DEEP☆KICK 7.24 大阪 176BOX(レポ):竹内皇貴と慎太郎が-65kg挑戦者決定戦に進出。進撃の祐基が-70kg王者・稲井良弥への挑戦権
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DEEP☆KICK ZERO 03 & 04
2022年7月24日(日)大阪・176BOX
記事提供:DEEP☆KICK実行委員会(レポート:布施鋼治 写真:石本文子)
DEEP☆KICK ZERO 3
DEEP☆KICK ZEROは7月24日、大阪・豊中176BOXで行なわれ、本戦5試合オールKO決着という神がかった大会となった。メインイベントとセミファイナルでは-65kg挑戦者決定トーナメント準決勝2試合が行なわれ、竹内皇貴と慎太郎がそれぞれ勝ち名乗りを受けた。両者は9月25日に決勝を争う。
第5試合 メインイベント DEEP☆KICK-65kg挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
×中澤 友(ビンチェレあべの)
○竹内皇貴(チームドラゴン)
3R 2’59” TKO
メインイベントは中澤友vs竹内皇貴のDEEP☆KICK-65kg挑戦者決定戦準決勝戦。1Rからやりあう両者。テコンドー出身の中澤が左ハイで揺さぶりをかければ、竹内はそれを腕でブロック。右ミドルや間合いを詰めてのテンカオ(カウンターの右ヒザ)で攻め込む。
2Rになると、中澤はスーパーマンパンチっぽい左ストレートに活路を見出そうとするが、フィジカルの差は歴然。同じ-65kg級とは思えないほど、竹内の方が体格では勝っていた。その差を活かして竹内はミドルの連打やインローでさらに削りにかかると、中澤は失速し始めバランスが崩れる場面が目立つようになる。
それでも2R終了時点のオープンスコアは1-1とイーブンだったが、3Rになっても竹内優勢の流れは変わらない。ミドルとテンカオで中澤にさらにダメージを与える。ヘロヘロになりながら何とか持ちこたえる中澤に対して、ラウンド終了間際竹内はコーナーで目が覚めるような飛びヒザ蹴りを中澤の顔面にヒットさせメインイベンターの大任を果たした。
決勝進出を決めたチームドラゴンの雄は「ここからあとふたつ(2試合)勝ち抜いてチャンピオンベルトをとるんで、次(9月25日の決勝)も絶対見に来てください」と元気よくマイクアピール。常勝軍団は西で復活の狼煙をあげた。
第4試合 セミファイナル DEEP☆KICK-65kg挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○慎太郎(team Bonds)
×浅居悠太(Team U.E)
2R 0’08” TKO
セミファイナルでは慎太郎vs浅居悠太という、もうひとつの-65kg挑戦者決定トーナメント準決勝が組まれた。1R、オーソドックスの慎太郎が右ミドルを放つと、サウスポーの浅居はやや強引に左ストレートをヒットさせる。勝負の振り子は2分過ぎに動いた。ミドル、ストレートと右のアタックで試合の流れを掴んだ慎太郎は右ボディストレートから右ヒザを連打してダウンを奪う。2Rになっても、ダメージが残る浅居に慎太郎はとどめの右を打ち込みKO勝ちを飾った。
試合後、マイクを握った勝者は「去年は負けてばかり。勝てなくて悩みました。今回トーナメントをとって(優勝して)、言いたいことを言う」と力強く語った。注目の決勝戦は9月25日にテクスピア大阪で開催されるDEEP☆KICK63で争われる。
第3試合 53kg契約 3分3R
○山川敏弘(Maynish KICKBOXING)
×吉田亮汰朗(BKジム)
2R 2’10” TKO
滋賀県のMaynish KICKBOXING GYMに所属する山川敏弘が第3試合に登場し、BKジムの吉田亮汰朗と激突した。吉田のセコンドには“人獣”中村寛がつく。1R、サウスポーの吉田に対して、オーソドックスの山川は右ストレートで攻め込む。吉田は反時計回りをしながらローや左ミドルで反撃する展開に。
続く2R、肩の動きでフェイントをかけながら山川は右ボディストレートで先制のダウンを奪う。立ち上がってきた吉田に対して右ミドルの連打でさらにボディにダメージを与え、右ヒザを突き刺す。そして再び右ボディストレートで2度目のダウンをとる。あとがない吉田は必死に打ち合いに持っていこうとするが、山川はタイミングを見計らっての痛烈な右フックでKO勝ちを収めた。
