巌流島 9.7 YouTube配信(レポ):木村“フィリップ”ミノル、ボクシングマッチで判定勝ち。村田夏南子、グラップリング戦で勝利。三上ヘンリー大智、キックルールでK-1推薦イストラテに判定勝ち
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巌流島バーチャルサバイバル2
2024年9月7日(土) 巌流島YouTubeチャンネルで配信(東京都内で収録)
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)巌流島
元K-1イベントプロデューサーの谷川貞治氏がプロデュースする「巌流島(がんりゅうじま)」のオンラインコンテンツが9月7日夜に巌流島オフィシャルYouTubeチャンネルで配信された、
「巌流島」は寝技制限あり・場外転落失格ありの変則MMAルール大会。選手は袖の無い道着を着用して帯を締め、入場ゲートに鳥居があり、ラウンドガールは巫女姿だったりと、伝統的な日本をイメージさせる演出も特徴だ。2015年から大会を開催し、近年では22年12月に両国国技館で「INOKI BOM-BA-YE×巌流島 in 両国」を開催したが、以降、観客を入れての大会は行っていない。
今年5月に「巌流島バーチャルファイト」と題し、事前収録した4試合を約1時間に編集して配信し、約4か月経った現在で47万回視聴されている。
これまでの巌流島との最大の違いは無観客・マスコミ非公開のスタジオマッチという点。グリーンの背景に囲まれた中で試合が収録され、オリエンタルな雰囲気の寺院や遺跡を思わせるCG映像が合成され、格闘ゲームのような映像となっている。試合場はロープや金網に囲われておらず、隅までいくとブレイクがかかる。試合後の選手のインタビューが試合映像の途中に挿入されるのも特徴だ。
新たに9月7日に配信された映像はその第2弾となる。前回同様4試合のうち巌流島ルールの試合は1試合のみだ。
なお、番組の中では、10月19日(土)に横浜BUNTAIで観客を入れての大会を開催することが発表された。谷川氏は「巌流島だけでなく色んな団体を合わせた新しい格闘技のイベントをやります。バーチャルじゃなくリアルです。他の団体では見られない巌流島ならではの異種格闘技戦、面白いカードを世界中から強豪を呼んでやります。9月中旬にはマッチメイクをお知らせします」と話している。
木村“フィリップ”ミノル、ボクシングマッチで判定勝ち
第3試合 ボクシングルール 74kg契約 3分3R(延長1R)
○木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/Battle Box/元K-1スーパー・ウェルター級(70kg)王者、元Krushウェルター級(67.5kg)王者)
×デイン・エッジ(ニュージーランド)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
キックボクサーの木村は22年12月末の「INOKI BOM-BA-YE×巌流島」で矢地祐介を相手にK-1離脱後初戦を行い、昨年3月のKNOCK OUTではクンタップ・チャロンチャイと対戦し、6月のRIZIN札幌大会ではロクク・ダリと対戦し、いずれも相手をKOした。だがダリ戦の際にRIZINが実施したドーピング検査で陽性と判明し、9月に無効試合に裁定が変わった。禁止薬物使用中だったと木村が明かした矢地戦、クンタップ戦も、各プロモーターが無効試合に裁定を変更した。
その後、RIZINのドーピング再検査で陰性となり、今年3月のRIZINでブアカーオ戦では2R右ストレートでKO負け。5月配信の巌流島バーチャルファイトではボクシングルールで20kg重いアマドゥ・ディアと対戦し、1R左フックでKO勝ちしている。
木村は今回も引き続きボクシングルールで巌流島に出場した。対戦相手のエッジはボクシング戦績2戦1勝1敗。
1R、体格で勝る木村が左右の顔面狙いのパンチを度々放つが、エッジはかわしたりブロックしたりしてクリーンヒットを許さない。それでも終盤には右ストレートでひるませ好印象を作る。
2Rも似た構図で、木村はブロックするエッジをなかなか崩せないが、1Rよりも左ボディも多用しつつ、手数では差をつける。
3Rもその構図は変わらず、木村は強打は当てられないが、手数で上回る状態を維持し判定勝ちした。
試合後のインタビューで木村は「悔しいです。KO狙ってたんで。判定に行く時点で負けに等しいです。ダウンを一回も取れずに勝ったのが初めてなんで、マジでやっちゃったと思っています。防御を徹底されて崩す場面がなくて。本当はロープやコーナーがあったら詰めてそのまま仕留めたり、コンビネーションをまとめられるんですけど、マットの試合だと場外に出ちゃうんで、いつもと違う部分もあったんですけど、マジで後悔が残りますね」と悔しそうにコメントした。
