K-1 12.14 代々木第一体育館(レポ/無差別級トーナメント):ブラジルのアリエル・マチャド、3連続KO勝ちで優勝。山口翔大は準決勝で判定負け。K-Jeeは初戦2R KO負け
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K-1 WORLD GP 2024 in TOKYO ~FINAL~
2024年12月14日(土) 東京・国立代々木競技場第一体育館
レポート&写真:井原芳徳 ※ワンマッチは別記事でお伝えします
K-1 WORLD GP 2024 無差別級トーナメント 準々決勝
第2試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級トーナメント・準々決勝(1) 3分3R(延長1R)
○山口翔大(GENESIS/TEAM3K/RKS&AJKNクルーザー級王者、JFKO全日本フルコンタクト空手道選手権2018・19重量級優勝/94.8kg)
×クラウディオ・イストラテ[Claudio Istrate](イタリア/コンバットジム/K-1無差別級トーナメント2023準優勝、ISKA欧州ヘビー級王者/110.8kg)
1R 失格
K-1は昨年7月、カルロス菊田氏がプロデューサーに就任し、K-1の原点である世界規模の無差別級トーナメント再開を発表。昨年9月のK-1 30周年記念無差別級トーナメント開催を皮切りに、南米・東欧・西欧での予選トーナメントを開催し、10月の大阪大会ではアジア予選と題した4カードが組まれ、今回年末の大会で8選手によるワンデートーナメントが行われる。
山口はフルコンタクト空手で活躍後、22年にキックデビューし7戦7勝していたが、10月のアジア予選でエロール・ジマーマンに3R KO負けした。しかし2Rまで優位に進めており、韓国のクォン・ジャンウォンの欠場より、本戦に復活した。
イストラテは昨年9月の無差別級トーナメントでマハムード・サッタリをKOし、シナ・カリミアンとの乱戦を制し、決勝でリュウ・ツァーにKO負け。今年6月の東欧予選は一回戦の判定を不服とし試合放棄。10月のアジア予選でのカリミアンとの再戦も、後頭部へのパンチがアクシデント扱いとなりノーコンテストとなったが、試合自体はダウンを奪い優位に進めていたことから、本戦に選ばれた。
トーナメントは初戦から荒れた展開に。1R、イストラテが開始すぐラッシュを仕掛け、組んで膝蹴りを当てる反則を犯し、さらに倒れた山口にパンチを当てると、山口のダメージが大きく一時中断する。最初、大成レフェリーは倒れてからの攻撃についてイストラテに注意したが、インスタントリプレイを経て、つかんでからの攻撃に対してイストラテに減点1を科す。その後もイストラテはラッシュを続けるが、再びつかんでからの膝と後頭部殴打があり、またも中断する。イストラテにはさらに減点1が科される。再開後、イストラテはまたもラッシュを仕掛けるが、今度はクリンチとなってレフェリーがブレイクした後もパンチを当て続け、レフェリーも巻き込まれかけたことから、レッドカードが出され、イストラテの失格となった。
第3試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級トーナメント・準々決勝(2) 3分3R(延長1R)
○フェン・ルイ[Feng Rui](中国/星武創新ファイトクラブ/CFP/98.8kg)
×マッティア・ファラオーニ[Mattia Faraoni](イタリア/Fight1-S.gabriel/ISKAオリエンタルルール世界スーパークルーザー級(95kg)王者/100.8kg)
判定2-0 (岡田30-29/三浦30-30/箱崎30-29)
フェンは中国散打の全国大会で2018年に優勝し、19年・22年・23年も3位以上に入賞。キック戦績10戦10勝(2KO)。23年のK-1無差別級トーナメント優勝者・リュウ・ツァーに21年の武林風(WLF)で勝った実績があり、今回負傷欠場のリュウの代役で初来日した。
ファラオーニはアマチュア時代の13年10月にブラジルで現UFC王者のアレックス・ペレイラとタイトルを争い判定負けしたことがある。プロ戦績32戦28勝(13KO)4敗。今年3月の地元イタリアの大会では95kg契約でK-Jeeに判定勝ちしている。東欧予選トーナメント優勝のミロス・ツヴェチカニンが他団体と契約したため世界大会を辞退し、ファラオーニが選抜された。
