修斗 12.4 山口 新南陽ふれあいセンター(レポ):GLADIATORバンタム級王者・神田T800周一、修斗ランカー野尻定由とのシーソーゲーム制す。50歳の宮崎“師範代” 清孝、引退戦は毛利昭彦の肩固めで散る。
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
センチャイムエタイジム中野
本場のムエタイ、教えます。初心者、ダイエット目的の方も大歓迎!まずは見学・体験を!
TORAO NATION STATE「プロフェッショナル修斗公式戦山口大会 TORAO 28」
2022年12月4日(日)山口・新南陽ふれあいセンター
レポート:井原芳徳 中継:ツイキャス(前売3,000円、当日3,500円)
第10試合 67kg契約 5分2R
○毛利昭彦(毛利道場)
×宮崎“師範代” 清孝(有永道場 Team Resolve)
2R 2’04” 肩固め
中四国地方で開催されているプロ修斗・TORAOシリーズ。山口大会は4年半ぶりの開催となる。今回のメインイベントは周南の毛利道場の代表の47歳の毛利と、宇部の有永道場の50歳の宮崎による、山口のベテラン勢同士の対戦となった。山口では練習相手が少ないことから両者共に練習していたこともある。宮崎が引退試合の相手として、MMAキャリアでは先輩の毛利を指名した。これまでの大会でも組まれていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期していた。
1R、極真空手出身の宮崎が前に出て、左フック、右ローをヒット。宮崎はケージの中を広く使ってステップして距離を取る。中盤、毛利が右の前蹴りを放つと、宮崎は蹴り足をつかんで倒すが、毛利が下から腕をつかんで関節技を狙うと、宮崎は嫌ってスタンドに戻す。終盤、スタンドの攻防が続き、毛利の左ジャブ、右前蹴りがやや目立つようになるが、残り20秒、宮崎の右フックで毛利がひるんで、金網際に後退。宮崎はさらに左ストレートも当て、毛利のタックルを潰して鉄槌を連打して終える。
2R、宮崎は変わらず前に出て右ローを随所でヒット。カーフキックも絡め、じわじわ毛利にダメージを蓄積させる。だが宮崎が右ローを蹴った後に少しガードが下がった隙を突き、毛利がワンツーでの右ストレートを当て、宮崎はダウンする。毛利は金網際で上になり、マウントを奪うと、肩固めを仕掛け、最後はサイドに移って絞め上げると、宮崎の腕がダランとなって落ち、岡田レフェリーがストップした。意識の戻った宮崎は立ち上がると毛利と抱き合い笑顔を浮かべた。
マイクを持った宮崎は「最後は思いっきりやって、いい結果を残したかったですけど、毛利さん強かったです。でも楽しかったですね。32年間、武道やって格闘技やって、仲間に恵まれて楽しかったです」と話し、試合を受けた毛利や、関係者・家族らに感謝の言葉を述べ、「これからは修斗・格闘技・武道を通じ、世界がもっと楽しく平和になるように色んな活動をしていきたいです。これからも皆さまの応援をよろしくお願いします」とアピールし、場内は大きな拍手で包まれた。
第9試合 バンタム級 5分3R
×野尻定由(赤崎道場A-spirit/世界9位)
○神田T800周一(パラエストラ広島/GLADIATOR同級王者)
判定0-3 (安芸28-29/岡田27-30/加藤28-29)
野尻は7月の大阪大会で青柳洸志に3R KO勝ちして以来の試合。神田は昨年12月のTORAO広島大会でキシシに判定勝ち。今年は大阪でのGLADIATORで2試合戦い、1月大会ではパンクラスのランカーの土肥“聖帝”潤に判定勝ちし、5月のGLADIATORバンタム級王座決定戦では福島啓太に判定勝ちしベルトを巻いた。パンツの前面には大きくGLADIATORの文字が入っている。
試合は今大会唯一の3回戦にふさわしい、高いレベルでの一進一退の攻防に。
