ONE 9.6 デンバー:自身のMMAのルーツ 米国で“凱旋試合”手塚裕之「さすがに6連続フィニッシュすれば、王座戦が決まってもいいんじゃないか」
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ONE 168: Denver(9月6日(金/現地時間)米国コロラド州デンバー:ボールアリーナ)に出場する手塚裕之のインタビューがONEから届いた。大会の模様はU-NEXTにて9月7日(土)午前9時より生中継される予定だ。
MMA ウェルター級 5分3R
手塚裕之(ハイブリッドレスリング山田道場/TGFC/元パンクラス・ウェルター級王者)
イシ・フィティケフ[Isi Fitikefu](オーストラリア/トンガ)
手塚は34歳。15年にパンクラスでプロデビューし、19年6月に高木健太に勝利しウェルター級暫定王者に(後に正規王者に)。19年10月からONEに上がり、20年10月にムラド・ラマザノフに判定負け。だが以降は5連勝・5連続フィニッシュ勝利中。21年10月にアギラン・ターニに2R TKO勝ち、22年1月にエドソン・マルケスに3R左フックでTKO勝ち、昨年10月にジン・テホに1R腕十字で一本勝ち、今年2月にはアブラーオ・アモリムも1R腕十字で一本勝ち。4月のONE Fight Nightではヴァミール・ダ・シウバに2Rノースサウスチョークで一本勝ちしている。(動画)
フィティケフは31歳。ニュージーランド生まれオーストラリア育ちのトンガ人で、ラグビー選手としてのキャリアを経て24歳の時にMMAに転向。プロ戦績9戦8勝(4KO/2一本)1敗。ブラジリアン柔術茶帯。ONEには22年11月に初参戦しルスラン・エミベック・ウフールに判定1-2で敗れたが、23年4月の2戦目ではヴァミール・ダ・シウバに1Rギロチンで一本勝ちしている。試合はそれから1年5カ月ぶりだ。
ONEは昨年5月にコロラド州ブルームフィールドで初の米国大会を開催し、今回が2度目の米国大会。階級を越えての王座戦が2試合決まっており、ONEムエタイ・バンタム級王者のジョナサン・ハガティーは、1階級下のフライ級王者のスーパーレックと防衛戦を行う。ONEサブミッショングラップリング・ライト級王者のケイド・ルオトロは、フライ級王者のマイキー・ムスメシと防衛戦を行う。ムエタイルールではリアム・ハリソン×セクサンというベテラン対決も組まれている。
―― 米国大会の試合のオファーを受けたときの心境は。
手塚「すごく嬉しかったです。前回の試合が終わってすぐのオファーだったんですけど。アメリカ大会ってことで大きい大会ですし、やっぱりずっと(アメリカで)試合をしたかったので、気合が入りました」
―― 手塚選手は過去に米国生活の経験があります。その時にアマ試合も行ったりしましたが、今回、米国に戻ってONEというビッグプロモーションで試合ができることをどう思いますか。
手塚「(当時)アマチュアでやっていた時はプロになれるかな?ぐらいの感じだったですけど、実際にビッグプロモーションのONEでアメリカの地で戦えるのは率直に嬉しいです」
―― 今回の試合について、当時の友人と連絡を取り合っていますか?
手塚「はい、しています。実際に見に来てくれる人も何人かいて。喜んでもらっています。ホームステイさせてもらったり、アメリカでお世話になった方々が結構たくさんいて、その人たちに活躍を見せることで恩返しというか、 喜んでもらえたら嬉しいです」
―― 栃木県が自身の本拠地ですが、今回はある意味において“凱旋試合”になりますか。
手塚「そうですね。自分の技術はもちろん栃木で練習したことになるのですが、そもそもはアメリカで始めた。総合格闘技自体、最初に始めたのはアメリカですし。自分の軸となっているボクシングっていうのは本当にアメリカで培ったものだし。当時のコーチたちやチームメイトたちに自分がどれだけ成長したっていうのを見せたいです」
―― 6月にコロラド州などアメリカ修行を行ったかともいますが、その内容は。
手塚「6月にデンバーでHIGH ALTITUDE MMAってところで出稽古に行きました。結構UFCのファイターとかONEファイターとか、本当にトップレベルのファイターとスパーリングをしたり、コーチに関してもトップリーグでサポートしているようなコーチたちが教えてくれて。良い練習ができました」
―― インスタを拝見すると(元ベラトール世界ライト級王者の)ブレント・プリムスと一緒に練習された様子を公開していましたよね。
手塚「ブレントは自分のフレンド。実はアメリカに住んでいたアマチュア時代から練習したことがあって。オレゴン州だと本当に1番強いというか、最初にアマチュアの時にやって衝撃を受けた選手で」
―― アメリカ合宿での手応えは。
手塚「技術的なことで言えば、よりMMAに特化した技術。グラップリングとか打撃っていうよりは、その混ぜ方というか、MMAストライキングだったり、MMAグラップリングだったりを結構学べて、あとはトップ選手たちとスパーリングをして。自分の通用する部分と、ちょっとここは課題だなっていう部分も見つかり、本当にここは自信になるという部分も見えたので、実りのある合宿でした」
