ONE 1.11 ルンピニー:和田竜光「ザキロフはブルックスの次くらいに強い」「日本人対決って何のメリットもない」、澤田千優「メン・ボーの打撃に下がらなければ問題ない」「3月の日本大会のアピールをするには落としていけない相手」
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ONE Fight Night 27: Tang vs. Abdullaev(1月11日(土)タイ・バンコク・ルンピニースタジアム)に日本から出場する和田竜光、澤田千優のインタビューがONE Championshipから届いた。大会の模様はU-NEXTにて生放送される(写真:(C) ONE Championship)
第4試合 MMA ストロー級 5分3R
和田竜光(TEAM WADA/元DEEPフライ級王者)
サンジャル・ザキロフ[Sanzhar Zakirov](ウズベキスタン)
和田は36歳。18年からONEに上がり11戦6勝5敗。近年では22年6月にフライ級2位で元王者のカイラット・アクメトフに判定負けし、23年3月にアーネスト・モンティーリャに1R裸絞めで一本勝ち。昨年7月のファイトナイトでシェ・ウェイに判定勝ちすると、1階級下のストロー級に転向すると表明し、今回その初戦が組まれた。
ザキロフは21歳。MMA 12戦(5KO/4一本)全勝で、ONEフライデーファイツのMMAの試合で3勝している。昨年3月の3戦目では本田良介とテイクダウンと打撃で圧倒し2R TKO勝ち。10月にファイトナイトで箕輪ひろばと戦う予定だったが、箕輪が計量クリア後の交通事故で軽度のむち打ち症を負い、試合中止となっていた。
第2試合 MMA 女子アトム級 5分3R
澤田千優(team AKATSUKI/3位、元修斗女子アトム級世界王者)
メン・ボー[Meng Bo](中国)
澤田は27歳。レスリングで18年全日本社会人選手権優勝等の実績があり、21年に修斗でMMAプロデビューし9戦8勝(3一本)1分。23年2月にONEに初出場し、サナーズ・ファイアズマネシュに2Rアームロックで一本勝ち。フロリダでの試合、修斗での防衛戦での勝利を経て、昨年3月のONEでジヒン・ラズワンに判定勝ち。5月のファイトナイトではノエル・グランジャンに判定勝ちし、ONE 3連勝中だ。現在、アトム級では王者・スタンプ、1位・ハム・ソヒ、2位・デニス・ザンボアンガに続く3位にいる。今大会では2位のザンボアンガと4位のアリヨナ・ラソヒナの間で暫定王者決定戦が行われる。三浦彩佳は5位だ。
メンは28歳。13歳からテコンドーを習い、打撃が強みで、19年からONEに上がりONE戦績8戦5勝(3KO)3敗。ジェネリン・オルシム。ダヤン・カルドーゾに連勝していたが、23年11月のファイトナイトでは三浦彩佳に1RVクロスアームロックで一本負けした。ストロー級での試合が続いたが、約1年ぶりの復帰戦ではアトム級に階級を落とす。
和田竜光、ONEストロー級初戦で無敗ザキロフと激突!「ランキングトップ選手より強い」勝利後はタイトル挑戦に意欲
1月11日にタイ・バンコクのルンピニースタジアムで開催される『ONE Fight Night 27』のストロー級MMAで、サンジャル・ザキロフ(ウズベキスタン)と対戦する和田竜光(フリー)。無敗の強豪とのONEストロー級初戦を前に公式インタビューに応じた。
―― ザキロフ戦が決まった時の気持ちは?
和田「相手は特に問わずでストロー級に落として試合を取り敢えずしたいって言うことをずっと伝えてたんで。試合ができるっていう喜びみたいなものはありました」
―― ザキロフ選手の印象は?
和田「良い選手だなと思って見ていましたし、試合を見て実力はそれこそブルックスの次くらいに強いんじゃないかなって思ってるぐらいです」
―― ザキロフ選手の警戒する点は?
和田「打撃のプレッシャーをかけて、相手を後ろに下がらせてテイクダウンに入るパターンが多くて。ストロー級にしてはリーチもあって、オールラウンドに戦える印象です。特にトップを取るまでテイクダウンの方法やトップを取ってからのキープなど、全てにおいてレベルの高い選手だと思っています」
―― 組み力などフィジカルについてはいかがですか?
