Krush 12.18 後楽園ホール(レポ):サッタリ、ANIMAL☆KOJIを30秒で粉砕しKrushクルーザー級王座初防衛「次はK-1のベルト」。新美貴士、篠塚辰樹を2R KO。与座優貴、移籍初戦は左ハイでKO勝ち
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Krush.132
2021年12月18日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
サッタリ、ANIMAL☆KOJIを30秒で粉砕
第10試合 ダブルメインイベント2 Krushクルーザー級(90kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○マハムード・サッタリ[Mahmoud Sattari](イラン/TEAM ŌTA/ICF/王者、M-1世界ヘビー級王者)※サッタリ・ウィラサクレック 改め。ウィラサクレック・フェアテックス・イランから所属変更
×ANIMAL☆KOJI(LEGION TOP TEAM/ALIVE/挑戦者)
1R 0’30” KO (左フック)
※サッタリが初防衛
サッタリは昨年10月からK-1・Krushに上がり、谷川聖哉、加藤久輝をKO。7月のKrushでのクルーザー級王座決定トーナメントでもRUIと谷川をKOし、圧倒的な強さを見せつけベルトを巻いた。今回から所属先を変え、リングネームも本名にして戦う。
ANIMALはDEEP、ONE Championship等で戦って来たMMA選手。昨年11月のK-1初戦ではRUIをKOし、3月の武道館では愛鷹亮に判定勝ちしている。Krush初登場で王座に挑んだが、試合は持ち味を全く出せず、あっという間の決着に。
1R、お互いオーソドックスに構え、開始すぐにサッタリが右ミドルと左ストレートを連続でヒット。再び右ミドルを当ててから、潜り込んでの左フックをアゴにクリーヒットしてダウンを奪う。ANIMALもカウンターで左フックを当てていたがオープンブローで威力は乏しい。倒れたANIMALはダメージが大きく、すぐさまレフェリーがストップした。
圧勝のサッタリはバックステージでのインタビューで「以前から言っているように、次の目標はK-1のベルトです。誰であろうと試合がしたいです。早く試合を組んで欲しいです。来週でもやれます」とコメントした。K-1の同じクルーザー級の王者・シナ・カリミアンもイラン出身、元ウィラサクレック所属だが、「親交はありません」といい「僕とやりたくないなら、ベルトを置いてさっさと逃げて欲しい」と強気にコメントした。
新美貴士、篠塚辰樹を2R KO
第9試合 ダブルメインイベント1 Krushフェザー級(57.5kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○新美貴士(名古屋JKファクトリー/王者)
×篠塚辰樹(MASTER BRIDGE SOUND/挑戦者)
2R 2’57” KO (3ダウン:左膝蹴り)
※新美が3度目の防衛
新美は昨年末のKrushフェザー級王座決定トーナメントを制すと、2月に斗麗に判定勝ち、6月に岡嶋形徒に1R KO勝ちし2度の防衛に成功。9月のK-1横浜大会では軍司泰斗と対戦し、激しい打ち合いを繰り広げるも判定負けに終わっている。12月4日のK-1大阪大会では軍司が椿原龍矢に延長判定勝ちしK-1フェザー級のベルトを奪う出世を果たしている。
元プロボクサーの篠塚はRISEで活躍後、3月からK-1に上がり、元Krushフェザー級王者の小澤海斗に延長判定勝ち。9月のK-1での斗麗戦は自身の怪我により欠場したが、小澤戦での勝利が評価され王座挑戦となった。ANIMAL同様にKrush初参戦で王座に挑む。
1R、開始すぐから篠塚が飛び膝の奇襲を仕掛けるが、新美は防御すると、サウスポーからの右フックでいきなりダウンを奪う。だが篠塚は以降、接近戦で左ボディを散らしつつ、パンチを顔面に度々ヒット。新美はブロックを続けるが、隙間やガードの上からパンチを時折もらい印象が悪い。10-8ではなく10-9になっても不思議ではない。
2Rも篠塚がしばらくパンチを当てていたが、新美はしつこく左のインローを返していると次第に効き目を発揮する。篠塚は圧力が弱まり、パンチが減る。すると新美はインローと左ミドルのヒットを増やし、顔面へのパンチも当てて篠塚を下がらせると、コーナーに詰めての左テンカオでダウンを奪う。篠塚は立ち上がるがダメージが大きく、新美が再び左テンカオでダウンを奪う。最後はロープに詰めて右フックでひるませてから、崩れる篠塚の顔面に左の膝を叩き込んでマットに沈めた。
新美は「篠塚選手が試合前から盛り上げてくれて、注目される試合でした。いきなり挑んできたんで、負けるわけにはいかなかったので なんとか勝ててホッとしています。今日、軍司選手が実況していますけど、リベンジしてその(K-1)ベルトを奪いたいです」とアピールした。
第8試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
×橋本実生(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
○野田 蒼(月心会チーム侍/K-1甲子園2020 -55kg優勝)
不戦勝 (橋本の体調不良)
橋本が前日計量の前に脱水症状を起こし、計量をクリアした野田の不戦勝に。勝ち名乗りを受けた野田はマイクを持つと「ファンがどうしても見たいならこの試合をやるつもりです。僕はチャンピオンになって待っているんで、橋本選手、また一から頑張ってきてください」と話した。
第7試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
○松谷 桐(ALONZA ABLAZE/元NJKFフライ級王者)
×峯 大樹(若獅子会館/RKSバンタム級王者)
判定2-0 (山根30-29/岡田30-30/箱崎30-29)
松谷兄弟の兄・桐はNJKF、RISEで頭角を現し、9月のKrushでK-1系に初登場し、豊田優輝に判定勝ちしている。
1R、松谷がサウスポーでプレッシャーをかけ続け、時折左ミドルを当てるが、攻撃が少なく、峯もインローを返すがまだ攻撃が少ない。2Rになるとお互い蹴り数は上がり、やや松谷の蹴りが多いものの、まだ均衡は崩れず。
