Krush 7.27 後楽園ホール:バンタム級王座決定T準決勝インタビュー。白幡裕星「倒すのが一番という意識に変わった」×峯大樹「昔と全く違うと思わせたい」、林佑哉「上京して就職した会社を2日で辞めた」×黒川瑛斗「KRESTの偉大な先輩に育てられ、自分がベルトを巻く番」
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Krush.163(7月27日(土)後楽園ホール)での第9代Krushバンタム級(53kg)王座決定トーナメント・準決勝2試合に出場する4選手のインタビューがK-1 GROUPから届いた。
(C)K-1
第6試合 第9代Krushバンタム級(53kg)王座決定トーナメント・準決勝(2) 3分3R(延長1R)
白幡裕星(K-1ジム総本部チームペガサス/元KNOCK OUT-RED&ムエタイオープン・スーパーフライ級王者)
峯 大樹(若獅子会館/元RKSバンタム級王者)
池田幸司が階級アップのため返上したKrushバンタム級王座を懸けた4選手参加のトーナメントが開幕する。4選手が参加し、7月の大会で準決勝、10月25日のKrush.166で決勝を行う
白幡は21戦15勝(1KO)5敗1分の21歳。構えはサウスポー。肘有り・首相撲制限無しのルールで2団体で王者になり、昨年からK-1 GROUPに上がる。2戦目で壬生狼一輝に判定負けしたが、それ以外3試合は勝利し、昨年12月には元プロボクシング日本王者の小浦翼に判定勝ちしている。
峯は17戦9勝(3KO)7敗1分の23歳。ここ5戦は大村修輝に延長判定勝ちしているが、それ以外は黒星で、最近2試合は壬生狼一輝、野田蒼に連敗し、22年12月に野田に敗れて以来のK-1 GROUP出場となる。
第5試合 第9代Krushバンタム級(53kg)王座決定トーナメント・準決勝(1) 3分3R(延長1R)
黒川瑛斗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
林 佑哉(K-1ジム大宮チームレオン/ジャパンカップキックボクシング&RKSバンタム級王者)
林は山本優弥や寺戸伸近を輩出した広島の空修会館出身の24歳。25戦16勝(12KO)5敗4分。かつては大阪のDEEP☆KICKやNJKF岡山大会等の西日本の大会で活躍した。K-1ジム大宮に移籍し、今年1月のKrushでの初戦では坂本寿希を圧倒し判定勝ち。6月23日のKrush2戦目では白幡太陽を1R90秒左フックで沈めた。トーナメント後のバンタム級王座戦線浮上を予感させたが、大村修輝(POWER OF DREAM)の欠場で王座戦線に早くも絡むことになった。
対する黒川は7戦5勝(1KO)1敗1分の20歳、構えはサウスポー。3月のKrushで鵜澤悠也にKO勝ちしている。
白幡裕星「倒すのが一番という意識に変わった」
―― Krush初参戦から約1年半でタイトルのチャンスが巡ってきました。ご自分としては長かった?
白幡 長いような、短いようなという感じですね。最初は、もっと早い段階で獲れると思ってたんですけど、ちょっと時間がかかったなという感じはします。
―― K-1 GROUPに参戦してから、ここまでの戦いについてはいかがですか?
白幡 2戦目で壬生狼一輝選手に負けたのが大きかったですね。あれでちょっと遠回りになったと思うので。でも今思えば、あの負けがあったからこそ成長できたのかなとも思えるので、これからはもう負けないようにやっていきたいと思っています。
―― 壬生狼戦で感じたことというのは?
白幡 距離感の違いで、自分の甘さが出たのかなと思いますね。蹴りでポイントは取れていたと思うんですけど、ダウン一発で試合がひっくり返っちゃうというところまでは意識していなかったので、3分3Rという時間全て使って勝つということにこだわりながら練習するようになりました。
―― またKrush、K-1のリングは倒して勝つことが求められますよね。そこについては?
