新極真会 7.21 代々木第二(レポ):岡田侑己&鈴木未紘、初の8人1DAYトーナメント「KCC」制し賞金1千万円獲得。緑健児代表「岡田選手は子供達が憧れる選手になる」「鈴木選手は盤石の強さ」「今後も選手ファースト」
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全世界空手道連盟 新極真会「令和6年能登半島地震復興支援チャリティ 第1回 空手 Champion of Champions」
2024年7月21日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館
レポート&写真:井原芳徳
「空手 Champion of Champions(略称:KCC)」は新極真会が新たにスタートする男女各8選手による体重無差別ワンデートーナメントで、2年に1回の開催を予定している。毎年秋の全日本大会、4年に1度の世界大会というサイクルは、フルコンタクト空手団体の伝統的となっているが、そういった大会に比べて少数精鋭なのがKCCの特徴。新極真会の場合、昨年10月の第13回世界大会は男子132名、女子37名がエントリーし、2日かけて開催され、男子は最大8試合、女子は最大6試合を勝たなければ優勝できなかった。例年、勝ち上がる途中のダメージの影響で敗退する強豪選手も少なくない。KCCは男女各8名のため、決勝まで3試合・約2時間半で、比較的ダメージが少ない状態で戦える。
賞金も用意され、優勝1000万円、準優勝200万円、3位(2名)30万円、出場報酬30万円で、男女合わせ賞金総額は3000万円。8選手による1DAYトーナメントという形式もK-1を彷彿とさせ、プロ格闘技を意識した様子が伺える。4月の発表会見で新極真会の緑健児代表も「この大会を開催する目的は2つあります。1つは海外・日本の選手を多くの人に知ってもらい、空手のスター選手を輩出することです。もう一つは厳しい稽古に臨んでいる選手たちに、プロ選手に負けないぐらいの奨学金を、少しでも多くお渡ししたいと思ったからです」と説明していた
キック界でスターになり今やボクシング界でも注目される那須川天心も、ベースはフルコン空手で、中学1年生の時に1度、新極真会の全日本規模の大会に出場している。KCCと同日には「カラテドリームフェスティバル」も東京体育館で開催され、幼児からシニアまで約180階級のトーナメントが行われ、全日本選手権部門の入賞者はKCCに招待される。緑氏は「子供達がKCCを見て感動し、この大会に出たいと思えるような、夢のある大会を育てていきたいです」と4月の会見で話していた。
出場メンバーは昨年の世界大会、今年5月のJFKO全日本大会など、近年の大会の上位勢を中心とする。多数の強豪選手のいるロシアは戦争の影響で昨年の世界大会同様に不参加だ。
日本の男子は世界大会5位の岡田侑己、8位の渡辺優作、JFKO全日本重量級優勝の多田大祐が出場。女子は世界大会優勝者の鈴木未紘(みひろ)、準優勝の網川来夢(らむ)、3位の目代結菜、4位の藤原桃萌(もも)の4強が揃い踏みする。入来建武は昨年の世界大会男子優勝をもって現役を退いたため、次回3年後の世界大会に向け、新勢力がどれだけ台頭するかもKCCの注目点となる。
試合時間は男子が本戦3分・延長戦2分、女子が本戦2分・延長戦2分。準決勝と決勝は最終延長戦2分が設けられる。判定は主審を含めた審判5人によって行われる。試合前には30秒程度の選手紹介VTRが流されてから、各々の入場曲で登場する、プロ大会のようなスタイルが取り入れられた。全日本・世界大会の決勝のように、客席の照明を暗くして試合場に光を当てる演出も施された。男子の優勝が決まった瞬間には金と銀のテープが舞い散った。
男子は岡田侑己がエヴェンタス・グザウスカスを返り討ちにし優勝
一回戦(1)
○エヴェンタス・グザウスカス[Eventas Guzauskas](リトアニア/2022世界重量級優勝、2019世界6位)
×アンジェイ・キンザースキー[Anjey Kinzerskiy](カザフスタン/2023 KWU(極真世界連合)世界大会優勝)
本戦3-1
