UFC 8.10 ラスベガス(レポ):風間敏臣、打撃の猛攻耐え2R三角絞めで逆転一本勝ち。UFC 2戦目で初勝利&5万ドルボーナス獲得
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
格闘技医学会
現場で役立つ格闘技医学を研究/公開/実践中!
UFC Fight Night: Tybura vs. Spivac 2
2024年8月10日(土/現地時間)米国ネバダ州ラスベガス・UFC APEX
レポート:井原芳徳
第5試合 バンタム級 5分3R
○風間敏臣(和術慧舟會HEARTS)
×ハラランボス・グリゴリオウ[Charalampos Grigoriou](キプロス)
2R 1’55” 三角絞め
風間はMMA 14戦10勝(3KO/5一本)4敗の27歳。柔道、ブラジリアン柔術をベースとし、20年にMMAデビュー。21年のパンクラスネオブラッドトーナメント、22年1月の石渡伸太郎引退興行でのワンデートーナメントで優勝。22年6月から23年2月にかけて行われたROAD TO UFCのバンタム級にエントリーし、一回戦で中国の選手を寝技で攻略し判定勝ち。準決勝は相手の計量オーバーで不戦勝。決勝では中村倫也に33秒でKO負けしたが、UFCと契約できた。8月のUFC初戦ではギャレット・アームフィールドに打撃で攻め込まれ1R TKO負けした。シュートボクシングのシーザージムにも出稽古して打撃を強化し、今回1年ぶりの試合となる。
グリゴリオウは地中海の島国キプロス出身で現在はニューヨークに住む32歳。伝統派空手とキックボクシングをベースとし、MMA 12戦8勝(6KO)4敗。23年8月のDWCSで勝利しUFCと契約すると、今年3月のUFC初戦ではチャド・アンヘリガーに判定負けしている。
風間は今回も課題の打撃で苦しんだが、なんとか勝利をものにすることに。1R、開始すぐから風間は前に出てグリゴリオウを金網に押し込む。風間は足を掛けて倒そうとするが、グリゴリオウは耐える。風間は立った状態のグリゴリオウをサイドバッグで押さえるが、グリゴリオウが片手をマットについた状況で膝蹴りを放って顔面に当てたため、風間に反則が宣告され、ブレイクがかかる。3分ほどして再開し、風間は片足タックルを仕掛けてから、再び押し込み、オンブでバックを取りながら崩してグラウンドに持ち込み、バックマウントで捕獲する。終盤、風間は鉄槌を当て、下に崩れつつ三角絞めを狙うが失敗する。だが風間はすぐにリバースして上を取り返し、腕十字を狙う。これも失敗するが、すぐバックを奪い、最後も肘を当ててから腕十字を狙い終える。記者採点は風間。
2R、今度はグリゴリオウは風間のタックルを防ぐためか?開始すぐに飛び膝を放って距離を詰めると、右フックを当てる。風間は真っすぐ下がっていまい、グリゴリオウは前に出てパンチを振って追いかける。風間はタックルを仕掛けるが、グリゴリオウは切って突き放すと、左ジャブ、左フックを立て続けに当ててダウンを奪う。グリゴリオウは上からパウンドを連打し、右肘も当て、一気に仕留めにかかる。風間は苦しそうだが下からしがみついて防御する。すると中盤、風間は少しずつ足を登らせると、三角絞めを極めタップを奪い、辛うじて逆転勝利をものにした。
顔を腫らした状態でインタビューを受けた風間は「どっかで必ず自分のターンが来ると信じていたので、自分の柔術を活かせて良かったです」と試合を振り返り、UFC初勝利の感想を聞かれると、英語で「毎日UFCで勝ちたいと思っていました。今やっと勝てました」と、喜びを噛みしめるように話した。なお、風間はこの一本勝ちで今大会のパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトに選ばれ、5万ドル(約750万円)のボーナスを獲得している。
第10試合 メインイベント ヘビー級 5分5R
×マルチン・ティブラ(8位)
○セルゲイ・スピバック(9位)
1R 1’44” 腕ひしぎ十字固め
第9試合 コーメインイベント フェザー級 5分3R
×デイモン・ジャクソン
○チェペ・マリスカル
判定0-3 (25-30/25-30/26-30)
※マリスカルは計量3ポンドオーバー
第8試合 ウェルター級 5分3R
○ダニー・バーロウ
×ニコライ・ヴィレテンニコフ
判定2-1 (29-28/27-30/29-28)
※バーロウが計量0.25ポンドオーバー
第7試合 バンタム級 5分3R
○クリス・グティエレス
×クアン・レー
判定3-0 (29-28/29-28/29-28)
第6試合 女子バンタム級 5分3R
○ヤナ・サントス(12位)
×チェルシー・チャンドラー(14位)
判定3-0 (30-27/29-28/29-28)
※チャンドラーが計量5ポンドオーバー
第4試合 女子バンタム級 5分3R
○カロル・ロサ(8位)
×パニー・キアンザド(11位)
判定3-0 (30–27/30–27/30–27)
第3試合 ヘビー級 5分3R
○ジョナタ・デニス
×カール・ウィリアムズ
判定3-0 (30–27/29–28/29–28)
第2試合 フェザー級 5分3R
○ユーセフ・ザラル
×ヤルノ・エレンス
1R 3’52” 裸絞め
第1試合 女子ストロー級 5分3R
○ステファニー・ルシアーノ
×タリタ・アレンカー
判定3-0 (30–27/30–27/30–27)