K-1 4.3 代々木第一体育館(レポ/無差別トーナメント):最軽量のサッタリがK-Jee、京太郎、谷川聖哉を撃破し優勝
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
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K-1 WORLD GP 2022 JAPAN ~K’FESTA.5~
2022年4月3日(日)国立代々木競技場第一体育館
レポート&写真:井原芳徳 (ワンマッチは別記事でお伝えします)
93年第1回K-1 GPの開催地に、K-1が帰還。K-1 WORLD GP 2022 K-1無差別級トーナメント
「K-1年間最大のビッグマッチ」をテーマに春の恒例行事となりつつあるK’FESTA(ケーズフェスタ)は今回が5度目。代々木競技場第一体育館は93年4月30日に第1回K-1 GPが開催された会場。現体制のK-1は2014年に第二体育館で旗揚げしたが、第一体育館での大会は旗揚げ約8年で初となる。昨年1月に第一体育館大会が予定されていたが、新型コロナウイルス緊急事態宣言の影響で延期・会場変更となっていた。
満を持してのK-1代々木第一大会は、K-1の原点ともいえる無差別級の8人トーナメントが目玉に。ただし日本人中心ということもあって、王座を懸けたトーナメントとはならない。
第1試合 リザーブファイト 3分3R(延長1R)
○加藤久輝(West A/ALIVE/元HEAT MMAミドル級王者)
×愛鷹 亮(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Bigbangヘビー級王者)
3R 1’05” KO (左ストレート)
1R、加藤がサウスポーで構え、左ボディ、ローを散らしつつ、終盤は左ストレートを増やして愛鷹を苦しめる。記者採点は加藤。
2Rも加藤がパンチと蹴りを当て続け主導権。だが少し疲れが見え、威力はやや落ちている。記者採点は加藤。
3R、加藤が変わらずパンチと蹴りを当てて愛鷹を削ると、中盤、愛鷹が右フックを空振りした直後、加藤が左のジャブ気味のストレートをヒット。愛鷹はダウンすると動けず、すぐにレフェリーがストップした。
第2試合 一回戦(1) 3分3R(延長1R)
×ANIMAL☆KOJI(LEGION TOP TEAM/ALIVE)
○谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
判定0-3 (岡田29-30/水谷29-30/梅木29-30)
1R、パンチを狙うANIMALに、谷川が右膝、ミドル、ローを散らしつつ、右ハイも当て主導権。記者採点は谷川。
2R、谷川は左ミドル、右ミドルを絡めつつ、右ローを当て続け、終盤にはANIMALの足が流れるように。だがANIMALも随所で左右のフックを当て、攻められっぱなしとはならない。記者採点はイーブンだが谷川の可能性もある。
3R、ANIMALは右ローを当てつつ、ハイにもつなげる場面も。だがヒットは減り、ANIMALを追い詰めるほどにはならない。記者採点はイーブン。合計29-30で谷川。ジャッジ3者も同じ採点で、谷川が判定勝ちで初戦を突破した。
石井慧、初戦KO突破も肋骨負傷で準決勝に進めず
第3試合 一回戦(2) 3分3R(延長1R)
○石井 慧(クロアチア/チーム・クロコップ/2008年北京五輪柔道男子100kg超級金メダル、HEAT MMAヘビー級王者、元IGF同級王者)
×実方宏介(真樹ジムAICHI/Bigbangヘビー級王者)
2R 1’02” KO (2ダウン:左フック)
1R、サウスポーの石井がプレッシャーをかけ、中盤過ぎに左のオーバーハンドフックをクリーンヒットし、実方をひるませる。実方も右ミドル、三日月蹴りを返すが、石井の圧は落ちない。記者採点は石井。
2R、実方も右のミドルを当てるが、石井が左のオーバーハンドでダウンを奪取。実方のダメージは大きく、再び石井が左のオーバーハンドを当てて2ダウン目を奪ってKO勝ちした。だが終了直後から、石井は手で胸を押さえながら、うめき声を度々上げており、実方の蹴りで肋骨を痛めた様子。準決勝進出に暗雲が立ち込め、その後、ドクターストップが発表された。
京太郎、サッタリはKOで初戦突破
第4試合 一回戦(3) 3分3R(延長1R)
○京太郎(チーム未完/元K-1ヘビー級(100kg)王者、元ボクシングWBOアジア太平洋・OPBF東洋太平洋・日本ヘビー級王者)
×坂本英則(修実館/元J-NETWORK&KROSS×OVERヘビー級王者)
2R 2’11” KO (2ダウン:右フック)
1R、ロー主体の坂本に対し、京太郎も右ロー、左三日月を絡めつつ、時折詰めてパンチを連打する。まだクリーンヒットは無いが攻めている印象を付けるには十分だ。記者採点は京太郎。
2R、京太郎がしばらくしてから圧を強め、コーナーに詰めると、左ボディを効かせつつ顔面にパンチをまとめ、右フックでダウンを奪う。その後も左ボディ等を度々当てて坂本を追い詰め、最後は右フックで坂本をマットに沈め、順当に初戦突破した。