キンザースキーが中盤までローと膝を随所で的確に当て、若干ながら優位に進めていたが、残り1分を切ると、グザウスカスが随所で突きの連打をまとめて場内を沸かせ、最終的には手数で追い越し終了する。判定は割れたが、過半数の3者がグザウスカスを支持した。
一回戦(2)
○多田大祐(日本/白蓮会館 東大阪南支部/2024 JFKO全日本重量級優勝)
×マシエ・マズール[Maciej Mazur](ポーランド/2022世界重量級準優勝、2019世界準優勝)
本戦5-0
多田が圧力をかけ続け、マズールは下がる状態が続く。やや多田の突きとローの手数が上回る。マズールも強烈な左ミドル、三日月を返して会場をどよめかせる場面もあったが、終盤、多田が手数を上げると、左インローの連打でマズールを下がらせて好印象を作り、文句なしの初戦突破を果たした。
一回戦(3)
×アントン・ジマレフ[Anton Zimarev](カザフスタン/2023世界4位)
○岡田侑己(日本/新極真会 和歌山支部/2023世界5位)
本戦0-4
岡田はローを絡めつつ突きを当てるが、ジマレフも五分で渡り合う。中盤にはバックスピンキックの応酬で沸かせる場面も。終盤、お互いギアを上げての打ち合いで、岡田が若干だが手数で上回って終わる。延長でもいい程度の差にも見えたが、一回戦は本戦で差をつける傾向が強く、審判の判定は0-4で岡田の優勢勝ちとなった。
一回戦(4)
×マレック・ヴォルニー[Marek Wolny](ポーランド/2023欧州軽重量級優勝、2022欧州優勝)
○渡辺優作(日本/新極真会 世田谷・杉並支部/2023世界8位、2023 JFKO全日本重量級優勝)
本戦0-5
長身のヴォルニーが顔面狙いの膝を放つが、渡辺は対処しつつ、突きを随所で返す。中盤から次第に渡辺の左ボディの強打が目立つように。ヴォルニーも胴廻し回転蹴りやハイキックの大技で反撃を狙うが空振りが続く。僅差だがやや優位だった渡辺が0-5で勝利した。
準決勝(1)
○エヴェンタス・グザウスカス[Eventas Guzauskas](リトアニア/2022世界重量級優勝、2019世界6位)
×多田大祐(日本/白蓮会館 東大阪南支部/2024 JFKO全日本重量級優勝)
本戦5-0
接近戦が続き、体格で勝るグザウスカスに対し、多田が執拗に左ローを当てて応戦する。グザウスカスは時折突きの連打をまとめるが、足のダメージや体力消耗もあってか、初戦ほどの勢いは感じられない。ほぼ互角の攻防だったが、終盤、胸をつけての攻防で、グザウスカスが圧力を強めて突きを連打するのに対し、多田が防御のため近づき、つかみで注意を2度取られ、減点1となってしまい、これが災いし判定負けとなった。
準決勝(2)
○岡田侑己(日本/新極真会 和歌山支部/2023世界5位)
×渡辺優作(日本/新極真会 世田谷・杉並支部/2023世界8位、2023 JFKO全日本重量級優勝)
延長5-0 本戦0-0
背の低い渡辺が前に出てパンチを振るうが、岡田は距離を取り、ロー、ミドル、膝蹴り、バックスピンキックを当て、ペースを握る。終盤のお互い手数を上げる状況でも、パンチを振るう渡辺に対し、岡田が膝を度々当てて主導権を維持する。審判は5名ともイーブンで延長に進んだが、岡田優勢な状態はより明確になる。岡田が膝を当てていると、終盤の渡辺はほとんど攻撃を出せなくなり、最後は岡田が渡辺を場外ギリギリまで後退させ、膝やハイを度々当てて、残心のポーズを繰り返して差を印象付け終了。ようやく審判も5名とも岡田を支持し岡田の勝利となった。
決勝
×エヴェンタス・グザウスカス[Eventas Guzauskas](リトアニア/2022世界重量級優勝、2019世界6位)
○岡田侑己(日本/新極真会 和歌山支部/2023世界5位)
本戦0-3
※岡田が優勝
両者は昨年10月の世界大会の4回戦で当たっており、ゼッケン1番の優勝有力候補・グザウスカスを岡田が本戦0-4で下し、波乱を起こしていた。今回も岡田が返り討ちを果たすことに。
開始すぐ、グザウスカスが前に出て突きを連打すると、岡田は押される形ながらもスリップしてしまう。その後もグザウスカスの右の突きがアゴにあたり、一時中断し、グザウスカスに注意が出される。岡田は苦しい状態ながら、声援に後押しされるように立ち上がると、場内は拍手が巻き起こる。
