RWS 2.12 後楽園ホール:吉成名高、ラジャ3階級制覇直後インタビュー「僕の想像を遥かに越えるタフさだった」「クマンドーイ選手がスーパーフライ級まで落とせるならやりたい」「ONEにも興味がある」
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ラジャダムナンワールドシリーズ(RWS)2月12日 後楽園ホール大会でプレーオプラーオ・ペップラオファーに勝利し、ラジャダムナン認定スーパーフライ級の正規王者となり、同スタジアムの3階級制覇を達成した吉成名高が、試合直後のバックステージでの共同インタビューで、試合の感想と今後の展望を語った。
RWS 2.12 後楽園ホール(後半戦レポ):吉成名高、正規王者プレーオプラーオから1Rダウン奪い判定勝ち、タイ人以外初のラジャダムナン3階級制覇
第7試合 ラジャダムナン認定スーパーフライ級タイトルマッチ(王座統一戦) 3分5R
×プレーオプラーオ・ペップラオファー[Praewpraw PetchPrawFah](タイ/王者・元ミニフライ級王者、元WMC・WBCムエタイ世界・True4Uミニフライ級王者)
○名高・エイワスポーツジム[吉成名高](エイワスポーツジム/暫定王者・フライ級王者・元ミニフライ級王者、プロムエタイ協会・WPMF世界・BOMフライ級王者、WBCムエタイ・ナイカノムトム・スーパーバンタム級王者、元ルンピニー・WMC・WBC・IBFムエタイ世界ミニフライ級王者)
判定0-3 (44-50/44-50/44-50)
※名高が正規王者に
「僕の想像を遥かに越えるタフさだった」
―― やっと実現した試合ですが、まずは試合を終えて、率直な感想をお願いします。
名高 プレオバー(=プレーオプラーオ)選手はずっとやりたかった選手で、タイで今一番スーパーフライ級で人気のある選手と試合をやらせてもらったんですけど、僕の想像をもっと上を行くタフさで。いつも自分は対戦相手の仮想をして、その仮想をいつも自分で過大評価して、それに超えてこないっていう意識でやってるんですけど、僕の想像を遥かに越えてきたんで、びっくりしました。
―― KO狙いと言ってましたが、実際に相手の選手がタフで、戦ってみてどうでした?
名高 ちょっと正直、2、3(ラウンド)の相手の勢いに気圧(けお)された部分があって、そこがすごい悔しくて。1R目に最初ボディストレートが当たって、それが効いて、そこから顔面も散らして効かせられたんですけど、そこでいつもだったら冷静になったところ、やっぱり3階級目(の王座)が懸かった試合っていうのもあって、パワーを込めて打ちすぎてしまって、打ち疲れてしまって、そこからちょっとプランが狂ってしまったなという印象があります。
―― RWSが今回、日本で初めて開催されました。名高選手はタイのRWSも出場していますけど、会場の雰囲気とかは何か違いましたか?
名高 タイの時も大歓声をいつもいただけるんですけど、今日の試合も入場だったりとか、会場の入場式とか全部、本当にそのままRWSが日本に来たんじゃないかっていうくらい盛り上がってて、本当に試合していてすごい楽しかったし、本当に苦しかったんですけど、本当に楽しかったです。
―― 自分の勝利が確定してベルトを巻いた時の心境はいかがでしたか?
名高 やっぱりホッとしたっていうのが一番で。正直、自分の中では練習してきたことが出せてKOできるっていう自信があったんですけど、やっぱり一筋縄ではいかなかっていう印象があります。判定の結果としてはフルマークでしたけど、それ以上に相手の気持ちに気圧されたところがすごい悔しいです。
―― 倒されても前に出てきた正規王者の踏ん張り、頑張り、根性とか、いかがでしたか?
名高 気持ちが強い選手ってずっと言われてて、本当にそういうファイターズスピリットを持っている選手なんで。タイでも負けててもそこから盛り返せる力がある選手ってことで、すごい人気がある選手だったので、そこはちょっと本当に驚くほど遥かに超えたなっていうのが第一ですね。
―― 1Rにダウンを取った直後、超満員のお客さんが本当にフィニッシュくらいまで行ったと思ったと思ううんですけど、どういう風に感じました。
名高 この感じのまま絶対倒したかと思ったんですけど、もっと冷静に散らせたたかなと思うんですけど、顔だけお腹だけになっちゃっちゃってました。ちょっとそこで、しかも手の力を使い過ぎたんで、そこがちょっと反省です。もっと冷静にいれば、ちょっと展開変わってたんじゃないかな、と思います。場内が盛り上がったんですけど、そこからちょっと僕がポイントを取る戦いになってしまったのが悔しいです。
―― 今日練習していたことの何%くらい出せました?
