RIZIN 12.31 さいたま:朝倉海、Youtubeで計量オーバー騒動&KO勝利への道筋を語る「英語を勉強してアーチュレッタのセコンドの声を全部理解できました」
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RIZIN.45(12月31日(日) さいたまスーパーアリーナ)のRIZINバンタム級(61kg)タイトルマッチで、フアン・アーチュレッタを2R右膝蹴りでKOし同王座を奪還した朝倉海が、試合翌日未明に自身のYoutubeを更新した。アーチュレッタの計量オーバー騒動や、フィニッシュのテンカオ(膝蹴り)に至った準備・研究について明かしている。
第16試合 MMA RIZINバンタム級(61kg)タイトルマッチ 5分3R
×フアン・アーチュレッタ(米国/ザ・トレーニングラボ、HBアルティメット&グレイシーバッハ/元王者、ベラトール3位・元王者)※初防衛戦
○朝倉 海(JAPAN TOP TEAM/挑戦者、元RIZINバンタム級王者、元THE OUTSIDER 55-60kg級王者)※トライフォース赤坂から所属先名称変更
2R 3’20” KO (右膝蹴り)
※アーチュレッタは前日計量で2.8kgオーバーし王座はく奪。当日試合約1時間前の計量での68kgリミットで実施。アーチュレッタはレッドカード1枚、勝った場合はノーコンテスト。朝倉が勝った場合のみ王者として認定される
※朝倉が王者に
「やりました。完璧でしょ。やっと大晦日勝てました」
RIZINの金色のベルトを持ち、満面の笑顔で話し始めた海。RIZINの大晦日大会初出場の18年はムン・ジェフンに判定勝ちしたが、その後はマネル・ケイプ、堀口恭司、扇久保博正との大事な試合を落とし続け、昨年の大晦日は右拳の治療のため出場できなかった。23年は5月の復帰戦で元谷友貴をKOし、7月のアーチュレッタとのバンタム級王座決定戦は、海の左膝の怪我で中止となった。大晦日までアーチュレッタを待たせることになったが、今度はアーチュレッタが約1週間前に腸炎となり、計量で2.8kgもオーバーしてしまう。
Youtubeで海は「俺の大晦日は絶対試練があるんだ。今までの負けもそうだし、今回のアーチュレッタが計量オーバーするのもだし」「アーチュレッタが2.8kgオーバーしてさ。コーチ全員反対して。そのままやるとリカバリーで80kgになるって。それでも俺はいいと思っていた。みんな楽しみにしてるから。俺もベルト取りたかったし。最終、今日の朝決まって。こっちとしては、さすがリミットを設けないとやらないって、みんなと話して。67kgでしょうって話をして、最終68kgに落ち着いたのね。それでも落としてくるかわからなかったけど、俺は何kgでもやるって決めないとメンタルが持たなかった」と、相手の計量オーバー後の心境や状況を振り返る。
アーチュレッタは試合1時間前の計量でリミットの68kgをクリアしたが、海は「それにしてもアーチュレッタ、デカすぎでしょ。どういうこと?俺は多分66から67kgぐらい。アーチュレッタは多分リングの上で75ぐらい。デカくて圧力が凄かった」と実際にリングで対峙した時の感想を語った。試合は海もパンチや蹴りを返すが、アーチュレッタは前進を続ける展開に。「体重の差もあったから、思いっきり打たなきゃって、俺も力んじゃった部分があって」「俺の右も何発かクリーンヒットしてて、感覚的にみんな倒れてるパンチなんだけど、倒れてないよね。でもそれは想定内で、あいつ頑丈じゃん。本当に倒すなら、膝とか蹴り技にしようかなっていう感じはあったね」と海は語る。
フィニッシュは2R、アーチュレッタがパンチを振りながら前進してきたところ、海が後ろに下がって誘いつつ放った右のテンカオだった。レバーにもろにもらったアーチュレッタはダウンし、海がパウンドで追撃したところでレフェリーがストップ。アーチュレッタの計量オーバーの騒動もあったことも相まってか、場内はこの日一番の大歓声に包まれた。
このテンカオ、前回の元谷戦でもKO勝利を呼び込んだ技だったが、今回は対アーチュレッタを意識し、より緻密に準備した上での一撃だった。
「カウンターの膝を用意してたけど、試合の中で相手のリズムをつかんで、最終調整であそこで当てた感じ。今回実はコーチとか通訳のタリックさんとかが『相手のセコンドの声の英語を理解できるように勉強しよう』って言ってて、ずっと勉強してたの。アーチュレッタの全試合見て、タリックさんに教えてもらったから、俺はアーチュレッタのセコンドの声を全部理解できました。だから今回(セコンドの)兄貴とかエリー(・ケーリッシュ氏)とかの声も聞いてたけど、相手の声も聞いてた。最後も『ワンツーから入れ』みたいなこと言ってたの。絶対合わせられるって」
海はアーチュレッタの来日後の調印式で、英語を使ってアーチュレッタを挑発する一幕もあったが、スピーキングだけでなくヒヤリングも磨いていることがわかるエピソードだ。海はUFCを目指しており、この準備は実際にUFCに戦うようになった時にも活きるだろう。
他にも「アーチュレッタの体の構造とかも専門家に調べてもらって、お腹の長さが何センチあるから、ボディが狙いやすいとか、足の構造とかも全部調べてもらった」「「ビリー(・ビゲロウ氏)はレスラー相手に絶対勝たせるコーチで、レスラーがどういうことされると嫌とか、どういう風にディフェンスしていけばいいっていうのを徹底的に教えてもらった。テイクダウンも切れる自信があるし、取られたとしても絶対に逃げられる。最悪なポジション取られても絶対エスケープできるっていう自信があった」と語り、「僕の前にヒロヤとヴィンス(・モラレス)が勝って、勢い付けてくれた。本当にチームって大事だと思った。JTT(=JAPAN TOP TEAM)は本当にいい環境になった」と満足げに話した。
試合後のマイクでは計量オーバーのアーチュレッタを擁護。海は「日本人ってめちゃめちゃ攻めるじゃないですか、計量に対して。計量って本当に危なくて、命がけでやってるから、格闘家は。そこで命を落とすこともあるしさ。それを過剰に攻めるのも良くないと。だから当事者が文句言うならまだわかるけども、外部の人が言うののは違うのかっていうのは思う。アーチュレッタの応援もしてもらいたいなと思います」と、リング上でのアピールについて補足した。
また、休養中の兄・未来がセコンドにつく状況での勝利についても「俺がアーチュレッタに勝つことでやる気にさせられる。兄貴は本気になったらマジで強いから、俺がスイッチ入れたかった。これを機に本気になってもらいたいと思います」と話している。