再開後、余力のあるグザウスカスが手数多く攻め、このまま押し切るかという雰囲気だったが、終盤に少し勢いが落ちると、逆に岡田が手数を上げ、準決勝同様に膝蹴りや回転系の技も絡め攻め続ける。逆にグザウスカスはほとんど攻撃が返せなくなってしまい終了。審判はギリギリ過半数の3名が岡田を支持し、岡田の優勢勝ち、優勝となった。
岡田侑己「体が動くままに流れに任せた」「苦しい時は楽しいことを思い出してよく笑う」
優勝者インタビューで岡田は「皆さんの応援のおかげで勝つことができました。鈴木未紘選手みたいに上手に話せないですけど、皆さんありがとうございました。押忍」とシンプルに感謝の言葉を述べた。
バックステージでのインタビューで岡田は「絶対日本の王座を死守しなければならないですし、第1回で日本人が優勝して伝統を継承していく形を実現できて良かったです」とまず語った。各試合については「初戦は相手が強かったのでガチガチで、JFKOとかと比べると少し動きが重い感じがあったんですけど、外人さん相手にパワーをつける練習をしていたので、それが実ってよかったと思います。渡辺選手は僕より実績があるので、胸を借りて全力でという感じでやらせていただきました。渡辺選手は相手の懐に踏み込むスピードが速かったので、自分も見習って、さらに磨きをかけていきたいなと思います。後ろ蹴りが入り始めたところで少し手応えを感じてきて、延長戦は体が動くままに流れに任せたという感じです。初戦より2回戦の方が動きが良かったので、決勝も勢いがあったと思いました。グザウスカス選手はフィジカルの強さやパンチ力が世界大会と比べものにならないくらい強くて、前半押されるようになったんですけど、皆さんの声援で後半に立て直すことになりました」「1DAYのトーナメントなので、次の日にダメージを持ち越すことがないということで、勢いでやり切れたと思います」と振り返った。
5月のJFKOでは準々決勝で僅差の判定で敗退しており、そこから2か月で立て直しての優勝。「後先を考えずにその日一日を全力で生きることを目標にしました。自分が苦しい時は楽しいことを思い出してよく笑う。皆さんが応援してくれているので、稽古では最後までやり抜く。これを意識して短いスパンでやったからこそできたのかなと思います。逆に半年や一年であれば、そこまで自分のメンタルが持ってなかったと思います」と話した。
今後は「次の10月の全日本にエントリーすることを考えています」と話す岡田。直前にマスコミのインタビューに応じていた緑健児代表が、待機していた岡田に「これからスターだ」と声をかけたように、今度は岡田が追われる立場になる。“スター”の自覚を聞かれた岡田は「実感は全然湧かないんですけど、これからユース世代から一般に出てくる方が、最終的にはKCCで日本人の王者になる伝統を継承してもらいたいなと思いますし、少しでも力添えできたらと思います」とコメント。1千万円の賞金の使い道については「使い道はまだ考えていないです。今回初めて一般の大会で優勝を取れたので、自分の中ではそれだけで十分です」と謙虚に語った。
女子は鈴木未紘が世界大会に続き磐石の優勝
一回戦(1)
○ブリジタ・グスタイタイテ[Brigita Gustaityte](リトアニア/2022世界重量級優勝)
×目代結菜(日本/新極真会 東京城南川崎支部/2024 JFKO全日本軽重量級準優勝、2023世界3位、2022世界重量級3位)
本戦5-0
体格で勝るグスタイタイテに対し、目代が左右に回り込んで相手の圧力を消しながら、細かく突きを連打し、まずまずの滑り出しだったが、右の突きがグスタイタイテの顔面に当たってしまい、一時中断し、注意を受ける。再開後、グスタイタイテが顔面狙いの膝を多用すると、目代は圧に押され、組みがちになり、またも注意を受け累積で減点1を宣告される。終了間際にも目代は相手の喉元に拳を当てて注意を受ける。目代は意図せぬ反則も災いして敗退したが、観客は健闘を称える拍手を送った。
一回戦(2)
×ミリヤム・ビュークルンド[Mirjam Bjorklund](スウェーデン/2022世界軽重量級3位)
○網川来夢[あみかわ らむ](日本/新極真会 福岡支部/2024 JFKO全日本軽重量級3位、2023世界準優勝)