第2試合 63kg契約 3分3R
×石田 迅(LEGEND GYM)
○杉山遼平(Team FIST)
1R 0’53” TKO
1R開始早々、杉山遼平は左ハイ、飛びヒザ蹴り、左ストレートを矢継ぎ早に繰り出し、石田迅に思い切り強いプレッシャーをかける。さらに力強いワンツーから左ハイ。この時点で明らかにダメージのある素振りを見せた石田のボディに痛烈なヒザ蹴り一閃。この一撃で石田は腹を抱え込むように苦悶の面持ちでダウンを喫した。
なんとか立ち上がってきた石田に杉山は左ボディフックやハイで追い打ちをかけ、とどめは左ミドル。如何なくボディの殺し屋ぶりを発揮し、1R53秒、インパクト大のKO勝ちを収めた。63kg級戦線の台風の目になるか。
第1試合 RISE公式戦 女子51kg契約 3分3R
○きたりこ(FFT)
×Marina(健心塾)
3R 1’53” TKO
本戦第1試合ではFFT期待のきたりこがプロデビューし、-51kg契約で浅倉カンナ似のMarinaと対戦した。1R、きたりこは遠い間合いからのインローでMarinaの下半身を削っていく。さらに強いプレッシャーをかけ続け、ラウンド終了間際には先制のダウンを奪う。2Rになっても、きたりこの勢いは止まらない。痛烈なストレートでMarinaのアゴを上げ、窮地に追い込む。
3Rになると右ストレートで2度目のダウン。驚異的な粘りを見せるMarinaは立ち上がったが、その後連打をまとめられるとレフェリーに試合を止められた。
プロデビュー戦で当たり前のように倒せる、15歳の女子が誕生した。末恐ろしい逸材だ。
〈オープニングイベント〉NEXT☆LEVEL提供試合
オープニングファイトは『NEXT☆LEVEL提供試合』が5試合組まれたが、そのうち4試合が女子のマッチメークだった。
MVPは川崎海月を破り、NEXT QUEEN-48kg級王座を奪取した小川紗南(写真右)だろう。夫はHOOST CUPスーパーライト級など数々の王座を奪取した小川翔(写真左)。ジムで出会い意気投合し、結婚したという。
1R、小川は前蹴りで川崎を突き放し、フィジカルの強さを見せつける。その後は組んでからのヒザ蹴りとローキックで圧倒。続く2Rになっても、小川の勢いは衰えずヒザ蹴りの連打に加え、左アッパーで追い込む。3R、ベースとなる空手の片鱗を見せつけるかのように、力強いワンツーからのローで勝負を決定づけた。試合後は夫と仲良くツーショットに収まった小川。プロデビューを果たし、夫婦で同じ大会に出場することになれば話題を呼びそうだ。
他のオープニングファイトでは大滝ももをTKOで沈めたフィジカルが優れた大山菜摘、松﨑夢結華から左ストレートでダウンを奪った中山清葉の動きが目立っていた。
OP第5試合 NEXT QUEEN-48kgタイトルマッチ 1分30秒3R
○小川紗南(OISHI GYM)
×川崎海月(健心塾 泉大津支部)
判定3-0(30-28/30-27/30-28)
※小川が王者に
OP第4試合 -36kg契約 1分30秒2R
○石塚龍史郎(一心会)
×山田十魂(山口道場)
判定3-0(20-19/20-18/20-19)
OP第3試合 -43kg契約 1分30秒2R
○中山清葉(Team Free Style)
×松﨑夢結華(Team U.E)
判定3-0(20-17/20-17/20-17)
OP第2試合 -52kg契約 1分30秒2R
○大山菜摘(Continue)
×大滝もも(誠輪ジム)
2R 0’50” TKO
OP第1試合 -32kg契約 1分30秒2R
○北野ひなた(楠誠会館)
×稲田晴子(拳之会)
判定3-0(20-19/20-19/20-19)
DEEP☆KICK ZERO 4
7月24日に大阪・豊中176BOXで行なわれたDEEP☆KICK ZERO 04は同じ会場で昼の部として行なわれたZERO 03に続いて第3試合まで連続KOという盛り上がりを見せた。その後はクロスゲームが多く、判定を聞くまでどちらが勝つかわからない接戦が多かった。シーソーゲームもキックの醍醐味のひとつだ。次回DEEP☆KICKは9月25日、ホームといえる泉大津のテクスピア大阪で行なわれる。
第6試合 メインイベント DEEP☆KICK -70kg挑戦者決定トーナメント決勝 3分3R(延長1R)
○進撃の祐基(京都亀岡キックボクシングジム)