1R、野尻がオーソドックス、神田がサウスポーで構えての打撃戦が続く。神田の左ミドルが若干目立つものの、お互い有効打は乏しい。中盤からは神田が野尻を金網に押し込む状態が続く。時折タックルや足掛けで倒そうとするもなかなか倒せなかったが、終盤、野尻が右のバック肘の奇襲に失敗し背中を向けてしまうと、神田がバックに回り込むと、足を掛けて倒す。野尻はすぐ立つが、神田が背後からしがみついたまま終える。記者採点もジャッジ3者も神田。
2R、神田がプレッシャーをかける時間が長く続き、随所で左ミドルをヒット。中盤にはタックルを仕掛け、金網に押し込んでから倒す。バックを取るが、野尻はもがいてスタンドに戻す。それでも執拗に神田が野尻を金網に押し込み、主導権を維持する。終盤には背後に回り込みつつ、グラウンドに引き込む。だが野尻は背後の神田に足を組ませず、体をひねって上に。すると素早くマウント、バックと動き、キープしたままパウンドを当て、裸絞めも狙って挽回する。神田は終了のブザーまで耐える。記者採点は野尻。ジャッジは割れ、1者は記者同様に最後にチャンスを作った野尻を支持したが、2者は長時間主導権を維持した神田を支持する。
3R、神田は序盤から野尻を押し込むが、耐えた野尻は突き放すと、右フックを当てて神田をひるませ、組んで払い腰で倒して、すぐさまマウントを奪う。だが神田はすぐブリッジで返して上になる。スタンドに戻り、神田が押し込む展開と離れての打撃戦が繰り返される。終盤、野尻が左ボディを当てると、少し苦しそうな様子を見せた神田がタックルを仕掛けるが、野尻は切りながら腕を巻き込みアームロックを仕掛ける。しかし野尻は対処し、体をひねってサイドを奪うことに成功。左肘を少し当てるが、すぐ野尻が動き、野尻がタックル倒そうとしたところで終了する。
記者採点は打撃と関節技で多くチャンスを作った野尻。合計28-29で野尻。3Rもジャッジが割れ、1者は野尻を支持したが、2者は神田を支持し、合計点で3者とも神田が上回り、神田の判定勝ちとなった。記念撮影で神田はGLADIATORのベルトを肩に掛けつつ、2人の子供たちも抱えて勝ち誇った。野尻は修斗世界バンタム級9位のため、神田のランキング入りは確実となった。
第8試合 藤井惠プロデュース 女子49kg契約 5分2R
△宝珠山[ほうしゅやま]桃花(赤崎道場A-spirit)
△古賀愛蘭[あいら](BURST)
判定0-1 (安芸19-19/岡田18-20/加藤19-19)
日本女子MMA界のパイオニア・藤井惠氏のプロデュースの女子の試合が4試合組まれた。藤井氏は山口の隣の広島県福山市のBURSTで指導すると共に、AACC時代の後輩・浜崎朱加らトップ選手にも指導し、RIZINの中継の解説者としても知られる。
宝珠山と古賀の一戦は1R、序盤から宝珠山が右ストレートを当てて古賀をダウンさせる。古賀はすぐ立って金網に宝珠山を押し込む。膠着ブレイクがかかる場面もあったが、古賀が終盤まで押し込みを繰り返し、テイクダウンも3度奪い、離れればパンチを返し、主導権を維持する。ジャッジは割れ、2者が序盤にダウンを取った宝珠山を支持したが、1者はテイクダウンを繰り返したパンチも当てた古賀を支持する。
2Rも古賀が金網に宝珠山を度々押し込み、テイクダウンは奪えなくなったが、離れればパンチを的確に度々当て主導権を維持。2Rのポイントを奪ったが、1R冒頭のダウンが響きドローとなった。
第7試合 闘裸男 寝試合(グラップリング) 73kg契約 5分2R
△森戸新士(LEOS JIU JITSU ACADEMY)
△白木アマゾン大輔(CARPE DIEM HOPE NAGOYA)
時間切れ
1R、白木がタックルを仕掛け、森戸はさほど抵抗せず引き込むようにして下に。中盤、白木がパスガードを狙ったが、森戸は防御しガードの中に戻す。終盤、森戸が足を登らせようとすると、白木は嫌って立ち、スタンドに戻す。最後も森戸が引き込み、下になって終える。
