武尊が著書「ユメノチカラ」発売記念トークイベント。今の目標は「早く怪我を治して、復帰戦をやることですね」
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武尊の著書「ユメノチカラ」(徳間書店)の発売を記念したトークイベントが3月2日、東京の目黒セントラルスクエアの徳間書店で開催され、武尊が1月28日のONEでのスーパーレック戦を振り返ると共に、今の目標について「早く怪我を治して、復帰戦をやることですね」と発言し、復帰に意欲を示した。
最近の武尊は1月28日のONE有明アリーナ大会でスーパーレック・ギャットムーカオのONEキック・フライ級王座に挑戦し、死闘の末に判定負けした。「ユメノチカラ」はその翌日の29日に発売された本で、22年6月のTHE MATCH 2022での那須川天心や、前回のスーパーレック戦に至るまでの交渉過程が明かされると共に、長年苦しんだうつへの対応の仕方や、自身含めた格闘技選手の収入や待遇についても記されている。
武尊は本の読みどころについて聞かれ「前回の本(=光と影 誰も知らないほんとうの武尊)は自叙伝的な内容でしたが、今回は気持ちの整え方とか、アドバイス的なことを書いているので、参考にしてもらえれば元気になれると思う」と話した。
本の最後のパートは当初、対ロッタンを想定した内容だったが、出版直前に対スーパーレックの内容に差し替えられた。本にも詳しく書かれているが、昨年末にロッタンが三角巾で腕を吊っている写真がSNS上で流れた際、武尊がONE側に事情を聞いところ「あれは昔の写真だから大丈夫です。試合はあります」と返答されていたという。
結局スーパーレックに相手が変わり、対策練習ができないまま迎えたファイトウィーク。武尊は「最後の5日間ほど、毎日のように会場近くに呼ばれて、メディカルチェックとか、海外メディアのインタビューとか、公開練習も何回やるんだろうって感じで、サインも何回も書かされました。計量も水抜き無しで苦しかったんですけど、前日にTikTokに流す用のダンスを踊ってくれとか言われて踊りました。皆さん見ました?見なくていいです」と、ONE流のシステムにボヤき、イベントに集まったファンを笑わせた。
スーパーレック戦の感想について、武尊は「やっぱり強い選手だったし、普通なら心が折れるタイミングでも折れなくて、ボディが効くと打撃もメンタルも落ちる選手が多いんですけど、そこで落ちないのに、選手としての強さを感じました。効いていたのはわかっていたんですけど、僕も(ローが)効いていました。1Rでたぶん骨が折れて筋断裂をしていて、足に力が入らなくて、強いパンチを打ちたくても打てなかったです。4R目あたりから足の痛みで意識が遠のいて、初めてローキックをもらって意識が飛びそうな感覚になりました。ミドルキックの対策を結構していたんですけど、ローの対策はほとんどしていなくて、試合中に向こうもローが入ると思って打ってきたんだと思います」と振り返った。
試合で武尊はスーパーレックの右ローを何発ももらった左足に大きなダメージを負い、天心や魔裟斗氏ら多くの選手・関係者が、ローをカットしない武尊に苦言を呈していた。武尊も既にInstagramで反論済だが、「わざわざ言うこともないと思っていたんですけど、トレーナーの(渡辺)雅和さんが悪いんじゃないかと言われるのが納得できなかったです。ああいう判断をしたのは自分です。1Rに膝でカットしていたら立っていられないと思って、腿でもらって耐えようと自分で決めた作戦で、セコンドとかに言われたくないんで反論しました」と改めて説明しつつ「でもみんなに僕に勝って欲しくて(アドバイスを)言ってもらえるのはありがたいです」と付け加えた。
今の左足の怪我の具合について、武尊は「治療院に8個ぐらい行っています。筋断裂は半分ぐらいのスピードで治って、最初6週間ぐらいかかると言われていたのが、3週間ぐらいで治りました。膝は圧迫骨折みたいな感じなので、時間がかかりそうです」と話した。既にできる範囲での練習を再開しており、「ずっと体を動かしていた人生で、久しぶりに何もできなかったので、うずうずしていた」と武尊は話した。
今の目標を聞かれた武尊は「早く怪我を治して、復帰戦をやることですね」とコメント。試合2日後のYouTube動画では「また戦いたくなったら戦うし、できないなと思ったら辞めるし、今は明言はしないようにしますけど、ちょっと気長に待っててほしいなという感じです」と話していたが、試合から約1か月経った今回のイベントでは、ファンの前で復帰を明言した。
来場した約80人のファンとのツーショット撮影を終えた武尊は、マスコミからの囲み取材に応じた。左膝の完治については「2~3か月はかかると思う」と話し、通常の練習再開の目途についても「3か月ぐらいかかる」とし、今の練習については「上半身が動くのは大丈夫なので、パンチとかから軽く始めています」とのこと。
復帰を決めた時期について聞かれ、武尊は「試合が終わって3日目ぐらいで、次こうやったら勝てるとか考えだして、こういうのを考えるということは、またやりたいんだなと思い始めました」と答えた。敗戦直後のマイクでは「これ以上もう僕は体作れません」と発言したため、今はもっと強くなれる気持ちになったのか?と聞かれると、武尊は「あの時は一番練習したし、体作りも一番長期間かけてやったし、これだけやったら無理だろうと思うぐらいやったんで、あの時と同じ体を作るのは無理かなと思うんですけど、違う方法で体を作る方法があるならやっていきたいと思っています」と話し、復帰する場合はこれまでとは違うコンディショニングを取り入れる方針を示した。このあたりは試合直後の魔裟斗氏の「今、プラスプラスにしてるけど、これからマイナスにするともっと強くなる。大事なことだけぎゅっと詰め込む」というアドバイスに影響を受けた可能性はありそうだ。
復帰する場合の戦いたい相手について聞かれ、武尊は「今は選ぶ立場ではないかなと思うので、誰っていうのは言えないですけど、ゆくゆくは、ロッタン選手と決まっていた試合だったので、ロッタン選手とやりたいなと思います」と回答した。前回のスーパーレック戦は急きょ決まったため、お互い準備万端での再戦について聞かれると、武尊は「今はそういう権利はないかなと思います。まずはロッタン選手です」とコメントした。だがONEのチャトリ・シットヨートンCEOからの、この3人の三つ巴での盛り上げを期待する発言については「うれしいです。2人に勝って世界一を証明したい気持ちがあります」と話し、ロッタン戦の先のスーパーレックとの再戦も視野に入れている様子だった。武尊の練習相手を務めていたK-1ライト級王者の与座優貴が、打倒スーパーレックに名乗りを上げた件についても、武尊は「うれしいですよね」と話しつつ「まだ僕は現役なんで、現役中にやり返せるなら僕がやりかえしたいです」と話していた。
復帰時期は年内か?という問いに、武尊は「まだわからないですね。体がまだどうなるかはあるので。気持ち的にはやりたいです」と答え、回復状況次第では年内復帰もありそうな様子だった。ONE側は海外での試合を期待しているが、日本での試合の可能性について、武尊は「そこはONE次第です。やらせてもらえるならもちろんやりたい気持ちはあります」と答えた。