本戦0-5
開始すぐ、ビュークルンドの右の突きが網川のアゴに入りビュークルンドに注意が与えられる。その後も顔面殴打で注意1が入り減点1となる。正味の突きとローの打ち合いでは大差がつかなかったが、減点の影響でビュークルンドは敗れ、網川が準決勝に進んだ。
一回戦(3)
×イヴァンカ・ポポヴァ[Ivanka Popova](ブルガリア/2022世界重量級3位、2022欧州優勝)
○藤原桃萌[もも](日本/新極真会 福岡支部/2024 JFKO全日本重量級準優勝、2023世界4位)
本戦0-3
ポポヴァは左膝蹴り、藤原が右のローを織り交ぜつつ、接近戦での突きの打ち合い主体となる。終盤にお互い手数を上げ、大差は無かったが、やや積極的だった藤原が過半数の3票を獲得し勝利した。
一回戦(4)
×アリーナ・オシペンコ[Alina Ossipenko](カザフスタン)
○鈴木未紘[みひろ](日本/新極真会 厚木・赤羽支部/2024 JFKO全日本重量級優勝、2023世界優勝)
本戦0-4
2003年世界大会優勝の鈴木国博氏の長女で18歳の未紘に対し、オシペンコが中盤まで右の膝蹴りやハイを当て、やや優位に進める。だが大技の当たりは浅めで、未紘は変わらず突きを当てていると、次第にオシペンコの攻撃が減る。終盤はギアを上げた未紘が突きを当て続けて、やや優位で終える。ジャッジもそこを評価し、4者に支持された未紘が初戦を突破した。
準決勝(1)
○ブリジタ・グスタイタイテ[Brigita Gustaityte](リトアニア/2022世界重量級優勝)
×網川来夢[あみかわ らむ](日本/新極真会 福岡支部/2024 JFKO全日本軽重量級3位、2023世界準優勝)
延長5-0 本戦2-1
網川が左ボディ、右ローを随所で当てるが、グスタイタイテはひるまず細かく突きを返し続ける。終盤の手数を上げての打ち合いは互角で延長へ。変わらず打ち合いが続き、網川も最後まで攻撃を返していたが、体格で勝るグスタイタイテの右膝蹴りも絡めた突きの連打がやや積極的に見える展開となり、グスタイタイテが審判全員から支持され、決勝に進んだ。
準決勝(2)
×藤原桃萌[もも](日本/新極真会 福岡支部/2024 JFKO全日本重量級準優勝、2023世界4位)
○鈴木未紘[みひろ](日本/新極真会 厚木・赤羽支部/2024 JFKO全日本重量級優勝、2023世界優勝)
再延長0-5 延長0-2 本戦0-0
未紘が序盤から突きを当てつつ、ローキックも多用し、手数多く攻めていたが、審判は全員ドローとし延長へ。すると藤原が手数を上げて盛り返し、ほぼ互角の展開となり、再延長へ。それでも差は小さく、藤原も健闘したが、やや的確さと手数で勝った未紘を審判全員が支持し決勝に進んだ。再延長はマストシステムが採用されている。
決勝
×ブリジタ・グスタイタイテ[Brigita Gustaityte](リトアニア/2022世界重量級優勝)
○鈴木未紘[みひろ](日本/新極真会 厚木・赤羽支部/2024 JFKO全日本重量級優勝、2023世界優勝)
延長0-5 本戦0-1
※鈴木が優勝
お互い突きを打ち合う展開となり、未紘の手数がやや上回るが、差は小さく延長へ。同様の打ち合いが続く。どちらも従来のトーナメントよりも試合数の少ない中での3試合目とはいえ、実力者との試合が続いて、ある程度消耗している。両者とも勢いは落ちたものの、攻撃を出し続ける。グスタイタイテの膝蹴りでどよめく場面もあるが、未紘は被弾せず突きを当て続ける。僅差ではあるが審判5名から支持され、未紘が判定勝ちし世界大会に続く優勝を果たした。
優勝者インタビューで未紘は「世界大会で優勝した数日後に緑代表にKCCの話をいただいて、この日のために稽古してきました。選手の輝ける舞台を作っていただいた緑代表はじめ関係各位に感謝しています。何度も空手が嫌いになって辞めようと思いましたが、あきらめずやってきて良かったです。今の自分があるのも憧れの先輩たちがいたからで、これからは自分が世界中に憧れられる選手になりたいです」と話した。最後は英語で同様のアピールをしつつ、世界の平和を祈る言葉も織り交ぜた。