和田「見る限り組みは結構強そうですけど。ただ、僕は普段、上久保(周哉)と練習で組んでるんで。その意味で心配はしてないですね。彼以上に組みの強い人はいないので」
―― 因みに、上久保選手と対策練習はしているのですか?
和田「対策とかは全然しないですね。普段やっている通りの練習をずっと一緒にやっている感じなので。ザキロフは上久保より強くないだろうと思っているので、僕が上久保君のことをやっつけれたら、そこは胸張って安心できるんですけど、僕、上久保君に普段やられてるんで安心はできないですが、びっくりすることはないだろうと思っています」
―― 試合の勝ち筋のイメージは?
和田「相手はオールラウンドで強い選手。パンチや蹴りも上手だし、打撃からその流れの中でテイクダウンすることも、そしてトップを取ってからのコントロールも凄く上手い。それでも負けそうだなっていう風には思わない。僕が得意とする部分というか、スタイルが結構似ているかもしれない。打撃でプレッシャーかけて組んでもできるし、トップコントロールするタイプというか、それこそ満遍なくやるタイプなんで、そこをぶつけ合いたい感じです。戦う中でアタックしやすい点を見つけていくつもりです」
―― 今回の準備で一番手応えを感じる部分はどの点ですか?
和田「最近は首を絞める感覚が良くなってきました。僕がよくやってるオタツロックっていう動きがあるんですけど、そこから派生した展開のバリエーションも年を重ねるごとに増えてきています。あと毎日やり込んでいるボクシングもやればやる程スキルは上がってる感じはしています。全部のスキルを少しずつ上げているって感じですね」
―― 因みに絞めの感覚が上がってきたきっかけはありましたか?
和田「どうなんですかね。僕自身が(ストロー級転向で)細くなってきて、腕が入りやすくなっているかもしれないです」
―― 56.7kgの体重で戦うのはDEEPのフライ級で戦って以来、約7年ぶりだと思いますが、身体作りはいかがですか?
和田「今までONEでフライ級(61.2kg)でやっていた時、減量はほとんどしていませんでしたが、ストロー級に向けて食生活を意識して少しずつ減量してきました。これまでより少し減量への意識を高めている感じです」
―― 減量する過程で精神的な変化はありましたか?
和田「食事制限もある程度しているので、そういったストレスはある程度ありますけど。全く食べないとか飲まないとか、そういう減量ではないので。モノによってはいっぱい食べているし、腹ペコ状態が続いている程でもないし。シンプルに体が細くなってきて、見た目でやり込めているのがわかりやすい。それで自分的には楽しめてはいます」
―― 今回勝利した後のビジョンはありますか?3月の日本大会が発表されていますが、今回の試合結果で意識していますか?
和田「意識はしますね。それこそザキロフ自体、ボカンやランキングトップ選手より強いんじゃないかと僕は思っているので。それに勝ったら、次は(ジョシュア)パシオでも(ジャレッド)ブルックスでもどちらでもいいし、タイトル戦をやらして欲しいと生意気なことを言おうかなと思っていました。けど、彼らが2月(ONE 171:カタール大会)で世界王座統一戦をすることが決まっているじゃないですか。ブルックスなんて皆やっつけちゃってるし。ランキング外の僕とかがタイトル戦やらしてくれって言ったら、もしかしたら引っかかるかなとか思ったんですけど、2月に彼らの試合が決まっちゃったんで、3月は物理的にほぼ無理かなって思ってます。ただ、僕が今回無事に怪我なく勝ったとして、3月の日本大会は、もちろん魅力あって出たいっていうのはあるんですけど、やりたいヤツがいるかと問われると、別にいないというか。3月がタイトル戦だったら、1月に多少の怪我をしても出場したいなとか思っていた。これも自分の勝手な話ですけど。1月戦って無傷とは限らないし、相手もよくわからない選手だったら、別に無理する必要もないかなとは思うし。全ては試合終わってからのコンディションとノリ、テンションというか。そういうノリになれば、大きくアピールしたいと思います」
―― 3月の日本大会でタイトル挑戦が難しい状況の中で、仮に日本人対決は興味ありますか?ランキング内には箕輪ひろば選手、山北渓人選手がいますが。
和田「はっきり言って興味はないですが、やれと言われたらやるかもしれない。ただ日本人対決って何のメリットもないんですよね。僕も竹中(大地)選手とONEでやりましたけど(2021年10月5日 Road to ONE: 5th Sexyama Edition)。僕、竹中選手に勝っても別に何の世間からの評価も上がってないし、逆に竹中選手はそれ以来ONEで試合組まれなかったし。やっつけても世間は何にも響かない。仮に箕輪選手をやっつけても何にも響かない。大会自体も別に響かないというか。そういう気がするんで、積極的に日本人とやりたいですっていう気持ちは別にないですが、やれと言われれば、やるかもしれないです」
―― 因みに、パシオvsブルックスの勝敗予想は?
