INNOVATION 12.4 品川:新バンタム級王者・神助「野生の闘争心を冷静に爆発させる」×復帰3連勝・山田航暉「総合力は僕が遥かに上。完封します」|風間大輝×馬木樹里、紀州のマルちゃん×RISING大輝、亜々斗のインタビューも
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JAPAN KICKBOXING INNOVATION「RESISTANCE-10」(12月4日(日)東京・品川インターシティホール)のダブルメインイベント・セミファイナル計3試合の6選手、および「ピックアップファイター」として愛媛の井上道場の高校2年生・亜々斗(ああと)のインタビューが、INNOVATIONから届いた。
第7試合 ダブルメインイベント2 WBCムエタイ日本バンタム級ランキング査定マッチ 3分3R
神助(エムトーンジム/INNOVATIONバンタム級王者)
山田航暉(キング・ムエ/元WMC日本スーパーフライ級王者)
第6試合 ダブルメインイベント1 INNOVATIONスーパーウェルター級王座決定戦 3分5R(延長1R)
風間大輝(橋本道場/8位)
馬木樹里(岡山ジム/6位)
第5試合 セミファイナル INNOVATIONスーパーフェザー級王座挑戦者決定トーナメント決勝戦 3分3R(延長1R)
紀州のマルちゃん(武勇会/3位)
RISING大輝(RISING己道会/6位)
第3試合 51.5kg契約(肘無し) 2分3R
亜々斗[ああと](井上道場)
石井識規[さとき](STRIFE)
神助インタビュー
――前回(2022年7月10日)のINNOVATIONバンタム級タイトルマッチ、王者・平松侑に激烈なKO勝利は、大きなインパクトを残しました。
有言実行できました!
――確かに「20歳のうちに戴冠(※1)」と事前から言われていただけにまさに。
こっからが本当の勝負の始まりです!
――チャンピオンの肩書があると周辺の反応も変わってきたのでは?
応援していただいている皆には喜んでもらえて嬉しいっす。だけど、自分は獲る前も後も何も中身は変わらないです。
――変わらない部分は?
ここまで予定通り。これからも予定通りですから。設定している目標からすればまだまだ序の口。
――今回の試合、メインイベントかつ「WBCムエタイ日本バンタム級ランキング査定マッチ」と銘打たれています。現在、WBCムエタイ日本バンタム級3位の神助選手ですが、実績豊富な山田航輝選手に勝利すれば更にランクアップ、WBCムエタイ日本バンタム級王座決定戦進出(現在同王座は空位)も確実になるでしょう。
まずはWBC、これを獲ってからですね。今から大口を叩いて頭に描いている絵を見せびらかしたりなんかしません。ひとつずつ確実に勝って、自然と周りから盛り上げていくようにします。
――ここで改めて前回の平松戦を振り返ってください。
一度、会心の手応えの右が入ったのに立ち上がって来て、計3度倒したのかな? 2度までも立って戦い続けたのにチャンピオンらしい気持ちは感じました。タイトルマッチ前の2試合は、無理に倒しに行くではなく慎重に勝ちに徹しました。けど、この試合で「やっぱりKOしないと」って。ここで野生の闘争心を開放して、それが自分らしいし更に強くあることだと確信しました。応援に来てくれた友達にも事前に「1ラウンドか2ラウンドで倒す」って予告していて、その通りだったんで大喜びで。
――慎重と言われながらもアグレッシブな神助選手が更に攻撃的になる?
もちろんです! ただ「行く時は行く」の見極めには慎重を続けるし、ここからレベルが上がった試合になるにつれ単純じゃ通用しないことはわかっています。その時々のプランを冷静に遂行して、ここぞという時に爆発する。そこをもっともっと高めます。
――そんな進化するチャンピオンに立ちはだかる山田選手の印象は?
ムエタイスタイルで巧いと思います。俺とは真反対に種類が違いますよね。だからこそ面白いかなと。今後、上に行くのに世界一流のテクニシャンともやるわけですから望むところです。
――どんな試合になるでしょう?
見所は前に行った通り“野生の闘争心”です! これを冷静にコントロールしながら爆発させる瞬間を見逃さないでください。ムエタイって高度な技術戦になると格闘技にことを特別に好きでもない人は面白くないじゃないですか? 俺の試合はそうじゃない。誰が見たって熱狂できる。そうさせてみせます!
付録インタビュー:南孝侍会長
前回のKO戴冠は予定通りでした。平松選手には王者の名に恥じない根性を見せていただきましたが、神助にとっては通過点です。次の山田選手、キャリアで遥かに上をいくテクニシャンです。神助の腰にベルトがあろうが、今回も胸を借りるつもりでチャレンジャーとして臨みます。一戦いっせん進化する神助にご期待ください!