白幡 そうですね。K-1ももちろんなんですけど、Krushは特に、この前の6月大会とか見ててもすごくKOが多くて、やっぱりそこで倒せる選手が目立っていくのかなとは思います。だからKOを理想としたファイトスタイルを、ここまでで作ってきた感じです。
―― そこは意識を変えないといけなかった?
白幡 はい。ポイントだけで勝つというのも一つの勝ち方だとは思いますけど、一番明確な差が生まれるのはKOなので、倒すのが一番だよねと思うようになりましたし、そこは変わってきたかなと思います。前回の12月の試合から意識し始めたし、すぐにできるというタイプでもないので、長い期間待たせてしまったんですけど、やっと形になってきたかなとは思います。
―― ちなみに今回、7ヵ月試合間隔が空いたのは、何か理由があったんですか?
白幡 特にケガとかではないんですけど、新しくフィジカルの練習にも行くようになったりして、試合のタイミングを伺っていたという感じです。だからこのタイミングで王座決定トーナメントの話が来て、「やっとか」と思いました。ここでチャンスを逃しているようでは、K-1とかKrushでチャンピオンになれることはないと思うので。トーナメントの話をもらってから3ヵ月ぐらい、ずーっと練習しています。
―― 1人入れ替えがありましたが、トーナメント4人の顔触れについてはどう思いましたか?
白幡 僕が獲らなきゃいけないトーナメントだなと思いました。
―― 優勝候補と言われている点についてはいかがですか?
白幡 僕が勝つと思われている方がうれしいですけど、これまでには僕が負けると思われるような相手ともたくさんやってきたので、優勝候補と言われていることについてはそんなに気にしていないというか。実際に勝たなきゃ意味がないし、勝つのは本当に難しいことなので。
―― 今回の準決勝の相手、峯大樹選手の印象は?
白幡 倒しに来ることもできるし、見て考えながら試合する時もあるので、どっちで来てもいいように対応してます。その2つのスタイルを使い分けてくると思うので、特に峯選手に対してというよりは、自分がどっちに対してもできるようにという感じでやっています。
―― どういう試合にしたいですか?
白幡 全てにおいて上回りたいですね。1~3R、全部上回った時に、たぶん相手がだんだん雑になってくると思うんですよ。そこで仕留められればと思います。最終的には倒すことを目標にしています。
―― 逆側のブロックで選手の変更があり、6月にお兄さんの白幡太陽選手に勝ったばかりの林佑哉選手が入りました。そこに関しては何かありますか?
白幡 いや、どうでもいいですね(笑)。周りからは「仇討ちだ」って言われるんですけど、自分が仇討ちするということが、たぶんお兄ちゃんはそんなにうれしくないと思うんで。「お兄ちゃんが負けた選手にやり返してやる!」とかやってたらキリがないですし。でもまあ、林選手とやったら自分が勝つと思います。
―― お兄さんとは同じK-1 GROUPで戦うようにはなりましたが、ジムは別々ですよね。そこはそれぞれで?
白幡 そうですね。お互いの試合の応援とかは行きますけど、ジムを選ぶ時にも自分の道筋があったので。
―― 白幡選手はK-1ジム総本部に所属していますが、今の練習環境はどうですか?
白幡 いい感じです。週1回スパーリングがあるんですけど、試合がなかったこの7ヵ月間も毎週ずっとスパーをしてきたので、やっと試合ができるという感じです。軍司泰斗さんとか璃明武さんとか、出稽古の選手も含めて強い選手ばっかりだし、練習していれば満足というわけじゃなくて、しっかり作り込んでやっていたので、やっとそれをお客さんに見せられるという点で、すごく楽しみです。
―― チャンピオン経験者も多いジムなので、刺激も多いですよね。
白幡 はい、下の階級にも大鹿統毅選手とかもいますし、すごくいい環境だし、いいモチベーションで練習できてると思います。
―― 改めてタイトルへの気持ちはいかがですか?
白幡 現時点では、今度の試合に勝たないとそこまで届かないということも含めて、いい意味であんまり意識していなくて。だから決勝の相手がどっちになるとかも正直どうでもよくて。今はとりあえず、峯選手に圧倒的に勝つということしか考えてないです。
―― では最後に、この試合に向けての“決意”を教えていただけますか?