和田「ブルックスが勝っちゃうと思います、普通に。ただ、ブルックスはこの前(フライ級マッチで)リース・マクラーレンに負けている。試合見ても、まあこんな感じかと。こんなもんかなっていうか、強いのは分かるけど、なんか別にビックリするような強さじゃない。なるほどねって感じでは見ていました」
―― あの試合を通して、ブルックスの攻略が見つかった感じですか?
和田「そうですね、攻略方法と言うか、強さは分かるんですけど、それほどびっくりするほどではなかったので、色々な場面で勝負できるなっていう風には改めて思いました」
―― 最後にファンへのメッセージをお願いします。
和田「良い相手を当てて貰えたので、その中で僕とザキロフが色々なスキルをぶつけ合って戦うと思います。そう言ったところを楽しんで観て貰えたら嬉しいです」
澤田千優、中国強豪メン・ボーと激突!「全局面で圧倒して勝つ」タイトル挑戦に大きな一歩を踏み出すか
1月11日にタイ・バンコクのルンピニースタジアムで開催される『ONE Fight Night 27』のアトム級MMAで、メン・ボー(中国)と対戦する同級3位の澤田千優(TEAM AKATSUKI)。ONE無傷の4連勝がかかる一戦に挑む前に公式インタビューに応じた。
―― メン・ボー戦が決まった時の気持ちを聞かせてください。
澤田「オファー頂いた時は、前戦からちょっと空いてしまったので素直にすごく嬉しかったです。あとONEアトム級とストロー級で戦って名前もある選手なので、そういった選手と対戦を組んでくれたのも、ONEから「どうだ!」っていうメッセージだと思うので、しっかりそれに応えたい気持ちです」
―― 改めて、ONEから認めてもらったという感覚ですか?
澤田「そうですね。ランキング入りも認めてくれた1つにはなりますが、今回、名前のある選手に日本人としてどういうパフォーマンスを見せてくれるんだろうっていう期待を込めてくれたのかなと、認めてくれたのかなと感じています」
―― メン・ボーはストライカーとして人気ですが、選手目線では、澤田選手はどんな印象を持っていますか?
澤田「パンチにちょっと怖さを感じます。思い切りの良いパンチを出してくる選手という印象ですね」
―― 因みに、そういうタイプはやりやすいですか、やりにくいですか?
澤田「どういう選手がやりやすいというのは、自分の中ではあまりないのですが、構図的にレスラーとストライカーというのは、パンチをいかにもらわずにタックルとテイクダウンを取とるというのがあるので、そこは私の強みが出せる選手と思います」
―― メン・ボー選手の警戒点は?
澤田「打撃はもちろんなんですけど、相手の空間だったり相手の距離に入ってしまうと私が不利になってしまうかなと思います。それに対しては私の攻撃が出しやすい良い距離をキープし、相手の攻撃をもらわない距離も意識してます」
―― メン・ボー選手は積極的にフィニッシュを狙う姿勢が印象的。主導権を持つと止まらない感じの選手ですが、この点はどう考察しますか?
澤田「確かにたくさん試合を観ると、そういう印象が強い選手ですね。相手に波に乗らせないような試合展開をしなければいけないかなと思ってます」
―― 勝ち筋はどうイメージしていますか?
澤田「MMAレスリングをしっかりと再現してテイクダウンに持ち込み、相手の心を折りたいと思います」
―― 相手に主導権を渡さないためにも、試合開始早々から仕掛ける感じですか?
澤田そうですね。1Rから3Rを通して、常にフィニッシュ、常にパウンドアウトを狙っていくつもりです」
―― その“パウンドアウト”の手応えは?
