Krush 8.27 後楽園ホール：寧仁太・アリ×中野滉太、ウェルター級王座戦計量クリア。岡嶋形徒×稲垣澪、小倉尚也×岩尾力、MOMOTARO×提髪和希ら会見で意気込み

　Krush.140（8月27日（土）後楽園ホール）の公式計量が26日に行われ、全選手がクリアした。計量後の記者会見のレポートがK-1 JAPAN GROUPから届いている。（写真：(C)K-1）

王者 寧仁太・アリ「ウェルター級のジンクスを自分が打ち破ります」vs挑戦者 中野滉太「江川優生、武居由樹、岩尾力……PODの4人でしっかり盛り上げて、自分が最後を締め括ります」

　メインイベントで行なわれるのは寧仁太・アリvs中野滉太のKrushウェルター級タイトルマッチ。寧仁太と中野は2人とも無事に計量をクリアすると、揃って記者会見と調印式に臨んだ。
　王者の寧仁太と挑戦者の中野は共に23歳の同い年。会見に同席したKrush EVANGELISTの石川直生さんからも「キャリア8戦の王者、キャリア11戦の挑戦者、23歳の才能溢れるファイター同士のタイトルマッチです」と期待を寄せられたタイトルマッチだ。
「リーチを生かした戦い方も接近戦でも倒し合いが出来る引き出しの多い両選手です。互いに攻撃の軌道を読みにくい技を持っているので、どっちが先に有効打を当てることが出来るかが勝負のポイント」と、石川さんが見どころを語る激戦必至の一戦だ。
　これが初防衛戦となる寧仁太だが、第7代王者の山際和希、第8代王者の加藤虎於奈、第9代王者の松岡力と、いずれも防衛回数0回でベルトを手放していることに関して、「ウェルター級のジンクスを僕が絶対に破りたい、新しい記録を作りたいと思っている」と語り、ジンクス打破に意気込んでいる。
　ジムの先輩であり、現K-1フェザー級王者の軍司泰斗が、8.11K-1福岡国際センター大会で行なわれたフェザー級世界最強決定トーナメントで、圧倒的な強さを見せて優勝したのも好材料。「ああいう勝ち方をしてもらったら勝手に繋げざるを得ないというか、メンタルには相当いい影響でしたね」と刺激を受けて初防衛戦に挑む。

　対する中野もPOWER OF DREAMの一員として勝ちたい理由がある。今日はジムの仲間で、ボクシングに転向した元K-1スーパー・バンタム級王者の武居由樹が、東洋太平洋王座に初挑戦をする日だ。また、同じ大会には、やはり同じジムで苦楽を共にしてきた岩尾力が、交通事故で負った大怪我から約4年半ぶりにリングに立つ。
　先の8.11K-1福岡国際センター大会で勝利をあげた江川優生も含め、POWER OF DREAMの初期メンバーには中野も思い入れがある。「今日由樹くんは絶対にチャンピオンになってくれると思うんで、明日は自分と力くんでしっかり盛り上げて、自分が最後を締め括れるように、チャンピオンになれるようにっていう話合いをみんなでして臨んでいるので、明日も楽しみにしてもらえればなと思います」と、POWER OF DREAM勢連戦の最後を自身の王座奪取で飾りたい考えだ。
　大会当日は現K-1ウェルター級王者の野杁正明も解説席で、この一戦を見守る。“K-1NEXT”と次世代への期待が大きく膨らむ中、石川さんが期待する「K-1王者も無視出来ないようなハイレベルなタイトルマッチ」を寧仁太と中野は体現することが出来るか？

火花散るフェザー級戦！岡嶋形徒「最悪の2連敗を教えてあげようと思います」vs稲垣澪「2連敗したらヤバい。その分、気合いが入っています」

　セミファイナルで行なわれるのは岡嶋形徒vs稲垣澪のKrushフェザー級ワンマッチだ。会見に出席したKrush EVANGELISTの石川直生さんは、「両者共に先日のK-1フェザー級世界最強決定トーナメントにエントリーしていてもおかしくないレベルの選手の戦いです。近い将来フェザー級トップになることは間違いない2人」と、この一戦に寄せる期待が大きい。
　その石川さんから「前回の試合ではカーフキックが冴えていて、また一つ戦いの幅の広がりを見せてくれました」と成長を評された岡嶋。8月のK-1フェザー級世界最強決定トーナメントには「凄いレベルの高いトーナメントを見せられたので、凄く気合いが入りました」と刺激を受けたようで、「こんなところで負けてたらトップには絶対になれないのでしっかり魅せます」と鼻息が荒い。
　今回が再起戦となる稲垣に対して、「最悪の2連敗を教えてあげます」と毒を吐き、「結局俺が一番強い」と決め台詞も言い放って、明日の決戦に向けて気合いを入れていた。