―― その手応えの一つとして武器が増えたか。
手塚「総合格闘技として打・投・極がより回るというか、上手く噛み合ってくる感じで、MMAならではの技術が、すごい伸びたと思います。MMAでは誰にも負けないっていう自信がつきました」
―― 対戦するフィティケフの印象は。
手塚「背丈とかは同じぐらいで、ファイトスタイルは僕の以前のスタイルと結構似ているかなって思っています。寝てもバックチョーク。この前勝ったりしていますが、結構スタンド打撃でゴリゴリ打ってくるタイプで。フィジカルを生かした、爆発力を生かした攻撃で。やっぱり体は強いと思います。もともとラガーマンだったみたいですし。見ててもやっぱり身体能力はあるんだろうなって思います。組み技も打撃もちゃんと練習していますし、技に関しても洗練されている部分はあります。 ただ、その引き出しとしては、やっぱり経験上の自分の方が上かなと思います。ですので、その引き出しと経験の差を見せたいと思います」
―― 勝ち筋はどうイメージしていますか。
手塚「本当にいっぱいあります。打撃でもカウンター入れて倒すのもいいですし、相手は判定負けを1度だけしていますが、KOも一本でも負けたことがない。相手に初のフィニッシュ負けを経験させるつもりですが、僕の場合、戦いの流れに任せます。勝ち筋は本当にいっぱいありますね。テイクダウンしてパウンドアウトもあるし、お腹効かせてKOもあるだろうし」
―― 想いのあるアメリカの大会で打撃で倒すのが理想的なフィニッシュですか。
手塚「そうですね。やっぱりエキサイティングなものを求めているので。会場が湧いて、北米でのデビュー戦なので注目されるような試合をしたいです」
―― 今回、アメリカで6連続フィニッシュを決めたら、王者のクリスチャン・リーにも声が届きやすいのでは。
手塚「そうですね。さすがに6連続でフィニッシュすれば、(タイトル挑戦は)もう決まっても良いんじゃないかと。自分では思います。もちろんチャトリさんや運営が決めることだと理解していますが、流石に期待はしますね。ただ、クリスチャンは11月のアトランタ大会でライト級のタイトル戦を行うので、ウェルター級は少し停滞すると思うので、暫定王座決定戦を実施してもらえると嬉しいです」
―― 暫定王座戦が実施された場合、戦いたい相手はいますか。
手塚「クリスチャンと戦わないのであれば、前王者の(ゼバスチャン)カデスタムとか。(ロベルト)ソルディッチも凄く強い選手だと思います。」
―― 去年、娘さんが誕生されましたよね。
手塚「去年の1月に生まれました。まだまだ流石に目を離せないので。うちの妻が大変です」
―― 父親になった意識や苦労話などありますか。
手塚「自分が父親になるなんて本当に思ってもいなかったことなんですけど、 実際になってみると、本当にこの子のためなら死ねるなっていうか、どんなに辛いことがあっても、やっぱ守りたいって思います。守るものができたら強くなるとか、良く言われますけど、僕は独身の時、『そんなの関係ねえだろう』とか思ってたんですが、実際自分が父親になってみて、『こういうことか』みたいな気持ちを持っています」
―― ファイターとしてのモチベーションも上がりますか。
手塚「そうですね、やっぱり娘のためにって思うと、いつも以上に力が出ます。あと、練習で結構疲れて帰っても、娘の笑顔を見るとすごい癒されたりします。そういうことがあって、本当に自分以上に大切なものかなって心底思いますね」
―― 米作りについて、いつからやっていますか?
手塚「アメリカの農業研修から帰ってきてからは実家にいるので10年ぐらいになります」
―― 作業時間などはどれくらいのものですか?
手塚「今の時期は結構そこまでじゃなくて。今は従業員も雇っているので、そこまで動かなくて大丈夫なんですけど。田植えの時期とかは朝7時から11時間位は働いています」
―― それも1つのトレーニングになりますね。
手塚「そうですね。結構疲れます。」
―― 手塚選手が考えるお米の素晴らしさとは何でしょうか。
手塚「やっぱり日本人の主食はお米。伝統的なものだし。糖質制限とか最近耳にしますが、実は米で太るってことはそんなにないんじゃないかと思っていまして。栄養価的にもかなりいいとは思います。やっぱり力も出るし、特に日本人にはなくてはならないものだと思います。アメリカの方々にも日本の米のクオリティっていうものを知ってもらいたいです」
―― 因みに、“手塚米”の購入方法は?
手塚「僕はECサイトの『手塚裕之商店』を運営していますが、そこで買えます。今は、去年に獲れたものがなくなってしまって在庫切れですが、9月に稲刈りが始まるので9月中旬ぐらいには在庫出せると思います。獲れたての新米を購入いただけます。あと、都内だと御徒町にある『牛術黒帯』という格闘技好きのオーナーの方がやっている焼肉店も、手塚米を取り扱っているので、このお店でも食べることができます」
―― 最後にファンへのメッセージを一言。
手塚「ジャパニーズビーストを北米で名前を売れるように、しっかり6個目の衝撃フィニッシュをお見せしますので、ぜひU-NEXTでご覧になってください。いつも応援ありがとうございます」