×龍威地[りゅういち](ARENA)
判定3-0(30-28/30-27/30-28)
ZERO 04のトリでは進撃の祐基と龍威地によるDEEP☆KICK-70kg挑戦者決定トーナメント決勝戦が組まれた。1R、身長が9㎝も高い祐基は左ミドルの連打からロー。さらに左のミドルハイを龍威地の肩口にヒットさせる。龍威地がローブローを受け試合が中断する場面もあったが、1Rは手数で祐基がとってもおかしくないラウンドだった。
2Rになると龍威地は前に出て右ミドル。これを祐基はヒザでカットし、ミドルやヒザで応戦する。このラウンドまでのオープンスコアは二者が20-20とイーブンで、残るひとりは20-19で祐基を支持していた。
3R、祐基は左フックで先制のダウンを奪うが、そのまま試合が彼に傾くことはなかった。その後少なくとも2ポイントはビハインドの龍威地は怒濤の逆襲に転じ祐基をグラつかせる。龍威地が右を効かせると、ロープを背にした祐基が動けなくなってしまう場面も。絶体絶命のピンチ。ここぞとばかりに龍威地はパンチの4連打で追い打ちをかける。祐基はダウン寸前といっていいほどのダメージを受けていたが、驚異的なタフネスぶりを見せ、倒れることなく3R終了のゴングを聞いた。判定は明確なダウンを奪ったポイントがモノをいって3-0で祐基。正直、2Rまでは静かすぎる試合展開だったが、3Rになってから試合は一気にヒートアップした。9月大会で祐基は第4代王者の稲井良弥(TARGET)に挑戦する。
第5試合 セミファイナル DEEP☆KICK -63kg挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○足利也真登[やまと](Fight Club Rush)
×奥山雅仁(OISHI GYM)
判定3-0(30-29/28-30/30-29)
今年3月には痛烈な右で久保田有哉を倒したOISHI GYMの奥山雅仁がDEEP☆KICKに再登場を果たし、FightClubRushの足利也真登と-63kg挑戦者決定トーナメント準決勝を争った。奥山は去る6月に村田義光を撃破しシュートボクシング認定日本ウェルター級王者になった奥山貴大の実弟だ。
1R、奥山は左ジャブで足利のアゴを上げグラつかせる。しかし負けじと足利は右を返すなど、奥山に試合の流れを渡さない。
2Rになると、足利は持ち前のパワーを活かしワンツーからさらにパンチの4連打を見せる。奥山が右ハイを打つと、それをかわしてワンツー。相手の攻撃が一瞬効いた感もあったが、足利は前進を止めない。
3Rになると序盤から激しくやり合う奥山と足利。奥山がローで攻めれば、足利はパンチで応戦する。見方によっては延長戦、あるいは奥山に挙がってもおかしくない流れだったが、ジャッジは2-1で足利を支持した。
試合後、マイクを握った足利は「皆さん、元気ですかぁ~」とシャウト。続けて「スカッと勝ちたかった。僕は36歳だけど、まだまだオッサン負けへんでというところを見せたい」と決勝に向けての抱負を語った。
第4試合 55kg契約 3分3R
○繁那[ばんな](R.S-GYM)
×相良一志(究道会館)
判定3-0(30-28/30-29/30-28)
第4試合には“西のバンナ”ことプロ3戦全勝(1KO)と快進撃を続けるR.S-GYMの繁那(ばんな・本名)がリングイン。究道会館の相良一志と対戦した。1Rから繁那は爆発力を感じさせる右やワンツーを見せ、試合の主導権を握る。2Rになると、相手のボディにフックを集中砲火。相良を窮地に追い込む。
3R、あとがない相良は打ち合う勇気を見せたが、試合の流れを変えるまでには至らない。西のバンナが文句なしの勝ち名乗りを受けた。
第3試合 63kg契約 3分3R
○久保田有哉(TARGET)
×龍聖(健心塾)
2R 2’21” TKO
今年3月にDEEP☆KICKで黒星デビューを喫したTARGETの久保田有哉が捲土重来を期してDEEP☆KICKに再登場し、NJKF健心塾の龍聖と拳を交わした。普段はワンツーを軸に試合を組み立てることが多いという久保田だが、この日はそれほど練習していない右の単打を中心に試合の流れをたぐり寄せる。
2R、プレスを強くした久保田はセコンドの「油断するな!」というゲキを背にアッパーでダウンを奪う。ダメージのある龍聖にさらにパンチで追い打ちをかけ、左で2つ目のダウンをとる。とどめは右ヒザ!