1R、開始すぐ、ファラオーニの左インローがローブローとなり一時中断する。再開後、フェンが右ロー、左ミドル、ファラオーニが回転技を出すが、均衡は崩れない。記者採点はイーブン。
2R、フェンが右ロー、カーフを当て続けていると、ファラオーニは時折サウスポーに切り替えるように。だがファラオーニは距離を取り、クリンチも絡めてフェンの攻撃を寸断しつつ、自分の左ジャブや胴回し回転蹴りを返す。記者採点はイーブン。
3R、フェンが前に出続け、右ロー、ストレートを時折当てるが、ファラオーニは距離を取り連打を許さない。ファラオーニは消極的になってしまうが、終了間際、胴回し回転蹴りを当ててフェンを倒す。フェンがバランスを崩したタイミングのためダウンとはならなかったが、最後に印象を作って終える。記者採点はイーブン。合計30-30でイーブン。ジャッジは1者がイーブンとしたが、2者は積極性を評価したか?フェンを支持し、フェンが判定勝ちした。
第4試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級トーナメント・準々決勝(3) 3分3R(延長1R)
○アリエル・マチャド[Ariel Machado](ブラジル/ヘマースジム/マディソンチーム/K-1無差別級トーナメント2024南米予選優勝、K-1無差別級トーナメント2023 3位、WGPライトヘビー級(94.1kg)王者/105.6kg)
×リース・ブルーデネル[Rhys Brudenell](イギリス/プライズファイター/K-1無差別級トーナメント2024西欧予選優勝、MTGP&KGPヘビー級王者/111.2kg)
1R 2’34” KO (右フック)
マチャドは昨年9月のK-1無差別級トーナメント準決勝でリュウ・ツァーにKO負け。今年8月のブラジルでの南米予選で優勝し世界大会に進出した。ブルーデネルは7月のイタリアでの西欧予選で全試合KO勝ちで優勝。今回初来日だ。
1R、ブルーデネルは前に出て、パンチを積極的に振り、随所で左フックを当て、マチャドを苦しめる。だがマチャドは右ローを随所で返しつつ、ブロックもして耐えると、終盤、ブルーデネルがパンチを連打して出てきたところで、カウンターの右フックをヒットする。ダウンしたブルーデネルは立とうとしたが10カウントに間に合わず、マチャドの逆転KO勝ちとなった。
第5試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級トーナメント・準々決勝(4) 3分3R(延長1R)
×K-Jee[けいじ](K-1ジム福岡チームbeginning/元K-1&Krushクルーザー級(90kg)王者/97.1kg)
○エロール・ジマーマン[Errol Zimmerman](オランダ/ヘマーズジム/K-1欧州GP2008優勝/107.9kg)
2R 0’58” KO
K-Jeeは21年7月に愛鷹亮に勝利して以降は5連敗中し、昨年9月のK-1で上田幹雄にKO負けし、今年3月はイタリアでマッティア・ファラオーニに判定負けしたが、10月のK-1大阪大会での無差別級トーナメント・アジア予選では51歳のベテラン・ジェロム・レ・バンナを1R右ハイキック一撃でKOした。
ジマーマンは38歳。旧K-1時代はグラウベ・フェイトーザ、エヴェルトン・テイシェイラらに勝利。今年6月のK-1ルーマニア大会でマイク・カラマスケタスに1R KO勝ち。10月の無差別級トーナメント・アジア予選では山口翔大に3R KO勝ちした。
1R、体格で勝るジマーマンが圧をかけ、パンチ主体で積極的に攻めるが、K-Jeeも随所でパンチや右ローを返して渡り合う。すると終了間際、左フックでひるませると、最後はコーナーに詰めてのパンチと右ローのラッシュで追い詰める。記者採点はK-Jee。
だが2R、K-Jeeはダメージが蓄積しており、ジマーマンが前に出てパンチを放ち、左ジャブを放つと、K-Jeeは一発でひるむ。ジマーマンは飛び膝で襲い掛かり、パンチを振るいつつ押し倒す形になり、K-Jeeが倒れると、ダメージが大きい様子で、豊永レフェリーはダウンを宣告する。K-Jeeは立ったがロープにしがみつき、ファイティングポーズが取れず、ジマーマンのKO勝ちとなった。
第1試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級トーナメント・リザーブファイト 3分3R(延長1R)
○谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/98.5kg)
×実方宏介(真樹ジムAICHI/元Bigbangヘビー級王者/118.0kg)
1R 1’59” KO (左ジャブ)
1R、体格で勝る実方に対し、谷川は距離を取りつつ右のロー、ミドルを慎重に当て続ける。すると中盤、谷川の左ジャブで実方が少しひるむと、谷川は右ロー、右ミドルを当ててから、左ジャブでダウンを奪う。実方は立てず、谷川のKO勝ちとなった。
K-1 WORLD GP 2024 無差別級トーナメント 準決勝
第10試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級トーナメント・準決勝(1) 3分3R(延長1R)
×山口翔大(GENESIS/TEAM3K/RKS&AJKNクルーザー級王者、JFKO全日本フルコンタクト空手道選手権2018・19重量級優勝/94.8kg)
○フェン・ルイ[Feng Rui](中国/星武創新ファイトクラブ/CFP/98.8kg)
判定0-3 (水谷29-30/箱崎29-30/三浦29-30)
1R、山口は右ロー等の蹴り、フェンは左右のボディ等のパンチ主体の攻め。お互い見合う時間やクリンチも多く、まだ主導権が握れない。2Rも基本的に同様の構図で、クリンチも多く、均衡状態が続く。山口は一回戦のイストラテ戦からのダメージの蓄積が大きい様子で動きに精彩を欠く。
3Rもお互いクリンチが多く、なかなか均衡が崩れないが、終盤、フェンがややパンチを積極的に振るって終える。記者採点は3Rフェンにつけ29-30でフェン。ジャッジ3者もフェンを支持し、フェンが判定勝ちした。
第11試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級トーナメント・準決勝(2) 3分3R(延長1R)
○アリエル・マチャド[Ariel Machado](ブラジル/ヘマースジム/マディソンチーム/K-1無差別級トーナメント2024南米予選優勝、K-1無差別級トーナメント2023 3位、WGPライトヘビー級(94.1kg)王者/105.6kg)
×エロール・ジマーマン[Errol Zimmerman](オランダ/ヘマーズジム/K-1欧州GP2008優勝/107.9kg)
2R 2’33” KO (2ダウン:右ローキック)
1R、ジマーマンが前に出てパンチを振るい、マチャドが距離を取りつつもパンチと右ローを返す構図だが、お互いなかなか強打につなげられない。
2R、ジマーマンは時折一気に前に詰めてパンチを連打するが、マチャドがかわしつつ右ローを返していると効き目を発揮し、中盤にジマーマンが倒れ、大成レフェリーはダウンを宣告する。マチャドは変わらず右ローを当て、終盤、ジマーマンがバランスを崩してマットに倒れたところで、大成レフェリーは2ダウン目を宣告し、マチャドのKO勝ちとなった。
K-1 WORLD GP 2024 無差別級トーナメント 決勝
第18試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級トーナメント・決勝 3分3R(延長1R)
×フェン・ルイ[Feng Rui](中国/星武創新ファイトクラブ/CFP/98.8kg)
○アリエル・マチャド[Ariel Machado](ブラジル/ヘマースジム/マディソンチーム/K-1無差別級トーナメント2024南米予選優勝、K-1無差別級トーナメント2023 3位、WGPライトヘビー級(94.1kg)王者/105.6kg)
1R 2’55” KO (左フック)
※マチャドが優勝
1R、お互い軽い立ち上がりだったが、マチャドが右ローを当てると、フェンはダメージの蓄積があったようで、痛そうにしバランスを崩す。さらにマチャドが攻めると、クリンチとなり、大成レフェリーがブレイクするが、直後にマチャドが右ローを当てると、フェンは倒れる。フェンはなかなか立たなかったせいか、大成レフェリーはダウンを宣告し、フェンは不満を示す。マチャドは右ロー等で攻め続けると、終了間際の打ち合いの展開で、カウンターの左フックをクリーンヒット。フェンはダウンし伸びた状態となり、すぐさまレフェリーがストップ。マチャドが3試合ともKO勝ちで優勝した。
K-1 12.14 代々木第一体育館(レポ/ワンマッチ):金子晃大×ジクレーブ、璃明武×大久保琉唯、コプリヴレンスキー×和島大海ほか随時速報