パンクラス 9.23 立川ステージガーデン:杉山しずか、憧れの先輩・藤野恵実との引退戦を語る「最後に受けてくれるのはこの人しかいない」「この試合が終わったらまた100%の力でこの人を応援していける」
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PANCRASE 366(9月23日(水/祝) 東京・立川ステージガーデン)の主要出場選手による記者会見が8月21日、東京都内で行われた。この記事では、引退試合に臨むパンクラス女子フライ級王者・杉山しずかと、対戦相手を務める藤野恵実の談話をお届けする。
杉山しずか引退試合 女子54kg契約 5分3R
杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We/パンクラス女子フライ級王者)
藤野恵実(JAPAN TOP TEAM/元パンクラス&修斗世界女子ストロー級王者)
杉山は39歳。大学生時代に空手道禅道会に入門し、08年にJEWELSでプロMMAデビュー。長年DEEP JEWELSを主戦場とし、17年と18年にはRIZINで渡辺華奈と対戦しいずれも敗れる。22年5月のDEEP JEWELSフライ級王座決定トーナメント決勝で中井りんに1R一本負け。24年からパンクラスに上がり、7月の2戦目で重田ホノカに1Rフロントチョークで一本勝ちし女子フライ級王者となる。昨年3月、渡邉史佳相手に初防衛戦に臨んだが、1R右フックでKO負け。渡邉が王座を返上し、今年3月、和田綾音との王者決定戦で判定勝ちし、王座奪還を果たした。5月のパンクラス立川大会のケージに登場し、引退を表明し、9月の大会で引退エキシビションマッチとセレモニーが行われると発表していたが、練習仲間でもある先輩の藤野との公式戦で引退することになった。
藤野は45歳。24年5月の杉本恵との初代修斗世界女子ストロー級チャンピオン決定戦で3R TKO勝ちし、パンクラスに続く2団体制覇を達成する。同年9月、ソルトのパンクラス王座に挑戦したが判定負け。昨年3月のパンクラスでは本野美樹と接戦を繰り広げるも判定負け。今年1月、修斗に戻り、暫定王者のパク・ボヒョンとの王座統一戦が組まれたが、ボヒョンが左腕を負傷し手術を要するため欠場。アラミと53kg契約で対戦し判定勝ち。試合後、修斗の王座返上を表明し、「今回49試合目なんで、もう1試合ぐらい、どうしてもやりたい」と話し、自身の引退も近いことを語っていたが、今回は杉山の引退試合の相手を務めることになった。
杉山はRIZINの解説者を務めている縁から、8月11日のRIZINトヨタアリーナ東京大会の休憩前の告知タイムに、9月23日パンクラスでの引退試合が発表された。杉山は「9月23日、PANCRASE 366という大会で、エキシビジョンをするつもりだったんですが、パンクラスのチャンピオンとして藤野恵実選手と本気の勝負の戦いが決まりました。私も予想していなかったのですけど、最後にボコボコになるところを皆さんに見てほしいという思いで、ここに立たせていただいています」「今は解説席で皆さんと一緒に選手を応援していますが、最後に選手として戦いますので、是非PANCRASE 366の方も皆さん応援に来ていただけたらうれしいです」等と話した。
試合発表から10日後、パンクラスの記者会見で、杉山は「今回はこのような華やかな会見に出席できたこと、そして本当に最後の舞台を用意してくれたパンクラスに感謝、応援してくださっている方に感謝を伝えるために、この試合をすることになりました。よろしくお願いします」と晴れやかな表情であいさつ。
藤野は「まさかしぃやん(杉山)が先に引退するとは思わなくて、私の引退を見届けてから引退してもらおうと思ってたんですけど」と前置きしつつ、「杉山選手には杉山選手の物語があって、私には私の物語があって、今回彼女は引退試合ということですけれども、私は自身のMMA 50試合目という節目の試合なので、2人が主役だと思っています。だから私は自分の50戦目をしっかり勝ちに行きます。最高の試合をしたいと思います」と語り、対・杉山を抜きにして自身にとっても大事な試合であることを強調した。
