RISE 9.16 後楽園ホール:11.17 両国前哨戦加熱。清水賢吾、リベンジ成功しアーツ戦熱望。バンタム級王座決定戦は結城将人×鈴木真彦に。TEAM TEPPEN 4人全勝。53kgは金子梓と田丸辰が勝利
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RISE 127
2018年9月16日(日) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
中継 スカイA Part.1 9/29(土)16時~ Part.2 9/30(日)16時~(再放送あり)
第11試合 メインイベント RISEヘビー級(体重無差別)タイトルマッチ 3分5R(無制限延長R)
○清水賢吾(極真会館/王者、シュートボクシング日本王者/96.7kg)
×バダ・フェルダオス(オランダ/ドージョー・ピーター・アーツ/RISE 1位/91.8kg)
判定3-0 (48-47/49-47/48-47)
※清水が2度目の防衛
両者は6月の幕張大会で対戦し、フェルダオスが1R KO勝ちしている。その時は90kg契約で、清水は90.0kg、フェルダオスは88.0kgだった。今回のほうが体重の開きが大きく、清水としてはパワーも活かしたい再戦だ。
前日会見で清水は「正直言いますと、6月はジェロム・レ・バンナ選手とやりたくて、相手が変わってモチベーションが自分の中で盛り上がっていない部分がありました。今回は練習量も増やし、気持ちも引き締めてしっかり準備していますので、前回と全然違った試合になると思います」とコメント。今回は「負ければ引退」という覚悟で試合に臨む。
1R、フェルダオスは飛び膝も使いながら距離を詰め、右のフック、ストレート、アッパーを当て、清水を追い詰める。清水は表情が曇るが、右ストレート、右ローをコツコツと返し続ける。記者採点は9-10でフェルダオス。
2Rもフェルダオスがラッシュを仕掛けるが、次第に勢いが低下。清水もダメージの影響で反撃には至らないが、少しずつ右ロー、右ストレートを返し続ける。記者採点10-10。
3R、フェルダオスは開始前にマウスピースを口に入れず、時間稼ぎをする。清水は左ミドル、三日月蹴りを当て続け、フェルダオスを後退させるが、止めを刺す攻撃を出せない。記者採点10-9で清水。
4Rも同様に、清水が苦しみながらも前に出続け、ミドル、三日月、ローを当て続けて主導権。記者採点10-9で清水。
5Rも清水が攻め続け、中盤過ぎ、ミドルを効かせた後、コーナーに詰めての顔面への膝蹴りと、左フックの連打でダウンを奪取。その後も清水が攻め続け圧倒し終了する。記者採点は10-8で清水。合計49-46で清水。清水が苦しみながらも防衛とリベンジに成功した。
清水は「前回KO負けしてから気持ちを入れ直し、しっかり練習してきました。その成果が少しでも出せたと思います。11月17日のRISE両国国技館大会の日は私の35歳の誕生日です。自分への誕生日プレゼントとしていい試合ができれば。アーツ選手お願いします」とアピールした。フェルダオスのセコンドについていたアーツは「ファイトマネーを高くしてくれ」とその場で答えたが、RISE側はどう対応するか?