　一方の稲垣は前回5月の「Krush.137」で寺田匠にパンチでダウンを奪われて敗れてしまったが、「そこを修正して今回の戦いでまたそのポテンシャルの深さを証明してくれると期待しています」と、石川さんからもまだまだ成長を期待されている選手だ。
　今回の再起戦に向けて「今までは負けちゃヤバいみたいなところがあったんですけど、今回はそれがなくなって、対戦相手に対してしっかり意識を持って、練習だったり全てのことが出来たんじゃないかなと思っています」と意識を変えて試合に臨む。
　岡嶋同様、K-1フェザー級世界最強決定トーナメントには刺激を受けたようで、「もっと大きな舞台に向けて階段を一歩上げられたらなと思っています」と、勝利を手土産にフェザー級トップ戦線への殴り込みを目論んでいる。

ベストバウト候補！小倉尚也「気持ちでぶつかると腹を括った」vs岩尾力「みんなで勝って、笑って会場を出る」

　第6試合でKrushスーパー・バンタム級ワンマッチを戦う小倉尚也と岩尾力は揃って計量をパスし、会見に出席した。Krush EVANGELISTの石川直生さんからは、「勝っても負けてもKrushを体現する選手」とその戦いぶりが惚れ込まれている小倉と、交通事故から約4年半ぶりのリングに復帰し、「その想いを明日のリングにぶつけてほしいと思います」と促された岩尾の試合は、「明日のベストバウト候補になるんじゃないかと思ってとても楽しみにしています」と期待が寄せられたKrushらしいカードだ。
　しかし、小倉は試合内容の評価は高いものの、ここ最近は2連敗と勝ち星がついてきていない状況。本人も、「そこらへんの必死さは明日は出ると思いますので注目していてください」と、連敗ストップに悲壮感を漂わせる。相手の岩尾は4年半の間に抱えていた気持ちをぶつけてくると予想されるが、「僕もある程度は覚悟を持って、気持ちでぶつかっていかなきゃなと腹を括ってきたんで、そこらへんの覚悟を見といてください」と、気持ちで応えて、期待されるベストバウトを狙う。
　一方の岩尾は「4年半近くぶりの試合でブランクがあると思うんですけど、それを思わせないような対策をいっぱいしてきて、明日は絶対勝てると思うんで、よろしくお願いします」と久々のリングに不安な様子を一切見せず、逆に自信を見せる。
　また、POWER OF DREAMの初期メンバーである武居由樹が自分の試合の前日に同じ後楽園ホールでボクシングの東洋太平洋王座に挑み、同じ大会のメインイベントでは中野滉太がKrushウェルター級タイトルマッチを戦うという、岩尾にとってこの2日間は特別な日となった。「由樹と滉太と僕の3人はジムがいろいろあった時からの3人で初期メンバー。明日は絶対に3人で勝って、笑って会場を出ようと思っています」と、POWER OF DREAM初期メンバー3人揃っての勝利に想いを馳せていた。

MOMOTARO「負けたら終わりの覚悟。必ず倒して勝つ」vs提髪和希「このリングに“モモタロウ”は2人いらない。僕に負けたら引退してもらう」

　第7試合ではKrushスーパー・フェザー級ワンマッチでMOMOTAROと提髪和希が対戦。MOMOTAROはONE Championshipなど海外の団体でも実績を上げてきた実力者だが、昨年から参戦したK-1では2連続KO負けと、ルールへの適応に苦しんだ。
　それでもKrush EVANGELISTの石川直生さんは、「才能溢れる選手なので3戦目の今回はよりこのルールにフィットした戦いを見せてくれると期待しています」と、Krush初参戦となる今回の試合に期待を寄せており、MOMOTARO本人も「明日はKrush、K-1らしい新しい自分を見せてですね、アグレッシブな姿を見せられるように頑張ります」と意気込んでいる。
「この試合に負けたら本当に終わりの覚悟でリングに上がりますので、必ず倒して勝ちたいと思います」と、背水の陣で提髪との一戦に臨み、「インパクトのあるアグレッシブな姿を見てもらって、印象づけたい」と、スーパー・フェザー級戦線での再浮上を目論む。
　一方、「1戦ごとにこのルールの戦い方が進化しているトータルファイター」と、石川さんからもその成長度を評価された提髪だが、ボディビルもやっているMOMOTAROのバキバキの体を前に、「僕も今回仕上がっちゃったんで今回はフィジカル対決かなと思っています」と軽口を叩くなど、余裕を見せる。
　MOMOTAROには「自分からすると体はキレてないなという印象を受けました」と言われてしまったが、提髪にとってビッグネームのMOMOTAROとの試合は大きなチャンスでもある。「後輩に鬼山桃太朗がいるんですよ。K-1に“モモタロウ”は2人はいらないと思うんで、僕が勝ってMOMOTARO選手には引退してもらおうと思います」と、世代交代に闘志を燃やしていた。

