DEEP JEWELS 7.23 新宿フェイス:本野美樹、赤林檎を1Rで仕留めストロー級暫定王者に「次はRIZIN」。杉山しずか一本勝ち。前澤智の対戦要求を浜崎朱加が快諾
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
神楽坂 江戸川橋 クラミツムエタイジム
立ち技最強、ムエタイを究める!16周年、選手コース開設。ジュニア、女子クラスも。今ならスタート月会費0円!
DEEP JEWELS 29
2020年7月23日(木/祝) 新宿フェイス
レポート&写真:井原芳徳
新型コロナウイルスの感染拡大により休止していたDEEP JEWELSが、2月24日のニューピア大会以来5カ月ぶりに開催された。新宿フェイスのは500~600人のキャパだが、コロナ感染予防で200席限定に。チケットは発売後すぐに完売し、大会の模様は動画配信サービスのSPWN(スポーン)を通じて有料配信された。
第6試合 メインイベント DEEP JEWELSストロー級暫定王者決定戦 5分3R
×赤林檎(フリー)
○本野美樹(AACC)
1R 4’23” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※本野が暫定王者に
メインイベントのストロー級暫定王者決定戦は、王者の魅津希がUFCに参戦中のため、5月の後楽園大会で組まれ、2カ月半スライドして行われた。赤林檎は日本拳法の西日本学生選手権で準優勝の実績があり、18年にMMAプロデビュー後はジェットイズミ、アミバ、山口さゆりに勝利。1階級上でいずれも敗れはしたが渡辺華奈、杉山しずかとも対戦経験がある。本野は東海大柔道部出身で、昨年プロデビューし5戦4勝1敗。鈴木万李弥、長野美香を下し、2月の新宿大会ではタイ人のノンパン・ザ・ロケットに1R TKO勝ちしている。
打撃対寝技の構図の一戦は、寝技の本野の圧勝に。1R、赤林檎がプレッシャーをかけ、本野をコーナーに詰め、右ストレートを振るうが、本野はかわして組み付き、押し込んでからテイクダウンに成功する。あとは本野のワンサイドゲームで、ハーフ、サイドからパウンド、肘を当て続け、最後はマウントを奪い、パウンドを連打したところでレフェリーがストップした。
ベルトを巻き涙を流した本野は「勝ててうれしいのとホッとしています。以前、オーストラリアでタイトルマッチで負けてしまって、凄く悔しかったので、2度目のチャンスをもらって、何がなんでもベルトを取ってやろうと思って、今日までやってきました。赤林檎選手は打撃でガンガン攻めて来る、自分と違った試合をする選手で、少し不安があったんですけど、今日は試合を楽しんで自分を信じてやろうと思っていたので、最後にベルトを巻けて良かったです」と試合を振り返った。
さらに本野は「チャンピオンになれましたけど、挑戦者の気持ちを忘れず、挑戦を続けたいです。DEEP JEWELSのベルトを巻く目標を達成したので、次はRIZINに出られるような、スター選手になれるよう頑張ります」とアピールした。
第7試合 セミファイナル 61kg契約 5分3R
○杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)
×ARAMI(フリー)
3R 1’49” 腕ひしぎ十字固め
杉山は昨年9月のDEEP JEWELSのメインイベントで赤林檎に2R腕十字で一本勝ちして以来となる試合。
1R、杉山がパンチを振るうと、ARAMIが組み付くが、杉山は足をかけて倒す。ARAMIは足関を狙い続けるが、杉山は防御し、トップキープし、時折鉄槌を落とし好印象を残す。
2R、杉山が組み付いて押し込むが、ARAMIはテイクダウンされず、中盤に離れる。両者お見合いが続き、やや攻めあぐねた感があったが、終盤、ARAMIが左ジャブを当て、押し込んで終了。僅差だがつけるならARAMIか。
3Rもスタンドの攻防が続くと、杉山が右フックをヒット。SARAMIが後退し、ロープ際で横向きになると、杉山が右ハイを当ててひるませる。杉山は組み付いて倒すと、素早く腕十字を極めて快勝した。
第4試合 グラップリングタッグマッチ 10分3本勝負
○浜崎朱加(AACC/元RIZIN女子スーパーアトム級(49kg)王者、元INVICTA世界アトム級(47.6kg)王者、元JEWELSライト級(52kg)王者)&富松恵美(パラエストラ松戸/元DEEP JEWELSストロー級(52.2kg)暫定王者)
×前澤 智(リバーサルジム立川ALPHA/DEEP JEWELSアトム級(47.6kg)王者)&古瀬美月(Y&K MMA ACADEMY)
2-0
浜崎は約5年ぶりのDEEP JEWELS出場。昨年大晦日のRIZINで、ハム・ソヒに判定負けし、RIZINの王座を失って以来のリングとなる。前澤と富松は昨年10月の後楽園大会のアトム級タイトルマッチで対戦し、王者・前澤が組み技主体の攻撃で富松に判定勝ちしている。5月の後楽園で前澤はパク・シウ(韓国)との防衛戦、古瀬はアム・ザ・ロケット(タイ)とのミクロ級(44kg)初代王座決定戦が組まれていたが、海外からの渡航制限が続き、実現の見通しが立たない中、今回のグラップリングタッグの企画が用意された。なお、古瀬は8月9日のRIZINでの浅倉カンナ戦を控えている。