村田夏南子、グラップリング戦で勝利
第2試合 QUINTETグラップリングルール 57kg契約 8分1R
○村田夏南子(リバーサルジム新宿Me,We/元Invictaストロー級王者)
×ジョン・ヒョンソン(韓国)
判定
村田は昨年10月のUFCでバネッサ・デモポロスに判定負けし、UFC戦績1勝2敗、2連敗となると、UFCとの契約が終了し、今回グラップリングルールで日本のイベントに復帰した。
両者ベースとするレスリングベースの攻防から、柔道経験もある村田が一本背負いで倒す。スタンドに戻るが、村田は飛行機投げに近い形で再び倒す。ヒョンソンはスタンドに戻し続けるが、基本的に村田ペースで続く。
スタンドのレスリングが続いていると、中盤、島田裕二レフェリーが、防御を続けるヒョンソンに対して消極的だと判断して指導を入れる。その後スタンドで再開したが、これはこのルールが初経験の島田氏のミスで、場外の誰かに注意され、一旦ブレイクし、村田にグラウンドでどのポジションで再開するかを選択させる。ニーオンザベリー、サイドポジション、バックサイドの3つから選ぶことができ、村田はバックサイドを選ぶ。ヒョンソンはあっさりとスタンドに戻す。
その後もスタンド主体の攻防が続く。終盤、ようやく村田が倒してグラウンド状態をキープする。下になったヒョンソンは足首固めを狙うが、村田は極めさせず外し、最後はサイドで押さえ、首を抱えるなどしてコントロールを続けて終える。指導1回のあったヒョンソンが敗れ、村田の勝利となった。
三上ヘンリー大智、キックルールでK-1推薦イストラテに判定勝ち
第1試合 キックボクシング(肘無し・つかんでからの攻撃は1回) 無差別級 3分3R
○三上ヘンリー大智(EXFIGHT)
×クラウディオ・イストラテ(イタリア)
判定3-0 (30-28/30-28/30-29)
三上はキックボクシングベースのMMA選手。イストラテは昨年9月のK-1無差別級トーナメント準優勝者で、今回K-1 GROUPの推薦で谷川氏主催の巌流島に参戦した。
1R、体重で勝るイストラテが前に出てパンチを当て、三上は時折スイッチして距離を取り、左ミドル、ローを当てる。
2Rも同様の構図で、イストラテは少し疲れが見え始める。三上は左ミドル、三日月蹴りを随所で当てるが、まだ完全に主導権を握り切れていない。
3Rも同様で、クリンチは増えるが、その中で三上が左ミドル、右ボディを随所で強打する。逆にイストラテはロープ・コーナーがないため詰めにくそうで、ヒットが減ってしまう。ジャッジは3者とも三上を支持し、三上の判定勝ちとなった。
試合後のインタビューでイストラテは「リングならコーナーに追い詰めてパンチが打てる。だけど彼は外に逃げて大変だった」と、リング無しの試合場での戦いにくさを指摘した。
三上のセコンドについた岡見勇信も「いつものキックボクシングとはロープがある・なしでこうも変わるんだなって」と指摘しつつ「ヘンリーの危機一髪のところでよける本能的なものを、相手選手が強いからこそ引き出してくれて、ヘンリーの底力を見せてくれた」と評した。
元力士・照強、プロ格闘技初戦は白星
第4試合 巌流島特別ルール 無差別級 3分3R
○照強[てるつよし](フリー/元幕内力士)
×ウィ・ソンオ(韓国)
2R 1’43” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
巌流島特別ルールはグラウンド制限時間15秒、勝敗はKOのみでサブミッションの攻防は無しで、1R中に相手をマットの白いエリアの外に3回押し出せば勝ちとなる。グローブはオープンフィンガーグローブを着用する。
照強は今回がプロ格闘技初戦。ソンオのセコンドにはソンオを巌流島に推薦したボブ・サップがつく。1R、スタンドでソンオが顔面への右のパンチを度々当て先手を取る。中盤、照強がソンオを押し倒すと、サイドバックからパウンドを連打する。ソンオは立ってスタンドに戻す。照強は相撲のベースを活かし、押し出しに1度成功するが、ソンオもすぐに押し出しに成功し、五分に戻す。終盤、早くもお互いガス欠で、照強が押し出すが、踏ん張り切れず一緒に外に出てしまいポイントにならない。
2R、開始すぐから照強が押し出しに成功する。お互いかなり疲れているが、ソンオのほうが消耗が激しい。最後は照強が押し倒し、あっさり亀になったソンオに対し、バックマウントからパウンドを当て続けたところで角田信朗レフェリーがストップした。