澤田「前のめり過ぎたり、気持ちが前に出過ぎてしまうことがあるので、そこを抑えて相手をコントロールすることに集中する練習を日々心がけています。その練習の成果を試合でしっかり出していきたいです」
―― 直近の試合を観てみると、打撃の質が大きく変わった印象があります。自身は成長の手応えをどう感じますか?
澤田「私自身、打撃レベルで言ったら、まだまだだと思っていて、もっと強く上手にならなければいけないと思っています。ミットでやっていることだったり、スパーリングとか練習でやっていることを試合でいかに忠実に再現できるかを意識しています。今回の試合でもミットでやったこと、練習でやったことをそのまま出していきたいです。日本で戦っていた時と比べるとレベルアップしていると思っているので、相手の打撃に下がらないでしっかりと自分の打撃を出していこうと思っています」
―― レスラーvsストライカーの構図で言うと、ストライカーは序盤、ジャブ、前蹴りなどで距離を支配する戦いを行う傾向がありますが、この点の攻略はどうイメージしていますか?
澤田「メン・ボー選手の試合を観ていると、彼女のやりたい事は結構分かりやすい。仮にイレギュラーなことがあっても、クリティカルヒットしなければ大丈夫かと。怖さはあるけど、相手の打撃に下がらなければ問題はないと思っています。相手からの圧がかかった中でも自分の攻撃を出せるような練習は常にしてるので、仮に1発、2発もらってでも前に出る、1回失敗しても何回でもトライすることを試合の中で積極的に試していこうかと思っています」
―― メン・ボー選手との対戦というと、彼女は過去に三浦彩佳選手に一本負けしています。同じ日本人選手として意識していますか?またその試合を先述の参考にしていますか?
澤田「試合時間が短かったので、とても参考になるかって言ったら、そうではないです。ただ彼女の体幹の強さやフィジカルの強さは感じられますし、序盤はパンチでおしていたので、そう言うパンチストライキングの巧さは、戦略をする上での参考にしています。他の試合も観て、自分だったらどうするかという練習を行い、チームで話し合って作戦しています」
―― 先日、三浦選手が女子アトム級のランキング入り(5位)をしました。同じランカーとして対抗意識はありますか?今回の試合、自分も一本勝ちしないといけないと感じますか?
澤田「ないって言ってしまったら、ちょっとあれなんですけど。三浦選手が一本取っているから私もって言うよりONEでトップを目指すにはやっぱり一本勝ちしたい。私は一本とかパウンドアウトとかフィニッシュする戦いを求められているので、そう言う意味で意識はしています」
―― 今大会で同じアトム級の暫定王座決定戦(デニス・ザンボアンガ vs. アリヨナ・ラソヒナ)が実施されますが、勝敗予想は?
澤田「ザンボアンガ選手が勝つのかなとは思います。ラソヒナ選手がどれだけやれるかは分からないですが、(今回タイトル戦に)私が選ばれてないのはちょっとと思いますね」
―― やはり悔しさはある?(澤田はランキング3位、ラソヒナは同4位)
澤田「そうですね。悔しいと言うか、選ばれたら私はやりたいし、すぐにでも今回の暫定王座戦の勝者とやらせて欲しいと思います」
―― そうなると、仮に今回の試合できっちり勝利した後は、3月の日本大会参戦やタイトル戦をやってみたいなど次への考えはありますか?
澤田「すごいあります。今回の試合勝った後マイクアピールも考えています!」
―― その上でも今回は良い勝ちにこだわりたい?
澤田「そうですね。やっぱり全局面で圧倒して勝たないと、そういうアピールも出来ないので、今回は全局面で圧倒してフィニッシュ、もしくは一本、もしくはKOでパウンドアウトしないといけないと思っています」
―― 繰り返しになりますが、今回の試合は3月の日本大会出場を考える意味でも、確実に勝たないといけない重要な一戦になる訳ですね。
澤田「そうですね。今回良い試合をして3月大会にアピールするには、やっぱりここは絶対落としていけない相手だと思っています」
―― 最後にファンへのメッセージを。
澤田「新年一発目。2025年から良いスタートを切れるように、先ずはメン・ボー選手にしっかり勝って次に繋げます。一本もしくはKO、バウンドアウト・フィニッシュを目指します。3ラウンドを通して全力を尽くすので応援よろしくお願いします」