「KOで終わらせます」という公約通りのフィニッシュで場内をヒートアップさせた。
第2試合 60kg契約 3分3R
×北 珠偉(千空館)
○東 蒼馬(PLACE-K)
1R 2’38” TKO
1R、千空館の北珠偉は左ストレートをスマッシュヒットさせ、PLACE-Kの東蒼馬を後退させる。その後東は左で盛り返し、そのまま左ストレート一閃。北は音を立ててキャンバスに崩れ落ちた。明らかにダメージのある北に対して、東は前足でフェイントをかけながらさらに左フックで追い打ちをかけ引導を渡した。東は石川県金沢市出身で、絵に書いたようなイケメン。-60kg級戦線で浮上してくるか。
第1試合 51kg契約 3分3R
×長船ライオン(心将塾)
○髙木雅己(誠至会)
3R 1’14” TKO
本戦第1試合ではNJKF誠至会期待の髙木雅己がうれしいプロ初勝利を飾った。2R、左ミドルからのワンツー、さらに踏み込んでからのテンカオからの左ストレートを放つと、長船ライオンは失速。チャンスとばかりに高木は左フックで追撃すると、長船はさらに後退を余儀なくされる。オープンスコアは三者とも20-18で高木。3Rになると、高木は右でダウンを奪った勢いで、最後は痛烈なワンツーで長船のセコンドからタオル投入を呼び込んだ。ルックスはK-1で活躍中の不可思に激似。“西の不可思”として売り出すか。
〈オープニングイベント〉NEXT☆LEVEL提供試合
ZERO 04のオープニングファイトでもNEXT☆LEVEL提供の5試合が組まれた。こちらはオール男子。そのうち3試合は関西一般の王座決定戦が組まれたが、山本槻を判定で撃破した及川道場の近藤大晟の動きが際立っていた。軽快なワンツーを打ったかと思えば、山本の右ストレートをしっかりとよける。2Rになるとボディフックを駆使して相手のスタミナを削っていく。3R終盤になると、ヒザでまとめてジャッジに好印象を与えた。プロデビューが待ち遠しい逸材だ。
ほかにはちびっこキック時代からキャリアを積み重ねている川﨑海宗や横山大翔の卓越した試合運びが目立っていた。関西のアマチュア界にはダイヤモンドの原石があまた眠っている。
OP第5試合 NEXT☆LEVEL関西一般-65kg王座決定戦 1分30秒3R(延長1R)
×山本 槻(Vigor Kickboxing Gym)
○近藤大晟(及川道場)
判定0-3(28-30/29-30/28-30)
※近藤が王者に
OP第4試合 NEXT☆LEVEL関西一般-60kg王座決定戦 1分30秒3R(延長1R)
○川﨑海宗(W-BEAST)
×近藤 龍(猛志會)
判定3-0(30-28/30-27/30-28)
※川崎が王者に
OP第3試合 NEXT☆LEVEL関西一般-55kg王座決定戦 1分30秒3R(延長1R)
○横山大翔(拳心会館)
×柴田聖輝(魁塾)
判定2-0(30-28/29-29/30-28)
※横山が王者に
OP第2試合 -40kg契約 1分30秒2R
△大久保光将(MONSTER JAPAN)
△石井鉄汰(昇龍會)
判定0-1(19-19/19-20/19-19)
OP第1試合 -70kg契約 1分2R
○マイク(魁塾 中川道場)
×山口 陸(健心塾)
判定3-0(20-18/20-19/20-18)