INNOVATION 12.16 岡山武道館:高橋聖人「兄弟で団結してKNOCK OUTを狙う」、浅川大立「37歳・仕事が多忙でも優勝できると証明する」
INNOVATION認定 第5回岡山ジム主催興行(12月16日(日) 岡山武道館)の「セントラルグループ presents 岡山キックボクシング59kg賞金トーナメント」に出場する高橋聖人(真門ジム/NKBフェザー級王者)、浅川大立(ダイケンスリーツリー/INNOVATIONフェザー級王者)のインタビューがINNOVATIONから届いた。
高橋聖人
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
中野駅徒歩3分。平日7~23時、年中無休営業。入会金&月謝2ヶ月分無料!
——KNOCK OUTで大活躍の高橋三兄弟(※1)の末弟ということで注目度高く、更には優勝候補に名前が挙がることも多い高橋聖人選手ですが、まずは、今年9月8日の前試合、KNOCK OUT大阪興行のメインイベントで惜しくも敗れた駿太戦についてお聞きします。
地元のメインで「勝たなあかん」って飛ばしすぎてしまったところ、駿太選手のベテランならではの経験にやられてしまったって感じです。試合直後よりも後からジワジワと悔しさと後悔が湧き出てきてたまりません。
——それは今でも?
ありますけど、グジグジいつまでしてもしゃあないんで「あの試合があったから成長できた」と後で胸が張れるように活かしてプラスに考えるようにしています。
——兄のお二人の活躍が目覚ましい中、「実は一番強いのは三男だ」といった証言もKNOCK OUTのプロモーションビデオにありました。
練習では、そんな感じもあるんですよ。お兄ちゃんたちはリングで結果を残せてるけど、僕は試合で出せてないジレンマがあります。
——つまりは、相当のポテンシャルがあられるとお見受けしますが、それが爆発しきれない要因は?
試合で緊張しているわけではないんですけど、自分の動きができいないんですよねぇ。
——逆にある程度「力を発揮できた試合」はありますか?
今春(4月15日)の村田裕俊(※2)戦につきます。初めての5回戦でしたけれど、ほぼフルの力が出せたんじゃないかなと。
——村田と言えば、“Mr.KNOCK OUT”とまで呼ばれている森井洋介がムエタイメジャーランカーのタイ人を含めてKOを連発する中で対戦し、判定ドローの殊勲で一気に全国区にその名を広めた“逆境スピリッツ”ですね。
その森井戦の次の試合が僕との一戦だったので、余計に自信が深まりました。
——駿太戦のメイン起用もそれがあったからなのかもしれません。そんな波がありながら、今回、大勝負のトーナメントを迎えます。
皆、強い選手ばかりですから、自分のことを優勝候補だなって言っていただくのは光栄ですが、この8名の中で実力が飛び抜けた選手っていないと思うんです。だからこそ「やるかやられるか?」の要素が強くて面白いんじゃないですかね。
——7名の中で気になる相手は?
タイ人のTHEP(テープ)選手、気になります。亀田大毅に勝ってるって! 地元(岡崎)の翔貴選手も要注意です。ならではの底力があるかもしれません。それと9月のKNOCK OUT大阪で控室が一緒だったんですけど、なんとも……。
——異様にハイテンション(※3)だったとか?
そうです(笑)。あれを見せられるとそりゃあ気になっちゃいます。
——そんなトーナメントをどう勝ち抜きますか?
対戦相手が前日計量時に抽選で決まるわけですから、対策なんて立てていられない。するといかに「自分のやりたいことを真っ先になるか」と「相手の動きを封じるか」につきます。
——その為には、どんな技術を?
距離ですね。言い換えれば「自分の距離を真っ先に取って」「相手の距離を取らせない」となります。
——そうやって距離を制して繰り出す技は?
パンチで倒したいです!
——パンチが得意?
練習では倒せるのがけっこう出るんですけど、これまではほとんどのKOやダウンが蹴りで取ったものばかりでした。まだKO率はさほど高くないので、これからKOファイターにチェンジしていくにあたり課題はパンチだなと。
——また今回のルールは、1回戦からヒジ打ちがある(※4)過激なものです。
自分のホームであるNKBは、プロデビュー時からヒジ打ちありなので大丈夫です。実際、ヒジありで10戦以上してまだ斬られたことありません。
——ご自身のTwitterで「優勝してknockout出場権を頂きます!」と宣言されていました。
折角、KNOCK OUTの大舞台に呼んでいただいたのに負けてしまって……駿太選手は、12月9日の両国興行で村田戦じゃないですか。「勝ってたら両国に出ていたのは僕だったんかな?」って思うと切ないです。絶対にまた出ます!