白幡 トーナメントの他のメンバーとは比べものにならないぐらい強いところを見せられると思うし、ベルトがどうこうというより、一戦一戦、圧倒的に勝つので、楽しみにしてほしいです。
―― 分かりました。ありがとうございました!
峯大樹「昔と全く違うと思わせたい」
―― 試合は昨年12月のBigbang以来、K-1 GROUP参戦は2022年12月の野田蒼戦以来となります。
峯 そうですね。野田戦の後はBigbangで2試合しました。今年はタイに練習に行ったりしていたので、これが初めての試合になります。
―― そういう状況で、今回はバンタム級王座決定トーナメントの準決勝になりました。この話を最初に聞いた時はどう思いましたか?
峯 前王者の池田幸司選手が返上したというのは見たんですけど、Krushに出るのは2年以上ぶりになるので、自分がいきなりトーナメントに選ばれることはないやろなと思ってました。でも急にオファーが来たんで、「お、チャンス来た!」という感じでしたね。
―― 試合自体が少し久しぶりになりますが、今の状況はどうですか?
峯 調子はメッチャいいと思います。フィジカルの練習にも行き始めて、家の近くに知り合いが新しいジムを出して、そこにはタイ人のトレーナーもいてそこでも練習させてもらっているし、若獅子会館でも今まで通り練習しているので、いい感じに充実してますね。
―― その新しいジムでも若獅子会館でも練習しているんですね。
峯 はい、だから単純に練習の回数が増えました。それに加えてフィジカルの練習にも行っていて、いい感じに仕上がっているし、練習時間自体がメッチャ多くなりましたね。
―― タイにはどれぐらい行っていたんですか?
峯 5月から1ヵ月行ってました。タイ人にミット持ってもらったりはあったし、去年も10日ぐらい行ったことはあったんですけど、1人で長期で行くのは初めてでした。
―― 練習の手応えはいかがでしたか?
峯 格闘技だけに集中して練習できるんで、よかったですね。日本におるよりも何倍も蹴らされるんで、蹴りは強くなったなと思いますし、ムエタイの技術も教えてもらったし、メンタル面も技術面も、全部よかったなと思います。
―― では今回の試合は、だいぶ変わった自分が見せられそうですね。
峯 めっちゃムエタイスタイルになったとかではないんですけど、絶対「強くなったな」と言わせる自信はあります。スピードも速くなったと思ってるし、パワーもみんなから「強くなった」って言ってもらえるし、全部がいい感じですね。だから、メッチャいいタイミングでトーナメントの話が来て、うれしいです。
―― 準決勝の対戦相手は白幡裕星選手ですが、改めて印象は?
峯 スピードと左ミドルという感じですね。いろいろあると思いますけど、一番はそこですね。
―― どういう試合をしたいですか?
峯 向こうは「完封する」って言ってたし、「3分3R使う」って言ってたんですけど、倒しに来ないんやったら見てるみんなもオモロないと思うんで、そこは僕がひっくり返そうと思います。向こうは「3分3R、俺だけが当てる」とか言ってますけど、3分3Rもあれば十分捕まえられるんで、倒します。
―― 自分の自信が増していることも合わせて、ですね。
峯 白幡選手は優勝候補って言われてるんで、そこに勝てればみんなに認めてもらえるかなと思ってますね。そのためにもしっかり倒して勝ちたいと思います。
―― 逆ブロックの2選手については、どんな印象ですか?
峯 あんまり試合を見てないんですけど、林佑哉選手はこの前、白幡選手のお兄ちゃん(白幡太陽)を倒してたし、ベルトのことも言ってましたよね。その試合は生で見てて、でも大村選手に代わって出ることになったのはその後だったんで、まだ意識はしてなかったですね。黒川選手も勢いがあって、いい選手だなと思います。
―― 若獅子会館では髙橋直輝選手がKrush王者になりましたが、残念ながら奪われてしまいました。今回また若獅子会館にチャンスが巡ってきたということでもあると思うんですが、ベルトへの思いはどうですか?
