ONE Championship 10.13 両国国技館:出場選手連続インタビュー(1) 青木真也:「ジャパニーズMMA」への危機感、「青木真也」への危機感|AbemaTVで生中継
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ONE Championshipの2度目の日本大会となる「ONE: CENTURY 世紀」(10月13日(日) 両国国技館)の開催が迫って来た。AbemaTVはこの大会を、第1部+特別番組+第2部=15時間に渡る“超完全生中継”でフォローするにあたり、「舐めんなよ、ジャパニーズMMA。」という中継コンセプトを掲げ、日本の主力6選手をフューチャーしたキービジュアルを公開した(詳細はこちら)。BOUTREVIEWでは、この6選手のビジュアル撮影時に行った独占インタビューを、大会に向けて順次公開する。
「舐めんなよ、ジャパニーズMMA。」のコンセプトは、対戦相手決定後に青木真也が自身のnoteに発した「舐めんじゃねぇとは思ってる」という言葉が元になっている。
青木は前回3月のONE初の日本大会ではメインイベンターを務め、1R肩固めでエドゥアルド・フォラヤンを仕留めライト級王座奪還を果たしたが、5月のシンガポール大会でクリスチャン・リーとの初防衛戦で敗れた。今回はそれ以来の試合で、1階級下の元王者のホノリオ・バナリオとの試合が組まれた。
ONE 2度目の両国大会は、4階級のチャンピオンシップ、3階級のGP(トーナメント)決勝が主要カードで、その7試合とも外国人選手同士の戦い。大会が急きょ朝と夜の2部制になったのも、米国時間土曜夜のUFCと同じ時間帯の生中継を強く意識した感が強く、日本大会にも関わらず、日本勢の存在感の薄い編成となってしまっている。
青木はnoteの中で、この状況への「舐めんじゃねえ」という率直な気持ちを吐露しつつ、その思いを試合という「仕事」にどう昇華させるかについて記している。
「このタイミングで、この位置で、この相手に試合をしている自分に納得はしていない。」
「自分がやりたいことはなんだろう。そう問いかけたときに答えは一つだ。ジャパニーズMMAがやりたいんだ。」
「今回の外国人メインの日本市場向けとは言えないカードの中でオレはジャパニーズMMAがやりたい。」
「コクのあるMMAを見せるのが青木真也の仕事なのだろうと思っています。」
この投稿から約2週間後の今回のインタビューで、青木から聞くことができたのは、プチバブル化しつつある「ジャパニーズMMA」への危機感であり、36歳・プロデビュー16年の一選手としての危機感。「ジャパニーズMMA」という言葉を出しつつも、そのカテゴリーに甘えず、人一倍の危機感を持っているからこそ、サークルケージの中で戦う彼の姿はより尊く、「コク」を増す。
――3月の日本大会までは、去年の夏から大々的なプロモーションが始まり、早い段階でフォラヤンとのチャンピオンシップが決まり、じっくりプロモーションができ、なおかつメインイベントでした。今回は相手がバナリオに決まったのは約1か月前で、チャンピオンシップでもトーナメントでも無い普通のワンマッチと、だいぶシチュエーションが違う印象です。
青木「前回はテーマ付けがあってやりやすかったですね。今回は解像度が低いというか、ボヤけているじゃないですか。物語を対戦相手との2人で作り上げる手法がしにくい。だから僕の個人の物語で作るしかないってのはあります」
――ONEの作る青木選手の物語の中では、3月にベルトを獲って、5月にクリスチャンとの初防衛戦で負けて、今回が再起戦という位置づけでしょうけど、青木選手の個人の物語を打ち出すと。
青木「僕は2003年から、MMA、というよりも、あえて言えば“日本の総合格闘技”“日本のプロ格闘技”をやってきた、16年の歴史みたいなものが、出せたらなあって思います」
――正直、今回出る日本人で、そこまでの大きなドラマにこだわっている選手は、いないですよね。まあ、修斗対パンクラスの選手は多少あるかもしれないですけど。
青木「彼らは試合しているだけだから。僕は2006年からPRIDEに上がって、DREAMの時期もずっと同じようなことをしてきて、『また青木が何かやってるよ』みたいに言われてきたけど、『ようやくみんな青木の言うことがわかったよね?』と思っていて。まあ、格闘技業界が、景気がいいのか、ちょっと水が回るようになって来て、みんな今の場や状況に満足しているわけですよね」
