者初対決だ。普段から共に練習する2人の戦いは、案の定、普段のスパーリングのような軽めの打ち合いとなってしまい、場内はどよめき、笑いも起こってしまい、三好一男主審は一旦ストップして両選手に注意する。一度注意しても変わらず、2度目の注意が入ると、両者ようやく、これまでよりは力強い攻めを見せ、バックスピンキックのような大技も出るように。場内のカザフスタン人の応援団からは「カザフスタン!カザフスタン!」との声援が飛び、両選手の奮起を促す。
すると終盤、キンザースキーが得意の左右の膝蹴りのヒットを増やし、ジマレフはほとんど攻撃を返さなくなり終了。審判5名ともキンザースキーを支持し、キンザースキーが勝利し、昨年の全日本大会に続き日本での大会を制した。
裁定が下されると、両選手ともすぐ抱き合い、勝利者インタビューも一緒に受け、キンザースキーは「兄弟のような仲間と戦うのは一番難しかったです」と素直な心情を述べた。その後、両選手ともカザフスタン人たちから胴上げされ、表彰式でも揃って記念撮影し、喜びを分かち合っていた。
女子:鈴木未紘が2連覇、10大会連続優勝
女子は第1回KCC優勝の鈴木未紘が24年・25年の全日本も制し、25年のWFKO重量級、今年5月のJFKO重量級も制し、絶対女王の地位を維持しており、引き続き鈴木の牙城をライバルたちの誰が崩すかが見どころとなる。
一回戦(1)
×ブリジタ・グスタイタイテ[Brigita Gustaityte](リトアニア/2025 2024全ヨーロッパ重量級優勝、2025 WFKO重量級準優勝、2024 KCC準優勝、2022世界重量級優勝)
○目代結菜(東京城南川崎支部/2026 JFKO軽重量級優勝、2025全日本3位、2025 WFKO軽重量級準優勝、2024 JFKO軽重量級準優勝、2023世界3位、2022世界重量級3位)
本戦0-5
グスタイタイテは第1回KCC準優勝者。両者は第1回の一回戦で対戦し、目代が顔面殴打等の反則が重なり減点1を宣告され判定負けしている。
開始すぐから目代が突きを連打しつつ左の奥足狙いのローにつなげる攻撃を貫く。グスタイタイテも膝や突きを返すものの、攻撃が少ないまま終了。手数で勝った目代がリベンジと初戦突破を果たした。
一回戦(2)
×アネタ・メスカウスキエネ[Aneta Meskauskiene](リトアニア/2025全ヨーロッパ軽重量級優勝、2024 2023同準優勝)
○藤原桃萌[もも](福岡支部/2026 JFKO重量級準優勝、2025全日本準優勝、2025 WFKO重量級3位、2024 KCC準優勝、2024 JFKO重量級準優勝、2023世界4位)
本戦0-4
開始すぐから藤原が突き、蹴りともに積極的に攻める。終盤、藤原は少しずつ攻撃を増やし、特に左インローを強打すると、メスカウスキエネの足が流れるように。メスカウスキエネは攻撃が少ないまま終わり、藤原が本戦で試合を制した。
一回戦(3)
○網川来夢[あみかわ らむ](福岡支部/2026 JFKO軽重量級準優勝、2025全日本4位、2025 WFKO軽重量級優勝、2024 JFKO軽重量級3位、2023世界準優勝)
×アリーナ・オシペンコ[Alina Ossipenko](カザフスタン/2025 WFKO重量級3位)
延長4-1 本戦0-1
サウスポーの網川が積極的に仕掛けるが、オシペンコが随所で右ミドルを強打して印象を作る。終盤の突きの打ち合いは五分で延長へ。

延長も網川の手数が上だが、オシペンコも突きを返しつつ、随所で力強い右のミドルやハイを返し、大差をつけさせない。裁定はバラついたが、4者から支持された網川が初戦を突破した。
一回戦(4)
×リリ・メゾ[Lili Mezo](ハンガリー/2025 2024 2023 2022全ヨーロッパ中量級優勝)