——一方ならぬ思い入れの強さです。
この時代に生まれて一番の舞台じゃないですか。だから、兄弟で団結して狙いますよ! 僕の階級(フェザー級)は、まだ王座決定トーナメントが行われていませんから、自分がいるからこそそれが行われるくらいに中心になってやります!
——そして、そこでもやはり「兄弟で」なのですね?
仲いいですからね! お互いの試合、絶対に二人がセコンドにつきます。僕の試合の1週間前、二人が試合(※5)ですけど、当然、僕もつきます。お兄ちゃんたちも岡山のリングで必ずついてくれます。三人でやってきて、これからもずっと三人ですから!
※1 高橋三兄弟 大阪の真門ジムで揃って活躍するキックボクシング界の名物三兄弟。長男、一眞は、NKBライト級王者であり、KNOCK OUTで“居合パンチャー”町田光を撃破。次男、亮は、乗りに乗っていた“スピードアクター”小笠原瑛作とダウンの奪い合いになる激戦でドローとなり、その後、“THE CYCLONE”宮元啓介や瀧澤博人を破り連勝中。三名ともが恐ろしく勢いづいている。
※2 村田裕俊 2017年2月12日、KNOCK OUTで森井洋介と大激闘の末、判定ドローとなり名を上げながら、その後、2017年4月15日、高橋聖人に虎の子のNKBフェザー級王者のベルトを奪われ、2017年6月25日に高橋一眞に敗戦する急転直下。2018年12月9日には、KNOCK OUTで駿太と対戦する。
※3 異様にハイテンション 「岡山の名物は、桃、マスカット、そして、オレ!」と言って憚らない傾奇者、“岡山名物”翔貴は、インタビュー記事などでは、いたくハイテンションでバカ明るいが、実は、キャラクターとして演じているのではなく、そのままの天然素材。一緒に部屋を同じくすれば嫌でも痛感できる。
※4 1回戦からヒジ打ちがある 通常のヒジ打ちありのワンデイトーナメントは、決勝戦以外は(選手の負傷欠場のリスク回避で)ヒジ打ち禁止とする場合が大半である。
※5 二人が試合 長兄、一眞が12月8日のNKB後楽園ホール興行メインで棚橋賢二郎を相手にNKBライト級王座防衛戦。次男、亮が12月9日のKNOCK OUT両国国技館興行で因縁の小笠原瑛作とのリマッチ。三男、聖人は12月16日にトーナメントと、約1週間の間に三兄弟が揃ってビッグマッチを控えている。
リングネーム:高橋 聖人
フリガナ:タカハシ キヨト
所属:真門ジム/NKB
生年月日:1997年12月1日(21歳)
出身地;大阪府
身長:174cm
戦型:オーソドックス
戦績:13戦10勝(4KO)2敗1分
ステータス:NKBフェザー級王者
Twitter:https://twitter.com/kiyokick1201
浅川大立
——今年10月21日の児島真人も快勝で連勝中の浅川大立選手、非常に調子がよさそうです。
今年3戦3勝無敗ですからね。このまま上向いて突き抜けます!
——3月25日、INNOVATONフェザー級挑戦者決定戦では、トーナメントにエントリーしている“岡山名物”翔貴と6度ものダウンを奪い合いになる壮絶な激戦。まさに語り草になる激闘でした。
翔貴選手も同じINNOVATON同士、色々あった(※1)と思いますが、頑張ってほしいですね!
——“居合パンチャー”町田光ともクロスゲームで白熱の戦いをしてのけるなど、浅川選手は、知名度こそ全国区ではないかもしれませんが、ハードパンチャーで激闘派、今回のトーナメントもダークホースとして相当面白い存在なのではないかと思われます。
俺が優勝するなんて誰も思ってないでしょう? だからこそ美味しいっすよね。そんな下馬評をひっくり返して皆を驚かせてやろうと。もう楽しみでしかないです!
——8名によるワンデイトーナメントは、優勝するには1日3試合を勝ち抜き、それでいながら1回戦からヒジ打ちがある(※2)という過激なルールです。
最初に斬られたら、勝ったとしてもその後どうしょもないでしょ? 大変ですよね。
——そんなトーナメントを勝ち抜く秘策は?
あー、俺、作戦立てると弱くなるから(笑)。
——作戦を立てると弱くなる?