名高 練習プラン通り100%にいくことはほぼないと思うんですけど、そうですね、今まで作戦がたくさんハマってきた試合があるんですけど、今回は左に回るっていう動きはよくできたんですけど、練習してきたことの半分も出せてないと思います。僕がもちろん上がってしまったっていうのと、打ち疲れをしてしまったっていうのはあるんですけど、それ以上にプレオバー選手に実力があったと思います。
―― 調子に乗らなかったっていうのは、打ち疲れが原因なんですか?それとも逆転をされるのが怖かったですか?
名高 4R目まではチャンスがあれば倒したいと思ってたんですけど、5R目に入ってからは、やっぱり相手も最後まで倒しに来てましたけど、ちょっと蓄積もあったし、会長も終盤以降もういいよっていう指示があったので、5Rはパンチをもらわない、蹴りをもらわないように立ち回って流し切るっていう作戦には変わりました。4Rまではバッて攻めて、自分から仕掛けるっていうよりは、カウンター狙いで、何か攻撃を当てて倒せればいいなと思ってやってました。
―― カウンター狙いに変えたのは?
名高「2か3ですね。僕試合内容があんまり上がっちゃって覚えてないのも初めてなんで2か3、3ぐらいだと思います。」
―― 最強の相手でしたか?
名高 やりづらさとかはなかったんですけど、本当気持ちで押されたのが悔しいです。
「クマンドーイ選手がスーパーフライ級まで落とせるならやりたい」
―― スーパーフライ級まで階級上がってきたことで、一発が効かせられなかったって感じがあったのか、それでもプレーオプラーオがタフだったのか。
名高 今回プレオパー選手も過去一で仕上げてきた、今までで一番練習しているっていう情報も入ってたんで、本当過去最強のプレオパー選手が来たと思うんですけど、自分がパンチを当てて目が飛んでたんで、これ倒せるなって思ったんですけど、そこからのガードをして芯を外すじゃないですけど、なかなか倒れなくて。いつもだったら倒せる攻撃があったのに倒れないってことは、階級がどうというよりかは、プレオパー選手の打たれ強さだったのかなと思います。
―― そんな中でクマンドーイ戦っていうのがリング上で(リングアナウンサーから)お話が出ましたけど。
名高 RWSに1月にクマンドーイ選手が初出場してバンタム級のタイトルマッチでバントー選手に勝ってチャンピオンになったんですけど、スーパーフライまでクマンドーイ選手も落とせるっていう話もあるので、その階級で、できればやりたいですし、また作戦を練って、練習すれば勝てると思ってるし。僕が今プレオパー選手と判定だったんですけど、12月の試合でプレオパー選手のことを倒した選手(=ディヌアトン)がいて、その選手とやるっていう話もあるみたいだし、本当にここからまた試練が続くのかなって感じがします。
―― 1試合目の伊藤選手の後、2戦目からセミファイナルまでずっと日本人選手が負けてたっていうのはご覧になってましたよね?
名高 そうですね。モニターで見てましたね。
―― ちょっと何か意識するとこありますか?
名高 やっぱり今日出た選手みんな日本のムエタイのトップの選手だと思うんで、その選手たちがタイのRWSの常連選手たちと試合をして敗れてしまって、しかも日本の地で負けてしまったということで、日本人の皆さんは絶対、僕たち日本人の勝利を期待してくださる方がほとんどだと思うんで、そこで自分は絶対勝たなきゃいけないという気持ちは、より一層強くなりましたし、僕が見せなきゃっていう気持ちはすごい強かったです。
―― プレッシャーではなく、逆に力になった?
名高 力にはなりました。はい。
―― その質問に付随して最近ですと、武尊選手とか海人選手がタイ人に負けて、武尊選手の試合をご覧になったと思うんですけど、その中で砦を守ったみたいな感じは?
