RWS 9.21 ラジャダムナン(レポ):18歳のラジャ王者・松田龍聖、クンスックレックとのアウェーでの再戦で判定負けし14戦目で初黒星
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Rajadamnern World Series(ラジャダムナンワールドシリーズ)
2024年9月21日(土/現地時間)タイ・バンコク・ラジャダムナンスタジアム
レポート:井原芳徳 Photos by (C)Rajadamnern World Series
ラジャダムナン認定バンタム級タイトルマッチ 3分5R
×松田龍聖[りゅうき](大原道場/王者、HOOST CUP日本スーパーフライ級(53kg)王者)※初防衛戦
○クンスックレック・ブームデックシアン[Khunsueklek Boomdeksian](タイ/1位・元王者、プロムエタイ協会同級王者・元スーパーフライ級王者)
判定0-3 (45-50/45-50/45-50)
※クンスックレックが王者に
7月14日のRWS千葉大会でクンスックレックを2R右ストレートでKOしてラジャダムナン認定バンタム級王座を獲得した松田が、今度はタイ・バンコクのラジャダムナンスタジアムで、同王座を懸けクンスクレックとリターンマッチを行った。
松田は13戦12勝(4KO)1分無敗の18歳。京都在住でホーストカップを主戦場とし、昨年3月に滉大を破ってホーストカップ日本スーパーフライ級王者になる。10月には山田航暉に勝利し、12月のタイ人のリティグライとの試合では1R TKO勝ち。4月のRWS千葉大会では初のムエタイの試合だったが、石井一成を追い詰めドローに持ち込み、ポテンシャルの高さを印象付けた。この結果により松田はラジャのランキングに入りし、7月のRWS千葉大会でクンスックレックをKOして大波乱を起こした。
クンスックレックは19歳。4月のラジャでのRWSでは日本のRISEでも活躍するクマンドーイに判定勝ちしてラジャダムナン認定バンタム級王者となり、5月にペットサイアムを3R左ハイでKOし初防衛。その時点で41連勝だったが、松田に土をつけられる。
タイでは話題を呼んだ試合の再戦がすぐ組まれることはよくあり、今回もそのパターン。クンスックレックは日本で初の試合で、不慣れな点もあったかもしれないが、今回はホームのラジャのリングで、絶対に負けられない試合となるため、万全の状態で挑むはずだ。松田はラジャ初登場が王座初防衛戦に。ラジャ王者としての真価が問われる一戦となる。
なお、この一戦は「スーパーファイト」と銘打たれ、ボーナスとして勝者には50万バーツ(220万円)、KO勝ちなら50万バーツが贈呈され、判定決着でも試合内容が良かったと主催者から評価されれば両選手に25万バーツ(110万円)ずつが贈呈される。
試合はクンスックレックが1Rから5Rまで支配する展開に。1R、クンスックレックが右ミドルを放つと、松田は蹴り足をつかんで倒したり突き放す展開を繰り返す。中盤、クンスックレックが右の前蹴りを放つと、松田は少しバランスを崩す。松田は右ローと右フックのコンビネーションを決める。クンスックレックは右ミドルを当てつつ、組んで肘も振るうように。終盤もクンスックレックは右ミドル、肘を当てるが、序盤よりも力強さを増し、手数と精度も上げ、はっきり差を示す。松田は攻撃を返せなくなる。RWSのジャッジはマスト判定。記者採点はクンスックレック。ジャッジ3者もクンスックレックにつける。インターバルは2分だ。
2R、クンスックレックは変わらず右ミドルをヒットする。早くも松田の左わき腹が赤く腫れる。松田はバックスピンキックを放つが空振りする。中盤、松田はクンスックレックの右ミドルのタイミングで右ストレート、フックを返すが、すぐにクンスックレックは組んで膝を連打し追撃を封じる。終盤も変わらずクンスックレックが右ミドルを当て続け、松田は反撃できず終わる。記者採点はクンスックレック。ジャッジ3者もクンスックレックにつける。
3R、クンスックレックはこれまで同様に右ミドルを当て、松田も左ボディを当てるようになるが、その先は続かない。中盤、クンスックレックは肘を連打する。松田はバックスピンキックや飛び膝での奇襲を繰り返すが、空振りが続く。記者採点はクンスックレック。ジャッジ3者もクンスックレックにつける。
4R、既に3ポイントリードのクンスックレックは、少し距離を取る時間が増え、右ミドルは当てても3Rほど蹴り数が伸びない。松田はなかなか攻撃を返せず、終盤、右ストレートを当てたものの、すぐにクンスックレックは右ハイを返す。記者採点はクンスックレック。ジャッジ3者もクンスックレックにつける。
5R、松田は前に出るが、クンスックレックはバックステップとクリンチで反撃を封じる。松田が右ストレートを当てても、すぐに距離を取る。半分の時間が経過すると、クンスックレックは手を広げ、流しモードに。松田がパンチを当てても、すぐにクンスックレックが崩しを決める。終了のゴングが鳴ると、クンスックレックは飛び跳ねてガッツポーズを見せて大喜びする。記者採点はクンスックレック。合計45-50でクンスックレック。ジャッジ3者もクンスックレックにつけ、同じく45-50とし、クンスックレックが判定勝ちで王座奪還を果たした。
松田はプロ14戦目で初黒星を喫したが、その試合がラジャダムナン王座の防衛戦であり、まだ18歳だ。この大一番を18歳で経験できたことは、今後のキャリアにとって大きな糧となるだろう。なお、敗れた松田も、主催者から好勝負と評価され、25万バーツ(110万円)のボーナスを獲得している。