今まで事前に相手を研究して対策して臨んだ試合はろくなことになってないんですよ。自分の良さが死んじゃう。だから「そんなことしてもしょーもない」という結論に行き着きました(笑)。
——このトーナメントの組み合わせ抽選は、試合前日の計量会と並んで行われるだけに個々の選手対策は立てにくい状況ではあります。
俺にとっては、ラッキーっす。全員がノープランを強いられるなら、それは俺のフィールドですから!
——対策を立てなくとも参戦選手7名の寸評はいかがでしょう? まず、岩城悠介。
夏(今年7月1日)に山梨で試合してるの生で見ましたけど上手いですよね。
——北薗翔大は?
宮元啓介選手とやってるんですよね?
——高橋聖人は?
駿太選手とKNOCK OUTでやったんですよね?
——THEP(テープ)は?
ボクシングの世界チャンピオンだったんでしょ? ハンパないっすね。ムエタイもぼちぼちやってたって。
——浜本“キャット”雄大は?
ラウェイやってたんですよね? あと、那須川天心選手に倒されたのかな。
——深田一樹は?
優勝候補って噂ですよね?
——対策を練らないだけあって、あまり知りませんね?
はい、よくわかんないっす(笑)。ただ、全員がなんらかのチャンピオンなわけで、誰とやることになっても楽しそうじゃないですか!
——KOパンチャーの浅川選手だけに狙うは全KO優勝?
それが最高でしょ! けど、3回戦で延長1ラウンドを含めたら全試合フルにやったとして、4ラウンド×3試合で12ラウンド? そしたら、12ラウンド、目いっぱい打ち合いっぱなしってのも悪くないんじゃないっすか?(笑)
——浅川選手ならやりかねない気がします。
そういう展開なら俺のものですよ!
——賞金もありますが、優勝者は、小野寺力プロデューサーが来場しての「KNOCK OUT出場権」が直接に得られます。
KNOCK OUT、いいですねー!
——今、多くの選手がKNOCK OUT出場を希望し、試合前後のインタビューなどでそれをアピールしていますが、浅川選手は以前から「目の前のいち試合がすべて」「観客がいようがいまいが、リングの上は、男と男の1対1」と意に介していない様子でしたが変化が?
毎試合「これが最後のリング」という覚悟は変わりません。そうして今年、4度目の挑戦で巻くことができたINNOVATONのベルトが、次のステップに導いてくれるような気もします。そして、それはやっぱりKNOCK OUTなのかなって(照笑)。
——決して華やかなKNOCK OUTに目がくらんでの宗旨替えではなく?
自分の性根は絶対に変わらないけど、ベルトが俺に上を目指すことを教えてくれました。KNOCK OUT、いいじゃないですか! 俺の試合でもっと盛り上げる自信があります!
——確かに浅川選手のようなタイプは、KNOCK OUTまだいないと思います。それにしても浅川選手は、土建業の社長でもあられるとのことで、働き盛りの年代、仕事と練習の兼ね合いなども大変なのでは?
仕事は、もうハッキリ言ってクソ忙しいです! 住宅基礎の建築業なんですけど、5、6年位前から仕事がまったく切れなくなって、今年10月の試合前なんか、土日も全く休めずにずっと仕事の毎日でした。こうして電話で話している今も現場で生コン練ってますよ(笑)。
——それほどの多忙ながら、どう国内有数レベルの王者が集まったトーナメントを勝ち抜く練習を?
そこなんです! うちのジムは若いプロが2名いますが、まだ相手にもならないし、独りで練習することも多いです。だから、出稽古だってするし、どんなに仕事が大変でも時間は作る。それは、誰がどうあれ、自分自身の問題。生活環境や練習環境を言い訳なんかにしては絶対にいけない。今回のトーナメント、37歳の俺が断トツで最年長ですよね? だからこそ、優勝して「それでもできるんだ」を証明してみせます!
——流石、“漢(おとこ)”浅川選手です。
基礎屋のおっちゃんの大暴れ、楽しみにしていてください!
※1 色々あった 翔貴の母、西川順子さんは、本年11月、癌により永眠。
※2 1回戦からヒジ打ちがある 通常のヒジ打ちありのワンデイトーナメントは、決勝戦以外は(選手の負傷欠場のリスク回避で)ヒジ打ち禁止とする場合が大半である。
リングネーム:浅川 大立
フリガナ:アサカワ ヒロタツ
所属:ダイケンスリーツリー
生年月日:1981年10月15日(37歳)
出身地;山梨県甲府市
身長:172cm
戦型:オーソドックス
戦績:24戦15勝(6KO)9敗
ステータス:INNOVATIONフェザー級王者
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