○鈴木未紘[みひろ](厚木・赤羽支部/2026 JFKO重量級優勝、2025全日本優勝、2025 WFKO重量級優勝、2024全日本優勝、2024 KCC優勝、2024 JFKO重量級優勝、2023世界優勝、2022全日本優勝)
本戦0-4
女王・鈴木相手にメゾが序盤から積極的に攻めるが、鈴木も応じて攻撃を返していると、中盤からはほぼ一方的に攻める展開に。鈴木は突きを連打しつつ、そこから左右のロー、膝を自在に散らす。左の奥ローの連打でも印象を作り、危なげなく初戦を突破した。
準決勝(1)
×目代結菜(東京城南川崎支部/2026 JFKO軽重量級優勝、2025全日本3位、2025 WFKO軽重量級準優勝、2024 JFKO軽重量級準優勝、2023世界3位、2022世界重量級3位)
○藤原桃萌[もも](福岡支部/2026 JFKO重量級準優勝、2025全日本準優勝、2025 WFKO重量級3位、2024 KCC準優勝、2024 JFKO重量級準優勝、2023世界4位)
再延長1-4 延長1-0 本戦0-0
準決勝は2試合とも日本勢対決に。目代と藤原は過去1勝1敗の五分だ。目代はサウスポー、藤原はオーソドックスで構え、近距離で終始突きと膝主体でお互い攻めるが、終盤になっても差はほとんど無く延長へ。
延長も同様で、若干積極的な目代が副審1名から支持されるが、決め手にお互い欠け再延長へ。
すると再延長、藤原がギアを上げ、突きと膝のヒットを増やす。目代は下がり気味で攻撃が減ってしまう。副審1名は目代を支持したが、主審含め4名は順当に藤原を支持し、藤原が決勝に進んだ。
準決勝(2)
×網川来夢[あみかわ らむ](福岡支部/2026 JFKO軽重量級準優勝、2025全日本4位、2025 WFKO軽重量級優勝、2024 JFKO軽重量級3位、2023世界準優勝)
○鈴木未紘[みひろ](厚木・赤羽支部/2026 JFKO重量級優勝、2025全日本優勝、2025 WFKO重量級優勝、2024全日本優勝、2024 KCC優勝、2024 JFKO重量級優勝、2023世界優勝、2022全日本優勝)
本戦0-4
鈴木は過去に網川に2戦2勝している。鈴木がサウスポーで構え、スイッチを繰り返す網川に対し、序盤から左右の外・内のローを自在に何発も当てて圧倒する。中盤には左の奥ローも連打する。網川も耐え、突きと膝を返すが、最後まで鈴木は休まずローを的確に当て続け終了。4者から支持され勝利し、決勝に進んだ。
決勝
×藤原桃萌[もも](福岡支部/2026 JFKO重量級準優勝、2025全日本準優勝、2025 WFKO重量級3位、2024 KCC準優勝、2024 JFKO重量級準優勝、2023世界4位)
○鈴木未紘[みひろ](厚木・赤羽支部/2026 JFKO重量級優勝、2025全日本優勝、2025 WFKO重量級優勝、2024全日本優勝、2024 KCC優勝、2024 JFKO重量級優勝、2023世界優勝、2022全日本優勝)
延長0-4 本戦0-1
※鈴木が優勝
両者は過去5度対戦し、鈴木が全勝している。5月のJFKO決勝では本戦5-0で鈴木が勝利している。
今回、本戦はどちらも開始すぐから積極的に攻める。鈴木が突き、膝、ローとバリエーション多く、やや手数多く攻めるものの、藤原もひるまず同様に攻撃を返し、大差をつけさせない。審判の1者が鈴木を支持したが、4者はイーブンとし延長へ。
延長、鈴木が同様に突きと膝を当てつつ、左のローを増やし、手数差を広げる。終盤は攻撃が減るが、藤原も攻撃を返せず終了。審判5名のうち4名が鈴木を支持し、鈴木が勝利し、KCC 2連覇と10大会連続優勝を成し遂げた。
演武
決勝前には島本雄二による試割り、渡邊大士、田中利奈による型演武が披露された。






