※1 20歳のうちに戴冠 前回のインタビューで「20才の間にチャンピオンベルトを巻くって目標があって、10月が誕生日ですから、ほぼ狙い通り!」と語る神助。
https://kick-innovation.com/pickup_detail.php?id=117
神助のプロフィール
リングネーム:神助
フリガナ:シンスケ
所属:エムトーンジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION
生年月日:2001年10月7日(21歳)
出身地:神奈川県幸区
身長:173cm
戦型:オーソドックス
プロデビュー:2020年12月28日
戦績:10戦8勝(3KO)1敗1分
ステータス:INNOVATIOバンタム級王者
Instagram:https://www.instagram.com/kick_shinsuke1007/
山田航暉インタビュー
――山田航暉選手というと福田海斗(カイト・ウォーワンチャイ)選手、伊藤勇真選手とキング・ムエ3枚看板で全員がフライ級トップクラス、タイを拠点とした本格派ムエタイのイメージが強かったのですが、2018年9月24日の石川直樹戦(判定3-0勝利)以来、一人、リングを離れられていて、今年4月24日に約3年半ぶりの復帰。そこから強敵相手に3連勝と飛ばしています。
復帰戦は、うちの佐藤孝也会長がプロモーターを務める「Suk Wanchai MuayThai Super Fight」だったのですが、いきなり国内トップの老沼隆斗とのマッチアップには痺れました(笑)。久しぶりの減量で52kg契約もキツかった。けど、なんとか勝てた(判定2-1)のでよかったです。
――7月20日の復帰2戦目、国本真義選手も同じくトップファイターです。
本戦1-0からの延長判定3-0で、これも苦しい試合でした。
――そして、前回の試合は、10月10日、心直(しんた)戦、判定2-0をものにしました。
同じく接戦ですが、ギリギリの見切りで勝つのもムエタイの醍醐味なのでよしとしてください(笑)。
――それにしてもハードな試合が短期間に続きます。
今回を含めて全部タイトルマッチではないんですけど、代わって“日本王者狩り”を標榜していますので、INNOVATIONチャンピオンで看板選手とお見受けする神助選手は、最上の獲物です。
――今年7月10日に前王者・平松侑選手を2ラウンド完全KOしての戴冠劇はインパクト大だった神助選手をどう分析しますか?
メチャメチャ強いですね! けど、差があり過ぎます。
――神助選手への高評価もさることながら、それ程までに自分不利と?
いえ、逆です。僕と神助選手の技術差があり過ぎるってことです(笑)。イケイケのファイターと技術屋の僕、面白い構図じゃないですか。それにしても総合力で僕が遥かに上回っています。
――凄い自信です。
神助選手も片島聡志など強い選手に勝ってはいますが、僕とは場数と年季が違います。復帰前と復帰後を併せて僕はずーっと国内最強クラスと連戦してきて連勝中。はっきり言って完封します!
――頼もしい断言です。どのような形で完封勝利を?
復帰後3戦は、すべて戦い方を変えています。僕は状況に応じてそれができます。だから、神助選手がどう出ようと、どんなに強打を振るおうと空転させますし、リング上で大いに悩んでもらいます。
――「リング上で悩ませる」とは深い技術を感じます。
僕は復帰してからグングン強くなっています。昔は、練習でやってことしかリングで出せていませんでした。頭が固かったというか、相手の対策は十二分にするんですけれど、それ以外の動きで意表を突かれたらペースを崩すところがありました。今は自在に応用が利きます。それに事前対策でも隙なく想定が広がっているので、例えばパンチ中心の猛ファイターの神助選手が蹴りで距離を取ってきたとしても想定内です。もちろん、その他もすべて。
――そんな魔術師のような千差万別のテクニックを操る山田選手に神助選手がどんな戦略で臨むか? または強硬な一点突破か? そんな注目点を試合前にお聞きできて得な気分です。
進化した山田航暉は、本当に強いですよ!
――するとこの試合、勝利後の展開も楽しみです。
今、日本軽量級は空前のハイレベルですから。ルールは肘打ちあり、首相撲無制限のムエタイ系とそれらがないRISE、K-1系に二分するにしても自分はまずムエタイ系を席巻します!
――具体的に見据えている相手やリングは?
それはまだ言えませんが、神助選手の首を獲れば日本王者狩りも相当煮詰まっているので、自然と大きな道が拓けるはずです。僕にはそれが見えています!