名高 そうですね。武尊選手が戦ったスーパーレック選手、海人選手がやったペットモラコット選手も、もちろんタイで本当にビッグネームの選手で。今回僕がやったプレオパー選手も本当にビッグネームの選手で。特に海人選手がやったペットモラコット選手はペッティンディージムでプレオパー選手と同門で、やっぱりこの勢いについてきてたし、ペッティンディージムの会長のボートさんも会場にいらしていたし、そこで気合の入り方をすごく感じたんですけど。そういうのもあって、自分は絶対勝たなきゃいけない、今日の(他の)試合の結果もあったし、っていう気持ちはすごい強かったです。
―― ダメージっていうのは何かありますか?
名高 特に大きいダメージはないんですけど、プレオパー選手のローキックの打点がちょっと高くて。腰に当たって普段もらったことないところにもらって足に力が入らなくなって。それが多分3か4だったと思うんですけど、それがちょっとびっくりしましたね。あれ、足がちょっと動かないぞっていう感じになりました。腰ですね。足はカットはしてたんで、ちょっとスネが痛いくらいで、それ以外は全然大丈夫です。
―― 今回のワイクルー(=試合前の踊り)の出来はどうですか?
名高 ワイクルーは家族だったりとか先生に感謝を込めて踊る舞いなんですけど、常に僕がワイクルーをする時に思っているのは、今まで練習を見てくれた先生への感謝と、後はご飯を作ってくれたりとかお仕事頑張っているお父さんお母さんへの感謝の気持ちだったりとか、そういうのも込めて踊って。後はやっぱりワイクルーも(タイの)文化なので、そういった文化を日本の皆さんにも見てほしいなと思って、ワイクルーの最後に刀を使って、日本人ということで侍のワイクルーを披露したんですけど、そこにプレオバー選手も乗って(槍を突くようなポーズをして)くれたので、会場が盛り上がってすごくよかったです。
「ONEにも興味がある」
―― 今回は第1回ですけども定期的にやっていきたいと思われていたり、例えばスタジアム、アリーナでやってみたいとかはありますか?
名高 今回すごい盛り上がったと思うし、タイ人の強さも皆さんわかったと思うので、どんどんこれをきっかけにムエタイが認知されて、プラス、日本人選手のレベルもどんどん上がって、みんなでしのぎを削ってやれば、もっと競技自体が盛り上がっていくと思うので。僕も今日の試合で反省点もあったので、そこもどんどん修正をして強くなって、みんなで強くなっていければ、ムエタイ自体も盛り上がって、今の野球とかサッカーみたいな感じで、普及するスポーツになると思うので、みんなで頑張りたいです。
―― すでに名高選手は野球で言えば大谷(翔平)選手とかそういうレベルだと思うんですけど、そういうことに関してどう思いますか?
名高 正直、恐れ多いとしか言えないですけど。僕はまだまだ本当に選手としても人間としても未熟者なんで、もっと練習の面ではもちろんですけど、立ち振る舞いから誰よりも王者らしく生きていきたいなと思います。
―― リング上でこれからは第2章と話していましたが、どんな第2章にしたいですか?
名高 先ほども言ったように、この選手より上のランクの選手がまた来ると思うので、そこで戦うっていうのもあるし、あとは武尊選手のONEの試合を見て、自分も世界の舞台というか。ONEの舞台で自分は競技はムエタイになると思うんですけど、参戦するときは、そういった大会にも興味がありますし。ここからまたいろんなことができると思うので、僕もこれから。ここ最近連戦が続いたんで、ちょっとゆっくりして、また準備して、次の自分の活躍を見てほしいですね。
―― クマンドーイ選手が落とせたらってさっきお話でしたけど、名高選手が上げるっていう考えは現時点では?
名高 そうですね。スーパーフライが今の本当に自分の適性なんで。バンタムだと、また体重が3ポンドぐらい上がるんで、その3ポンドって、本当に大きくて、簡単に上げて勝てるっていう次元の話じゃないので、そこはしっかり会長だったりとか先生と相談をして、次の道を決めていきたいですね。
―― 最後、公式なんですけども、ファンの方や応援してくれた皆様に一言お願いします。
名高 今回は応援ありがとうございました。このRWS初上陸の日本大会で勝ってホッとしてます。ですが、まだ自分もこれから強くなれるっていう風に感じた試合だったので、反省点が残る試合だったんで、もっと強くなって、次の自分の姿に期待していただけるとうれしいです。今日は本当に応援ありがとうございました。また、必ず強くなって思って戻ります。
RWS 2.12 後楽園ホール(後半戦レポ):吉成名高、正規王者プレーオプラーオから1Rダウン奪い判定勝ち、タイ人以外初のラジャダムナン3階級制覇