鈴木未紘「空手を辞めたいと思う子供達に続けてほしい思いがあった」
バックステージでのインタビューで未紘は「初めての大会ということで、日本が優勝する伝統を作らないといけないということで、いつも以上に自分が絶対負けないという気持ちは入っていました」「アリーナ選手は一発一発を思いっきり来るというのじゃないですけど、間合いがブリジタ選手とまた違う取り方だったので、課題も見つかったので修正していければなと思います」「JFKO(決勝)の時よりも桃萌先輩の引かない気持ちの強さが伝わってきました。最後は自分が浮かないということを意識してできたのが勝因だと思います」「決勝のブリジタ選手はずっとやりたかった選手だったので、ブリジタ選手がいたからこそ海外対策というのもしっかりと継続してできたので、本当にブリジタ選手には感謝したいと思います。世界大会前からずっとやってきた外国人対策というのがうまくできたかと思います。(相手が)膝蹴りで来る前に横にずれて胸パンだったり体を切って打つというのをやってました」と試合を振り返った。
勝利者インタビューでの「何度も空手が嫌いになって辞めようと思いました」という告白については「全国の子供達が凄い良いものを持っているのに、辞めたいみたいなことを耳にすることが道場でもあるので、そういった子供達が空手を続けてほしいなと思うので、そういった子供達にも(伝えたい)という思いはありました」と話し、カラテドリームフェスティバルの後に大会を観戦した子供達を意識したアピールだったことを明かした。
最後の英語でのスピーチについて「世界大会で英語のスピーチをやった以上、やらないというのが退化に繋がるんじゃないかなと思ってしまって、まずは日本語のスピーチから考えて、そこから言いやすい言葉を翻訳機で調べてまた練習したという感じです」と明かし、笑顔を浮かべた。
優勝賞金1000万円の使い道は「全く考えていないです」とのこと。今後については「次は10月の全日本なので、またゆっくりして、また10月の全日本に向けてしっかり作っていきたいです」と話した。
緑健児代表が総括「岡田選手は子供達が憧れる選手になる」「鈴木選手は盤石の強さ」「今後も選手ファースト」
大会後の総括で緑健児代表(上写真中央)は「初めての大会なので、ぜひとも(日本人)男女W優勝できたらなという思いがありましたが、イメージ通りの大会になったので本当に良かったと思います「選手の顔もこれからいろいろ露出していくので、名前も知ってもらえるんじゃないかと思います」と冒頭に話した。
優勝した岡田侑己と鈴木未紘について「私が岡田選手を最初にKCCの日本代表に選びました。本当に華麗な組手をする選手だったんですね。今日も素晴らしい技を出して、子供達が憧れる選手になっていくんじゃないかなと思います。チャンピオンの組手を子供達も真似していくんですね。岡田選手がチャンピオンになって、これから空手界に大技一発KOを狙う選手が増えていくんじゃないかなと思います」「鈴木選手は盤石の強さで、第13回世界チャンピオンで、日本の絶対王者という感じで、安心して見ていました。今後も彼女が女子の空手界を引っ張っていくかと思うし、誰がこの鈴木選手に勝つことができるかというのも面白いと思います」と話した。
大会の改善点については「今回はイメージ通りに成功だったと思いますけど、まだまだ演出とかでも進化していかなきゃいけないと思います。選手もこの大会に出るためのモチベーションが高まり、選手のレベルももっともっと上がっていくんじゃないかなと思います」と話した。
さらに緑代表は「フルコンタクト空手はオリンピック(競技)に入っていないくて、テレビでの露出が少ないですが、選手たちはオリンピックの選手に負けないくらい苦しい稽古をやってきているので、もっともっとこの選手たちが華やぐ場所を作りたいというのが今回の目的です。今後も本当に選手ファーストで、選手に対して賞金を出すことによって、食事面とかサプリとか体のケアとかもできると思うので、これからも選手を大事にしていきたいと思います」と、KCC開催にあたっての基本方針を改めてアピールした。
入来建武が氷柱割りを成功
決勝前には昨年の世界大会男子優勝の入来建武の氷柱割り、同大会の型部門の男子優勝の渡邊大士の型の演武が披露された。