第10試合 セミファイナル 第7代RISEバンタム級(55kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
×優吾・FLYSKYGYM(FLYSKYGYM/RISE 2位)
○鈴木真彦(山口道場/WBCムエタイ日本バンタム級王者&ホーストカップ日本バンタム級(55kg)王者/54.8kg)
不戦勝(優吾の欠場)
優吾は7月の後楽園大会でのトーナメント一回戦で堀尾竜司に判定勝ちしたが、今回の前日計量前に自宅で脱水症状を起こし、救急搬送されたため欠場。鈴木は計量をクリアし不戦勝扱いとなり、11月17日の両国大会の決勝に進出した。
第9試合 第7代RISEバンタム級(55kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
×山川賢誠(Kickboxing Academy Sapporo/RISE 4位/55.0kg)
○結城将人(TEAM TEPPEN/RISE 5位/54.9kg)
判定0-3 (大沢27-29/和田28-30/小川27-30)
結城はTEPPENに移籍しRISEに主戦場を移し3戦全勝。4月には堀尾にも勝っており、動きのキレは過去最高という印象だ。同門の那須川天心の持っていたベルト奪取に向けジムからの期待も大きい。
山川は北海道の7月8日のBOUTで行われた一回戦で出口智也に勝利。9月6日に北海道を襲った地震の影響で、ジムの電気が使えず、屋外で練習したこともあったという。減量も苦しみ、計量後の会見では声がかなりかすれていた。
1R、長身のサウスポー・山川がジャブを突きながら回って距離を取り、左ミドル、ローを当て続ける。結城はなかなか入れずにいたが、終盤に右のインローのヒットを増やす。記者採点10-10。
2R、結城のローがローブローとなり一時中断。山川が距離を取って左ミドルを当て続けていたが、中盤過ぎから結城が左ロー、左ボディを当てていると、少しずつ効き目を発揮し、山川がバランスを崩したり、顔をしかめるように。まだ大きなな差はないため記者採点は10-10。
3R、結城の右ローをもらった山川はローブローだと訴えるようなジェスチャーをして倒れるが、秋谷レフェリーはダウンを宣告する(試合後、本人は腹にもらった攻撃だったと明かしている)。回復しきらない山川は後退を続け、結城が前に出て右ストレート等を当て続け優位に試合を進める。記者採点は8-10で結城。合計28-30で結城。結城が判定勝ちで鈴木真彦の待つ決勝に駒を進めた。
試合後はリングに鈴木も上がり、「今日は試合して勝ち上がって決勝に行きたかったです。この分、11月の両国で思い切り爆発させます」と語り、結城は「すみません。しょっぱい試合して。しっかり11月、派手な試合するんで応援お願いします」と話した。
山川は敗れはしたが、今回のコンディションには不可抗力の震災も影響したはずで、改めて今後、タイトル絡みのチャンスを与えて欲しいと感じた試合だった。
第8試合 バンタム級(55kg) 3分3R
○良星(平井道場/Bigbangスーパーバンタム級王者/55.0kg)
×堀尾竜司(TRY HARD GYM/元Krushスーパー・バンタム級(55kg)王者/55.0kg)
判定2-0 (小川29-29/大沢30-29/秋谷30-28)
6月のバンタム級王座決定トーナメント一回戦で、良星は鈴木に敗れ、堀尾は優吾に敗れている。
1R、両者スピードのある攻防を繰り広げる中で、次第に良星の左ミドルのヒットが増え、飛び膝でも見せ場を作るが、堀尾も右ストレートと飛び膝を返し、大差はつけさせない。記者採点10-10。
2R、堀尾が近距離から顔面狙いで飛び膝を当てる場面もあるが、良星はひるまず、度々ロープに詰めてパンチの連打やミドルで手数多く攻め込む。終了間際にはバックスピンキックや左の顔面狙いの前蹴りもヒットする。記者採点は10-9で良星。
3Rはお互いノンストップの打ち合いで、一進一退の攻防を展開。中盤まで堀尾がボディに効かせてやや優勢だったが、終盤には良星が左ミドルの連打など手数で巻き返す。記者採点10-10。合計30-29で良星。ジャッジは2者が良星を支持し、接戦をものにした。
良星は「一回戦で鈴木選手に負けました。ですが、RISEの目標は変わらず、バンタム級の王座を狙い続けます。鈴木選手には優勝していただいて、初防衛戦の相手をやらせてください、敗者に口無しなので、ここからバンタム級トーナメント出場者を倒していきます」とアピールした。
