武尊「僕が今一番強くいれる戦いは、この僕の戦い方」ONEのスーパーレック戦での敗戦後の心境をYoutubeで語る
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
中野駅徒歩3分。平日7~23時、年中無休営業。入会金&月謝2ヶ月分無料!
ONE 165 1月28日 有明アリーナ大会のメインイベント、ONEキック・フライ級チャンピオンシップで王者・スーパーレック・ギャットムーカオに判定負けした武尊が、試合2日後の30日に自身のYoutubeを更新し、試合後の心境を語った。武尊はスーパーレックの右ローキックで左足を負傷し、退場後すぐに病院に向かったため、記者会見は欠席していた。(写真提供 (C) ONE Championship)
武尊は試合翌日の29日のInstagramに、真っ赤に腫れた足の写真を載せるとともに「腿は筋断裂、今は歩くことも出来ないし何も考えれないけどしっかり前向いて生きます」などと記していた。
30日のYoutubeで武尊は怪我について「病院に行って歩けない状態だったんで、ジムの仲間たちにサポートしてもらって家まで帰って、そこから2日間はほぼ動けてないですね。ずっと椅子に座って、足に血が溜まって腫れちゃってるんで、なるべく足を高い位置に上げて、ずっと横になってるような感じですね」「足以外も上腕も筋断裂してたり、肋骨も痛めてたりとか色々怪我はあります」と報告した。
実際戦ったスーパーレックの印象について、武尊は「やっぱり純粋に強かったなって思った。今までプロで今回を抜くと2回負けてますけど(=12年の京谷祐希戦、22年の那須川天心戦)、本当に強かったって思ってなかったんですよ。次やったら絶対勝てるっていう気持ちだったり、そういう風に思えてたんですけど、今回は本当にスーパーレック選手強かったなって心から思った」「(3Rに)僕が1回ダウン取りかけたシーンがあったと思うんですけど、あれも最初、三日月か左ミドルがボディ入って、声が出てたんで、絶対効いてて、そっから僕は倒せると思って行ったんですけど、倒しきれなかったのと、そっからまた盛り返してくる精神力だったり、気持ちの強さっていうのはすごい感じたし、技術だけじゃない選手だなっていうのは思いましたね」「そんなに遠くは感じなかったですけど、やっぱトップレベル、世界一って言われてる選手のこういうことなんだなっていうのは思いましたね」と語った。
武尊は3Rにスーパーレックを追い詰めたが、序盤からもらったローキックのダメージが4R以降に影響し、追撃できず判定負けした。劣勢だった1・2Rの心境について武尊は「最初からああいう戦いになると思ってたし。本当にいろいろ作戦だったり、こうしてたらよかったんじゃないか、みたいな言ってくれる人もたくさんいるんですけど、僕はあの戦いでしか勝てないと思ってたんで。今、自分の体でできる、最善の戦いがあの戦い方で。それこそローキックも最初から効かされるのも分かってたし、それを耐えてワンチャンス狙って倒しに行くっていう、そういう気持ちでいたんで。本当、あれがあの時にできる最善の戦いだったって今でも思ってるし、他の戦いをしてたらそれこそ相手に効かせることもできなかったと思うし、あんだけ打たせて我慢したからこそチャンスが来たっていうのはあると思うし、そこで倒せなかったのが、僕の実力だと思うし、そういう戦いだったかなって思いますね」と振り返った。
試合後のリング上でのインタビューで武尊は「今、僕にできる限界はここまでです。これ以上もう僕は体作れません」と、涙を流しながら話した。その発言の理由について武尊は「過去、負けた試合とかも、もっとやれたのにって気持ちだったんですけど、今回は負けを告げられた時、悔しい気持ちも無茶苦茶あるんですけど、全部出し切ったなっていうふうに思いました」「これで勝てなかったら本当に自分が弱かったんだなって、負けをすぐ受け入れてたっていう感覚はありました」「100%に近いところまで近づけたくて練習をやってるんですけど、それをやろうとすればするほど体が壊れていく。運動神経も本当に普通なんで、追い込んで命削って練習してたからこそ(今まで)勝てた。試合も巧く技術でやったり、運動能力で戦ってるわけじゃないんで。我慢して我慢して相手の攻撃を受けることで、相手を疲弊させたりして自分のチャンスを作っていく。僕ならではの戦いっていうか、自分の身を削って戦っていくスタイルだったからこそ勝てたっていうのはあって、それもできなくなって来てる。体が壊れてきてるっていうのは感じる。色んなことを言ってくれたり、まだまだやれるんじゃないかとか、もっと強くなれるんじゃないかって言ってくれる人はいて、ありがたいんですけど、僕が一番わかってて。僕も色んな技術の練習ももちろんやってきましたけど、僕が今一番強くいれる戦いはこの僕の戦い方だったんで、それが通用しなくなったってことは、そういうことなんだろうなっていう風に思ってますね」「自分の中ではこの前の試合以上の体を作ることはできないし、もう一回同じ試合ぐらいまで仕上げることはできないと思うし。その上で、練習方法を変えたり、作戦を変えたりしてやっていくっていう道もあると思うんですけど、それをしたら僕は逆に弱くなると思うし、とりあえず今、本当に前回の試合で全てやり切ったなと思って」と説明した。
最高の試合だったよ、もっと強くなれるぞ
ONEフライ級キックボクシング王座戦で
5ラウンドの激闘の末、敗北を喫した武尊に魔裟斗氏が激励の言葉をかけた#ONE165 の試合を見るならABEMA PPVhttps://t.co/cA6QZsWDtd@takerusegawa #WeAreONE #ONEチャンピオンシップ pic.twitter.com/vA1dgjceSJ— ONECHAMPJP (@ONECHAMPJP) January 30, 2024
試合直後のバックステージで、車いすに座る武尊を、ABEMAでの生中継の解説を務めた魔裟斗氏が称えアドバイスする映像が、ONEの日本語版ののXに投稿されている。魔裟斗氏は晩年の経験に基づきつつ「5Rロー効くのわかるだろ。次は蹴らせないっていう勉強になったはずだ」「今、プラスプラスにしてるけど、これからマイナスにするともっと強くなる。大事なことだけぎゅっと詰め込む」とアドバイスしていた。武尊のYoutubeでの発言は、魔裟斗氏の発言を念頭に入れたものと思われる。
引退を示唆している武尊だが、今後については「今は本当に足が全く動かない状態でもあるし、また体が回復してきたら気持ちも変わってくるのかなと思うんですけど、今は次のことはもう考えないようにしようと思っているし、また戦いたくなったら戦うし、できないなと思ったら辞めるし、今は明言はしないようにしますけど、ちょっと気長に待っててほしいなという感じです」と話し、現役続行の可能性も示唆した。今後の武尊の心境の変化次第では、今は許容できない魔裟斗氏のアドバイスを咀嚼しつつ、新たな姿をリング上で見せる可能性もあるだろう。
他にも武尊はスーパーレックの強さや、大雅ら他の日本の選手たちへの思い等についても語っている。