峯 ずっと前に、初代Krush王座決定トーナメントが3階級で行われたことがあったじゃないですか。僕はあれを会場で見てたんですよ。その時に、「このベルトはほしい」と思ったので、ここはホンマにしっかり獲らないとアカンなと思います。
―― Xを見ていると、横山朋哉選手と交流があるんですね。
峯 朋哉君とは仲いいです。福岡の大会のときに知り合って群馬に出稽古に行かせてもらって、その時は朋哉君の家に泊まらせてもらったりしてますし、試合も応援に行ったり、来てもらったりしてて、もう3~4年ぐらいは仲良くさせてもらってます。
―― 横山選手は先日のK-1代々木第二大会でも勝ちましたし、刺激になっているのでは?
峯 そうですね。「つなげたぞ」とも言われたし、「2人でベルト獲って写真撮ろう」とも言われてるんで、僕が獲らないとダメっすね。負けてられないんで。
―― 久しぶりにKrushのリングに立つという点に関しては?
峯 Krushの後楽園大会で戦えるのがうれしいんで、「Krushに峯大樹が帰ってきたぞ」と思わせる試合をしたいですね。昔の試合と、全部見比べてほしいです。全く違うなと思わせたいんで。
―― では最後に、今回の試合に向けての“決意”を教えていただけますか?
峯 ホンマに、Krushのベルトは小学生の時から生で見てて、ずっとほしかったんで、このチャンスしっかり掴んでベルトを獲るんで、皆さん、応援よろしくお願いします。
―― 分かりました。ありがとうございました!
林佑哉「上京して就職した会社を2日で辞めた」
―― 今年からK-1 GROUPに参戦していますが、戦績を見ると以前は西日本を中心に出場されていて、しばらく間が空いていますよね。
林 そうですね。大学3年生の時に「キックはやり切ったな」という思いがあって、以前の所属ジムも離れて、上京して就職したんですよ。その時点ではまたキックをやるつもりは全くなかったんですが、入った会社の環境がちょっとよくなくて、2日でやめて広島に帰ったんですよ。
―― そうなんですか! それはよっぽどだったんでしょうね。
林 はい、ちょっとやむにやまれぬ感じで。それで今度は大手に入ろうと思って、以前にバイトしていたところでまたお世話になりながら就職活動をしていたんですね。そしたらそこのスタッフさんに、「またキックを頑張った方がいいよ」って熱く勧められて、もう一度本気で挑戦してみようかなと思って、今に至るという感じです。
―― なるほど! そこからK-1ジム大宮に?
林 いくつかジムを見学して、一番いいと思った大宮ジムに決めたんですけど、またやるからには何か変えなくちゃと思って、先に1ヵ月、アメリカに武者修行に行ったんです。
―― アメリカ! どこで何をやってたんですか?
林 ロサンゼルスの「BOXING WORKS」というジムで練習をしていました。武尊選手も練習しているところで、ちょうど行った初日に武尊選手もいらっしゃって、少しお話もさせていただけて。あと、ラスベガスでメイウェザーのジムにも行きました。
―― 知らなかったですけど、仰天エピソードが満載じゃないですか!
林 自分でも、この1年あまりの間にすごく濃い経験をさせてもらってるなとは思います(笑)。
―― 日本での拠点を大宮に決めた理由は何だったんですか?
林 会長、トレーナー、選手が本気で世界を目指しているジムだなと思ったのが一つですね。練習環境も、代表がキックのミットを持って、ボクシング・トレーナーもフィジカル・トレーナーもいて、全部揃ってるなと思ったのも大きかったです。あと、少数精鋭なのもよくて。今はプロ選手が3人、プロ志望のアマチュア選手が2人の5人でやっていて。数を少なくして、みんなをチャンピオンにするという方針にも惹かれました。
―― その環境で改めて練習を積んで、今年1月、Krushに参戦して初勝利。6月の2戦目では白幡太陽選手にKO勝ちを収めました。この2戦の手応えは?