3R、松谷は蹴り数を増やしつつ、左右のパンチも絡めて巧さを印象付ける攻め。与えたダメージは小さいせいもあってか、ジャッジ1者はイーブンとしたものの、2者が松谷を支持し判定勝ちした。松谷は同階級の橋本と野田の試合中止で存在感を示すチャンスだったが、印象の薄い試合となってしまった。
与座優貴、移籍初戦は左ハイでKO勝ち
第6試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
×蓮實 光(パラエストラ栃木)
○与座優貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/極真会館世界ウェイト制選手権2017軽量級優勝)※橋本道場から所属変更
2R 0’17” KO (左ハイキック)
与座は空手の極真会館のトップ選手として活躍後、キックに転向し、INNOVATION、KNOCK OUT(REBELS)を主戦場に、稲石竜弥、久保政哉らに勝利。戦績11戦9勝(4KO)2敗の23歳。職場の都合を理由に福生の橋本道場から相模大野のKRESTに移籍し、今回が初戦だ。セコンドにはKRESTのコーチ陣以外に野杁正明もつく。
1R、与座が時折スイッチしつつオーソドックス主体で、左ミドル、右のカーフキックを度々ヒット。終盤にはカーフを効かせつつ、左フックも当てる。蓮實はパンチ主体でなかなか当てさせてもらえない。
すると2R、開始しばらくしてから、与座が左ミドルを当てた後、左ハイを蓮實の首筋にクリーンヒット。蓮實は動けず、与座が衝撃的なKO勝ちでK-1系初戦を白星で飾った。
マイクを持った与座は「K-1チャンピオンになるためにK-1グループに来ました。一人一人倒してチャンピオンなります。極真時代に世界一になっている東京体育館での2月(27日の)K-1に出場させてください」とアピールした。
第5試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
דDYNAMITE”髙橋佑太(Y’ZD GYM/元UKFイーストアジア&蹴拳ライト級王者)
○西元也史(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
2R 1’27” KO (3ダウン:右ストレート)
髙橋は36歳でキック戦績45戦19勝(9KO)22敗4分。14年前の07年にJ-NETWORKでプロデビューし、10年からKrushに上がり、デビュー間もない佐々木大蔵にも勝利。しばらくムエタイが主体となり、16年にKrushに戻るが、レオナ・ペタスや島野浩太朗に敗れる。右足の怪我の影響で19~20年はプロボクサーとなり3戦1勝2敗の戦績を残し、今回キックに復帰する。対する西元は今年、SATORU成合とMOMOTAROを連続KOしたが、9月のK-1では村越優汰に判定負けしている。
試合は第一線のK-1・Krushの厳しさを、西元が髙橋に教えるような内容に。1R、髙橋は細かく蹴りとパンチを当てるが、西元が圧力をかけ続け、左テンカオ、右ボディを随所で強打し、髙橋は少しうずくまる。2R、西元が右ボディを効かせると、右ストレートも当ててコーナーに詰め、パンチの連打から左フックでダウンを奪う。髙橋はダメージが大きく、西元が軽く当てた右ストレートで2ダウンを重ねてKO勝ちした。
第4試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○寺田 匠(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
×松山勇汰(TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO/K-1甲子園2020 -60kg優勝)
1R 2’22” KO (左フック)
3戦全勝・20歳の寺田と、2戦2勝・18歳の松山の新鋭対決。1R、サウスポーの松山が左ミドル主体で積極的に攻めるが、寺田が接近戦で左フックを当ててダウンを奪う。松山のダメージは大きく、寺田がパンチラッシュで追い詰めるが、寺田のガードが甘くなると、松山が左の飛び膝の奇襲を決めてダウンを奪い返す。しかし松山はダメージが抜けず、寺田が再び左フックでダウンを奪うと、松山は大の字で倒れ、レフェリーがストップした。
マイクを持った寺田は「デビュー戦から最速でチャンピオンなるんで、次、2月ぐらい、中村プロデューサーよろしくお願いします」と、王座挑戦を希望した。
第3試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×稲津航大(K-1ジム琉球チーム琉神/元RKAフェザー級王者)
○犬童 凛(K-1ジム目黒TEAM TIGER)※TEAM TEPPENから所属変更
判定0-3 (梅木25-30/豊永25-30/太田25-30)
※稲津が計量1.2kgオーバー。1R減点2、ファイトマネー30%没収
稲津はムエタイ等で約20戦の経験を経て、昨年12月にKrushに初登場したが斗麗に1R KO負けして以来の試合。だが計量でオーバーしてしまう。対する犬童は稲津と同じく沖縄出身。上京後はTEPPEN GYMに在籍しRISEにも上がっていたが、今回は新天地で再起を図る。現在18歳。
1R、サウスポーの稲津に対し、犬童が度々右ミドルを当てて主導権。2R終盤からは左のカーフキックも効かせ、右ミドルと合わせての蹴り数で大差をつける。3Rも序盤から左のカーフで度々ふらつかせ好印象を残し、3Rともポイントを取り判定勝ちした。
第2試合 女子フライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
×RAN(MONKEY☆MAGIC KICKBOXING STUDIO)
○池内紀子(POWER OF DREAM)
判定0-3 (山根29-30/西村29-30/山崎29-30)
第1試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○加藤 港(ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪)
×河北光生(K-1ジム五反田チームキングス)
判定3-0 (山根30-29/山崎30-29/西村30-28)