陽キャvs陰キャが今大会の火付け役！増井侑輝「陰キャには負けない。女性を全員俺のものにする」vs鈴木孝司「K-1・Krushを体現した試合を見せる」

　第1試合に登場するのはKrushライト級ワンマッチを戦う増井侑輝と鈴木孝司の2人だ。Bigbang王座獲得経験もある増井は今年4月「Krush.136」でK-1 JAPAN GROUP初参戦。西京佑馬にKO負けを喫したが、Krush EVANGELISTの石川直生さんは、「ムエタイベースの蹴り技でその実力を十分示してくれたと共に、このルールへの適応能力の高さも感じさせてくれましたた。2回目の明日はこのルールでのバージョンアップした戦いが期待出来ます」と、期待値も高い。
　増井本人もこの4カ月の間にK−1ルールに適応するべくスタイルチェンジに励んできたそうで、「鈴木選手を倒す、今はそのことで頭がいっぱいです」と自信を見せる。また、鈴木のことを「こんな陰キャみたいな真面目な奴に負けたくねえ」、「チラチラ周り見て全然目が合わないなと思ったんで、弱そうだなって感じっすね」と言いたい放題で挑発すると、最後も「明日は女性を全員僕のものにします」と欲望丸出しの陽キャっぷりを発揮していた。
　対する鈴木は右手の拳の怪我から、約11カ月ぶりの復帰戦だ。「最近の試合では勝ち方をしっかり身につけてきているところだったので、右手が使えない間に、こちらもバージョンアップしてきていると思うので楽しみです」と、鈴木も石川さんからファイトスタイルのバージョンアップを期待されている。鈴木本人も「右手が使えない部分でいろんな武器が増えたので、その武器をたくさん出した上でKOしたいです」とバージョンアップに自信たっぷりだ。増井に「陰キャ」呼ばわりされたことも否定せずに、大学院卒の「真面目くん」であることや「いじめられっ子から、強くなりたいなと思って」と格闘技を始めた理由も告白。
　その上で持ち前のKOを狙うファイトスタイルで、他団体からやってきた増井に、「K-1、Krushを体現した試合を見せます」と、K-1 JAPAN GROUP育ちの誇りを見せつけるつもりだ。

対戦カード

第9試合　メインイベント　Krushウェルター級（67.5kg）タイトルマッチ　3分3R（延長1R）
寧仁太［アニンタ］・アリ（ガーナ／K-1ジム総本部チームペガサス／王者）※初防衛戦
中野滉太（POWER OF DREAM／挑戦者）

第8試合　セミファイナル　フェザー級（57.5kg）　3分3R（延長1R）
岡嶋形徒［けいと］（K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST）
稲垣　澪［れい］（K-1ジム大宮チームレオン／Bigbangフェザー級王者）

第7試合　スーパー・フェザー級（60kg）　3分3R（延長1R）
MOMOTARO（OGUNI GYM／元WBCムエタイ・インターナショナル・同日本統一・NJKFフェザー級王者）
提髪和希（K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST／K-1カレッジ2018 -60kg優勝）

第6代Krushスーパー・フェザー級王者・郷州征宜 引退セレモニー

第6試合　スーパー・バンタム級（55kg）　3分3R（延長1R）
小倉尚也（スクランブル渋谷）
岩尾　力（POWER OF DREAM／元WINDY MUAYTHAIバンタム級王者）

第5試合　スーパー・ウェルター級（70kg）　3分3R（延長1R）
森田奈男樹（エイワスポーツジム／全日本フルコンタクト空手道連盟（JFKO）2017軽重量級（85kg）優勝）
イゴール・シウバ（ブラジル／ブラジリアンタイ）

第4試合　スーパー・ライト級（65kg）　3分3R（延長1R）
川島康佑（HALEO TOP TEAM）
小林孝彦（K-1ジム総本部チームペガサス）

第3試合　ライト級（62.5kg）　3分3R（延長1R）
新太［あらた］（K-1ジム心斎橋チームレパード）
河北光生（K-1ジム五反田チームキングス）

第2試合　フェザー級（57.5kg）　3分3R（延長1R）
勝輝［まさき］（K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER）
立基（K-1ジム目黒TEAM TIGER）

第1試合　ライト級（62.5kg）　3分3R（延長1R）
増井侑輝（真樹ジムAICHI／Bigbangスーパーライト級王者）
鈴木孝司（K-1ジム五反田チームキングス）

プレリミナリーファイト第2試合　スーパー・フェザー級（60kg）　3分3R
赤田功輝（ALONZA ABLAZE）
松本和樹（T-GYM）

プレリミナリーファイト第1試合　フェザー級（57.5kg）　3分3R
天野颯大（キング・ムエ／K-1甲子園2021 -60kg優勝）
啓斗（team ALL-WIN）

概要

大会名　Krush.140
日時　2022年8月27日（土）開場・17:00　プレリミナリーファイト開始・17:30　本戦開始・18:00
会場　後楽園ホール
中継　ABEMA（生中継）
チケット料金　SRS席 20,000円　RS席 15,000円　S席 10,000円　A席：7,000円　※当日券500円アップ。16時より販売　※小学生からチケットが必要
チケット販売　K-1.SHOP　グッドルーザー　出場選手・所属ジム
お問い合わせ　グッドルーザー　03-6450-5470　https://www.k-1.co.jp/krush/