山田航暉のプロフィール
リングネーム:山田 航暉
フリガナ:ヤマダ コウキ
所属:キング・ムエ
生年月日:1998年7月17日(24歳)
出身地:愛知県名古屋市
身長:166cm
戦型:オーソドックス
戦績:31戦22勝(3KO)9敗
ステータス:元WMC日本スーパーフライ級王者
Twitter:https://twitter.com/kokimuaythai
Facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=100015734497690
Instagram:https://www.instagram.com/koki_mylife717/
風間大輝インタビュー
――骨太の空手スタイルでK-1ライト級王者、朝久泰央選手を撃破し、K-1で旋風を巻き起こしている与座優貴選手が風間選手をキックボクシングと橋本道場に誘って今があると聞いております。
そうですね。与座は同い年で20歳くらいから同じ地元(茨城県土浦市)の遊び仲間で、ずーっと「一緒にやろうよ!」と言ってもらっていて、それで23歳でようやくのこと橋本道場(※1)に入門させていただきました。
――与座選手が熱心に勧誘する程ですから、かなりのアマキャリアがあったとか?
遊び程度にちょろちょろやっていましたけど左程でもないです。
――すると只ならぬ才能が見抜かれていたとか?
それはどんなものかですが、燻っていたようには見えたんですかね?(笑)
――5勝1敗の好成績ながらプロキャリア6戦目でタイトルマッチに辿り着いた風間選手の来歴をお聞きします。格闘技キャリアは、やはり与座選手が盟友なだけにフルコンタクト空手?
いえ全然。小さな頃、父親がテレビでK-1とかDREAMとかをつけていたら何となく見る程度で、魔裟斗さんを名前だけわかる程度の興味でした。運動は小3から中学生まで野球一色で、小中ともキャプテンを務めましたし、中3の夏に関東大会ベスト8はではいきました。
――すると相当な野球少年の青春?
と思われがちですが、そうでもないんです。きっかけは2コ上の兄に引っ張られてですし、運動神経も人並みで脚なんか速くもなかったです。
――それでいながらキャプテンに選ばれるには理由がありそうです。
それはわかんないんですよね(笑)。
――そこまで野球をやられていたのなら、高校進学で「目指せ甲子園!」の路線には?
いかないんです。自分で無理だと悟ってしまう部分があって、その気持ちが芽生えたら上にはいけないですから。
――すると情熱の対象はどこに?
“遊び”です(笑)。
――北関東はヤンキー帝国のようなイメージが勝手にありますが、失礼ながらそっち路線?
中学野球部時代を含めて、それなりのヤンチャはしていましたけど、人道に外れるようなことはしていません(笑)。
――現在も堂々たる偉丈夫ですが、中高時代も同様ならかなり厳つかったのでは?
中3で178cm、80kgはありましたからね。
――ヤンチャに喧嘩が含まれるのであれば相当に強そうです。
中学の夏、野球部引退後は、柔道部の顧問をされていた担任の先生に何故か柔道を個人教授で仕込まれまして、1対1ならそれなりに負けない自信はありました。多少ブン殴られても耐えて組んじゃえば簡単ですから。
――その柔道が初の格闘技との接触?
そうですね。けど、その後は特に何をするでもなく高卒から就職して、その頃だったかキックボクシングをしていてK-1甲子園に出るくらい頑張っていた友達に誘われてK-1の大きなイベントを代々木第二体育館に見に行ったんです。それが大当たりの凄い大会で、65kgの日本トーナメントで野杁正明選手、久保優太選手、木村ミノル選手、山崎秀晃選手、HIROYA選手、左右田泰臣選手なんかが一堂に会した偉い面子で、試合内容もとんでもなくて大熱狂しました。今でこそその価値がわかりますけど、当時は選手のこともろくに知らないで、だけど試合を見てただただ「スゲーっ!」って騒ぎまくっていました。格闘技への気持ち、あれが原点かも。
――それが実戦につながるのは、与座選手のスカウト?
いえ、その前に少し。そのK-1を見て「やるならキックだな」って思いはあったんですが、地元でキック専門ジムが近くになくてT-BLOODって川尻達也さんとかがおられたMMAのジムに入ります。けど、遊び感覚なんで週一くらいの練習で、基礎練習とか嫌でスパーリングの日くらいしか行かなかったような。一応、そこからキックのアマ大会にでて2戦2勝ではあります。
――野球や柔道で鍛えた基礎があるにせよ、MMAジムからキック大会で連勝なのですから才能はかなりのものでは?
いやー、最初の30秒暴れ回ってその後はヘロヘロでようやく勝てたくらいものので。けど、楽しかったですね。その後、仕事を変えて上京して、足立区のキックサークルみたいなところで週3、4回くらいの練習は趣味程度にしていたんですけど、仕事で肋骨を折って実家に帰って、何もできない中「もうやろう!」って奮起して与座の誘いに乗りました(笑)。
――そして、橋本道場入門、いかがでしたか?
