修斗 3.24 ニューピアホール:安藤達也、平川智也に一本勝ち。中村優作、1Rでハワイ王者粉砕。工藤諒司、内藤太尊との死闘制す
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
OGUNI-GYM(オグニジム)
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サステイン主催「プロフェッショナル修斗公式戦 SHOOTO 30th ANNIVERSARY TOUR 第2戦 Supported by ONE Championship」
2019年3月24日(日)東京・ニューピアホール
レポート&写真:井原芳徳
第16試合 メインイベント バンタム級 5分3R
×平川智也(MASTER JAPAN/世界5位、環太平洋2位)
○安藤達也(フリー/世界8位、環太平洋7位)
2R 2’55” 裸絞め
- ニューピアホールでの大会の様子
ニューピアホールは東京の山手線の浜松町駅から徒歩10分弱、ゆりかもめの竹芝駅からだと数分の海沿いにあるホテルに隣接した会場。過去にJ-NETWORKなどのキックの大会が行われたが、MMAでは初進出となる。来年の東京オリンピックの影響もあって首都圏で使える会場が限られる中、今回の興行は試金石となる。
なお、第9試合の前には、大会後半戦の出場選手の登場セレモニーが行われ、1月に修斗とパートナーシップ契約を結んだONE Championshipのスタッフから、サステインの坂本一弘代表に記念の花束が贈呈された。大会中には3月31日のONE両国大会のCMが再三流され、ONEでの試合が決まっている猿田洋祐、佐藤将光の修斗世界王者2名が次戦への意気込みを語った。新たに契約した佐藤は5月10日のシンガポール大会に出場するという。
そんな今大会のメインは平川と安藤のバンタム級ランカー対決。平川は昨年9月の根津優太戦で判定負けして以来の試合。安藤はTRIBEを離れ、約1年のブランクを経て昨年から復帰し3連勝。11月の南出剛戦では強烈な打撃で圧倒した末に一本勝ちした。同じ大会で佐藤が齊藤曜にリベンジし防衛。1月大会では岡田遼が祖根寿麻を粉砕し環太平洋王座を奪取。平川と安藤は両王者を追う上で落とせない一戦だ。
1R、両者サウスポーに構え、平川は回りつつ時折スイッチするスタンドの打撃戦で、お互いパンチを当ててひるませ、スリリングな展開に。中盤過ぎ、安藤がタックルで倒して上になり、バックを取りかけるが、乗り過ぎてしまい、平川はスタンドに戻す。終盤はお互いヒットは乏しく終える。記者採点はやや優位な場面の多かった安藤につける。
2R、平川が回って距離を取りつつ、ローを当て、組めばボディに膝を当て、安藤の体力を削る。安藤は口が開き少ししんどそうに見えたが、中盤、圧力をかけ返すと、弾丸タックルを仕掛けて豪快にテイクダウンに成功。トップからパウンドを当てると威力を発揮し、背中を向けさせて、さらにパウンドを当てて痛めつけてからガッチリと裸絞めを極めタップアウト。持ち前の爆発力を発揮しきっちりフィニッシュした。
金網によじ登って大喜びした安藤は「ヤーマン!メインイベントでブサイクな試合したけど、ガッチリ極められたので。試合を組んでくれて感謝しています。より一層精進します。修斗盛り上げます。修斗最高」とマイクアピール。初のニューピア大会を華々しく元気いっぱいに締めくくった。
第15試合 セミファイナル 59kg契約 5分3R
○中村優作(チーム・アルファメール・ジャパン/WSOF-GCフライ級王者)
×ロドニー・モンダラ(米国/UFC GYM BJ PENN/X-1バンタム級王者)
1R 1’57” KO (レフェリーストップ:左フック→グラウンドパンチ)
中村は17年10月の舞浜大会で初めてプロ修斗に出場し、ライリー・ドゥトロにKO負けして以来の修斗登場。その間、RIZINで那須川天心とのキックボクシング戦、普段1階級上で戦うマネル・ケイプとの試合でいずれも敗れたが、大舞台での経験を糧に浮上のきっかけにしたいところ。
対するモンダラは修斗初参戦。1月に地元ハワイで修斗の元環太平洋王者の土屋大喜に2RパウンドでTKO勝ちしている選手だ。
