ONE Championship 11.8 マニラ:ノンオー戦から半年。鈴木博昭、再び頂点を目指す戦いへ「ちょっとでも気を抜いたら、すぐ淘汰されますよ」
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ONE Championship「ONE: MASTERS OF FATE」(11月8日(金) フィリピン・マニラ:モール・オブ・アジア・アリーナ)で鈴木博昭(BELLWOOD FIGHT TEAM/元シュートボクシング世界スーパーライト級王者)がムエタイルールでトゥカタトーン・ペットパヤタイ(タイ)と対戦する。試合6日前の2日、鈴木にインタビューを行った。大会の模様はAbemaTV 格闘チャンネル3で生中継される。
鈴木は昨年8月末でシュートボクシング協会を退会し、ストライキングジムAresを退職し、SBの王座も返上して、退路を断ち昨年11月からONEに参戦。2連勝後、今年5月にタイの強豪・ノンオー・ガイヤーンハーダオの持つONEムエタイ・バンタム級王座に挑戦したが、蹴りをもらい続け判定負けした。2R時点で腓骨(足のスネの骨)を折り、フットワークが使えなくなるアクシデントもあった。その後、6月には愛知県豊橋市にBELLWOOD GYMをオープン。今回はノンオー戦から半年ぶりの試合となる。
トゥカタトーンはノンオーと同じイヴォルブMMAに在籍し、ムエタイ277戦242勝33敗2分という驚異的な経験がある、元ルンピニー&ラジャダムナンのランカー。下動画の赤がトゥカタトーン。鈴木と同じくサウスポーで、1Rにはパンチの打ち合いで左フックを当てダウンを奪っている。
鈴木は9月に、一度離れたシュートボクシング協会への復帰を発表した。Ares時代からの後輩・内藤大樹も10月25日のONEジャカルタ大会でONE初白星をあげており、2人で力を合わせ強豪揃いのONEスーパーシリーズ(※ONEの立ち技部門の総称)での躍進を目指す。
――5月にノンオーに敗れて以来の試合です。今回はどういうテーマを持って臨みますか?
鈴木「去年、ONEデビューした時は、全てを投げ打って、一人でも挑戦してやるという気持ちでやっていましたけど、それから何人かの仲間がついて来てくれました。ノンオー戦までは公民館とかの公共施設で練習していたんですけど、ノンオー戦の直後に自分のジムをオープンしてから、初めての大会です。抱える選手もできましたし、会員さんもいますし、自分の考える練習環境を構築しつつあるので、試合が楽しみなんですよね。ワクワク感が強いです」
――具体的な違いは?
鈴木「器具で例えばサンドバッグがこういう状態だったらやりやすいとか、色々細かくあります。まだ100パーセントじゃないですけど、思っていたものが実現できていますし、練習時間もかなり整備できて、いい感じですね。6月にジムをオープンする前は施設を転々としたり、閉館時間を気にしながらやっていました。今はジムで後輩たちに練習で『勝ちたいんだろ。今の限界を越えろ』と煽って、自分もそれに負けていられないと練習をして、いい相乗効果が生まれていますね。よく言っていますけど、僕の先生は後輩たちなんで」
――ではコンディションも良好?
鈴木「そうですね。かなり仕上がっています」
――今回戦うトゥカタトーンの印象は?
鈴木「技術偏重型のタイ人で、闘争を仕掛けてくるタイプじゃなく、勝率は高いですけど、無駄な浪費をせず勝とうとしている感じがします。落ち着いていますし、別段変わったことをしてくる感じでもないですし」
――サウスポー同士にもなります。
鈴木「久しぶりですね。でもサウスポーと戦う時はダウンを取るかKOがだいたいできているので。やってみないとわからないですけど。最低でもダウンは取りたいですね。ONEスーパーシリーズならではの戦いはしたいです」
――テクニックで魅せる選手もいれば、ガチガチ打ち合って観客を煽って魅せる選手もいます。
鈴木「ロッタンなんかは、ああやって煽りつつも、オールラウンダーで、実際はきっちり勝ちに行っていますよね。マイク・タイソンみたいな顔つきになってきてますけど(笑)。オープンフィンガーグローブならではの部分もありますし、僕はやりやすいですし、この舞台は水に合っていると思います」
――オープンフィンガーグローブの長所、短所は?