ここからが自分の本当のキックボクサー人生のスタートなので、それまでとは全然違います。週4回は本部(福生市の橋本道場)、週2回はWINGS(所沢支部)で週6回、橋本師範(橋本敏彦会長)を追っかけてみっちりやらせていただいております。
――数々の名王者を多数育て上げた橋本会長の指導はどんなものなのでしょう?
ジムの会長さんって立場であんなに毎日こと細かに教えてくれる方って他にいないんじゃないですかね? 練習内容も技術指導も最高としか言えないです。それとうちには、歳は下でも大先輩に安本晴翔君って怪物がいて、体格が全然違くても酷い目に遭わされています(笑)。
――そんな研鑽も早々に実ってアマ大会で優勝(KNOCK OUTアマチュア-75kg)、そして、昨年末(2021年12月21日)プロデビューから、矢継ぎ早にこれまで5試合。これらをダイジェストで振り返ってください。
プロデビュー戦(ヤン・ヤンフン戦)は、余裕で倒す予定がドロドロになってしまって「思っていたよりキビしい」って判定勝ちながら思い知らされました。2戦目(鈴木清照戦)は、11戦もキャリアのある格上相手で「噛ませ犬なのかな?」って不安の中、チャレンジ精神で特攻したら判定で勝てて、その次(ジェイク the ハンセン戦)が「普通にやれば勝てるよ」って真逆の感じにプレッシャーがかかってしまった中、なんとか2ラウンドで倒せた具合。
――順調な3連勝の後、初敗北(中島将志戦)を経験します。
なかなか試合が決まらなくて、あるんだかないんだかわからないまま何となくの減量をして、そこから試合直前に相手が変わって、なんかモヤモヤしたまま臨んだ試合ではありますが、2ラウンドKO負け。自分のタフさに自信を持っていただけに「俺って倒れるんだ」ってショックでした。1、2週間は心痛くて引き摺りましたがもう大丈夫。ちゃんと準備して臨めば勝ちます。自信あります! 次の一歩への肥しです!
――前回(9月19日)は、S-BATTLEミドル級王者の青谷秋未選手に判定勝ちです。
負ける要素はなかったんですが、倒しきれなかったことに悔いが残りました。
――そして、今回のタイトルマッチです。
プロデビューから1年足らずでここまで来させていただいて感謝ではありますが、ベルトに挑むというよりも通常のワンマッチの気持ちで臨みます。
――相手の印象は?
何せ身長190cmオーバーですし、75kg契約とかで試合をしていたので「やることはないだろう」と思っていたから意外でした。倒したい。けど「倒したい」と力むと上手くいかないので意識しないで倒します。向こうはムエタイスタイルで技術的に巧いんでしょう。俺はテクニシャンにはなれないけど気持ちで絶対に負けない自負があります。打ち合ってくれるなら上等。そうでなくても打ち合わせて倒します!
――長身だけにロングリーチを活かした肘打ちや膝蹴りがあるかもしれません。
ヒジヒザでこようと対策はできています。肘打ちありは初めてですけど楽しみです。ヒジ好きです。
――ここでINNOVATION王者のベルトを巻いたとして、その次の展望は?
行けるところまで急ピッチにドンドン突き進みます! けど、今のままの自分がRISEなどトップ戦線で通用しないことも解っています。まずは更に1年。そこで爪がかかって、3年から5年で日本最強にはなります!
――非常なポジティブシンキングを感じます。
それが俺の得意なパンチよりも大切な武器です。ぶっちゃげ、どんなに頑張っても晴翔君よりも巧くなんかなれません。けど、試合なら熱い気持ちで実力以上のパフォーマンスを引き出すことが必ずできるようになります。「安本晴翔は橋本師範の最高傑作」かもしれませんが、俺も師範の作品として別の輝きで負けずに光って魅せます。そんな試合をやって師範が喜ばせることが俺の使命です!
※1 橋本道場 与座優貴は極真会館第6回世界ウエイト制軽量級優勝(2016年)を成し遂げた後、橋本道場で鍛錬しINNOVATIONでプロキャリアを積み、満を持してK-1 GYM SAGAMI-ONO KRESTに円満移籍してK-1に臨んでいる。
リングネーム:風間 大輝
フリガナ:カザマ ダイキ
所属:橋本道場/JAPAN KICKBOXING INNOVATION
生年月日:1997年10月14日(25歳)
出身地:茨城県土浦市
身長:181cm
戦型:オーソドックス
プロデビュー:2021年12月21日
戦績:5戦4勝(1KO)1敗
ステータス:INNOVATIOスーパーウェルター級8位
Twitter:https://twitter.com/kzm_daiki
Facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=100010879297240
Instagram:https://www.instagram.com/daiki_kazama/
馬木樹里インタビュー
――今回、プロ7戦目にしてタイトルマッチにたどり着いたわけですが、馬木選手といえば、天才と謡われた実弟“ピンクダイヤモンド”馬木愛里(※1)選手の印象が強いです。
憧れですし、尊敬しています。
――2歳下の弟ながら?