1R、サウスポーのモンダラに対し、中村が日本拳法式でガードを低くしつつ、飛び込んで右フック、左ローをヒットする。途中、モンダラのローがローブローとなり、いったん中断するが、中村はコンタクトレンズが外れたため、それをつけるためにインターバルが設けられる。再開後、中村はじわじわプレッシャーをかけ、右フックを効かせてモンダラを後退させると、連打の中で左フックを当ててダウンさせる。中村は金網に押さえつけながらパウンドラッシュし続け、モンダラの動きが止まったところでレフェリーがストップした。
快勝の中村は「パンフレットの僕の(八角形の戦力評価)チャートがスピード2ぐらいになってましたけど(実際は平均値の3)、天心とやり合った男ですよ。5にしておいてください」とアピールし、観客を笑わせた。
第14試合 フェザー級 5分3R
×内藤太尊(roots/世界8位、環太平洋5位)
○工藤諒司(TRIBE TOKYO M.M.A/環太平洋9位)
判定0-2 (田澤28-29/岡田29-29/豊永28-29)
1R、内藤が左ミドル、左ローを連打した直後、工藤がタックルを仕掛けて一発でテイクダウンに成功する。内藤はスタンドに戻すが、左ローを当てた後、工藤が右フックと右ハイを連続で当ててひるませ、再びグラウンドに持ち込む。その後もしつこく内藤が立つ度に工藤がテイクダウンを繰り返す。工藤がポイントを先取する。
2R、内藤が左ハイ、ロー、膝を当て、工藤のタックルを切り、パンチに耐え、金網際で組めば突き放して右肘を当てて挽回する。だが終盤、工藤もパンチを効かせると、組み付いて倒し、最後はトップキープしてラウンドを終える。若干工藤が優位か。
3R、一進一退のスタンドの打撃戦が続き、終盤、内藤が右フックを連続で当てて工藤をひるませてチャンスを作る。最後はグラウンドでもつれ終了。最後は内藤がポイントを取る。記者採点は2Rを10-10とし29-29のドロー。ジャッジ2者は工藤を支持し、工藤の勝利となった。
第13試合 ストロー級 5分3R
○木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅(和術慧舟會GODS/世界6位)
×楳沢智治(AACC×SPIDER/世界9位)
判定2-1 (田澤30-27/片岡28-29/豊永29-27)
昨年のインフィニティリーグで箕輪ひろばを下し波乱を起こした41歳のベテラン・楳沢が上位入り目指しての戦い。
1R、楳沢がパンチから組み付いて押し込み、倒そうとするが、その動きに合わせて木内が飛びついて三角絞めを極め、そのままマウントになってパウンドと肘を当てて追い詰める。木内が腕十字に移行すると、楳沢は脱出し、スタンドに戻る。2ポイント差がついてもおかしくない内容だ。
2R、スタンドの展開が続き、お互い攻めあぐねる。中盤、楳沢が雄たけびをあげてから前に出てパンチを連打するが、木内が右フックを当てて楳沢をダウンさせて好印象を残す。
3R、スタンドで楳沢が必死に前に出るが、木内はかわし続ける。時折打ち合いになり、先に楳沢が当てるが、最後きっちり木内が当てて効かせふらつかせる。最後はお互い攻めあぐね判定となり、意外にも割れたが、木内が順当に勝利した。記者採点は3Rとも木内で30-27。
第12試合 バンタム級 5分2R
×海下DRAGON竜太(パラエストラTB)
○倉本一真(修斗GYM東京)
1R 4’15” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、金網際の押し合いの展開で、倉本が倒して上に。海下は下から腕十字を狙うが、倉本は対処し、立とうとしてもグラウンドに引きずり戻し、体勢が変わりながらも少しずつパウンドを効かせると、終盤に左を連続でクリーンヒットし、海下の動きが止まりレフェリーストップがかかった。倉本はこれでプロ5連勝。前回の試合で4回見せて話題を呼んだジャーマンスープレックス等の派手な投げ技は出なかったものの、きっちりフィニッシュし、破壊力を十分印象付けた。
第11試合 フライ級 5分2R
○梶川 卓(スカーフィスト)
×関口祐冬(修斗ジム東京)
判定3-0 (20-18/20-18/20-19)