質疑応答では、ふたりの絆とプロファイターとしての厳しさが交錯するやり取りが繰り広げられた。
――杉山選手に質問です。今回の藤野戦はご自身で希望されたのでしょうか。
杉山「はい」
――なぜ藤野選手との戦いを希望されたのでしょうか。
杉山「私はもともと藤野さんのようになりたいと思っていて。倒したいとか戦いたいって思ったことは一度もなくて、今も心を決めるのが難しいです。でも他の選手が全く浮かばなくて。パンクラスの事務所でたくさん相談をして、今まで自分の頭の中にあることを話したんですが、アドバイスをもらった上で『じゃあ他の選手を挙げてごらん』と言われて挙げたけど、自分でもしっくりきてないのが分かって。最近この試合を発表させていただいて周りの反応をもらったんですけど、やっぱり藤野さんにお願いしてよかったんだなと思ったので。倒したいとか、超えるなんて全く考えてないですし、そういうことじゃなく『最後に受けてくれるのはこの人しかいないな』という気持ちですね」
――藤野選手には、最初にこの話を聞いた時のお気持ちや、杉山選手の話を受け止めて戦うことに関する意気込みなどをお願いします。
藤野「最初はずっと冗談だと思っていて『やろうね』くらいの感じだったんですけど、途中で『本当なのかな』と思って、もしかして嫌われているのかなって。『最後にこいつを本当にぶん殴ってから終わりたいのかな』と(笑)」
杉山「最初は冗談だったんですよ。でも私からは一言も言ってなくて、周りが言っていたんですよね。まさか私もそんな展開にはしないと思っていて。だから私からは全然オファーしていなかったですよね、すみません(笑)」
藤野「嫌われているのかなと思って(笑)。周りには結構反対している人が多くて『今までの関係性とかもあるし、私の試合のほぼセコンドについてくれているのにやる意味あるの?』とはすごく言われました。ただ私もここまでずっと20年以上格闘技をやってきて、UFCに行きたいだの言っていましたけど、一個一個の試合に勝敗だけじゃない意味を見出していきたいなとすごく思っているので。ずっと一緒にやってきて、大事な後輩が引退の相手に選んでくれたっていうなら本当に幸せだなと思って。普段練習していてめちゃくちゃ強いのは分かってるんで、いつもやられているんで、最後思いっきりやりたいなと思いました」
――藤野選手は自分の節目の50戦目と話していましたが、世界の女子(MMA)選手で一番試合しているんでしたっけ?
藤野「ギネス申請しておきました。通るかどうか分からないですけど、申請するのはタダなんで一応申請だけしています(笑)」
――まだまだ記録が伸びるんですか?
藤野「怪我が多くて正直いろいろ限界で、だから毎回『この試合が最後かも』と思いながらやっていて、今できているのはちょっとボーナスタイムかなと思っていて。私も今回、杉山さんの道連れ引退にならないように生き残りたいなとは思ってます」
――試合では非情に徹して、いつものように殴りに行くという感じですか。
藤野「非情に徹するというか、プロ格闘家だと自分で思ってずっとやってきているので、試合は試合で、そこは自分が選んだ仕事なので、やりたいと思います」
――杉山選手はRIZINのリングで「ボコボコになるところを見てほしい」と発言されていましたが、どのような試合を想定していますか。
杉山「個人的にはボコボコにされるんじゃないかと予想していて、絶対にそうなってしまうと思うんです。覚悟を持っていないと当たった時にびっくりしてしまうので。勝ち負けではなく、それが私がやるべきことかなと。格闘技は無傷で終われるものではないので、それも全て見てもらって、最後は笑顔で終われたらいいなと思っています」
――藤野選手はこの試合を超えてどんな目標を描いていますか。
藤野「一戦一戦大事にしているので、次ってあんまり考えていなくて。杉山選手はああ言っていますけれど、私のできること・できないことを全部知っているので。始まった瞬間テイクダウンされたら周りに『立て!』と言ってもらうつもりではいますけど(笑)、できること全て出し尽くすのが礼儀だと思っているので、そうしたいと思います」