第7試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○篠塚辰樹(TEAM TEPPEN/RISE 4位/57.4kg)
×八神剣太(レジェンド横浜/REBELS-MUAYTHAIフェザー級王者、元J-NETWORK&WPMF日本フェザー級王者/57.35kg)
1R 0’49” KO (左アッパー)
元プロボクサーの篠塚は今年からキックに転向し2勝1敗。今回はキック38戦の経験がある八神が相手だったが、篠塚は問題にしなかった。
1R、開始すぐに篠塚が八神をコーナーに詰め、リードの左ジャブからの右フックをクリーンヒットして八神の動きを止めると、ノンストップでパンチを何発も当て続けてダウンを奪う。再開後も篠塚はロープに詰めてパンチを連打。左アッパーをもらってひるんだ八神はロープの外に落ちそうなほどのふらつき方で、和田レフェリーがKOを宣告した。
マイクを持った篠塚は「今回(森本)狂犬選手に勝ったことのある選手に勝ったので、11月の両国大会では狂犬選手とやりたいです」とアピールした。
第6試合 53kg契約 3分3R
○金子 梓(新宿レフティージム/53.0kg)
×酒井柚樹(はまっこムエタイジム/52.95kg)
判定3-0 (和田30-26/秋谷29-27/長瀬30-27)
金子は7戦全勝の23歳。3月に瀧谷渉太、6月に奥脇一哉に判定勝ちしている。酒井は奥脇と同門。1R、金子が右ロー、左ボディを当て続け少し優勢。中盤、酒井の右クロスでぐらつくが、終盤は左テンカオ、左ボディ、右ハイで酒井を追い詰める。
2R、酒井も右フックを当て、金子を下がらせる場面を作るが、金子はもらっても倍返しとばかりに右フック、右ロー、左ミドル、左右の前蹴り、ハイを返し続ける。両者のスピーディーでありつつ軽量級とは思えない激しい打ち合いに場内は盛り上がる。
3Rも一進一退の打ち合いが続くが、手数で上回るのは金子。中盤過ぎ、左ミドルを効かせ、ロープに詰めてのパンチの連打でスタンディングダウンを奪う。その後もパンチとミドルの連打でスタンディングダウンを重ねる。酒井は手を振ってダウンに抗議したが、ダウンの判断は妥当だろう。記者採点は2Rが金子が10-9、3Rが金子が10-7で、30-26で金子。
勝利した金子は「そろそろ僕のタイトルマッチも見たくありませんか」と、1つ前の試合で勝利した同じ53kgの田丸辰と同じアピールをして笑いを取ると、「相手は誰でもいいです。たぶんアイツ(田丸)だろうとは思いますけど、今日と同じような試合をします。僕がベルトを巻く姿を見に来てください」と宣言した。
第5試合 53kg契約 3分3R
○田丸 辰(平井道場/53.0kg)
×林 祐哉(空修会館/52.6kg)
判定3-0 (30-27/30-27/30-26)
田丸は6戦全勝の16歳。林も18歳で、8月19日のNJKF大阪大会ではDEEP☆KICK 53kg級王者の滉大と引き分けている。両者はジュニア時代にも対戦し1勝1敗だという。
1R、田丸がサウスポーに構え、左ミドルを連打した後、左ハイでひるませ、パンチラッシュでダウンを奪う。その後も左フックでダウンを重ねる。打ち合いで林も右フックを返し、田丸はひるむが、終盤に胴回し蹴りをクリーンヒット。林はひるんだが、ロープにもつれて倒れなかったため、レフェリーはダウンを認めない。記者採点10-7で田丸。
2R、逆に今度は林が圧力をかけ、田丸はガードを固め距離を取って回る時間が長くなる。田丸は時折左ミドルと膝を返すが、1Rとは一転して消極的だ。記者採点10-10
3Rも同様で、田丸は頭を振ってパンチをかわしてセンスの高さを印象付けるが、消極的なファイトが続き、終盤は林が詰めてパンチを連打して好印象を残す。記者採点9-10で林。合計29-27で田丸。ジャッジも当然田丸を支持。マイクを持った田丸は「そろそろ僕のタイトルマッチ見たくないですか?」とアピールした。
第4試合 スーパーフェザー級(-60kg) 3分3R(延長1R)
○白鳥大珠(TEAM TEPPEN/RISE 4位、元WPMF日本スーパーフェザー級王者/60.0kg)
×嶋田将典(Stay Gold/RISE 13位/60.0kg)
1R 1’38” KO (左ハイキック)
ジュニア時代からキックで活躍し、ボクシングに転向していた白鳥は6月の幕張大会でキックに復帰し、一馬に1R KO勝ち。対する嶋田はキック7勝12敗1分。
1R、白鳥はサウスポーに構え、左ミドル、ローを強打していると、嶋田はぐらつく。そして左ハイをクリーンヒットし、見事一撃でKO。マイクを持つと「11月の両国大会、絶対出るんで応援お願いします。相手は僕より輝いている上の選手がいたら誰でもいいです」とアピールした。