1R、関口がスタンドの打撃戦でやや優位だったが、梶川が右フックを当てて関口をひるませ、その後は上になる。終盤、関口が下から腕十字を狙いながらリバースして上になり、最後は足関の取り合いに。判断要素の多いラウンドとなるが、主導権を終盤握る時間の長かった梶川がやや優位か。2Rもその流れが続き、梶川がテイクダウンを繰り返し、上になり続けて終了。経験豊富な36歳・梶川が21歳の関口を最後は完封し、勝利を宣告されると、喜びの雄たけびを上げ続けた。
第10試合 ストロー級 5分2R
○牧ヶ谷篤(和術慧舟會群馬支部)
×内田タケル(パラエストラ松戸)
1R 3’28” 裸絞め
39歳のベテラン牧ケ谷が、16歳・2戦目の内田を序盤から寝技で追い詰め、裸絞めを極めタップアウト。プロ修斗では8戦目で初の白星をあげると大喜びし、内田は涙を流した。
第9試合 Women’s SHOOTO Under 50kg インフィニティリーグ2019 女子50kg契約 5分2R
×原田よき(赤崎道場A-spirit/リーグ初戦)
○杉本 恵(AACC/リーグ初戦→勝ち点3)
判定0-3 (18-20/18-20/19-20)
原田が再三下からの腕十字、足関でチャンスを作るが、杉本が潰してパウンドを時折り当てたことが評価され判定勝ち。敗れはしたが原田も今後のリーグ戦での可能性を感じさせるファイトを繰り広げた。
第8試合 フェザー級 5分2R
△高橋孝徳(和術慧舟會AKZA/環太平洋9位)
△稲葉 聡(秋本道場JungleJunction)
判定1-0 (片岡20-18/福田19-19/田澤19-19)
第7試合 フェザー級 5分2R
×ほしのゆたか(和術慧舟會HEARTS)※星野 豊 改め
○久保村ヨシTERU(飛翔塾コンドル)
2R 4’54” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第6試合 54kg契約 5分2R
○飯野タテオ(和術慧舟會HEARTS)
×児玉勇也(トイカツ道場/とらの子レスリングクラブ)
1R 4’45” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※児玉が公式計量でストロー級リミットの52.2kgをオーバーし、当日計量でも54kgでクリアできなかったため、54kgに変更。児玉にコミッションから厳重注意処分が出されている。
第5試合 フェザー級 5分2R
△藤木龍一郎(和術慧舟會AKZA)
△木下タケアキ(和術慧舟會HEARTS)※木下毅顕 改め
判定1-1 (岡田20-19/豊永19-20/横山19-19)
AbemaTV「格闘代理戦争」シーズン2優勝者のユン・チャンミンを、12月にKOした実績のある木下がプロデビュー戦。1R、両者サウスポーでの打撃戦で、長身の木下がやや優勢。空手ベースで伸びがあり多彩な蹴りで印象を残すが、藤木もパンチを返す。
2R、藤木が右フックでダウンを奪い、その後も主導権を維持するが、木下の攻撃をもらった大量の鼻血を出す。木下はパンチを当てて反撃し、グラウンドでパウンドを効かせ藤木を追い詰めるが、藤木は耐えるとバックマウントを奪い返し、裸絞めを狙う。波乱の好勝負はジャッジに委ねられ、三者三様のドローとなった。
第4試合 バンタム級 5分2R
○鬼神光司(ブレイブハート)
×松下祐介(パラエストラTB)
判定2-0 (20-18/20-18/19-19)
第3試合 バンタム級 5分2R
×岩鬼(フリー)
○よしずみ(SHOOTO GYM K’zFACTORY)
判定0-3 (18-20/18-20/18-20)
第2試合 ライト級 5分2R
△宍戸航太(SHOOTO GYM K’z FACTORY)
△ヨシ・イノウエ(パラエストラTB)
判定1-0 (20-19/19-19/19-19)
第1試合 2019年度新人王決定トーナメント1回戦 バンタム級 5分2R
○野尻定由(赤崎道場A-SPIRIT)
×奥平季之(CROW FOREST)
2R 1’56” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
キッズ修斗 女子51kg契約 3分1R
○小助川綾乃(心技館/小6)
×上村依鈴(高本道場/小5)
1R 0’23” フロントチョーク