格闘技に関しては、ホンマ天才で、家族を超えていちファンとして大好きです。多彩で奥深い技術もですが“闘い”に関する考え方が凄くて。
――今も一緒に練習されている?
土日一緒に。ミットを持ってくれたり、スパーもします。
――長らくリングから離れている愛里選手ですが、今回のタイトル戦には岡山から東京へ来られますか?
セコンドにはつかないと思いますけど、見には来てくれます。
――そんな兄・樹里選手の存在を初めて知ったのは「愛里選手に身長190cmオーバーの陸上選手をしている運動神経が半端ない兄がいるらしい」という噂で、2019年秋に岡山ジム主催興行でプロデビューの時には「大型新人が転向してきた」との認識でした。
陸上はキックボクシングの体力作りの為にしていただけで、はじめからキックが本命だったんですよ。それが高校特待生で迎えてくれるということで陸上部入りして槍投げでしたけれど、高校三年間はそのしばりで試合には出られなかったんです。
――それは知りませんでした。勝手ながら「弟に触発されてトップアスリートの兄が遅まきの転向」かと。
自分的には“転向”じゃなくて変えるべき本命の舞台に“帰って来た”感覚です。
――格闘技キャリアの始まりは?
5歳からの極真空手です。
――端正なムエタイスタイルだけにそれは意外でした。
愛里もすぐ一緒にやって、僕は、小3か小4で全国大会3位になりました。ちなみに愛里は準優勝でした。
――それがムエタイに傾倒していくのは?
極真から闘我塾って自前の道場に移って、小4か小5で「キックもいいな」と気軽に岡山ジムにいって、タイ人の先生がおられてムエタイを知って、そのまま今に至ります。
――子供の頃に好きだった選手は?
ブアカーオです! 空手時代から大好きでした。ムエタイ自体が好きでルンキットなんかもいいですけどダントツです。
――今も現役トップをひた走っている伝説です。
この前(2022年10月28日)の佐藤嘉洋さんとのレジェンドマッチ(※2)は、タイ合宿中で生観戦しました。
――極端な話、現在、同階級なわけで、これからスーパージャンプアップすれば対戦することもありうる?
三浦孝太選手とのアレ(※3)が羨ましくて。対戦だなんて畏れ多いですが、そこまでいけるようにまずはこのベルトを獲ります!
――191cmという高身長でスーパーウェルター級(69.85kg)まで減量するのは並大抵のことではなさそうです。この契約体重は初めて?
はい、プロデビューは84kgでしたが大丈夫です。プロとしての仕事なので。
――デビュー戦が84kgとは驚きです。
陸上をやっていた時、筋トレにはまって筋量を増やしまくっていましたから。けど、早くから70kgをホーム階級にすることは決めていたので、着々と試合毎に契約体重を下げて、前回の試合(2022年10月2日)では71kgでした。
――このINNOVATIONスーパーウェルター級タイトルを狙って?
はい! しかし、ここが目標ではありません。これは巻いて当然のベルトで通過点。ここで躓くわけにはいきません。
――相手の風間大輝選手は5戦4勝1敗。互いに好戦績のルーキー対決です。
以前から風間選手の試合は見ていて「凄く良いな」「近くやる時が来るだろうな」とチェックしていました。
――具体的な印象は?
フィジカルが強くて好戦的。何より橋本道場の選手なので特に燃えています!
――岡山ジムと橋本道場は親交深く、馬木選手も安本晴翔選手などと仲がいいとは聞いております。
最高の名門ジムでリスペクトしかありませんが、それだけに絶対勝ちたいです。
――そんな思い入れのある今回の試合、どう戦われますか?
向こうは猛ファイターで典型的なキックボクシングスタイル。僕がテクニック重視のムエタイスタイルだから対極ですよね。綺麗で格好良い試合を作りますが、だからといってポイントアウトで終わらせる気はありません。しっかりとムエタイの恐い面を見せつけて倒しにいきます!
――純キックボクシングルールのINNOVATION王座戦だけに5回戦の肘打ちあり、首相撲無制限です。
肘打ちありは、以前、NJKFとの対抗戦との時以来2回目で5回戦は初めてですけれど僕はムエタイですから望むところです。
――ここで勝利してINNOVATION王者となった後の展望は?