――まあ今はプチバブルといいますか…
青木「みんなバブル知らないんだよ。僕だって2006年のバブルのギリギリの時期で知らないんだから。正確にはバブル期じゃないし、残りカスをもらうような状態でしたよ」(※2006年6月5日、フジテレビとPRIDEの運営会社DSEの契約が全面解除され、青木がPRIDEに初参戦したのは、その直後の8月26日PRIDE武士道だった。下写真はその大会で勝利後の青木)
――青木選手は格闘技バブル前後の境目の世代ですね。
青木「もう社会的な(経済や世界情勢やメディアの)状況を見ても、バブルみたいなものが生まれない状態じゃないですか。全てはプチバブルな状態で」
――那須川天心選手とかが人気ですけど、格闘技業界自体の人気というより、あくまで個の人気ですよね。
青木「ナスガワは個ですよね。そうは言ったって昔に比べたらね」
――同じキックボクサーでも、昔の魔裟斗さんの人気や知名度は今の天心選手の比じゃなかったです。
青木「そうですね。あと僕は“新日本プロレス化”と言っているけど(世の中のファンビジネスが)コミュニティ化しているのはありますよね。簡単に言うと囲い込み。タカラヅカとかAKBとかのイメージかな。刺さるところには刺さるスタイルでいいのかな。極端な話、ドンとお金を落とす濃いファンが少数でもいればいいんですよ」
――“太い客”とか言いますね。
青木「太い客がいなくても、ある程度の(濃さ・太さの)客を囲い込むのが今の商売ですよね。それに、常々思うんですけど、選手がファイトマネーを稼ぎの軸にする時代は終わるんじゃない? それよりも“自分自身”にお金がつくというか。例えば地上波で2時間の枠の出番をもらって、そこで何かすることでTwitterやInstagramやYouTubeのフォロワーがついて、そうなればいくらでも回収ができるわけで」
――朝倉兄弟はユーチューバー的な人気が高いですよね。
青木「彼らは新しいコンテンツを上手く使っていますよね。極めて現代的だと思います。最近のRIZINがコミュニティ化し、ドメスティックな方向(=日本国内市場向け)に行っているのは間違いじゃないと思います。要はリーグ戦ですよ。UFCは世界の大きいリーグ戦で、ONEもリーグ戦じゃないですか」
――ONEはアジアリーグという感じです。
青木「RIZINは日本人の日本人による日本人のためのリーグ戦だから、日本のファンの支持を集めるのは当然ですよね」
――ONEの場合、日本向けのローカライズが弱いというか。
青木「弱いというか、そこまで舵を切りきれないですよね。日本の市場が10倍あれば話は変わるんでしょうけど」
――中国ぐらいの人口があれば。
青木「UFCも中国人のチャンピオンが生まれましたね。あと、ファンはどうしてもONEとRIZINを比べたがりますよね」
――ONE派、RIZIN派みたいな線引きをしたがる人もいますよね。
青木「僕からすると全く別物だから。ラーメン屋と何屋とか、いい例えは出てこないけど、争うことも市場を食い合うことも必要無いと思っています」
――ボクシングと総合格闘技とか、新日本プロレスとRIZINとまではいかないけど。
青木「それぐらいのイメージでいいと思いますよ。もっと言うと組み合わせて協力できれば一番いいですよね」
――ガッツリ全面提携とかはしなくても、一部の選手とかね。
青木「(ONEの前日のRIZIN大阪大会に出る)川尻(達也)と青木で合同公開練習するとか。それのほうが市場が幸せになるんじゃないかと思います」
――日本人は昔から対立構図のほうが好きですよね。
青木「DREAM対戦極とか、対立して良かったとは、あんまり思ってなくて、うまく切磋琢磨したほうが良かったと思いますね」
――興味深い話が続きますが、そろそろ今回の試合の話をしましょうか。
青木「もう試合は、ここ2年ぐらいは、毎回最後だと思ってやっていますから。いつ辞めても大往生。もっと言うと、大往生したのに辞められない自分がいるから、いつまでもやっているところがあるんですよ」
――哲学的な。
青木「他にやることがあれば辞めていますけど、これ以上のことが見つからないからやっていますよね。セカンドキャリアとか言われるけど、僕が一番タチが悪いですよ。好きで。でも毎回最後の気でやっていて、練習して、プロモーションして、試合して、すり減らしてやっているので、いつ辞めても後悔は無い。でもまだ辞めたくないから、もう少しだけ夢を見たい、酔っ払っていたいので、頑張りたいなと思います」
