Invicta 6.28 カンザスシティ(レポ):大島沙緒里、ブラジル人選手を寝技で追い詰めるも2R以降打撃に苦しみ判定負け。東よう子は1R一本負け
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Invicta FC 55: Bernardo vs. Rubin
2024年6月28日(金/現地時間) 米国ミズーリ州カンザスシティ・メモリアルホール
レポート&写真:井原芳徳
Invicta(インヴィクタ)は2012年に旗揚げした女子MMA大会。数多くのUFCファイターを輩出し、過去に多数の日本人選手も上がり、浜崎朱加が15年にアトム級王座、村田夏南子が19年にストロー級王座を獲得している。昨年10月以降、大会が開催されず、経営危機もささやかれたが、今回8か月ぶりに開催される。
大島沙緒里、ブラジル人選手を寝技で追い詰めるも2R以降打撃に苦しみ判定負け
第54試合 女子アトム級 5分3R
×大島沙緒里(AACC/DEEP女子&DEEP JEWELSミクロ級(44kg)王者、元DEEP JEWELSアトム級(47.6kg)王者)
○アンドレッサ・ホメロ[Andressa Romero](ブラジル)
判定0-3 (28-29/27-30/28-29)
大島はMMA 18戦14勝(2KO/9一本)4敗の29歳。柔道をベースとし、20年にMMAデビューし、RIZINで浅倉カンナ、山本美憂に勝ったことがあり、2月のクレア・ロペス戦では2R腕十字で一本勝ち。5月26日のDEEP JEWELSで村上彩に1R TKO勝ちすると、Invicta参戦を発表していた。
大島は試合発表直後の6月1日のXに「前戦から一ヶ月ですがこの試合は次期挑戦者決定戦で勝てば次タイトルマッチという大事な試合になります。早いタイミングで来る事は想像していませんでしたがしっかり準備をして挑みますので応援宜しくお願いします」と投稿していた。
対戦相手のホメロは柔術茶帯、MMA 11戦6勝(2一本)4敗1分の30歳。2月にCage Furyフィラデルフィア大会のメインイベントで5戦無敗の米国人選手とストロー級の王座を争い判定負けしている。ストロー級で戦っているホメロの組みに、小柄な大島がどう対応するか。
Highlights from @cb_saori's submission attempts in the first round! #InvictaFC55 is on @CBSSportsNet! pic.twitter.com/pOwKN7oC66
— Invicta FC (@InvictaFights) June 29, 2024
1R、大島が左右のパンチを振いながら前に詰めるが、ホメロはかわし、大島を金網に押し込む。中盤、大島は首を抱えて抵抗してから、腕をつかんでそのままグラウンドに引きずり込み、アームロック、腕十字を狙う得意の展開に持ち込む。ホメロは金網際で体勢を変えて防御を続けるが、大島はしつこく対応して腕をつかみつづけ、中盤過ぎには解除すると一旦バックマウントを奪う。終盤、ホメロは振り落とすが、大島は対応して下から腕十字を狙う。ホメロは防御するが、大島は執拗に腕をつかみ続けラウンドを終える。記者採点は大島。オープンスコアリングのジャッジは2者が大島を支持するが、1者が意外にもホメロにつける。単純に大島が背中をつける時間が長かったせいか?
Andressa Romero begins landing some heavy strikes back! #InvictaFC55 pic.twitter.com/R23XnfXQIO
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2R、スタンドの攻防が続き、少し大島がパンチを当てるが、静かな展開が続く。中盤、大島がタックルを仕掛けるが、1Rの攻めで少し疲れてしまったか?力が入りきらず、ホメロは潰して中央付近で上になる。だがその先の攻めはなく、大島が足を登らせ腕をつかみかけると、ホメロはスタンドに戻す。終盤、大島はタックルを仕掛けるが、これも切られ、打撃戦に戻る。するとホメロの左右のフックが立て続けにヒットし、大島は少しフラつくように。大島はガードが甘く、頭を振らず相手に近きがちになってしまう。大島が苦し紛れのような形でタックルを仕掛けてしまうと、ホメロは潰して上になり、パウンドを当てて好印象を作る。記者採点はホメロ。
3R、またも大島のタックルをホメロはが潰し、開始すぐからホメロが上になる。その先の攻めはお互いなく、中盤にはスタンドに戻る。直線的に詰めて来る大島に対し、ホメロは下がりつつもパンチを随所で的確に当てる。終盤、大島はタックルを切られ続け、鉄槌を浴び、立ってもパンチももらい、苦しい状態が続く。残り30秒を切り、大島がようやく上になるが、ホメロが下から大島の首を抱えて逃げ切る。記者採点はホメロ。合計28-29でホメロ。ジャッジ3者もホメロを支持し、ホメロが判定勝ちした。
東よう子は1R一本負け
第4試合 女子バンタム級 5分3R
○テイラー・ガルダード[Taylor Guardado](米国)
×東よう子(リバーサルジム新宿 Me,We/DEEP JEWELSフェザー級王者)
1R 1’23” 裸絞め
※ガルダードは計量1.4ポンド(0.63kg)オーバー、ファイトマネーの25%減額
東は38歳。柔道の元全日本強化選手。MMA 12戦8勝(3KO)4敗。パンクラスを主戦場にした後、21年6月のDEEPでKINGレイナに勝利し、22年5月のDEEP JEWELSでの再戦でも勝利し、DEEP JEWELSフェザー級王者となる。昨年はPFLのフェザー級リーグに参戦したが、4月の初戦はマリナ・モクナトキナに2R TKO負け、6月の2戦目はオレーナ・コレスニクに判定負けし、予選突破できなかった。試合はそれから1年ぶりで、今回は適正階級のバンタム級に下げて戦う。
対戦相手のガルダードもPFLの上の階級で戦ってきた選手で、21年5月にはライト級でコレスニクに判定負けしている。
Beautiful rear-naked choke finish from Taylor Guardado!#InvictaFC55 is LIVE on @CBSSportsNet! pic.twitter.com/Wu6jWmkhfk
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前日計量でガルダードは1.4ポンド(0.63kg)オーバーし、ファイトマネーの25%減額のペナルティが科される。試合は両者のパワー・体格差が如実に現れることに。1R、長身のガルダードが左ジャブを突きつつ、右ストレート、フックを的確に当てる。東がパンチを振り回しながら突っ込んできたが、ガルダードは東をつかんで金網まで投げ飛ばす。しばらく打撃戦の後、東は両足タックルを仕掛けるが、ガルダードは簡単に切ると、すぐに背後に回ってバックマウントを奪い、パウンドを当ててから裸絞めを極めタップを奪った。