RISEやRIZINといった大きな舞台でしっかりと名前を売りたいです。
――RISEなどの大手プロモーションは、肘打ちなしルールが主流です。
それも全然問題ありません。(ムエタイからK-1で頂点に立った)ブアカーオを目指しているのですから当然です。
――最後に意気込みとメッセージを。
岡山ジムの在間啓一会長や田村信明相談役にいただいたチャンス、必ずものにして、父母への報恩感謝を忘れず、ここから大きく羽ばたいてみせます。愛里以上に強く、高く!
※1 馬木愛里 岡山ジムが生みだした駿馬。MuayThaiOpenウェルター級王者。16歳のプロデビューから無敗のままルンピニースタジアム認定スーパーライト級7位にランキング入りしたこともある。端正なルックスながら圧倒的なテクニックと強さを誇ったがバイク事故による大怪我から何度かの復帰戦を繰り返し戦線離脱中。
※2 レジェンドマッチ 2022年10月28日、バンコクのラジャダムナンスタジアム「KAT PRESENTD LEGEND OF RAJADAMNERN」の目玉企画としてブアカーオ・バンチャメークが過去4戦3勝1敗の佐藤嘉洋(引退済み)とエキジビジョンマッチを行ったが、右フックの強打で昏倒させノックアウト(EXマッチの為、勝敗はなし)。大きな話題となった同年9月25日のフロイド・メイウェザー・ジュニア×朝倉未来と同じ結果となった。
※3 三浦孝太選手とのアレ MMAの超新星、サッカーレジェンド・三浦知良の息子、孝太が2022年8月19日、ラジャダムナンスタジアムでエキジビジョンマッチ(3ラウンドに三浦がレフェリーストップされた)を行ったが、タイでアイドル人気が高騰している三浦見たさに高額チケットが順次に売切れ、会場は黄色い声援が飛び交ったとのこと。
馬木樹里のプロフィール
リングネーム:馬木 樹里
フリガナ:ウマキ ジュリ
所属:岡山ジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION
生年月日:1998年7月6日(24歳)
出身地:岡山県総社市
身長:191cm
戦型:オーソドックス
プロデビュー:2019年11月17日
戦績:6戦4勝(1KO)2敗
ステータス:INNOVATIOスーパーウェルター級6位
Twitter:https://twitter.com/ju07ri06
Facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=100033293832861
Instagram:https://www.instagram.com/juri_umaki/
紀州のマルちゃんインタビュー
――常に熱い試合の両雄がINNOVATIONスーパーフェザー級王座挑戦者決定トーナメント決勝戦で激突です。どんな試合になりますでしょう?
行き当たりばったりです! 展開予想とか考えたことありません。一方的だろうが打ち合いの激闘だろうが、オレがKOで勝って場内がドカーンって盛り上がるってことしか見えてません。
――相変わらずの……。
根拠のない自信!(※1)
――マルちゃん選手ももう長らくランカー選手として活躍して、チャンピオンベルトに手がかかることもしばしばでした。それでいながら良いところで負けてしまうこともあったわけで、普通は次戦の相手が決まったら、対策を練って練習するものでは?
対策とか好きじゃないです。それよりも自分のレベルを上げること。そして、頭から呑み込む。相手を研究してシミュレーションをいくらしたところで、相手だってそれを見越して対策してくるわけですから、その裏をかく気満々でしょう。それで自分の想定から外れたら調子が狂ってしまうなんて弱いでしかないです。相手だって成長進化する。だから、それ以上にオレがでかくなればいいんです。そんで驚くようなスカッとKOしますから!
――なんとも心配になるほどハードルを上げまくるというか。
ハードルなんていくらでも上げなきゃ。時々「あんまハードル上げないでくださいよー」とか言ってる奴いるけど意味わからん。
――驚く程のポジティブシンキングでもあります。
ちょっと負けが込むと「東京のジムに移籍して練習した方がいいんじゃないか?」とか言う人もいて、それはオレのことを買ってくれて心配されているんでしょうけど、キョーミねぇ! オレは武勇会と会長(藤岡勇人)や師匠の吉岡雅史支部長たちを心底信じて尊敬しています。今のオレがあるのは武勇会とINNOVATIONのお蔭。強い奴はどこにいたって強くなるし、俺は強い奴なんです!
――マルちゃん選手の熱さと肝の太さは尋常ではありません。
自分を貫く! 信じていますから。そりゃ、勝負は結果が出なければ意味はありません。けど、一度負けたからって、それが人生の敗北でも何でもない。諦めたら終わりです。けど、オレは諦めることなんか絶対にしないから。どんなにやられてもそれきっかけで成長して倍返しです!
――そんなソウルフルでパンクな魅力に溢れるマルちゃん選手の今後の目標は?