チーム編成は試合直前のリング上でのジャンケンで決まり、浜崎・富松組、前澤・古瀬組に。最初に登場したのは浜崎と古瀬。浜崎が序盤からテイクダウンを奪うと、パスガードし、1分10秒で腕十字を極め完勝した。
続けて登場したのは富松と前澤。富松がバックを奪いキープした後、前澤が脱出する。すると富松は浜崎にタッチ。浜崎はまたも軽々とテイクダウンを奪い、パスガードすると、4分42秒に再び腕十字を極め一人で2本奪取し、圧巻の強さを見せつけた。
古瀬は「浜崎選手みたいな強い選手と手を合わせるいい機会になりました」と話し、RIZINでの浅倉戦については「目標としていたRIZINにこんなに早く出られると思わなかったです。噛ませみたいに見られると思いますけど勝ちに行きます」とコメントした。
浜崎の活躍のおかげで勝利した富松は「浜崎さんとのチームになって、いけるなって思った」と話して笑いを取ると、「コロナ太りをして、韓流ドラマばっかり見過ぎているので、そろそろ練習しないと。まだまだ若い人には負けません」と宣言した。
浜崎に圧倒された前澤は「こればっかりだと悔しいので、浜崎さん、RIZINで喧嘩売らせてもらえないでしょうか。昔、INVICTAで活躍する浜崎選手を見て、日本人でこんなに強い人がいるんだと思って、青森から上京することを決意しました。許されるならまた、RIZINの舞台に浜崎さん、連れて行ってくれませんか」とアピール。すると浜崎は「日本人で私と試合をしてくれる人がいないので、突然だったけどうれしいです。RIZINさんが組んでくれるならいつでもやりたいです」と快諾した。
第3試合 49kg契約 5分2R
○青野ひかる(ストライプル新百合ヶ丘)
×リオン(KRAZY BEE)
1R 4’53” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、青野が得意のタックルで序盤からテイクダウンに成功する。リオンも下から腕十字を狙うが、青野は防御すると、中盤からサイドで押さえ込み、鉄槌を当て続ける。リオンは防戦一方で浴び続けたところで長瀬レフェリーがストップした。
第2試合 49kg契約 5分2R
×さくら(フリー)
○大島沙緒里(AACC)
2R 2’10” アームロック
修斗を主戦場とする大島は川西茉夕の欠場でDEEP JEWELSに緊急初参戦。1R、打撃戦の後、さくらが組み付いて倒すが、大島はギロチンチョークで迎撃し、そのままリバーサルに成功して、サイドで押さえながら鉄槌を当て続ける。終盤はさくらが返して上になるがパウンドは少ししか返せない。
2R、今度は大島からタックルを仕掛け、さくらが切り、スクランブル状態が続いた後、さくらがサイドで押さえてポジションをキープする。流れは変わったかのようなムードだったが、大島は下からアームバーを仕掛け、そのままリバーサルしつつ、極めを続けると、最後はレフェリーがストップした。
勝利者インタビューで大島は「川西選手は高校と大学の時、柔道の練習をさせていただいていて 柔道の時からストイックな選手でした。今回欠場になって悔しい思いをしていると思うので、私が言うのもおこがましいですが、川西選手がリングでデビューするのを楽しみにしてください」と、川西とのエピソードを明かしつつエールを送った。
第1試合 49kg契約 5分2R
×KAI(リバーサルジム立川ALPHA)
○永尾音波(AACC)
判定1-2 (福田18-20/長瀬20-18/五十嵐19-19○)
1R、KAIが圧力をかけて右のストレートを当て、永尾が回って前蹴りをボディと顔面に当てる攻防が続く。大差は無いが終盤ややKAIがヒット数を増し好印象か。AACCの選手が4人出場しているせいもあってか、永尾の攻撃が当たる度、大きな拍手が起こるが、KAIの攻撃の当たった際は静かで、その点も見る人の印象に影響を与えているかもしれない。
2Rに入ると、永尾もパンチ、KAIも蹴りを織り交ぜる頻度が上がるが、基本的には1Rと同じ攻防。中盤過ぎ、永尾が右フックをクリーンヒットさせるが、終盤、KAIがヒット数で追い上げる。永尾はタックルで打開を図るが、KAIは切って押し込んでしのいで終了。記者採点は両ラウンド僅差だがKAIで18-20でKAI。ジャッジは三者三様となり、永尾の判定勝ちとなった。
◆オープニングファイト
第2試合 DEEP JEWELS SP(セミプロ)ルール 52kg契約 3分2R
×村上 彩(フリー)
○竹田有里(KRAZY BEE)
判定0-3 (18-20/18-20/19-19○)
第1試合 DEEP JEWELS SP(セミプロ)ルール 49kg契約 3分2R
×Moochan(T’sキックボクシングジム)
○須田萌里(SCORPION GYM)
1R 3’00” 腕ひしぎ十字固め