――お互い手の内を知っている中で、戦術を意識した戦いになるのか、感情的な部分を最大限に出す試合にするのか、イメージをお聞かせください。
杉山「戦術はあまり考えてないです。自分のパフォーマンスのクオリティを意識しています。今までの試合のやり直しのチャンスを今もらっているような気持ちなので、今までの試合でやり残した技術や、やりきれなかった技なんかを出すチャンスをもらったかなと思うので、それに集中しているのと、おそらくそんな戦術とか考えていられないような速い試合になると思うので。藤野さんのスピードがやっぱり速いので、そこに注力しています」
藤野「もともと戦術をまともに立てたことが49戦ないので、特に戦術はないです。いつもできることもものすごく数少ないので、できることを大事にやっていきたいと思います」
――藤野選手に聞きたいのですが、杉山選手からは先輩に介錯されたい思いが伝わってくるんですけど…
藤野 いや、介錯されるのは私だと思っているんですけど(笑)。
――プレッシャーなど、通常の試合と比べて何か違うお気持ちはありますか。
藤野「プレッシャーはないんですけど、これはもしかしたら無言の『お前も引退しろよ』のメッセージだったらどうしようかな』と思って(笑)。私は生き残りたいと思っています」
杉山「(藤野さんの)消化試合で大丈夫なんで(笑)。本当にただ、ギネスに申請したっていうのは初めて聞いたので、本当に本気でやります。ここからは気合を入れて気持ちを作っていく時期だと思うんですが、この試合が終わったら本当に楽しみです。これからまた100%の力を使ってこの人を応援していけるので(涙を流す)、その気持ちが嬉しいと思っています。本当に感謝を持って気持ちを作っていきたいと思っています」
対戦カード
クイーン・オブ・パンクラス・チャンピオンシップ 女子ストロー級 5分5R
本野美樹(リバーサルジム横浜グランドスラム/王者)※初防衛戦
SARAMI(整体北西/挑戦者、女子アトム級王者)
杉山しずか引退試合 女子54kg契約 5分3R
杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We/パンクラス女子フライ級王者)
藤野恵実(JAPAN TOP TEAM/元パンクラス&修斗世界女子ストロー級王者)
女子ストロー級 5分3R
KAREN(THE BLACKBELT JAPAN/1位、元王者)
キアラ・ペンコ[Chiara Penco](イタリア/Rendoki Dojo)
バンタム級 5分3R
神部篤坊[あつぼう](ABLAZE八王子/武蔵村山さいとうクリニック/7位)
ジョン・ダウン[Jung DaWoon](韓国/P-Boy MMA)
ライト級 5分3R
鈴木慈也[ちかや](BRAVE/4位、2026年NBT同級優勝)
藤村健悟(和術慧舟會TLIVE)
※NBTはネオブラッドトーナメントの略
【プレリミナリーファイト】
フライ級 5分3R
齋藤楼貴[るき](暁道場)
嶋田大輝(THE BLACKBELT JAPAN)
フライ級 5分3R
嶺 大基(KRAZY BEE/AXIS)
伊藤勇輝(リバーサルジム横浜グランドスラム)
バンタム級 5分3R
谷村泰和(空手道禅道会・パラエストラ八王子 TEAM TIGER)
増田怜央(THE BLACKBELT JAPAN)
バンタム級 5分3R
小山敬司(パラエストラ八王子)
前田壮吉(リバーサルジム横浜グランドスラム)
ライト級 5分3R
畑 大晴(ロータス世田谷)
濱地虎男(パラエストラ東京)
概要
大会名 PANCRASE 365
日時 2026年9月23日(水/祝)開場・13:00(予定)開始・13:30(予定)
会場 東京・立川ステージガーデン [HP]
中継 U-NEXT(2,189円/月)、UFC Fight Pass(海外向け)
チケット料金 S席 30,000円 A席 13,000円 B席 9,500円 ※未就学児は膝上観戦に限り無料
チケット販売 MORE TIGET
お問い合わせ パンクラス http://www.pancrase.co.jp/