第3試合 スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
×憂也(魁塾/RISE 3位、DEEP☆KICK -65kg級王者/65.0kg)
○山田洸誓(正道会館 高知/RISE 5位/kg)
判定0-2 (28-30/29-29/29-30)
山田は5戦5KO勝ちの新鋭。1R、重みのある右ローを当て続けるが、憂也は右のテンカオ、右フックで山田をぐらつかせる場面を作る。
2Rも山田は執拗に右ローを当て続けるが、憂也は耐えて時折右ストレート、右テンカオを返す。だが終盤に差し掛かり、山田の右ストレート、三日月蹴りも当たり出し、少し憂也の表情が曇る。
3R、中盤まで均衡が崩れなかったが、山田が接近戦で右ローを連打してから右フックをクリーンヒット。少し憂也をぐらつかせる。だが憂也も終盤はパンチとローとテンカオの手数を上げ巻き返す。記者採点は2Rが山田で、29-30で山田。僅差の試合だったが、山田が2者から支持され勝利した。
第2試合 女子46kg契約 3分3R
×祥子[しょうこ](JSKキックボクシングジム/45.95kg)
○平岡 琴(TRY HARD GYM/45.90kg)※K-1 GYM YOKOHAMA TEAM TORNADOから所属変更
2R KO (バックスピンキック)
極真会館の全日本ウェイト制優勝の実績もある平岡は、昨年9月のKrushでの松下えみ戦で敗れて以来の試合で、RISE初参戦。祥子は8月の野良犬祭で奥脇奈々をムエタイ仕込みの蹴りで圧倒した。
1R、祥子が前蹴りのフェイントを駆使しつつ、右ストレートで平岡をのけぞらせたが、平岡が次第に距離感をつかみ、接近戦のパンチ、離れての蹴りのヒットを少しずつ増やす。
2R、平岡が左ミドルを効かせた後、バックスピンキックを祥子のボディにクリーンヒットし吹き飛ばす。祥子は立ち上がるが後退し、平岡が左ミドルを当てるとレフェリーがスタンディングダウンを宣告する。その後も平岡がパンチも絡めて圧倒し、最後は再びバックスピンをクリーンヒットし、またもダウンを奪ったところでレフェリーがストップした。
第1試合 スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×MASATO(3POUND/RISE 6位、2016年RISING ROOKIES CUP同級優勝/60.65kg→61.00kg)
○瑠夏(新潟誠道館/RISE 7位、2017年RISING ROOKIES CUP同級優勝/59.7kg)
2R 反則 (ローブローのダメージによるドクターストップ)
※体重オーバーのMASATOに減点1。ファイトマネー20%没収。2Rローブローの反則のダメージが大きくMASATOに減点1
オープニングファイト第4試合 ミドル級(70kg) 3分3R(延長1R)
○中島将志(新潟誠道館/RISE 5位、2017年RISING ROOKIES CUP同級優勝/69.8kg)
×鳥居 剛(夕月堂本舗/69.7kg)
2R 0’20” TKO (レフェリーストップ:右ストレート)
オープニングファイト第3試合 RISING ROOKIES CUPミドル級(70kg)決勝戦 3分3R(最大延長2R)
○宮前達也(BattleNation/69.9kg)
×天雷しゅんすけ(SLACK/第14回関東アマ修斗選手権ライト級優勝/58.2kg)
判定3-0 (30-25/30-25/30-25)
※宮前が優勝
※1R・2Rホールディング多用で天雷に減点各1。
オープニングファイト第2試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
×虎二郎・FLYSKYGYM(FLYSKYGYM/57.3kg)
○門口佳佑(TOP DIAMOND×EX ARES/AbemaTV「VS那須川天心」挑戦者決定トーナメント優勝/57.2kg)
判定0-1 (和田29-30/秋谷29-29/小川29-29)
オープニングファイト第1試合 女子58kg契約 3分3R
○村上悠佳(TEAM TEPPEN/57.8kg)
×菅原麻子(トイカツ道場/57.0kg)
判定3-0 (30-26/30-26/30-26)
極真会館出身で19歳の村上がプロデビュー戦。1R、サウスポーからの蹴りを上中下と何発も当てて圧倒し、終盤にパンチも絡めての連打でスタンディングダウンを奪取する。2R以降も攻め続け主導権を維持し判定勝ちしたが、同じくデビュー戦の29歳・菅原も耐え続け、随所で右ストレート、ミドルを返していた。