狙っていることあります。凄い未来が見えてます!
――それは?
言えません!(笑)
――(ずるっ)
時が来ればブチ上げます!
――それは、この試合で勝利して現王者、新田宗一朗選手への挑戦権を得た時?
とは限りません!
――INNOVATION王者のベルトを巻いた時?
とも限りません! いつかとは定めませんけど、そこに至るストーリーを楽しんでいただければ(笑)。
※1 根拠のない自信 参照(1年前のインタビュー記事):https://kick-innovation.com/topics_detail.php?id=50
紀州のマルちゃんのプロフィール
リングネーム:紀州のマルちゃん
フリガナ:キシュウノマルチャン
所属:武勇会/JAPAN KICKBOXING INNOVATION
生年月日:1998年4月15日(24歳)
出身地:和歌山県紀の川市
身長:180cm
戦型:サウスポー
戦績:15戦9勝(6KO)5敗1分
ステータス:INNOVATIONスーパーフェザー級2位
Twitter:https://twitter.com/kishuubanbanzai
Instagram:https://www.instagram.com/kishuubanbanzai/
RISING大輝インタビュー
――激闘が常のRISING大輝選手、もうすぐINNOVATIONスーパーフェザー級王座挑戦者決定トーナメント決勝戦、タイトル挑戦権獲得まであと一歩です。
今、西日本スーパーフェザー級王者(※1)のベルトは持っていますが、日本王座に相当するこのタイトルは絶対にいただきます。RISEやRIZINなどの大舞台を目指している中、まずはここから。キックボクシング界で知られた名前になる為に必ず。
――その強い意気込みは熱い試合を呼び込みそうです。
紀州のマルちゃん選手も相当オラオラなファイターですから、技術戦とは違う“気持ち”の部分でヒートした試合になるんじゃないでしょうか。
――そんな大輝選手の来歴をお聞きしたいと思います。運動歴は?
小学校から高校までずっと野球です。子供の頃はプロ野球選手になるのが夢で少年野球の全国大会に出場したことがあります。
――すると、高校甲子園を目指す路線まで?
いえ、中学までは真面目に全力野球だったのですが、高校で力が抜けて野球部ではありましたけれど軟式で左程でもなくなっていました。
――キックボクシングや格闘技との出会いは?
高卒から社会人になって運動不足なところ、先輩から「やってみたら」と今も所属するライジング己道会(こどうかい)に通い出して、最初は週一程度だったのがスパーリングをやったりアマ大会に出るにつれ段々と本気度が増してきて、そんな中、会長(朝日隆二)から「職員になってプロとしても上を目指さないか?」と誘っていただいて職場もジムに移しました。
――パートタイムではなく専任スタッフを雇い入れるほどジムが大きい?
いえ、それまで会長がお一人でやられていたところサポートする形で自分が初職員です。
――それは大きなターニングポイントですね。
どこか燻っていた自分に声をかけていただいて、お世話になりっぱなしの会長には感謝しかありません。
――ある種貴重なキックジム専任職員としてのプロデビューは?
それが初戦からKOで連敗してしまいます。そこでアマから出直してのプロ再起戦は、飛びヒザ蹴りでKO勝ちしました。ここまで色んなチャンスをいただきながら勝ったり負けたりで16戦です。
――これまで印象に残る試合は?
2年前(2020年12月27日)の市村大斗戦(INNOVATIONスーパーフェザー級王座決定トーナメント準決勝戦)です。2ラウンドに飛びヒザ蹴りでダウンを奪いながら3ラウンド引分で延長戦になって、ここで応援団に喝を入れてもらって気合いで前に出て、相手の土俵のパンチの打ち合いで競り勝った試合です。自分が大切にする“気持ち”が強く意識できた闘いでした。
――そんな大輝選手の得意技は、はやり飛びヒザ蹴り?
それ以上に“気持ち”ですね。
――大輝選手の試合に熱戦が多いのも納得できる気がします。そして、このマルちゃん戦への意気込みは?
“気持ち”を前面に出していくことは当然として、攻める時、前に出る時の見極めをしっかりしながら、ここぞという時の飛びヒザは当然出しますし、オラオラのマルちゃん選手と正面切って打ち合うこともあるでしょうから、応援団も観客の皆さんも盛り上がる凄い試合をした上で勝ちます!
――試合が楽しみになるお言葉です。
会長や応援していただいている方々にリング上から“気持ち”を見せることで恩返しさせていただきます!