鈴木「ボクシンググローブならではの打ち方もあって、ボクシンググローブなら倒せる選手でも、オープンフィンガーだと意外と倒せない選手もいますよね」
――蹴り足をすくってからの攻撃を鈴木選手も内藤選手も駆使していますね。
鈴木「オープンフィンガーだとやりやすいですね」
――よくブロックで防御する選手が、ブロックの隙間からパンチをもらってダメージを負うこともあります。
鈴木「そうですね。でも来たものをよけるのが大事なのはどっちのグローブでも一緒だと思います。オープンフィンガーのほうがよけやすいですし、集中できますし、いい雰囲気を出してくれますね」
――前回のノンオー戦の敗戦を受けて、自分の戦い方を見直した部分は?
鈴木「あの時は技術的な部分を増やしましたけど、合わなかったですね。もちろんノンオー選手が上手かったのは大きいですけど、自分も狙い過ぎたかなと」
――9月にノンオーがブリース・デルバールと防衛戦をしました。
鈴木「あの時は(AbemaTVの生中継の)解説をやりましたね。ボクシンググローブだし、リングだし、ムエタイと変わらないので、ノンオーが自信にあふれ過ぎちゃって、煮え切らない試合になってしまいましたね」
――変わらず打倒ノンオーを目指す?
鈴木「そこに戻らないと、やっている意味は無いでしょう。なんとなく試合をこなすためにONEで戦っているわけじゃないんで。基本はONEのキックボクシング(肘無し)とムエタイのどっちでもベルトを獲りたいです」
――他に関心のある選手は?
鈴木「クラップダム選手が気になりますね。同じサウスポーで、背格好も近くて、危険な拳を持っていますし、いいなって思いましたね。他にも中国のハン・ジーハオ選手、ロシアのアラヴァディ・ラマザノフ選手とかもいますし、層が厚くなって、本当に熾烈な場所だなって。ワールド・リーグになっているから、日本人が生き残らないとね」
――61.2kgのフライ級だとタイ人が多くて、鈴木選手のいる65.8kgのバンタム級だとヨーロッパや中国の選手が増えてきますね。日本人がもっと今後ONEのバンタム級に上がって来る可能性もありますが。
鈴木「それはあるでしょうよ。日本人同士が戦うことは、よっぽどのことが無い限りONEだと無いとは思いますけど、日本人の中で誰が目立つのかって話にはなってくると思うし、スーパーシリーズの日本人で僕が先陣を切っている自負はあるので。内藤と一緒にONEスーパーシリーズを切り拓いて行こうやって気持ちで毎日一緒に練習していますね」
――先日は内藤選手がONE初戦で見事な勝ちっぷりでした。
鈴木「勝ちましたけど『ヒヤヒヤもんだぞ』って言いました。色々苦言は呈しましたけど、それもこれもフライ級の上には、もっとロッタンみたいな化け物がいますし、ロッタンとタイトルマッチをやって欲しいですし、本人にもその気があるからなんですよね。唯一無二の強いチームを作りたいです。あの舞台で気を抜いていられる時間なんて無いし、ちょっとでも気を抜いたら、すぐ淘汰されますよ。世界各国のタイトルホルダーが集まって来て、本当にチャンピオンシップなので、そこで生き残るという話です」
――去年ONEに参戦する時にシュートボクシング協会を一旦離れ、先日再び加入しましたが、どういった思いからでしょうか?
鈴木「僕自身はONEと契約して試合をしていますけど、後輩で試合をしたい子たちが増えて、後輩の道作りですね。一番はまだデビューしていない選手や子供たちのためです。僕自身もシュートボクシングで育って、ベルトを獲って、ONEに今上がっているので、ジムの代表として、その舞台に自分の育てた選手を上げて行くのは一つの必然なんじゃないかと思います」
――最後にファンに向けてメッセージをお願いします。
鈴木「11月8日のマニラ大会、怪物君が帰って来ます。怪物君らしい戦いになるかなと思っていますので、楽しみにしてください。応援よろしくお願いします」◆◆◆
「ONE Championship マニラ大会」AbemaTV 格闘チャンネル3 11月8日(金) 18:30 〜 9日(土) 01:30 番組予約はこちら