林 1戦目は新しいジムのやり方と、以前までのスタイルの間で迷った感じの試合内容になってしまいましたが、その後の練習でその2つをうまく融合できて、2戦目はそれが少し出せたかなと思います。Krushのルール自体は、僕のスタイルにすごく合ってるなと感じています。まだまだ全然上げていかなきゃと思うんですけど、この2試合で土台はできたかなと。
―― そんな中、カード変更によって急きょトーナメントへの出場となりました。
林 2戦目が終わった後、「もし欠場者が出たらいけるように」ということを代表と話して、スタンバイしてたんですよ。だから、想定内……というわけではないんですけど、実際に連絡が来た時にはビックリもしつつ、心構えはできていたので、すごいチャンスをいただけたなという感じです。
―― ではKO勝ちできた後で、いいタイミングなのでは?
林 そうですね。メチャクチャ流れが来てるなというか、スピードが速いですよね。
―― ということは、もともと王座決定トーナメントの開催が発表されていた時点で、「そこに自分が入ればやれる」という思いがあった?
林 そうですね。Krushのベルトを獲れないと、その先にも行けないと思っているので。
―― 今回、準決勝で対戦する黒川瑛斗選手の印象は?
林 大きくパンチを振ってくる、パワー系の選手なのかなという印象ですね。前に出てきてくれる選手なので、タイプとしてはやりやすいかなと思います。警戒するところは頭に入れて対策しているので、あとはリング上の自分に任せたいなと思っています。
―― 最終的にはどう勝ちたいですか?
林 もちろんKO勝ちで。今回、Krushのトーナメントなので、全部KO勝ちしてベルトを獲りたいと思っています。
―― 改めて、ベルトに対しての思いは?
林 やっぱり、有名な選手たちが巻いてきたベルトなので、絶対獲りたいです。これまで2つのタイトルを獲ったんですけど(RKS、ジャパンカップ)、ぶっちゃけKrush王座を獲る方が難易度も高いと思うので、獲りたいという欲はもっと大きいですね。
―― 復帰した時点ではどういう目標を立てていたんですか?
林 どうせやるなら頂点に立ちたいと思っています。分かりやすく言えば、ボクシングの井上尚弥選手、野球の大谷翔平選手みたいに、一般の人からも「すごいな」と認知されるような選手を目指しているので、Krushのベルトを獲って、ゆくゆくはK-1のベルトも獲りたいですし、同じ階級の強い選手をみんな倒したいと思っています。
―― その目標を実現するためにも、ここは絶対という感じですね。
林 はい。そこから見ると、ここは簡単じゃなきゃいけないよねと思ってるんですが、足元をすくわれないように気を引き締めています。
―― 逆側のブロックについてはどうですか?
林 そこも思い通りに行ってるなという感じなんですけど、Krushに参戦し始めた時に、バンタム級では白幡裕星選手が一番強いなと思っていて。だから決勝で対戦できたらいいなと思っています。6月には白幡選手のお兄さんに勝っているので、そこもストーリーができるなと思いますし。
―― K-1 GROUP全体となると、K-1王者は黒田斗真選手ですが。
林 黒田選手には小学生ぐらいの頃、空手の2大会目の試合で負けてるんですよ。向こうは絶対覚えてないと思うんですけど(笑)、僕はあの負けで、格闘技への熱が上がった感じなので。だからこのトーナメントも、その先についても、一つ一つモチベーションは高いです。
―― では最後に、今回の試合に向けての“決意”を教えていただけますか?
林 今回は前の試合から1ヵ月という短いスパンだったんですけど、いつも通り順調に準備もできているし、当日は、1ヵ月でも進化した姿を見せたいと思います。絶対チャンピオンになるので、よろしくお願いします!
―― 分かりました。ありがとうございます!
黒川瑛斗「偉大な先輩に育てられ、自分がベルトを巻く番」
―― 今回、王座決定トーナメントの話が来た時にはどう思いましたか?
黒川 率直にうれしかったですし、ここまでプロとしてやってきた意味、意義があった気がしました。
―― 昨年10月、大久保琉唯選手にプロ初黒星を喫したあと、今年3月の鵜澤悠也戦でプロ初のKO勝利。そこからのトーナメントということで、タイミング的にはいかがですか?