――ONEのライト級の物語の中で言うと、今回、バナリオに勝って、その先はクリスチャン・リーとの再戦とか、GPの優勝者との戦いというのが今後見えて来ると思います。
青木「僕の流儀として、今回勝ってクリスチャンともう1回とは言えないですね。前回の試合はそんな軽い気持ちでやったんじゃ無いってのはあるんですけど。もう、あと1~2年ぐらいだと思うんです。僕がいいパフォーマンスで強い相手と、“レジェンドマッチ”と言われないマッチアップをすることが。
――そこは大事ですね。
青木「僕ぐらいのキャリアがあれば、今すぐ“レジェンドマッチ”をすることは、そんなに難しくない。でもまだそれはしたくない。コンディションが続くうちに、期待してもらえるようなマッチアップをしてもらいたいなと思います」
――ライト級GP決勝のザイード・フセイン・アサラナリエフとエディ・アルバレスの試合はどうなると思いますか?(※インタビュー後、アルバレスの欠場で、クリスチャン・リーが代役となった)
青木「ダギ(=アサラナリエフ)は、上り調子で、エディは正直、パフォーマンスが下がって来ていますけど、経験の差がどっちに転がるのかなとは思います。ただ、経験が多いからいいこともあれば、悪いこともある。前例を見ると、若い力が押し切ることが多いですよね」
――アルバレスもDJ(=デメトリアス・ジョンソン)もONEに来て芳しくないですよね。
青木「正直、え?と思うことはあります」
――そういう試合を観て、青木選手も危機感を感じる?
青木「もう、危機感というか、北岡(悟)ともよく言うんですけど、同世代が堕ちていくことは、ホント恐怖ですよ。『次は我が身か?』と毎回思っているんで。死刑宣告されて、刑務所で、いつ俺が呼ばれるのかと思うと、朝が来るのが怖いとか、よく聞くじゃないですか」
――ああ…、怖いですね…。こんな話の終わり方でいいのかわかりませんが、そろそろ青木さんの撮影の時間が来ましたので、この辺で。濃い話が聞けました。ありがとうございます。
青木「ありがとうございます」◆◆◆
対戦カード
◆第2部
第11試合 メインイベント ONE MMA ライトヘビー級(102.1kg)チャンピオンシップ 5分5R
アウンラ・ンサン(ミャンマー/王者)
ブランドン・ベラ(フィリピン/挑戦者)
第10試合 コー・メインイベント MMA ライト級(77.1kg) 5分3R
青木真也(イヴォルブMMA/元ライト級王者)
ホノリオ・バナリオ(フィリピン/元フェザー級王者)
第9試合 コー・メインイベント ONE MMA バンタム級(65.8kg)チャンピオンシップ 5分5R
ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル/王者)
ケビン・ベリンゴン(フィリピン/挑戦者)
第8試合 コー・メインイベント ONE ムエタイ フライ級(61.2kg)チャンピオンシップ 3分5R
ロッタン・ジットムアンノン(タイ/王者)
ウォルター・ゴンサルベス[Walter Goncalves](ブラジル/挑戦者)
第7試合 コー・メインイベント ONE キックボクシング フェザー級(70.3kg)ワールドGP決勝 3分3R
ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)
サミー・サナ(フランス)
第6試合 MMA ヘビー級(120.2kg) 5分3R
マウロ・セリーリ(イタリア)
アルジャン・ブラー(インド)
~以下プレリム~
第5試合 MMA 女子アトム級(52.2kg) 5分3R
V.V Mei[山口芽生](RIKI GYM/和術慧舟會GODS/HybridFighter/Team Teppen/元王者)
ジェニー・ファン[Jenny Huang](台湾)
第4試合 修斗×パンクラス対抗戦 MMA ストロー級(56.7kg) 5分3R
猿田洋祐(和術慧舟會HEARTS/修斗世界王者、元ONE王者)
北方大地(パンクラス大阪稲垣組/パンクラス王者)
第3試合 修斗×パンクラス対抗戦 MMA バンタム級(65.8kg) 5分3R
佐藤将光(FIGHT BASE都立大/修斗世界王者)
ハファエル・シウバ(ブラジル/アストラ・ファイト・チーム/パンクラス王者)