第5試合 一回戦(4) 3分3R(延長1R)
×K-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning/元K-1&Krushクルーザー級(90kg)王者)
○マハムード・サッタリ(イラン/TEAM ŌTA/ICF/Krushクルーザー級(90kg)王者、M-1世界ヘビー級王者)
1R 1’28” KO (左フック)
1R、サッタリが序盤から圧をかけ、スピードのあるパンチを振るいつつ、右のバックスピンキックも放つ。これまでの出場選手とは明らかに違うスピードに、場内はどよめく。フックからハイのコンビネーションでも脅かすと、右ボディを効かせてK-Jeeを下がらせ、右フックと左フックを立て続けにクリーンヒット。真後ろにダウンしたK-Jeeは立ち上がれず、サッタリが圧巻のKO勝ちで軽々と初戦を突破した。
準決勝で谷川聖哉が華麗な右ハイKO勝ち。サッタリは京太郎の剛腕封じ判定勝ち
第11試合 準決勝(1) 3分3R(延長1R)
○谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
×加藤久輝(West A/ALIVE/元HEAT MMAミドル級王者)
1R 2’20” KO (右ハイキック)
一回戦で勝利した石井慧は肋骨を骨折した疑いがあることからドクターストップがかかり、リザーバーの加藤が準決勝に繰り上がった。(石井は病院での診断の結果、肋骨の骨折が判明している)
1R、本戦登場でチャンスを得た加藤が、サウスポーに構えて圧をかけ、コーナーに詰めてのパンチの連打でダウンを奪う。先手を取られた谷川だが、蹴りを多用して距離を取ると、右フックを空振りさせて前傾してから、右ハイを加藤の首筋にクリーンヒット。不意を打たれた加藤は大の字で倒れて立ち上がれず、見事谷川が逆転KO勝ちで決勝に駒を進めた。
第12試合 準決勝(2) 3分3R(延長1R)
×京太郎(チーム未完/元K-1ヘビー級(100kg)王者、元ボクシングWBOアジア太平洋・OPBF東洋太平洋・日本ヘビー級王者)
○マハムード・サッタリ(イラン/TEAM ŌTA/ICF/Krushクルーザー級(90kg)王者、M-1世界ヘビー級王者)
判定0-2 (箱崎29-29/梅木28-30/岡田28-30)
サッタリがトーナメント最軽量の85.20kgなのに対し、京太郎は104.35kg。1R、小柄がサッタリがスピードを活かし、パンチのフェイントからのバックスピンキック、左右のミドル、右ボディ等で京太郎を脅かす。京太郎はパンチを当てさせてもらえない。記者採点はサッタリ。
2R、サッタリは変わらず果敢にパンチやハイを放つが、京太郎も少しずつ目が慣れ、1Rほどはもらわないように。京太郎も少ないながらも右ミドル、ローを返すが、パンチにはつなげられない。記者採点はイーブン。
3R、京太郎が圧をかけ、サッタリが回る構図が続く。京太郎が時折詰めてパンチを連打するが、サッタリも打ち合いでお返しし、少し京太郎をひるませる。最後は京太郎がやや押し気味だが、サッタリはステップで逃げ切る。記者採点はイーブン。合計29-30でサッタリ。ジャッジは2者が2点差でサッタリを支持し、サッタリの決勝進出となった。
最軽量サッタリが無差別級トーナメント制覇。6.19 東京ドーム参戦を中村Pに直談判
第20試合 K-1 WORLD GP 2022 K-1無差別級トーナメント・決勝 3分3R(延長1R)
×谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
○マハムード・サッタリ(イラン/TEAM ŌTA/ICF/Krushクルーザー級(90kg)王者、M-1世界ヘビー級王者)
3R 0’17” KO (右ストレート)
※サッタリが優勝
両者は過去に2度戦い、いずれもサッタリがKO勝ちしている。1R、サッタリは圧力をかけるも、なかなか攻撃を出さかったが、終了間際、右ストレートをクリーンヒットしコーナーに詰め、再び右ストレートを当ててダウンを奪う。
2Rもサッタリは慎重。やや疲れが溜まった影響か?谷川も右のカーフ、ローを時折当てるが、その先につなげられず。またも終了間際にサッタリが圧を強め、右ストレートでダウンを奪う。
3R、序盤からサッタリが右ストレートを軽く当てると、谷川はまたもダウン。ダメージの蓄積が大きい様子で、豊永レフェリーはすぐさまストップし、サッタリのKO勝ちとなった。
優勝を果たしたサッタリは、90年代にK-1 GPを3度制したピーター・アーツから、優勝記念のローレルを贈呈された。マイクを持つと日本語で「6月(19日)、天心と武尊のイベント出ます。中村さん、オッケー?」と中村プロデューサーに直談判し、中村氏を苦笑させた。さらにサッタリはイラン語で「タイトルマッチも実現させてください」とアピールした。
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