黒川 いいタイミングだと思います。感覚的に何か掴めたものもあるような気がしますし、そういう部分では、すごくいい流れの時にお話をいただいたなと思いますね。
―― ただ対戦相手が、当初発表されていた大村修輝選手から林佑哉選手に変更になりました。これについては?
黒川 別に、自分のやることは変わらないので、特に相手がどうのというのは別に気にしてないというか。ただ、大村選手とやるよりは分かりやすい試合になるんじゃないかなとは思います。
―― その林選手についての印象は?
黒川 レコード的に見ても、また前回の試合もそうですけど、倒せる武器のある選手なんじゃないかなとは思います。あのパンチは警戒しなきゃかなと。
―― パンチについては、黒川選手も自信のあるところなのでは?
黒川 相手もパンチが得意なんだとは思いますけど、僕は全然そこで負けてるつもりはないし、勝ってる自信があるので、パンチできてくれれば殴り勝とうと思っています。相手の土俵だとしても別に負ける気はしないというか。
―― また、反対側のブロックでは白幡裕星選手と峯大樹選手が対戦します。そこも含めて、トーナメント全体の顔触れについてはどう思っていますか?
黒川 そこは特にないというか、ただただ自分がチャンピオンになればいいだけとは思ってるんですけど、白幡選手は名前もありますし、自分も以前からやってみたいなとは思ってました。まあ、決勝に上がってくるのがどちらになるにしても、僕のやることは変わらないですけど、やってみたいと思っていた選手が逆の山にいるというのは、刺激になっていますね。
―― この2試合を勝てばチャンピオンということになります。改めて、ベルトについての思いは?
黒川 このKrushのベルトというのは、(KRESTの)自分の偉大な先輩たちが巻いてきているものだし、自分もそれを見て育ってきたので、次は自分が巻く番だなと思っています。バンタム級は晃貴さんが以前に巻いていますし、それに限らずたくさんの先輩たちが獲ってきているものなので。
―― プロデビューの前から目指してきたもの?
黒川 そうですね。一つの形だと思っていますし、それを目標にしていないとやる意味がないと思うので、それが結果として形になる時が来たなと思います。
―― チャンピオン経験者がたくさんいる環境の中で、タイトルが懸かる試合への向かい方も学んでいるかと思いますが。
黒川 そこはいつもと変わらずというか、プロでやっている以上、落としていい試合はないと思うので。これまでも1試合1試合、死ぬ気でやってきてますし、本当にタイトルが懸かったトーナメントだからといってもいつも通りの自分を出せれば、自ずと獲りたいものが獲れるはずなので、自分の試合をすることに集中したいと思っています。
―― 「自分の試合」というところで、今回はどういう試合をしてどう勝ちたいですか?
黒川 分かりやすい展開というか、他の3選手との違いを見せたいですね。見ている人に「あ、コイツがベルトを巻くんだな」というのを、この準決勝から思わせられればと思います。
―― そこに、前回の試合で掴んだ「倒す感覚」が生きてくる?
黒川 もちろんそうだと思いますし、それ以上の、もっとすごいものが見せられるんじゃないかと思っています。
―― 6戦目までKO勝利がなかったことで、以前にもそこが課題だと言っていましたよね。「倒す」ということを練習の中でも意識してきたんでしょうか?
黒川 別に、自分的にも、もともと倒せるものは持っていると思っていたので、心技体の一致というか、自分の中でうまく噛み合ってきた結果なのかなと思います。だから、今後につながる手応えも掴めています。
―― 王座も具体的に見えてきたところで、「ここまで来た」という感覚もあったりしますか?
黒川 いえ、それは全然ですね。ベルトを巻くのがスタートだと思っていますし、別にこのトーナメントに選ばれたことが何かになるわけじゃないですし。ここを勝ち取れない人間は上には行けないと思っているし、1試合1試合、目の前の相手を倒していけば、いつか自分の目指す場所に立てると思っているので、今はまだまだスタート以前というところですね。昨年、大久保選手にも負けた試合が、一つ自分の中では大一番だったと思っていて、そこで負けて、前回はありがたく倒せて、自分でもここに選ばれているというのは運がいいなと思ってるんですよ。だからまだ慢心はしてないですね。
―― その大久保戦の敗戦で考えたことというのは?