※1 西日本スーパーフェザー級王者 2022年4月17日、大阪のコミュニティープラザ平野で行われたキックボクシング興行「KAKUMEI KICKBOXING」のメインイベントで市村大斗(多田ジム)と王座決定戦を争い、ダウンの応酬となる激戦の末、4ラウンドTKO勝利で同タイトルを戴冠。
RISING大輝のプロフィール
リングネーム:RISING大輝
フリガナ:ライジング・ダイキ
所属:ライジング己道会/JAPAN KICKBOXING INNOVATION
生年月日:1995年1月10日(27歳)
出身地:岐阜県多治見市
身長:172cm
戦型:オーソドックス
戦績:16戦9勝(4KO)6敗1分
ステータス:INNOVATIONスーパーフェザー級3位
ピックアップファイター:亜々斗インタビュー
――今回、INNOVATION品川興行に当たりメインイベントやセミファイナル以外にピックアップ選手にインタビューさせていただきます。亜々斗選手は、四国は愛媛県の井上道場のホープです。
はい、道場のある四国中央市で生まれ育ちました。今、高校2年生の16歳です。
――今年3月、岡山ジム主催興行の第1試合でプロデビュー。見事、ユナニマスデシジョン(判定3-0)で勝利しています。
この試合は。終始リラックスできてあまり緊張せずに戦うことができましたが、次の試合(7月10日、INNOVATION品川興行)では、逆に緊張で動けなくって前に出なくちゃいけない場面で脚が止まってしまい判定負けで、とても反省しています。
――そして迎えた3戦目、どんな試合をされますか?
相手の石井選手はサウスポーなので対策を色々練って練習しています。そういった稽古の積み重ねで体力には自信があるので、今度はしっかりと前に出て巧さを見せつけた試合をしたいです。
――具体的にご自身のどんなところに注目してほしいですか?
相手の動きに合わせたカウンターです。特にミドルキックを見ていただきたいです。
――高1デビューの新人ながら流麗なテクニックが光る亜々斗選手ですが、キックボクシングはいつから始められたのですか?
小1の時、両親の勧めで近くにあった井上道場に入門してずっと今までいます。
――かなり早くからのスタートです。
小3の岡山大会で初めてアマチュア試合に出てKO勝できたのですが、それが嬉しくて楽しくて益々のめり込んでいきました。
――アマキャリはいかほど?
16、7戦して13勝しています。グローブ空手で小3と小4の時にトーナメント優勝しました。
――そんな亜々斗選手の今後の目標は?
まずは日本ランカー(INNOVATIONランカー)に入って上に行けるように勝ち続けます。この試合では特に前回から成長して変わった自分を皆さんにお見せしたいです。
亜々斗のプロフィール
リングネーム:亜々斗
フリガナ:亜々斗
所属:井上道場/JAPAN KICKBOXING INNOVATION
生年月日:2006年1月31日(16歳)
出身地:愛媛県四国中央市
身長:163cm
戦型:オーソドックス
プロデビュー:2022年3月13日
戦績:2戦1勝1敗
対戦カード
第7試合 ダブルメインイベント2 WBCムエタイ日本バンタム級ランキング査定マッチ 3分3R
神助(エムトーンジム/INNOVATIONバンタム級王者)
山田航暉(キング・ムエ/元WMC日本スーパーフライ級王者)
第6試合 ダブルメインイベント1 INNOVATIONスーパーウェルター級王座決定戦 3分5R(延長1R)
風間大輝(橋本道場/8位)
馬木樹里(岡山ジム/6位)
第5試合 セミファイナル INNOVATIONスーパーフェザー級王座挑戦者決定トーナメント決勝戦 3分3R(延長1R)
紀州のマルちゃん(武勇会/3位)
RISING大輝(RISING己道会/6位)
第4試合 スーパーフェザー級(首相撲、肘無し) 3分3R
翔貴(岡山ジム/元ルンピニージャパンフェザー級王者)
藍之輔[らんのすけ](STRIFE)
第3試合 51.5kg契約(肘無し) 2分3R
亜々斗[ああと](井上道場)
石井識規[さとき](STRIFE)
第2試合 62.5kg契約 2分3R
切詰大貴(武勇会)
大山 完(STRIFE)
第1試合 女子52kg契約(顔面膝無し、肘無し) 2分3R
Melty輝[きら](TEAM AKATSUKI)
山本知美(FAITH)
概要
イベント名:Z RACING PARTS presents RESISTANCE-10
主催:JAPAN KICKBOXING INNOVATION
日時:2022年12月4日(日) 16:00開場 16:30開始予定
会場:品川インターシティホール(東京都港区港南2-15-4)
チケット前売り:RS席15,000円、S席10,000円 A席7,000円 自由席6,000円 ※当日券は500円アップ
チケット販売所:チケットぴあ、参加各ジム、各選手
お問合せ(INNOVATION興行本部):TEL 043-247-0112
公式サイト:http://kick-innovation.com/