2R、森戸は序盤からまたも引き込むが、白木はすぐスタンドに戻す。森戸はまたも引き込んで下になり、首を抱え三角絞めを狙うが、これも白木は対処し立つ。中盤、立った状態のレスリングの攻防から、またも森戸は飛びつくが、白木は振りほどく。終盤、金網際のスクランブルから上になった森戸が、足をつかみつつ、ハーフ、サイドと動き、ハーフからヒールフックを極めるが、白木は耐えて終了。最後は森戸がチャンスを作ったが、時間切れとなり規定によりドローとなった。
第6試合 フライ級 5分2R
×秋山 翼(毛利道場)
○有本亮我(ゴンズジム)
2R 0’58” KO (レフェリーストップ:右フック)
秋山はこれが引退試合。1R、序盤から有本が金網に押し込み、脇を差して倒し、ハーフガードで押さえ続け、時折肘とパウンドを当てる。終盤にはバックから押さえコントロールする。2R、序盤のスタンドの打撃戦で、秋山がパンチを振って前に出てきたが、有本はかわして右フックを2連続で当ててダウンを奪い、そのまま鉄槌を連打しフィニッシュした。
第5試合 ウェルター級 5分2R
○墨吉涼太(誠流会館)
×久保昌弘(帯広レスリングクラブ)
1R 0’55” KO (レフェリーストップ:左フック)
1R、開始すぐから久保が前に出るが、墨吉は回ってかわし続ける。久保はパンチを振うとガードが甘くなり、墨吉が左フックをアゴに当ててダウンを奪い、パウンドを追撃しかけたところでレフェリーがストップした。
第4試合 フェザー級 5分2R
×紀州(ASH)
○HAMMER KATU(有永道場TeamResolve)
2R 1’14” KO (右ストレート)
1R、スタンドでお見合いが続くが、随所でKATUは右フック、ボディを当て、やや優位。2R、プレッシャーをかけ続けると、右ストレート一発で紀州を見事KOした。
第3試合 藤井惠プロデュース 女子49kg契約 5分2R
×和田千聖(毛利道場)
○川西茉夕(BURST)
1R 4’10” アームロック
1R、和田がサウスポーからの左テンカオを当てるが、川西はすぐ組み付き、金網に押し込みテイクダウンに成功。サイドで押さえ、上四方に回りつつ腕をつかまえ、ガッチリ極めタップを奪った。
第2試合 フライ級 5分2R
×植木“令和” 新(シューティング宇留野道場)
○若宮龍斗(Personal Styles)
判定0-3 (安芸17-20/小島17-20/加藤17-20)
長身のサウスポー、若宮が1R、左ストレートでダウンを度々奪い植木を圧倒。2R、植木がタックルで倒してから金網際で押さえ続けるが、その先に持ち込めない。終盤に若宮がスタンドに戻し、タックルを切って押さえながらパウンドを当てて好印象を残し判定勝ちした。
第1試合 藤井惠プロデュース アマチュア修斗トライアウト 女子アトム級 3分2R
○上瀬あかり(毛利道場)
×本村 結(CARPE DIEM福岡)
1R 0’42” KO (レフェリーストップ)
上瀬はジュニア修斗や空手道禅道会の大会等で度々優勝し、地元山口の高校のレスリング部に所属する高校3年生。8月のDEEP大阪大会のアマチュア戦にも出場し、1Rマウントを奪ってからの腕十字で一本勝ちしていた。今回も素質の高さを印象付け、開始すぐから右ストレート、左ミドル、ハイを何発も当て圧倒し、金網に詰めてのラッシュを続けたところでレフェリーがストップした。
オープニングファイト 藤井惠プロデュース アマチュア キッズ1 20kg級 2分1R
×山本恵愛(TEAM AGENT)
○佐々木咲耶[さくや](BURST)
1R 1’07” 腕十字固め
佐々木信治・藤井惠夫妻から格闘技の英才教育を受ける咲耶が、開始すぐから山本をタックルを倒し、サイド、マウントとスムーズに移行し、腕十字を極め快勝。キッズ修斗初戦からの連続フィニッシュを6に伸ばした。