第2試合 修斗×パンクラス対抗戦 MMA ウェルター級(83.9kg) 5分3R
エルナニ・ペルペトゥオ[Hernani Perpetuo](ブラジル/ノヴァ・ウニオン/修斗世界王者)
手塚裕之(ハイブリッドレスリング山田道場/TGFC/パンクラス暫定王者)
第1試合 修斗×パンクラス対抗戦 MMA ライト級(77.1kg) 5分3R
松本光史(フリー/修斗世界王者)
久米鷹介(ALIVE/パンクラス王者)
◆第1部
第11試合 メインイベント ONE MMA 女子アトム級(52.2kg)チャンピオンシップ 5分5R
アンジェラ・リー(シンガポール/王者)
ション・ジンナン(中国/挑戦者、ストロー級(56.7kg)王者)
第10試合 コー・メインイベント ONE MMA フライ級(61.2kg)GP 決勝 5分3R
デメトリアス・ジョンソン(米国/元UFC王者)
ダニー・キンガド(フィリピン)
第9試合 コー・メインイベント ムエタイ 女子アトム級(52.2kg) 3分3R
ジャネット・トッド(米国)
エカテリーナ・ヴァンダリーバ[Ekaterina Vandaryeva](ベラルーシ)
第8試合 コー・メインイベント ONE MMA ライト級(77.1kg)GP 決勝 5分3R
クリスチャン・リー(シンガポール/ONE王者)
ザイード・フセイン・アサラナリエフ(トルコ)
~以下プレリム~
第7試合 MMA フライ級(61.2kg) 5分3R
若松佑弥(TRIBE TOKYO M.M.A)
キム・デファン(韓国)
第6試合 ムエタイ ストロー級(56.7kg) 3分3R
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
ダレン・ローランド[Darren Roland](オランダ)
第5試合 MMA ウェルター級(83.9kg) 5分3R
岡見勇信(EXFIGHT)
アギラン・ターニ(マレーシア)
第4試合 MMA 女子アトム級(52.2kg) 5分3R
平田 樹(K-Clann)
リカ・イシゲ(タイ)
第3試合 MMA ストロー級(56.7kg) 5分3R
仙三(パラエストラ松戸/パンクラス・フライ級王者)
リト・アディワン[Lito Adiwang](マレーシア)
第2試合 MMA フェザー級(70.3kg) 5分3R
プー・トー(ミャンマー)
ユン・チャンミン(韓国)
第1試合 MMA 68kg契約 5分3R
スノト(インドネシア)
クォン・ウォンイル(韓国)
概要
大会名 ONE: CENTURY 世紀
日時 2019年10月13日(日)
第1部 開場・7:30 開始・8:30 終了・14:00(予定)
第2部 開場・16:00 開始・17:00 終了・23:00(予定)
会場 両国国技館
中継 AbemaTV 格闘チャンネル 第1部 第2部
チケット料金
VVIP席(アリーナ1-2列目)特典:VIP入場、バックステージツアー、VIPラウンジへのアクセス、お席への軽食・ドリンクサーブ、お土産、ファンフェス入場券付き
1日券通し(25%割引) ¥225,000 1部および2部券(各) ¥150,000
SS席(アリーナ) 特典:VIP入場、軽食・ドリンク付きVIPラウンジへのアクセス付き
1日券通し(25%割引) ¥75,000 1部および2部券(各) ¥50,000
S席(アリーナ)
1日券通し(25%割引) ¥52,500 1部および2部券(各) ¥35,000
マス席(最大4名まで/マス単位での販売)
1日券通し(25%割引) ¥60,000 1部および2部券(各) ¥40,000
A席
1日券通し(25%割引) ¥22,500 1部および2部券(各) ¥15,000
B席
1日券通し(25%割引) ¥10,500 1部および2部券(各) ¥7,000
※12歳以下のお子様はマス席・A・B席のみの観戦となります。
※1部ではVVIP席とSS席、2部ではVVIP席とSS席とS席が完売
チケット販売 チケットぴあ ローソンチケット イープラス キョードー東京 LINEチケット ticket board(foreign countries)
お問い合わせ キョードー東京 0570-550-799(平日11:00~18:00 土日祝日10:00~18:00) http://onefc.com/jp/fanfest