黒川 あの試合で学んだことだったり、感じた課題だったりというのはたくさんありました。戦い方にしろ、精神的な部分にしろ、一度負けを経験したことで、すごく大きく変われた部分はあるので、そこはすごく生きてきているかなと思います。
―― では最後に、今回の試合に向けての“決意”を教えていただけますか?
黒川 先ほども言った通り、Krushのベルトというのは自分の偉大な先輩たちが巻いてきたものですし、それを見て自分も育ってきたので、今度は自分が巻く番だということを強く感じています。そういうところを見せられる試合、見てる人がワクワクするような試合を見せたいと思います。
―― 分かりました。ありがとうございました!
対戦カード
第9試合 セミファイナル Krushライト級(62.5kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ/王者)
大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/挑戦者、元Bigbangライト級王者)
第8試合 メインイベント ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
大沢文也(ザウルスプロモーション/元Krushライト級王者)
ペットサムイ・シムラ(タイ/志村道場/元ラジャダムナン・スーパーライト級王者)
第7試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
新美貴士[たかひと](名古屋JKファクトリー/元Krushフェザー級王者)
竹内将生[まさき](エイワスポーツジム/元BOM・Bigbangフェザー級王者、元MA日本スーパーバンタム級王者、元WPMF日本&J-NETWORKバンタム級王者)
~休憩~
第6試合 第9代Krushバンタム級(53kg)王座決定トーナメント・準決勝(2) 3分3R(延長1R)
白幡裕星(K-1ジム総本部チームペガサス/元KNOCK OUT-RED&ムエタイオープン・スーパーフライ級王者)
峯 大樹(若獅子会館/元RKSバンタム級王者)
第5試合 第9代Krushバンタム級(53kg)王座決定トーナメント・準決勝(1) 3分3R(延長1R)
黒川瑛斗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
林 佑哉(K-1ジム大宮チームレオン/ジャパンカップキックボクシング&RKSバンタム級王者)
第4試合 フライ級(51kg) 3分3R(延長1R)
悠斗(HUNGRY GYM/元Krushフライ級王者、WMC日本ライトフライ級(49kg)王者、元プロボクシング日本同級王者)
安尾瑠輝[りゅうき](K-1ジム心斎橋チームレパード/DEEP☆KICK -51kg王者)
第3試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
心直[しんた](REON Fighting Sports GYM/元KNOCK OUT-REDスーパーフライ級王者)
矢島直弥(TSKjapan/元WPMF日本&蹴拳ムエタイ・フライ級王者)
第2試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
友尊[ゆたか](TEAM K/BLUE DOG GYM/元NJKFスーパーフェザー級王者)
堀井 翼(K-1ジム五反田チームキングス)
第1試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
村田健悟(ALONZA ABLAZE)
ゆいら(健心塾)
プレリミナリーファイト第3試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
光佑[こうすけ](ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪)
宮本拳聖(K-1ジム総本部チームペガサス)
プレリミナリーファイト第2試合 フェザー級(kg) 3分3R
安 晟太[やす じょうた](サクシードジム team EXCEED/K-1カレッジ2021 -60kg優勝)
渡邉 陸(POWER OF DREAM)
プレリミナリーファイト第1試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R
原田翔貴(拳心會館)
上田咲也(HIGHSPEED GYM/K-1甲子園2022 -65kg優勝)
概要
大会名 Krush.163
日時 2024年7月27日(土) 開場・17:00 プレリミナリーファイト開始・未定 本戦開始・18:00
会場 後楽園ホール
チケット料金 SRS席 20,000円 RS席 15,000円(完売) S席 10,000円 A席 7,000円(完売) ※当日券500円アップ ※小学生からチケットが必要
チケット販売 K-1.CLUB イープラス ローソンチケット グッドルーザー 出場選手・所属ジム
お問い合わせ グッドルーザー 03-6450-5470 https://www.k-1.co.jp/krush/