UFC BJJ 6.25 ラスベガス(レポ):MMAファンを取り込めるか?新グラップリング大会でマイキー・ムスメシが初代UFC BJJバンタム級王者に
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UFC BJJ 1: Musumeci vs Gabriel
2025年6月25日(水/現地時間)米国ネバダ州ラスベガス・UFC APEX
レポート:井原芳徳
UFCはグラップリング大会「UFC BJJ 1」を6月25日(現地時間)、ラスベガスのUFC APEXで初開催した。毎年夏、ラスベガスでのナンバーシリーズのビッグイベント前の1週間に繰り広げられる「UFCファイトウィーク」の今年の目玉だ。普段、UFC FIGHT NIGHTの行われるUFCの大規模トレーニング施設・UFC APEXから、金網で囲まれた八角形の試合場=オクタゴンが消え、周囲に金網の無い、すり鉢状の八角形の試合場=ピット(Pit:くぼみ)が設置され、旗揚げ大会では初代王者決定戦3試合を含む8試合が行われた。
「BJJ」と銘打たれているが、一般的なブラジリアン柔術の試合と異なり、ポイント無し・ノーギ(道着無し)のグラップリングの試合が行われる。ルールは打撃技が禁止というだけで、階級区分、5分3R、インターバル1分、10点法によるラウンドマスト採点といったあたりはMMAの試合と共通する。採点では効果的なサブミッションが最も評価され、次にテイクダウン、パスガード、スイープといったアクションが評価され、3番目にコントロールの持続時間が評価され、MMAに準じた基準となっている。引き込んでアクションのないガードポジションや、マットに叩きつけるスラミングは反則となる。
これまで「UFC FIGHT PASS Invitational(FPI)」という配信特化型の大会で、ポイント制のグラップリングの試合が行われてきたが、ルール等を一新し、UFCらしいアイデアを盛り込み、グラップリング市場に本格的にUFCが乗り込む第一歩となる。
旗揚げ大会の模様は、UFCのYoutubeチャンネルを通じて無料配信され、1日で既に100万近くの視聴数に達している。
メインイベントの初代UFC BJJバンタム級チャンピオンシップでは、元ONEのサブミッショングラップリングの王者・マイキー・ムスメシが、ヘリソン・ガブリエルに3Rヒールフックで一本勝ちした。
ONEのグラップリング部門の主力だったムスメシは、昨年秋にONE離脱を表明し、12月のUFC FPIのメインイベントで勝利していた。UFC BJJ旗揚げ大会までにリアリティ番組「UFC BJJ:Road to the Title」が放送され、出場選手のキャラクターが紹介され、トライアウトの試合が行われ、メインで戦った両選手はコーチ役だった。この大会が最終回にあたる。選手発掘番組「The Ultimate Fighter」を視慣れたUFCファンには馴染みやすいスケジュールになっている。グレーのマット、ルール設定含め、MMAファンを新規ファンとして取り込もうとする工夫が随所で見られた。
メインイベントでは1R、ムスメシが開始早々引き込み、足関を狙い、立たれても同様の攻撃を繰り返す。足を取って回転しても、すり鉢丈の試合場の縁にぶつかると、坂になっていて、それ以上回転できなくなるが、ロープで囲まれたリングや、一般的なマットでの試合のように、レフェリーが一旦止める必要が無く、展開が途切れない。2R以降もムスメシの執拗な足関狙いをガブリエルが防御する展開が繰り返される。そして3R、ムスメシが足を取ると、縁の傾斜した場所だったが、試合場の内側に頭を向けた状態のまま回転しながらヒールフックを極め、タップを奪った。勝ち名乗りを受けたムスメシは、黒地に赤と銀の模様の入ったチャンピオンベルトを、UFCのデイナ・ホワイト代表から巻かれた。
UFC BJJウェルター級タイトルマッチではアンドリュー・タケットがアンディ・ヴァレラに1R裸絞めで勝利し、ライト級タイトルマッチではカルロス・エンリケがダニーロ・モレイラに3R腕ひしぎ十字固めで勝利し、初代のベルトを巻いている。
第2回大会は7月31日、第3回は10月2日、第4回は12月11日に開催され、2~3カ月に1回のペースとなるようだ。